2023/11/05 - 2023/11/05
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SamShinobuさん
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今日は新宿ゴールデン街の秋祭り。参加店66店舗で全店チャージ無料、1杯500円から飲めると聞いたら、「そりゃ行かざるを得んでしょう」と、先日30歳になったばかりの長男と新宿花園神社で待ち合わせた。
まずはひとりで新宿をぶらぶらしよう。
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モンスナック
新宿西口の野村ビル地下1階
かつて新宿紀伊国屋の地下1階にあったモンスナックは、1964年創業のカレースタンドだ。元祖さらさらカレーの中毒度は尋常じゃなく、僕の中ではナンバーワンのカレー屋だった。新宿に行く楽しみの1つが、モンスナックのカレーだったと言っても過言ではない。
それが紀伊國屋ビルの耐震補強工事で、2021年7月に突如閉店してしまった。その時はモンスナックロスでどうにかなりそうだったが、2022年1月に新宿野村ビルで再開したと聞いて狂喜乱舞した。取るものもとりあえず食べに行って、味が変わっていないことを確認した時は、嬉しくて泣きそうになった。 -
さて今日はそんなモンスナちゃんで、オーソドックスなポークカレーをいただこう。
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ポークカレー(750円)。
つい最近まで650円だったが、このご時世100円くらいの値上げはいいよ~。
以前の店は薄汚い壁に永六輔、美輪明宏など名だたる有名人のサインが所狭しと飾られていたが、さすが野村ビルともなると綺麗な店内に怪しさもサインもない。
カレールーはあまり辛くなく、パンチが効いているわけでもないのに癖になるのは何故だろう。ルーの大海を泳ぐ豚バラが愛おしく、ストローで吸えそうなシャバシャバカレーは、カレーは飲み物だと思い出させてくれる。
あ~、旨過ぎて幸せ~。 -
時屋
1948年創業の甘味処。
藤子・F・不二雄が「時屋」のどら焼きが大好きだったので、ドラえもんの好物にしたという凄いエピソードがある店。 -
作家の辻村深月がドラえもんのファンで、「凍りのくじら」はドラえもんをモチーフにして書かれた小説だ。
僕はこのところ辻村深月にハマっていて、30作品以上一気に読破し、今もちょうど一冊読みかけを携行している。お気に入りの作家の本を読み漁ると、一冊終わるごとに読むものが減る淋しさを久しぶりに感じている。
辻村深月が何かのインタビューで「ドラえもんがいなければ、今と同じ形で作家になっていることはまずなかったと思います」と言っていた。それを読んで、ドラえもんつながりで「時屋」のどら焼を食べてみたくなったのだ。 -
「時屋」のどら焼のサイズは、ジャンボ・大・中・小の4つの種類がある。僕はどら焼の中とコーヒーのセットを注文。880円。
出てきたどら焼見て、思わず「デカっ!」と驚いてしまった。これなら小で良かったな。 -
それでも甘さを抑えたどら焼は、和菓子なのに意外とコーヒーにも合って、ぺろりといけた。
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店の常連だった武者小路実篤。
彼が「時屋」のために描いた絵画も飾られている。凄っ! -
新宿花園神社
新宿花園神社で長男と待ち合わせ。
町の小さなお寺だと勝手に境内に入るのが躊躇われることもあるが、その点神社はどこも開放的でウエルカムだ。特に新宿花園神社を訪れる人は、場所柄からか実にバラエティに富んでいる。外国人から二丁目界隈の方、中にはハロウィンの仮装かと思うような人までいる。
少し早く着いたので、そんな参拝者を眺めていた。
息子と合流し、今日もいいお酒を飲めますようにとお参りしてから、ゴールデン街に繰り出した。 -
ゴールデン街
ゴールデン街は歌舞伎町の一画にある、木造長屋の密集地帯だ。新宿ゴールデン街商店街振興組合のサイトを見ると、280軒以上の飲み屋の集合体と書かれている。280軒って、マジっすか?あの狭いエリアにどうやったら280軒も入るのか想像がつかない。 -
終戦直後、闇市及び非合法で売春がおこなわれる青線地帯だったゴールデン街は、1960年頃からバーが増え作家や映画人、ジャーナリストなどの文化人が集まるようになった。
僕が初めて足を踏み入れたのは1990年代だった。映画のスタッフに連れられて来たのがきっかけで、アングラな世界観に魅せられハマった。またキャメラマンの奥さんがやっているJAZZ BARにもよく通わせてもらったが、ある時隣りが火事になり貰い火で店を閉めざるを得なくなったなんてこともあった。その頃は何軒か顔なじみの店もあったが、今では殆ど不案内になってしまった。 -
