2023/11/09 - 2023/11/10
3位(同エリア137件中)
Kちゃんさん
2011年3月の東日本大震災のあと3ヶ月経った6月に気仙沼を訪れて以来、野次馬的なことは承知のうえで被災された気仙沼、陸前高田、志津川、などを毎年訪れてその後の復興具合を見てきました。 今回は昨年訪れなかった陸前高田を中心に訪れました。
ここ数年は各地ともに計画された復興はほとんど成されたのか、すくなくとも見た目的に大きな変化は感じられなくなってきましたが、復興が普段の暮らしとなったそれぞれの街はそれなりの落ち着きも感じられるようです。
最初の5年ほどは、それこそ訪れるたびに景色が変わり、道が変わった、ものですが、次第に大きな変化が見られなくなるにつれ、私の旅のテーマも脚に使うレンタカーの「乗り比べ記」的な内容も増えてきています。 それは脚として一定の距離を走ることによって自身の「次に買う車」の品定めであったり、世間で話題となっている車の体験であったりですが、今回は昨年の「水素」に続いて代替エネルギー車として「電気」の可能性を探りました。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 3万円 - 5万円
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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朝の仙台駅です。
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最近あちこちの観光地や都市でこんなカンバンが見られるようになりました。
つい撮ってしまうのは思うつぼにはまっている? -
駅西口から歩いて7分~8分。
警察横の駐車場に今回使わせて頂く車が有りました。
トヨタのEV。 2035年には全面EVシフト、等といわれているなかで、果たしてEVは実用的なのか? 一定の距離を乗って味わってみたかったのですが・・。
本格的なEV(なかにはテスラも)をラインナップするレンタカー会社は幾つかありますが、多くは首都圏か関西圏。 ニッサンレンタカーでは当然自社モデルのリーフを各主要都市などで借りることが出来ますが、調べると充電カードの貸し出しが無く、最初充電されている分だけでは安心して乗れるのは250km程と心許ありません。
シェアカーですが、こういうなかで「本格的EV+充電カード貸出し」という条件に見合ったのがコチラです。 -
駐車場に待機中は充電コードがつながれていました。
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こちらがその充電箱
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扉を開けて充電コードを仕舞います。
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運転席はこんな感じ。
テスラやHYNDAIなどと比べれば如何にも普通な感じですが、この「普通」がガソリンだEVだと隔てずにスッと乗れる秘訣かと。 -
充電100%
走行可能距離474km、と表示されています。 -
EVらしいと言えばこのシフトノブくらいでしょうか?
ノブというよりもダイヤルで、押しながら右に廻すと「D」、左に廻すと「R」、停まってからは押すだけで「P」になります。
自家用車として使う場合には直ぐに慣れるでしょうけど、駐車などの際に前へ後ろへ何度も繰り返すときはいちいち頭の中で考えなければならずぎこちなくなってしまいます。 ただプリウスなどのジョイスティック的な操作よりは間違いが無いかと。 -
テスラやHYUNDAIのEV車と違い、まだまだスイッチが残されています。
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最近は軽自動車にも付いているアラウンドビュー。
どこまで信じてよいのやら? -
街中へ出ます。
結構大きな車体なので狭いところは気を使いますが、一般路へ出てしまえばEVであることさえ感じないこともあり極めて「普通」ですね。
こういうあたりはテスラなどと違い本当にトヨタの車らしいもので、プリウスなんかよりよほど自然です。 -
赤信号で停まったあと、青に替わって2秒程も動かないとポーンという音とこんな表示が出ます。
後ろの車からクラクションを鳴らされたわけでもないのに「嫌」な気持ちですね。 -
仙台東ICから高速へ。
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何回も来た道ですが、利府から三陸道へ。
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折角付いているので「オートクルーズ」を試します。
前車間検知式ですので、前の車とこのくらいの距離になると勝手にスピードを落とします。
(センシングしているのは左のトラックではなく前の乗用車) -
更に、なんと
「車線保持システム」まで付いているようで道が曲がっていると勝手にハンドルが動きます。 -
それでは手を放すとどうなるか?
