2023/09/20 - 2023/09/21
72位(同エリア167件中)
アルピニスとしさん
- アルピニスとしさんTOP
- 旅行記125冊
- クチコミ422件
- Q&A回答12件
- 283,548アクセス
- フォロワー8人
神々のいるオリンポスのあの場所へ。オリハルコンは見つかるのか。テリオスの秘密とは何だったのか。神々への対面のためにハイカーが進むのをためらうだろう急峻な坂を進んでいきます。
思えば、30年前に巡ったパルテノン神殿から始まり、ゼウス生誕のクレタ島、自分は何かとゼウスと縁が深い。
欧州の山系パワースポットとして特に自分が訪れるべき山はここではないかと常日頃感じていた。
更には、自分の撮影機材がオリンパスであること。オリンポス(オリンパス)をオリンパスで撮らずしてなんのためのオリンパスであろう(笑)
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- 家族旅行
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
オリンポスを目指すため、まずレンタカーをピックアップする。何故かトヨタ・ヤリス。だが、ヤリスの名はギリシア神「カリス」に由来する。オリンポスまでの道案内はこれ以上望めないだろう。ACCやレーンキープなどがフル装備車でもあった。
オリンポスまでの道程が随分と楽になる。
ギリシャのラジオ番組KosmosJazzがご機嫌なチャンネルだった。道路工事やギリシャ表記?△∑みたいな標識には消耗したが、それなりに快適なドライブだった。 -
山小屋は予約していなかったので、麓の村リトホロについた時点で急いで連絡した。後で知ったが、この日は満室で自分は最後の2つ分を入手したのだ。夏休みも終わった9月のこの時期に満室になるのは珍しいのだが、今年は酷暑であったため、多くのギリシャ人が40℃台である8月の登山を避けていたうえ、山火事や洪水でアクセスもこれまで制限されていた。それゆえ、9月下旬がハイシーズン化していた。ギリシャ人にとってオリンポス山は富士山のようなものであろう。神聖であり、心の拠り所であり、叶えるべき願いの対象としての頂がそこにある。
-
汗だくになることを見越して、車からリュックに一泊分以上の着替えも足す。一時的には小屋に残置し、戻ってくるだろう昼食時にピックアップすればいい。行動食も多めに持つ。小屋にどのようなものがあるのかが分かっていない。
遂に山へ出発した。小屋までは2時間~3時間程度の道程とされている。今回長自分は軽量トレランシューズとした。海抜ゼロ地帯に住んでいる自分たちにとって2100mへの高みを目指すのは意外に苦しい。 -
今回、半生を語れるくらいの時間はある。1時間を超えたあたりから砂道が増え始め、時々下山してくる登山客もいた。もう夕方に近いこの時間帯に降りてくる人々なので、頂上から下ってきたのだろう。慣習上、当たり前に挨拶を交わすが、その際に分岐点の前衛峰スカラやスコーリオ峰に行ったと述べた人は多かった。意外だが、女性のみのパーティーも多い。
2時間ちょっとで山小屋に到着。僕は欧州スタイルの登山なので、腰を落ち着けて休憩するというのはない。行動食を取り、歩みを進めながら給水する。足を止めて一瞬撮影することもあるが、「三脚を用いて」みたいなことは行わない。 -
早めに着いた僕等は山小屋でのんびりした。ここから眺めた上部の山容は荘厳さや神々しさを感じさせるものだった。雲が頂上付近で停滞しながら、縦筋の放射線状に空に広がっている感じだ。さすが、ギリシャの神々。古代からギリシャ人たちはこういった風景に畏怖を持っていたことだろう。さて、この小屋だが、それなりに食事のメニューが充実している。宿泊客も世界各国の老若男女で明るい雰囲気に満ちている。驚かされたのはここでヘルメットの貸出(有料)がなされている点だ。WEBサイトでも見たが、主峰ミティカスに登る際にはメット着用が好ましいらしい。気になったので小屋のおかみにこの点を確認した。
-
小屋は快適に作られていたが、この夜は快眠とはならなかった。中欧系とおぼしき中年の登山客らが「大イビキのど自慢大会」を始めたのだ。たぶん、デシベル的に大会新記録級の猛者が4人以上出現。これじゃ眠れませんて…
