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 軽井沢への家族旅行を楽しみにしていたものの,仕事が終わらず家族を先に行かせて,後を追った。家族とのエクシブでの晩ご飯も間に合わず,東京駅構内の焼き鳥屋に入り,ガツガツと焼き鳥食べて,ビールとレモンハイを流し込み,新幹線に乗った。軽井沢駅ではもうエクシブの送迎バスも終了していてない。軽井沢駅からエクシブまでタクシーに乗るよりも,御代田駅から乗るほうが距離も短い。もう遅れてしまったのだから,ゆっくり行くかということでしなの鉄道に乗って御代田駅に向かう。ローカル線はいい。古いディーゼル機関車で,扉は自分で開け閉めする。ボタンを押して開けて締めるというのはよくあるけど,ここは扉を強引に開けるやり方。なんだかいいなぁ。<br /> 御代田駅では,目の前でタクシーが二台行ってしまった。ぼぉ~っと立ち尽くす。人の気配のない駅前で果たしてタクシーってくるのかなっと思っていたら,タクシーがロータリーに入ってきた。「おまたせしましたぁ~」と元気よく運転手さんがドアを開けてくれる。御代田駅はタクシー二台態勢で,待っていたら必ず戻ってくるのだそうだ。よかった,よかった。<br /> エクシブに到着すると,ちょうど家族は食事を終えたところ。私の顔を見るなり,「だいじょうぶ?」と妻がきく。疲れで顔が真っ白だったらしい。スパに行って部屋にもどるとそのまま寝てしまった。翌朝も,朝食を食べて部屋に戻ると疲れが溜まっているせいか,うつらうつら。気がついてお昼過ぎに起きたら,部屋には誰もいない。家族はみな軽井沢駅のアウトレットモールに行ったようだ。気遣って寝かせてくれたらしい。家族旅行なのに申し訳ない。なにやってんだ,私は。ぼーっとしながら,どうするか考える。いまさらアウトレットモールに行っても邪魔なだけだろうし,必死に追いかけていったら,それこそのんびりしたらいいのにと言われそうだ。ここはひとつ散歩にでかけよう。<br /> エクシブを出て18号線を渡り,歩道を歩く。追分宿という昔の宿場の街並みが残る場所があるそうだ。そちらに向かう。分去れの道標みっけ。右に向かえば北国街道で越後へ,左に向かえば中山道で京の都へ。どちらに向かうべきか,無宿者ならきっと迷ったはず。人生の岐路,それがすべての違いを生みだしたってね,ロバート・フロストの詩にもあったね。<br /> 少し先に行くと追分宿に到着。雨のせいか誰も歩いていない。だから余計に幻想的。昔の宿場町をのんびり歩く。昔の宿や茶屋や高札場が残されていて,宿場町の面影が残っている。アウトレットモールでの買い物でもおとなしくわんこのように付き添って歩くけど,そもそも買い物に興味がないので,こちらの散歩のほうが私にはお似合いだ。「一歩」という自家製酵母で作ったライ麦パンのお店があったので,入る。私はライ麦パンが大好き。妻も大好き。ということでお土産に半欣を買う。おうちにもどって妻と一緒にワイン飲みながら食べたけど,まさに「おつまみライ麦パン」と呼べるほど,酸味がよくてワインに合った。<br /> 散歩のおわりに「きこり」という蕎麦屋に入る。軽く蕎麦でも食べて帰ろうと思っていたが,メニューを見て気持ちが変わった。せっかくの旅先の散歩,楽しもうってことで,蕎麦味噌焼きとそばがきをおねがいする。地酒の熱燗のおつまみとして最高だ。調子に乗って熱燗のお代わり。最後にのどごしのよい田舎蕎麦を食べた。お蕎麦で地酒。これはたまらん。<br /> 良い気分になってホテルに戻ったら,そのまままた寝てしまった。夕方になって家族が戻ってきて,ようやく目を覚ます。なんだか一日中寝ているみたいではずかしい。いや,寝てばかりいたのではなくてね,散歩に出かけてね,分去りの道標を見て,追分宿を見て,ライ麦パンをお土産にして,そんでもって蕎麦屋でお酒って言い訳のように話したら,妻からなんだか楽しそうだし,よく休めたみたいだからよかったねと笑われた。次は,ひとりでなく妻も連れて蕎麦屋で飲もう。もうちょっと事前の仕事はほどほどにして。

追分宿〜分去れのおさんぽ

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2023/03/24 - 2023/03/26

1950位(同エリア2860件中)