真っ直ぐな箇所で試してみますと、手を放して10秒ほどでメーターパネルにこんな警告表示が出ました。
まあ指一本でも軽く触れていれば警告も出ませんので、松島~陸前高田近くまでラクチンそのもの。 -
今回はこういう具合で一気に陸前高田を目指します。
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石巻を過ぎると片側一車線になるのはいつも通り。
オートクルーズですが遅い車が数珠繋ぎになると速度は70km近くまで落ちます。 -
ラクチンなまま気仙沼大橋を渡ります。
このあたりまで来ると交通量はだいぶ減りますね。 -
いわゆる、陸前高田ICまで行ってしまうと高田の松原などとは違う地域へ行ってしまいますので、1つ手前のICで降りましょう。
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旧45号線へ出て左へ。
(今は三陸道の無料区間も45号線扱い) -
前方に広田湾が見えてきます。
前後に車影はありません。 -
2020年
たった3年前のほぼ同じ場所です。 当時は三陸道もまだ未開通部分があり、それなりの交通量がありました。 -
気仙川の手前、
長らく放置されていた旧気仙中学校の校舎が震災遺構として整備されました。 -
旧気仙中学校舎
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今は45号線が海岸線から離れ少し海抜の有るところを通っていますが、以前はこの気仙中学の前が三陸海岸を北上するメインルートでした。
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2014年当時の気仙中学跡
BRTの停留所にもなっていますね。 -
2020年
遺構としての整備工事が始まっています -
旧45号線部分
この区間はいまは通行止めです。 -
壊れた水門はそのまま。
気仙川対岸に「奇跡の一本松」が見えます。 -
気仙川河口の防潮水門も新たに造られました。
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防潮水門の上は歩いて対岸へ渡れます
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防潮水門から見る奇跡の一本松とユースホステル跡
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2013年
壊れた旧気仙川河口水門とユースホステル/奇跡の一本松 -
2014年
新街区嵩上げ工事のために土砂運搬用のベルトコンベア橋が造られていましたね。 -
気仙中学をあとにして陸前高田市街地方向へ向かいます。
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気仙大橋を渡ります。
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こちらのビルも私的に遺構として残されている米沢商会。
以前は工事車両が砂塵とともに走り回っていましたが、周囲の整備が終わりいまはこういう状態です。
この部分は正面に見える本格的な嵩上げ地区よりは低いものの、この建物の周囲状況からみると5m~7mくらいは嵩上げが成されている模様です。 -
2014年
まだ嵩上げが行われていないころ -
2018年
嵩上げ工事もだいぶ進み、右奥には現在の博物館などが建つあたりの嵩上げ工事は終わっています。 -
新しい市街地には立派な道路が整備されています。
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その一角に陸前高田市役所が新造されました。
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嵩上げされた地区も宅地分譲され、このような住宅街も出来上がっています。
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ただ、まだまだ売れ残っているようで
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この部分も嵩上げされた土地ですが、いざというときに更に上へ逃げる用意もされています。
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こんな御商売もみられます
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新たに慰霊碑が造られています。
陸前高田の慰霊碑は最初は道の駅跡にあったり、更にはJR駅の横にあったり、と何度も転々としてますね。 -
2018年
当時の慰霊碑。
ほぼ同じ場所のように見えますがまだ仮設だったのですね。 -
復活した博物館
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館内です。
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震災前に所蔵していた数十万店におよぶ資料も全国の博物館が協力して泥などを取り除き再生。 また今回の博物館に設けられたコーナーでも資料の再生作業を実演しています。
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展示コーナー入り口です
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海や漁業をテーマにした展示が多いですね。
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エレベーターで屋上へ
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新たに造成された市街地が一望出来ます。
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運動公園方向
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震災祈念公園へ来ました。
正しくは「高田松原津波復興祈念公園」と言うようです。 -
BRT 一本松駅
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修学旅行で訪れる高校生なども多いようです。
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伝承館と道の駅との屋根の間から防潮堤方向をみるこの景色の造形は素晴らしく、各地に造られた「祈念碑/祈念館」のなかで一番のものと思っています。
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ところが、
祈りの広場の象徴ともいえる両側に植栽された16本の木を一部伐採する工事が進んでいるではありませんか。 -
このピンクリボンで印の付けられた木も伐採の対象と思われます。
どういう理由かはわかりませんが、オープンから数年しか経っていないなかで、当初計画でデザインされた植栽が無惨に伐採されてしまうのには疑問しか感じません。 -
2020年
この施設が出来た直後の風景です。
この木々の半分は無くなりそう? -
防潮堤に上がります
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防潮堤から振り返った風景。
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防潮堤の先には「高田の松原」が新たに植えられています。
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近くで見るとこんなに大きく育っていますね。
そろそろ間引きが必用ではないでしょうか? -
2020年
植えられたばかりの松の苗木です。 -
2021年
前の写真から1年経つとこんなに、更に2年で上記のように大きくなりました。 -
防潮堤上の献花台です。
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砂浜に佇む方。
もう12年、経ってしまったんですね。 -
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伝承館横の旧道の駅「タビックス高田松原」
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大変に申し訳ないとも思いますが、
私自身、陸前高田という場所は大震災というきっかけが無ければ一生訪れることの無かったかもしれません。
残念なのは、震災前にこられなかったこと。
高田の松原など風光明媚、豊かで長閑な暮らしがあったことと思います。 -
伝承館が出来るまでは、この辺りが遺構として皆さん訪れていましたが、現在は保存こそされていますが周囲は荒れ果ててきています。
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この施設の裏側は階段状に上まで上がれるようになっていたんですね。
松原越しに綺麗な海が眺められたのではないでしょうか。 -
道の駅売店
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みやげもののお菓子は全て「奇跡の一本松」!!