そんな時ゴールデン街秋祭りというイベントを知って、久しぶりにゴールデン街を満喫しようと長男を誘ってやってきた。
ゴールデン街では春夏秋に街をあげてのお祭りを開催しており、参加店では一杯500円からチャージ無料で飲めるとのこと。ゴールデン街は通常チャージ500円~1000円の店が多い。それが無料とは、はしごし放題じゃないか。今回の秋祭りは15:00~22:00限定で約66店舗が参加している。ちなみに今年の夏祭りの参加店は180店舗だったので、秋祭りはそれに比べると小規模のようだ。 -
まだ15:00なので明るいゴールデン街で飲める幸せについ笑みがこぼれる。
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ゴールデン街には「G1通り」「G2通り」「あかるい花園1番街」「あかるい花園3番街」「あかるい花園5番街」「あかるい花園8番街」「まねき通り」といった7本のメインの通りがあり、その通りを横切る狭い抜け道が何本も通っている。
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双葉(G2通り)15:00
1948年創業。ゴールデン街最古の店だ。小林亜星はじめそうそうたる有名人が常連だったという双葉は、かねてから一度お邪魔したかったが、自分のような若輩にはまだまだ敷居が高かった。今回、秋祭りにエントリーしていたのでチャンスとばかりに、一軒目に選ばせてもらった。 -
15:00ぴったりに扉を開けると、店内には誰もいない。声をかけると奥のトイレから女性が出てきた。
「あら、ごめんなさいね。トイレの調子が悪くて、使えないけどいいかしら」
「トイレ借りるほど長居しないから笑」と入店。出会いからして面白い。 -
500円のキャッシュオンで、水割りを貰う。口開けのお客さんだからと内緒でサービスも。いただいた名刺によると、その女性は三代目の萩原初江さん。初代は祖母、二代目はお母さんという女系店主のお店だ。実に気さくで話好きの初江さんは、いちげんさんの僕らに丁寧に店の歴史を話してくれる。ゴールデン街組合の初代会長だった初江さんの祖父が、「ゴールデン街」と名付けたそうだ。なんとゴールデン街創始者の孫娘じゃん!
常連さんの中には90歳を超える方もいるそうだ。ある時こっそり麻布豆源の柿の種をセブンイレブンのに変えたら、そんな常連さんにすぐにバレて怒られた。「だって麻布まで買いに行くの大変なんだもん」とお茶目に笑う。また「私はこの商売向いてないと思うの」と唐突に仰るので、「なんでまた?」と訊くと「だって先代に腹で怒っても顔は笑ってなきゃだめだと教わったけど、私はすぐ顔に出ちゃうから」とこれまた可愛い。
たった40分ほどの滞在だったが、いろいろ人生勉強をさせて貰いもらいました。恐るべし、双葉。帰りには、お店の千社札までいただき、「次からはもう常連さんだから」とまで言ってもらった。75年も続くのにはそれなりの理由があるんだな。たった500円でこんな体験ができるなんてと、息子もびっくりしていた。
普段は19:00オープン、なんとチャージはないそうだ。 -
かおりノ夢ハ夜ヒラク(五番街)15:45
狭い階段を2階に上がると、7人も入ったらいっぱいのカウンターバーがある。 -
店名は藤圭子好きなママが「圭子の夢は夜ひらく」からとったと話してくれる。なんとママの栁かおりさん、シンガーソングライターで「酒呑みブルース」というCDも出しており、壁にポスターが貼ってあった。
店内は昭和歌謡の世界観一色で、僕には懐かしい限りだが、藤圭子が宇多田ヒカルのお母さんだと知らない息子にとっては、シュールな景色なのかもしれない。 -
僕らが入って満席になり、500円でお酒を頼むと、全員で「カキーン」と乾杯。それがこの店のルールだそうだ。普段は21時オープンでチャージ500円とのこと。
ひとりのお客さんがついさっき、ゴジラビルから飛び降りた人を見たと話しており、「スマホで撮ってる人もいた」「まわりの人が叫びながら引いていた」とリアルな報告に青ざめた。翌日ネットニュースでその映像が流れていてびっくりした。 -
4C'S BAR ROSSO(G1通り)16:15
「ヨッシーズ バー ロッソ」と読む。 -
階段を上がると、可愛い猫ちゃんがお出迎えしてくれる。名前はメルローというらしい。
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奥には殿山泰司のような味わいのあるマスターが座っている。