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Jake

Jakeさん

 軽井沢への家族旅行を楽しみにしていたものの,仕事が終わらず家族を先に行かせて,後を追った。家族とのエクシブでの晩ご飯も間に合わず,東京駅構内の焼き鳥屋に入り,ガツガツと焼き鳥食べて,ビールとレモンハイを流し込み,新幹線に乗った。軽井沢駅ではもうエクシブの送迎バスも終了していてない。軽井沢駅からエクシブまでタクシーに乗るよりも,御代田駅から乗るほうが距離も短い。もう遅れてしまったのだから,ゆっくり行くかということでしなの鉄道に乗って御代田駅に向かう。ローカル線はいい。古いディーゼル機関車で,扉は自分で開け閉めする。ボタンを押して開けて締めるというのはよくあるけど,ここは扉を強引に開けるやり方。なんだかいいなぁ。
 御代田駅では,目の前でタクシーが二台行ってしまった。ぼぉ~っと立ち尽くす。人の気配のない駅前で果たしてタクシーってくるのかなっと思っていたら,タクシーがロータリーに入ってきた。「おまたせしましたぁ~」と元気よく運転手さんがドアを開けてくれる。御代田駅はタクシー二台態勢で,待っていたら必ず戻ってくるのだそうだ。よかった,よかった。
 エクシブに到着すると,ちょうど家族は食事を終えたところ。私の顔を見るなり,「だいじょうぶ?」と妻がきく。疲れで顔が真っ白だったらしい。スパに行って部屋にもどるとそのまま寝てしまった。翌朝も,朝食を食べて部屋に戻ると疲れが溜まっているせいか,うつらうつら。気がついてお昼過ぎに起きたら,部屋には誰もいない。家族はみな軽井沢駅のアウトレットモールに行ったようだ。気遣って寝かせてくれたらしい。家族旅行なのに申し訳ない。なにやってんだ,私は。ぼーっとしながら,どうするか考える。いまさらアウトレットモールに行っても邪魔なだけだろうし,必死に追いかけていったら,それこそのんびりしたらいいのにと言われそうだ。ここはひとつ散歩にでかけよう。
 エクシブを出て18号線を渡り,歩道を歩く。追分宿という昔の宿場の街並みが残る場所があるそうだ。そちらに向かう。分去れの道標みっけ。右に向かえば北国街道で越後へ,左に向かえば中山道で京の都へ。どちらに向かうべきか,無宿者ならきっと迷ったはず。人生の岐路,それがすべての違いを生みだしたってね,ロバート・フロストの詩にもあったね。
 少し先に行くと追分宿に到着。雨のせいか誰も歩いていない。だから余計に幻想的。昔の宿場町をのんびり歩く。昔の宿や茶屋や高札場が残されていて,宿場町の面影が残っている。アウトレットモールでの買い物でもおとなしくわんこのように付き添って歩くけど,そもそも買い物に興味がないので,こちらの散歩のほうが私にはお似合いだ。「一歩」という自家製酵母で作ったライ麦パンのお店があったので,入る。私はライ麦パンが大好き。妻も大好き。ということでお土産に半欣を買う。おうちにもどって妻と一緒にワイン飲みながら食べたけど,まさに「おつまみライ麦パン」と呼べるほど,酸味がよくてワインに合った。
 散歩のおわりに「きこり」という蕎麦屋に入る。軽く蕎麦でも食べて帰ろうと思っていたが,メニューを見て気持ちが変わった。せっかくの旅先の散歩,楽しもうってことで,蕎麦味噌焼きとそばがきをおねがいする。地酒の熱燗のおつまみとして最高だ。調子に乗って熱燗のお代わり。最後にのどごしのよい田舎蕎麦を食べた。お蕎麦で地酒。これはたまらん。
 良い気分になってホテルに戻ったら,そのまままた寝てしまった。夕方になって家族が戻ってきて,ようやく目を覚ます。なんだか一日中寝ているみたいではずかしい。いや,寝てばかりいたのではなくてね,散歩に出かけてね,分去りの道標を見て,追分宿を見て,ライ麦パンをお土産にして,そんでもって蕎麦屋でお酒って言い訳のように話したら,妻からなんだか楽しそうだし,よく休めたみたいだからよかったねと笑われた。次は,ひとりでなく妻も連れて蕎麦屋で飲もう。もうちょっと事前の仕事はほどほどにして。

旅行の満足度
4.0
観光
4.0
グルメ
4.0
同行者
家族旅行
交通手段
新幹線 私鉄 徒歩
旅行の手配内容
個別手配

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  • しなの鉄道。ローカル線のディーゼル機関車だ。旅感はんぱない。