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地元産お米
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さすが地元のヒーロー。
レプリカユニフォームも売っています。 -
さて、丁度お昼時ですので
道の駅でお昼を頂きます。 -
こちらには2軒の飲食店が入っています。
漁協の「まつばら食堂」さん -
もう一つは「たかたの御飯」屋さん。
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それぞれのメニューです。
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奇跡の一本松天丼
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でこんな海鮮丼を頂きましたが、
「漁協食堂」ですからと勝手に新鮮な地獲れ魚を期待したものの、回転寿司屋の海鮮丼レベル(以下?)でした。 -
以前にアバッセ横のお寿司屋さんでいただいたランチ海鮮丼ですが、お値段的にもこちらのほうが・・・
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ここまでで仙台から丁度150kmの走行。
バッテリーの残りは63%、残走行可能距離282km、とでています。 -
陸前高田から気仙沼へ移動
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気仙沼港と
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その防潮堤です。
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男山酒造さん前
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港に沿って湾をぐるーっと廻ります
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対岸の岡の上には昨年訪れた気仙沼の慰霊塔
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魚市場近くにあるこのお店。
気仙沼に寄港する漁船さん達御用達のお店で航海に必用なものは漁師さんの身につけるものから食料、お酒、まで何でも揃うお店。 -
今日は電気で走っていますので必要ないですが、ついガソリンスタンドの値段は気になります。
仙台市内よりも¥10/リットル近く高いですね。
このまま旧45号線を南下します。 -
岩井崎の少し先、御伊勢浜。
ここも立派な防潮堤で囲まれています。 -
その漁港漁師さんの作業場はいまだに仮設のままです。
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大惨事を起こした海とは思えない静けさです。
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岩井崎方向
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近くの杉の下地区慰霊碑。
こういうところでも多くの方が犠牲になっています。 -
琵琶湖畔、唐崎神社から贈られたという松。
10年という歳月は松がこれだけ大きくなるのですね。 -
向こうに見えるのは遺構となった向洋高校の旧校舎
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更に南へ
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大谷海岸です。
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道の駅「大谷海岸」。
昨年も訪れましたね。 -
こちらへ寄った理由は、
そう「充電」です。 -
ここまで181km走行、充電残り56%、
残り走行可能距離251kmの表示です。
このまま仙台まで帰っても、残りは120kmくらいですから、帰れないことはなさそうですが、途中何があるか判りませんし、なによりもEV車の試乗のなかでは充電を体験してみるのも重要なテーマです。 -
幹線高速道路の各SAには複数機の充電器が設置されるようになりましたが、地方のそれも無料区間となっている三陸道では望むべくもありません。 調べれば仙台近くまで行き着けば設置されているSAもあるようですが、余裕をみて充電するとなればこのあたり。 WEBで調べると気仙沼市街の日産販売店を除けば、ここ大谷海岸道の駅と南三陸のさんさん市場にそれぞれ設置されているだけです。 今回立ち寄ったときにたまたまどなたも充電していませんでしたが、先客が居れば終わるまで30分近く待たされます。(ここで充電したあとで南三陸へ寄ったら他の方が充電中でした)
ガソリンスタンドでは例え並んでいたとしても1台あたり3分~5分程度ですから、充電という作業は移動には効率が悪すぎます。 -
手順は難しそうに見えますが一度経験すれば直ぐに覚えられます。
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充電開始。
「残り30分」と表示されました。 -
充電しながらもう一度車内を見てみます。
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後席
車の大きさの割には余裕が無いですね。 -
そのかわりにラゲッジエリアは広いですね。
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充電中の30分を道の駅で潰します
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生け簀で泳ぐヒラメ(売り物です)
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ソフトクリームなど頂きます。
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会員割引で¥50引き、ということでしたが、
一番高いフカヒレソフトだけが割り引き対象でした。
まあ気仙沼名物ですからフカヒレで。
ソフトクリームの周りにあるのがフカヒレのジェル。 -
