能取湖とワッカ原生花園で眺めたサンゴ草の紅葉：　異常気象の年、北海道に秋を探して　（２）

2023/09/18 - 2023/09/20

アッケシソウは紅葉するとサンゴのような美しい赤色になり、サンゴ草とも呼ばれる。旭川からJRで網走に向かい、オホーツク海に面した汽水湖である能取湖とサロマ湖のサンゴ草群落を訪ねた。幸い、見頃になったばかりで、青空の下に広がる姿を眺め、撮影することができた。

宿はサロマ湖鶴雅リゾート。お部屋もお料理も素晴らしかった。ことにエゾバフンウニを心行くまで味わえたのが嬉しかった。そしてサロマ湖の夕陽という絶景にも出会った。立ち寄ったオホーツク流氷館ではクリオネを見て、撮影した。

エリア 網走(北海道)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 5.0
• グルメ: 5.0
• 交通: 5.0

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 一人あたり費用: 10万円 - 15万円
• 交通手段: タクシー JALグループ JR特急 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

2023年9月18日。旭川駅前のワイズホテルを慌ただしくチェックアウトしてすぐ隣の駅に向かった。8時31分旭川発、12時12分網走着の列車に乗るためである。

観光シーズンのはずだが列車が空いているのには驚いた。写真の様にほとんど空席だ。車窓風景は原野や森が多く、気持ちがいい。

網走でタクシーに乗り、宿のサロマ湖鶴雅リゾートへ向かってもらった。途中、能取湖のサンゴ草群落に立ち寄る。日本一のサンゴソウ群落と言われる所だ。ここだけを目的地にするなら網走に泊まったほうがいい。距離は近いし、バスの便もある。しかし、サロマ湖のワッカ原生花園にも行こうとして、こうなった。

タクシーはしばらく走って、サンゴ草入り口のバス停付近を右折した。ちかくに、かがり屋という旅館がある。すぐに能取湖（のとろこ）、卯原内（うばらない）地区のサンゴ草群落だ。4ヘクタールの広さがあるという。ここのサンゴ草群落は一時、壊滅状態になったが、懸命の保護活動の結果、見事に復活したそうだ。

桟橋が群落地の中を伸びている。そして、嬉しいことに、サンゴ草の色づきは悪くない。サンゴ草紅葉の見ごろは9月の第3週から第4週にかけてと記されている。本来なら見ごろのはずだが、今年は少し遅れるとの予想記事もあり心配していた。

サンゴ草は塩水の入る湿地に生育するので、満潮の時には一部が水没するらしい。今はそんなこともない。暫く眺めを楽しんで宿へ向かうことにした。青空を背景にした姿でないのが残念だが、それは明日に期待しよう。

さんご草の郷能取の荘かがり屋 宿・ホテル

サロマ湖鶴雅リゾートへ、快適なドライブで到着した。運賃は12000円ほど。

ホテルはサロマ湖に面している。部屋は広く、リビングとベッドルームに分かれている。

サロマ湖鶴雅リゾート 宿・ホテル

部屋の調度品も良く、ベッドは快適。窓からサロマ湖を見下ろせる。

２人2食付き、2泊で14万円ほど。

夕食は和風のコース料理をお願いしていた。オードブルの後に出てきた海鮮盛り合わせに仰天した。

エゾバフンウニが威風堂々と登場していた。採れたばかりのボタンエビ、生ガキ、ホタテなど脇役も素晴らしく、美味しい。

シャンパンのハーフボトルが4500円だったり、料理に合ったグラスワインが600円だったりと飲み物のコスパがいいのも有難かった。

その後の料理も美味しかった。お魚。

お肉。

デザート。

大満足、ほろ酔いで部屋に帰った。

翌朝の朝食ビュッフェが美味しかったのは、いうまでもない。

9月18日。サンゴ草を、しっかり見る日だ。天気予報は曇り一時晴れ。名古屋から、地元の常呂ハイヤーを朝9時半にお願いしていた。前日、朝の天気が良さそうで9時発に変更した。朝になってみると、天気はいいが長く持ちそうにもなく、8時半ではと打診して、快く引き受けて頂いた。