カウンターに並ぶ高級ウイスキーがどれでも500円でいいとのこと。悩んでいると、女性店員さんが「オススメのワインもありますよ。普段は1000円ですが、今日は秋祭りなのでそれも500円です」という。それならばと二人とも白ワインで乾杯。
猫は全部で5匹いて、猫のために完全禁煙にしているそうだ。息子も猫を飼っているので、メルローとも気が合う様子。
マスターがワンショット12,000円の秘蔵ウイスキーを次から次へと紹介してくれるが、こちとら1杯500円ではしごしている身分なので、勧める相手を間違っている笑。普段はチャージ1000円、17時からの営業。
どんどんお客さんが入ってきて、店の女の子が「奥に詰めて二列になってくださーい」というと、まさに満員電車状態に。ちょうどワインを飲み干したところだったので、猫ちゃんにバイバイして店を出た。 -
ねこ娘(一番街)16:40
猫つながりで、店頭に猫の写真が貼ってあったので入ってみた。 -
ウーロンハイはないが緑茶ハイならあるというので、それを貰って乾杯。
通常営業では20時オープンでチャージ1000円だそう。 -
店内にも猫の写真だらけなのに、猫はどこにもいないので、「あれ、猫ちゃんは?」とママに訊く。
「家にいるのよ。連れてくるの大変でしょ」
「そうなんだ。てっきり猫がいるのかと思った」
「普段はね、ねこ娘が二人いるんだけど。今日は娘じゃなくてごめんね」
「なるほど。可愛い大猫だ」
とふざけていると、息子が
「尻尾が9本あったりして」と失礼なことを。
「嬉しい。この歳になるとそれくらい言ってもらったほうが貫禄がついていいわ」と余裕の返し。という訳で、気の合うママとしばらく与太話が続いた。 -
万年湯 17:50
(営業時間15時00分~0時00分)
いい気分で4軒目を出たが、まだ18時前である。ゴールデン街廻りは長丁場になりそうなので、一旦ハーフタイムを取ろう。
そこで以前から気になっていた銭湯にやってきた。 -
ゴールデン街から徒歩12分、JR新大久保駅近くに万年湯はある。まわりのコリアンタウンには韓国人や中国人、最近はベトナム人やネパール人も多く、町なかでは日本語よりそれら外国語のほうがよく聞こえる。
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万年湯は2016年にリニューアルしたので、清潔感溢れるお洒落な空間になっている。無料ボディソープ、リンスインシャンプー有り。それだけではなく、なんとフェイスタオルまで無料で貸してくれる。完全に手ぶらで入れるのだ。それで520円は嬉しい。
浴室に入ると鶴のモザイクタイルがお洒落だ。
珍しいのはサウナがないのに、水風呂が設置されている。水風呂は地下水の掛け流しだそうで、熱い風呂と水風呂を往復する「温冷交代浴」がオススメらしい。
今日のもんもんは、背中に見事な刺青の日本人が1人と、お洒落なタトゥーを入れている白人が2人いた。
身体も心もポカポカになって、息子も「気持ちいいー」と連呼している。 -
再びゴールデン街に戻ってきた。
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ロベリア(五番街)19:00
以前ここのママがマツコの番組に出ていたので覗いてみたが、今日はママは不在でバイトの女性が一人いるだけだった。 -
8席ほどのカウンターに座り、またもやウーロンハイで乾杯。今日はウーロンハイ好きな息子につられてウーロンハイばかりだ。そこにひとりの女性客が入ってきてお酒を注文する。彼女のスタンプラリーの台紙を見ると、この店で5軒目だと分かる。聞けば40分で4軒まわったそうだ。凄いペース!なんでもゴールデン街のお店で働いているが、普段他の店になかなか行けないので、この機会に飲み歩いているらしい。感心していたら10分そこそこで飲み干し、これからお店だからと出ていった。カッケー。
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5軒はしごで豪華景品があたるスタンプラリー。スタンプが5個たまったので、ガラガラくじを回しに来た。ふたりとも景品は温泉の素(入浴剤)だった。
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COMOREBI VOYAGE(G2通り)19:40
僕はそれほど酒が強いほうではないが、還暦になったら更に弱くなった気がする。もうかなり酔っ払ってきた。それでも息子はまだまだ飲む気満々なので、もう少し付き合うか。
次の店どうする?とうろうろしていると、
店内のモニターからトム・クルーズの「カクテル」が見えた。こんなバーもいいねと入ってみる。 -
映画「カクテル」(1988年)が大好きなオーナーの趣味で、店内も「カクテル」の世界観をイメージして造られているそうだ。それならカクテルを注文すればいいのに、ふたりしてまたもやウーロンハイ。