-
7時前には起床し、オリンポスティーとパン一個という朝食を平らげ、ヘッデンをかざして、小屋を出発した。
-
二人共インサレーションジャケットやダウンを着ていたがやや肌寒い。もっとも、急峻な坂を超えるにはこれくらいの温度のほうが気持ちいい。しばらくすると、神々の山がモルゲンロートに染まる。なんとも言えない気分になる。振り向くと各関所のように山が連なってゲートの層をなしている。星矢が次々と12宮を突破して振り返ったときの風景だろう(笑)
-
第一の稜線上に出たところでアイベックスに出会った。カモシカというが、実際にはシカではない。むしろ牛にちかい。そういやゼウスは牛に化けたことがある。ひょっとして彼(彼女)は?不意にお互い見つめ合ったが「△を探せ」などといったメッセージは受け取らなかった(笑)
-
この辺りから更に急峻となったが、前方には誰もいない。我々の直後にでかけただろう6名くらいの中欧のパーティーもまだ我々に全然追いつけないようだ。BCAAの入ったドリンクを飲みながら更に歩を進めると、スカラ峰が見えた。それと同時に標識に「OlympusUltra」の文字も見つけた。過酷なレースがここで行われたのか。
-
少し息を切らせながらのアップダウン後、分岐点のスカラ峰にたどり着いた。この先は崖になっている。
-
標識がある。右がミティカス峰、左がスコーリオ峰だ。
スコーリオ峰の頂上までは緩い稜線が続いている。
スコーリオは頂の様子がはっきり見えている。
神々の居場所と思しき感じがない… -
そして、ミティカスにつづく道は断崖絶壁に見えなくもないⅣのクライムダウンルートが50m以上下まで続いている。小屋の地図に記載されていた「(神々のいる)ミティカス峰2918m」の文字が脳裏に蘇る。念の為、長男に訊いてみた。彼には選ぶ権利がある。
「ヘマをしたら大怪我かもしれない。どっちのピークへ行く?」
「当然、神々の居るほうでしょ!」
そう言って彼は即座にクライムダウンを始めた。
この見下ろす崖の風景、ただのハイカーには厳しいかもしれない。 -
それなりにスリリングな景色だが、僕達はアルピニストでしかも既に(修道院だけに)修行を経てきている。
ぱっとしないスコーリオ・ピークに比べ雄々しいミティカス・ピーク。誰でも行けるお手軽な場所ではない。神々の頂に立つにはそれ相応の覚悟が必要だ。 -
3度ほど繰り返すクライムダウンやら登りかえしやら、また一部のトラバースなど、技術的にシビアではないがそれなりに緊張を強いられる場面が続く。勿論、こういう場合には眼下には気持ちのいい、開放感に溢れる景色が広がっている。2度めの登り返しで頂上ではためくギリシャ国旗が目に入った。アバランチシュートの豪快なフェースを直登すればいい。フリーで言うなら4+未満のレベル。
-
神々の宿る頂オリンポス。胸がすく思いというのは多分この時の気持ちに違いない。頂上には僕たちしかいない。すべてがクリアに見える。
「自分を信じろ!」
それが神々から受け取ったメッセージだ。
頂上ではダラダラしない。雨が降る可能性があった岩稜地帯でのクライムダウン中にスリップするのは御免被りたい。あるいは調子に乗った代償として雷撃をうけるのも避けたい。
山では素早く。
僕達は跳ねるように進んで小屋に戻った。お昼時間にはまだ随分と早かったので一気に外界を目指し、リトホロで心ゆくまで食べようという結論になった。
下りは楽だと思いこんでいたがかなり消耗していた。マラソン並みの距離を移動しているのだ。リトホロのレストランで好きなものを遠慮せず頼むと近辺に宿を取った。
ギリシャ人のみならず、欧州の聖地。叡智の起点。
自分の欧州探訪の最終回とも言えるハイライトのピークを無事に終えて本当にうれしかった。
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
その他の観光地(ギリシャ) の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
旅行記グループ オリンパスでオリンパスを撮ろう
0
16