    しなの鉄道。ローカル線のディーゼル機関車だ。旅感はんぱない。

  • 分去れの道標。中山道と北國街道の分岐点だ。右に向かえば越後,左に向かえば京の都。さてどちらに向かうかという人生の選択もあったんじゃないだろうか。

    分去れの道標。中山道と北國街道の分岐点だ。右に向かえば越後,左に向かえば京の都。さてどちらに向かうかという人生の選択もあったんじゃないだろうか。

    分去れの碑 名所・史跡

  • 分去れの道標。ロバート・フロストのThe road not takenを彷彿とさせる。森のなかで道が二つにわかれていた,そして私は人通りの少ない道を選んだ,そのことがすべての違いを生みだしたっね。人生の岐路だね。

    分去れの道標。ロバート・フロストのThe road not takenを彷彿とさせる。森のなかで道が二つにわかれていた,そして私は人通りの少ない道を選んだ,そのことがすべての違いを生みだしたっね。人生の岐路だね。

    追分宿の分去れ 名所・史跡

  • 分去れの道標から少し先にいくと追分宿。

    分去れの道標から少し先にいくと追分宿。

    追分宿 名所・史跡

  • 雨も降っているからか,観光客もいない。でも,なんだかタイムスリップしたみたいな趣も感じる。

    雨も降っているからか,観光客もいない。でも,なんだかタイムスリップしたみたいな趣も感じる。

  • 昔のお宿だった建物。

    昔のお宿だった建物。

  • 旧本陣もある。さすがに宿場町。

    旧本陣もある。さすがに宿場町。

  • 追分宿は,中山道二〇番らしい。右に行けば沓掛宿,左に行けば小田井宿。行き交う人々の姿が夢のあと。

    追分宿は,中山道二〇番らしい。右に行けば沓掛宿,左に行けば小田井宿。行き交う人々の姿が夢のあと。

  • 高札場。最近,浅田次郎の『流人道中記』を読んだところだったので,なんだかそれに重なって見えて,ちょいと感動。

    高札場。最近,浅田次郎の『流人道中記』を読んだところだったので,なんだかそれに重なって見えて,ちょいと感動。

  • 浅間山泉洞寺。堀辰雄の愛した石仏があるというので「おぉ!」と足を向けかけたが,カーリング地蔵という文字を見たとたんげんなりして通過。

    浅間山泉洞寺。堀辰雄の愛した石仏があるというので「おぉ!」と足を向けかけたが,カーリング地蔵という文字を見たとたんげんなりして通過。

  • ライ麦自家製酵母パンなる看板をみっけ!ロシアのライ麦パンが好きな妻にライ麦パンを買う。しっかり酸味があり,しっとりした「おつまみ系」ライ麦パン。おうちに帰ってすぐに妻と一緒にワインのいつ真美にしたけど,おいしかった。そのままでも十分おつまみになるし,バターをつけても,いくらやキャビアをのっけても,スモークドサーモンのっけてもいけそうだ。

    ライ麦自家製酵母パンなる看板をみっけ!ロシアのライ麦パンが好きな妻にライ麦パンを買う。しっかり酸味があり,しっとりした「おつまみ系」ライ麦パン。おうちに帰ってすぐに妻と一緒にワインのいつ真美にしたけど,おいしかった。そのままでも十分おつまみになるし,バターをつけても,いくらやキャビアをのっけても,スモークドサーモンのっけてもいけそうだ。

    一歩ベーカリー グルメ・レストラン

  • 枡形の茶屋と呼ばれた茶屋つがるや。枡の字がいい。

    枡形の茶屋と呼ばれた茶屋つがるや。枡の字がいい。

  • 帰り道に寄ったおそば屋さん「きこり」。そば味噌焼き。蕎麦の実が香ばしく焼かれていて,お酒にぴったりだ。うまいぞ!

    帰り道に寄ったおそば屋さん「きこり」。そば味噌焼き。蕎麦の実が香ばしく焼かれていて,お酒にぴったりだ。うまいぞ!

    きこり グルメ・レストラン

  • そばがきも美味しかった。柔らかめで,わさびのってけ醤油で食べるもよし,味噌だれにつけて食べるもよし。お調子者はお銚子もう一本追加しました。

    そばがきも美味しかった。柔らかめで,わさびのってけ醤油で食べるもよし,味噌だれにつけて食べるもよし。お調子者はお銚子もう一本追加しました。

    きこり グルメ・レストラン

  • 更科そばは売り切れだとかで,田舎そばを注文。ちべたくてのどごしのよいお蕎麦。ざく切りなところものどごしの心地よさを生みだしていました。

    更科そばは売り切れだとかで,田舎そばを注文。ちべたくてのどごしのよいお蕎麦。ざく切りなところものどごしの心地よさを生みだしていました。

    きこり グルメ・レストラン

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