ブラブラしてから時間を見計らって車のところへ。
残り充電時間1分の表示です。
まあ、その1分が経ってからも「終了動作」とかで2分ほど掛かるのですが。 -
充電量87%まで回復、残り走行可能距離385kmです。
(200km走行分程度の上乗せですが、100%にはならないのですね) -
再び旧45号線を南へ。
歌津の橋です。 -
2018年
当時工事中だった45号線の橋、下は気仙沼線の橋梁です。
歌津のあたりは道路も線路も大打撃だったようです。 -
志津川のさんさん市場などと同時にオープンした歌津の復興商店街である「ハマーレ歌津」ですが、さんさん市場と違って寄る車は少ないようです。
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旧道も綺麗になりました。
三陸道の開通する前は復興用や三陸道工事用のダンプカーが行き来していたものです。 -
2015年当時
一般車もダンプもいっぱいでした。 -
志津川、さんさん市場入り口。
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午後も遅めの時間となったためか、ほとんど人は居ません。
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BRTの駅が交差点のガソリンスタンド横から移転していました。
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BRTバス
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結構遅い時間となってしまいました。
もう少し旧45号線を南下するつもりでしたが、車の返却時間がありますので南三陸ICより三陸道に乗ってしまいます。 -
またオートクルーズでラクチン運転
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ここで初めて気がつきましたが、ルームミラーは「実写」と「液晶モニター」の切り替え式。
どういう風に使い分けるのでしょう? -
秋の日暮れは早いです。
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仙台で高速を降りるときはこの暗さです。
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五橋のガード
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元の住処にもどり充電コードをつなぎます。
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全行程308kmでした。
途中で充電もしましたが残りは53%です。
これからすると、大谷海岸での充電無しでも戻って来られたと思いますし、その時も残り充電量は30%位にはなっていた?
まあそういう意味ではスペックは450km走行可能でも、精神的な安心感も含めて300kmくらいの行程というところでしょうか?
これよりも走行可能距離の短いリーフでは実質的に200kmちょっとくらい?
やはりそれでは不便ですね。 -
今日のお宿へチェックイン
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夜の仙台駅
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東口周辺をふらつきます。
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流石に賑やか
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チョット一杯とこのお店
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新鮮そうな海鮮
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ビールも凝っています。
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ホワイトエールを頂きます。
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鮨が食べたくなって、4貫。
こちらのお店、鮨居酒屋というコンセプトで三陸産鮮魚を出してくださるようです。
お昼の海鮮丼はなんだったのでしょう? -
お醤油も三陸
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さて宿へ帰りますが、
ここのカウンターに陣取ってらした西洋系の老夫婦。 楽しそうにくつろいでらっしゃいました。 日本通ですね。
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この旅行記へのコメント (4)
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- NAKANISHIさん 2023/12/18 17:35:23
- 参考になりました
- Kちゃんさん こんばんは。
旅行記拝見しました。
私も6年ほど前にBRTで通過しましたが、復興が更に進んだと思います。
やはりEVの遠出は、まだ不便そうですね。トレイン&レンタカーでホテルで充電しながら1日100km走るくらいの使い方した方がいいかもしれないです。
- Kちゃんさん からの返信 2023/12/26 09:34:09
- Re: 参考になりました
- お立ち寄り頂いた上にコメントも頂戴しありがとう御座います。
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- 快特さん 2023/12/05 13:58:19
- 被災地訪問したこと あります
- 2011.11月 東松島市 野蒜駅 そのままの状態でした。市役所を訪問して「災害対策本部」「仮設住宅見学」
2012.11月 松島海岸
JR常磐線開通後 相馬駅
★ ちなみに 震災の日は。都内にいました。
- Kちゃんさん からの返信 2023/12/26 09:34:44
- Re: 被災地訪問したこと あります
- お立ち寄り頂いた上にコメントまで頂戴しありがとう御座います。
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