能取湖のサンゴ草群生地に着くと、気持ちのいい青空だ。桟橋を先の方へ歩いて行った。

青空の下、サンゴ草の色が映える。まだ真っ赤ではないかもしれないが、これで十分だ。

さんご草の郷能取の荘かがり屋 宿・ホテル

サンゴ草の色は場所と光の具合で微妙に変わる。この辺りは特に綺麗だ。

広角レンズでも撮ってみた。広がりは出るが、手前の色は良くなくて、大したことはない。

人出も少なく、心行くまで景色を眺め続けられた。

サロマ湖のワッカ原生花園にもサンゴ草群落がある。規模は小さいが、より近寄って見られるそうで立ち寄ることにしていた。

タクシーにサロマ湖まで引き返してもらった。ワッカネイチャーセンターから標識に従って少し歩くとサンゴ草群落だ。

ワッカ原生花園 自然・景勝地

この自然な姿もいい。空は、着いたときは晴れていたが、この頃には曇って来た。

接写した。色といい、形といい、確かにサンゴのようだ。

原生花園ではハマナスの赤い実が綺麗だった。まだ花を咲かせているハマナスもあった。

お天気は次第に悪化し、小雨まで降って来た。ハマナスの実に雨滴が付いている。早めに行動出来て、晴れた空の下のサンゴ草を見られて良かった。

ホテルへ送ってもらった。ワッカ原生花園だけならホテルから歩くこともできる位置だ。タクシー代は18000円ほど。

そのまま天気は回復しないので、ホテルの温泉に入って寛いだ。

しかし西の地平線辺りは晴れている。サロマ湖は夕陽が綺麗だと知られている。ひょっとしてと期待して外に出て待っていると見事な日没だ。

サロマ湖鶴雅リゾート 宿・ホテル

日没直後もいい。

日没を楽しんだら夕食である。海鮮盛り合わせは、昨日と違ったのにするか同じにするか聞かれていた。違うのにして頂いたらウニの代わりにカニとアワビが出てきた。

これも美味しかったが、経費はウニほどでもないと思われたのか、後のお料理で、タラバガニやヒレ肉が出てきた。

２日とも、とても満足なお料理だった。

9月20日。出発の日だ。お天気は最初は晴れ間もあったが、次第に、しっかりした曇りとなった。

9時半に迎えに来た常呂ハイヤーの車に乗った。まず、ワッカ原生花園。

ワッカ原生花園 自然・景勝地

そして能取湖のサンゴ草群生地に。色づきは昨日と変わらなかった。いや、お天気が悪いので、昨日よりくすんで見える。

昨夜、札幌テレビが能取湖のサンゴ草が見ごろを迎えたと、見覚えのある光景を放映していた。その後、読売新聞が20日ごろピークを迎えたと報じた。私たちは見ごろになったばかりの時に訪問できたのだ。

さんご草の郷能取の荘かがり屋 宿・ホテル

空港に向かう途中、大曲湖畔園地に立ち寄ってもらった。ヒマワリは終わりが近かったが、コスモスは満開だった。広角レンズで撮影しても画面一杯にコスモスが広がった。

大曲湖畔園地 名所・史跡

最後の訪問先はオホーツク流氷館。クリオネが泳いでいた。クリオネは貝殻を失った巻貝の仲間で、オホーツク海沿岸に流氷と共に現れる。

2cm前後と小さく、結構活発に動いていて難渋したが、なんとか撮影できた。

館内ではクリオネが餌を捕食する様子のビデオが流れていた。

オホーツク流氷館 美術館・博物館

流氷館の展望台から網走の市街を見渡した。そして1時少し前に女満別空港に送っていただいた。費用は20000円ほど。

空港のレストランで美味しい北見ラーメンを食べて、3時10分発の羽田行に乗った。羽田周辺が悪天候で遅延があったが、新幹線利用で10時前には名古屋の自宅に帰った。

多くの経験が出来た素晴らしい旅だった。

この旅行記へのコメント （2）

• ドロミティさん 2023/10/05 09:29:52

  北海道の秋♪

  Takashiさん、おはようございます。
  
  北海道の秋も今年は遅れていたのですね。
  実は先週末、上高地に行ったのですがそちらも紅葉には
  程遠い景色でした。
  9月なのに記録的な残暑日が続いて本当に異常気象でしたね。
  紅葉を期待して旅を計画したのにタイミングが合わないのは
  口惜しいけれど、晴天に恵まれて雄大な旭岳を見ながら、
  チングルマの群生を鑑賞、エゾリスにも出会えて素敵な
  ハイキングを楽しまれましたね。良かったです。
  
  サロマ湖では綺麗に色づいたサンゴ草（本当にサンゴのよう！）に
  コスモスの群生を愛で北海道の秋を満喫して、美しい夕日にも
  出会えて新鮮な海鮮料理を堪能されてと羨ましい限りです。
  
  Takashiさんの以前の旅行記でも鶴雅リゾートの素晴らしいお料理に
  目が釘付けになりましたが、こちらサロマ湖鶴雅リゾートの豪華な
  海鮮料理にも垂涎ものです。
  北海道に行くときは鶴雅リゾートに泊まりたいです^^
  
  　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄﾞﾛﾐﾃｨ
  

  Takashiさん からの返信 2023/10/05 11:52:16

  RE: 北海道の秋♪

  ドロミティさん
  
  おはようございます
  
  ２つの旅行記を読んで下さり、コメントを頂き大変ありがとうございます。
  
  まったく、今年の異常気象には驚きましたね。８月の末ごろには、こんな様子で、出かけてもいいものかとの考えが、ふと湧いたくらいです。引き留めてくれたのはマイレージによる無料航空券だったかもしれません。旅に出て良かったです！　想像した以外のいいこともありました。
  
  姿見平のハイキングは、やはり秋の雰囲気があって爽快でした。ハイマツと高山植物の世界は何度歩いてもいいものですね。
  
  サンゴ草の紅葉は初めて見たので興奮しました。能取湖のサンゴ草は橙色を帯びているので、見頃の中でやや早い方、サロマ湖のは、紫が入る部分があるので見頃の中でやや遅い方かもしれないと勝手に考えています。遠くから訪れた甲斐がありました。
  
  鶴雅リゾートのお食事は実に素晴らしかったです。最近、ウニが値上がりしているので、高級品であるエゾバフンウニがどっと出てきたときには目を疑いました。客を喜ばせようという心意気が溢れているのが嬉しいです。鶴雅リゾート、お薦めです！
  
  ドロミティさんの旅行記も楽しませて頂いています。沖縄の海の壮大な光景もいいですね！　日本に北海道と沖縄があって本当に良かったと思っています。上高地の紅葉は残念でしたが、ハイキングは楽しまれたことと存じます。
  
  やっと秋らしくなって来ましたね。どうぞ、ますますお元気でご活躍ください。
  
  Takashi