息子がモニターを見ながら「カクテル」って面白い?と訊くので軽く解説していたら、バーテンダーから「よくご存知ですね」と言われる。トム・クルーズがカクテルを作るシーンは当時とても評判になった。ボトルやシェイカーを曲芸のようにくるくる回してカクテルを作るフレアショーだ。バーテンダーに「『カクテル』がお店のコンセプトだとハードルが上がって大変でしょう」と言うと、「そうなんですよ」と笑う。そこへ外人さんが2人入ってきて、ドライ・マティーニをオリーブ抜きでと注文。この2人こだわりが強そうだ。バーテンダーに「ようやく本領発揮できるね」と言うとちょっと困った顔になる笑。ここはトム・クルーズばりにシェイカーを振って欲しかったが、マティーニなので静かにミキシンググラスでステアする。アクロバティックなことはしないが、カクテルを作る所作は美しい。一口飲んだ外人さんが納得の表情で頷くのを見て、何故かホッとした笑。 -
小腹が空いたので、ミニカレー(500円)をお願いする。これが美味しかった。なんでも店主のこだわりカレーだそうだ。
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パノラマの夜(五番街)20:30
どこも混んできて次の店がなかなか決まらない。息子がテキトーに店に入って、ここ空いてるよ~と2階から呼ぶが、酔っ払っているので階段がきついゾ。なんとか2階にたどり着き、カウンターに落ち着く。 -
カウンターの向こうのお嬢さんに、ここでもウーロンハイを注文。
正面の棚に映画のDVDが並んでいる。そのパッケージを見ながら、息子と「ハングオーバー」面白かったねと盛り上がる。また「太陽を盗んだ男」があったのでストーリーを説明していると、隣のお客さんから「これは傑作ですね」と話しかけられた。ロシア映画が好きだという彼とタルコフスキーの「惑星ソラリス」について話したり、映画は見知らぬ人でも年代を問わず、熱く語り合えるのがいい。
時刻は21時30分。お父さんはもう限界です。本日は計7軒はしごした。途中銭湯でインターバルを取ったものの、さすがに疲れました。 -
博多天神 新宿東口店 21:40
息子と別れて新宿三丁目駅に向かっていると、小腹が空いていることに気が付く。そうだ、この先に博多天神があるではないか。
新宿三丁目駅と新宿御苑前駅の間にあるとんこつラーメンの専門店だ。昔から新橋1号店とこの新宿東口店をよく利用していた。 -
とんこつラーメン(600円)。
長年500円だったのに、やはりここでも値上げか。それでも激安でしょう。替玉1個無料というのも嬉しいが、いつも〆なので替玉なしでちょうどいい。着丼まで1分強。紅生姜とにんにくを入れて実食まで2分かからない。流石です。そして相変わらずの旨さに感動する。なんで〆のラーメンってこんなに美味しいんだろう。味変に辛い高菜がまた最高。 -
それにしてもこの小汚さ。「きたなシュラン」決定だな。見た目は汚いけれど旨い店の代表だ。
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新宿ゴールデン街秋祭りに初めて参加してみて、ゴールデン街もずいぶん変わったと思った。
昔は気難しい店主がいて、いちげんさんお断りの雰囲気を醸し出していたり、酔った客が小難しい議論を吹っかけてくるような店も多かった。
今回はどこも気安い雰囲気で、若い客も多く、今どきのゴールデン街は健全な飲み屋街になっていた。
まして今回のような秋祭り参加店は、どの店もチャージ無しで一杯500円から飲めるので、ゴールデン街初心者でも安心して飲み歩ける。次は春祭りが楽しみだ。
ところで、4軒目で行った「ねこ娘」のママが「最近はお客さんの顔や名前が覚えられない」「今聞いた注文も忘れる」と言うので、「僕は昼にカレー食べたのを忘れて、夜もカレー食べちゃうよ」と、互いのボケ自慢でひとしきり盛り上がった。
翌日写真を見返していたら、昼「モンスナック」のカレーだったのに、そんな会話をしたことも忘れて、6軒目でまたミニカレーを食べていた笑。
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この旅行記へのコメント (1)
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- teniponさん 2023/11/15 19:40:35
- 歌舞伎町、懐かしいです。
- 昭和55年から遊んでいました。
当時はディスコが30店舗くらいありました。
喫茶王城で600円払って朝まで寝たり、楽しい思い出ばかりです。
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