2022/12/26 - 2022/12/26
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gianiさん
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この旅行記スケジュールを元に
マツダミュージアムの見学が再開されました。
工場と歴代の名車両方を見学できるのが魅力。
南区の海岸線の半分を占有する広大な敷地を巡るバスツアーです。
※事前予約が必要です。
- 旅行の満足度
- 5.0
-
プロローグ
創始者は、松田重次郎(1875-1952)。
13歳で大阪の鍛冶屋に弟子入りし、呉・神戸・佐世保の軍需工場を渡り歩く。 -
31歳の時、大阪で「松田製作所」を設立。
「専売特許松田式ポンプ」が大ヒットする。
最高のモノづくりのために:これが信念だった。 -
帰郷
大阪での成功を花道に、40代半ばで故郷広島へ凱旋。
名士として、東洋コルク工業の経営に参画する。翌年には社長に就任し、コルク栓の端材を断熱性・緩衝力の高い製品にした「圧搾コルク板」を開発販売し、経営を立て直す。
しかし、写真の工場が1925年に不慮の火災で失われる。 -
創立
復興路線として、1927年に社名を東洋工業に改め、彼が得意とする機械製造に転換する。軍需工場の下請け、市販用工作機械を設計製造する。
写真は、戦後国内トップシェアを占めることになる「トーヨー削岩機」。 -
車両メーカーへ
1930年に自社エンジンを積んだ二輪車で、広島市招魂祭レースに参戦し、見事優勝する。
翌1931年には、国産部品のみで作られた三輪トラック「マツダ号」を製造開始。外国製エンジンが当たり前だった業界の異端児。出力8ps、最大積載量200kg。 -
改良型(TSC型):1935年
排気量654cc、出力13.2ps、最大積載量400㎏、車体は二重フレームを採用。
当ミュージアム最古の車両。 -
余談
MAZDAロゴの後ろには、何故か三菱のマークが。
販売を三菱商事に委託していたためです。 -
戦争と復興
自動車産業の宿命として、戦争中は軍需工場として機能。さらに原爆投下により多くの従業員を失います。戦後は、本社家屋を県庁舎として供与する一方で、終戦4か月後には製造を再開。
1949年には、GB型がデビュー。輸出も再開されます。カタログにはPride of Hiroshima と書かれています。 -
GB型(1949年)
排気量701cc、出力15.2ps、最大積載量500㎏、価格は据え置き。
洗練されたスタイルも人気でした。 -
写真左:CT型
1950年デビュー。最大積載量1tという革命児。斬新なデザインも魅力。
写真右:製品ラインナップ
1951年の規制撤廃により大型化が可能になり、最大2tまで揃う。 -
GLTB型(1956年)
この頃、三輪トラックは完成域に達する。運転部分はキャビン化され、快適性も向上。2灯式ライト、ツートンカラーなど、量産性デザイン性でも円熟域に。排気量700cc、出力22ps、最大積載量750kg。 -
綜合自動車メーカーへ
二輪車試作前から、四輪車製造が松田重次郎の悲願だった。実は、1949年と52年に4輪トラックを世に出したが、僅か109台の生産に留まり、プロジェクトは一時凍結した。
写真は、R360クーペ(1960-69)。排気量356cc、出力16ps。初の量産車である。ライバルのスバル360よりも安い価格設定(30万円)が魅力。デビューから、マツダらしさ(安さ)がウリなんですね。。。 -
キャロル600(1962年)
R360クーペは後部座席が極端に狭い弱点を克服した。当時の600ccは軽自動車ではなく小型自動車規格だった。豪華な外装や丈夫なフレームが仇となり、重くて遅い、狭い室内がネックだった。
※量産されたのは、キャロル360だった。遅い・狭いがネックだったが、大幅に価格を下げて販売台数を伸ばした。 -
ファミリア(1964年)
待望の小型乗用車。満を持して一年前にバンタイプを先行発売して、市場の反応を確認した。性能・デザイン・実用性・価格のバランスが良く、最大で市場シェアは30%に到達。いわゆる名車です。排気量782cc、出力42ps、定員5名。 -
ルーチェ(1966年)
いわゆる上級セダンで、キャロル、ファミリア、ルーチェというピラミッドを構成。ヨーロピアンデザインと広い室内は、欧州輸出を意識。
排気量1490cc、78ps。 -
ボンゴバン(1966年)
低床の商用車。駆動をRR方式にして、中央部の床を地上45cmまで低くした。スライドドアと併せて、重くてかさばる荷物の積み下ろしに威力を発揮した。
排気量987cc、出力48ps、最大積載量400㎏。 -
ロータリーエンジン
ピストンの往復運動ではなく、ローターの回転運動で出力を得る異次元エンジン。1959年に西独NSU社が開発。各社が技術提携を結んだが、実用化したのはマツダ。
写真は6年の歳月をかけて完成させた10A型(1967年)。軽量・小型という特性が、目視できる。水冷2気筒で、491cc×2個(通常エンジンの1473ccに相当)、出力110ps。 -
コスモスポーツ(1967年)
ロータリーエンジン(10A型)を積んだ初の量産車。加速性能に優れ、自動車レースでも優秀な成績を収める。市場価格184万円。伝説の車。最高速度185km/h -
サバンナ(1971年)
前年に開発された12A型エンジン(573cc×2、120ps)を搭載。 -
コスモ(2代目 1975年)
北米市場をターゲットに開発。高級車で赤色をイメージカラーにして、大成功を収める。1973年に開発された13B型(654cc×2、135ps)エンジンを搭載。1973年発効の米国排ガス規制をクリアする前提で開発されたエンジン。 -
サバンナRX-7(1978年)
第1次オイルショックに伴い、省燃料を命題にした「フェニックス計画」の成果で、初代の12A型よりも50%近くも燃費を改善した12A+REAPS5エンジンを搭載。RX-7は、ロータリーエンジンの特性を最大限に活かせる設計。エンジンを中央かつ低い位置に配置して、優れた操縦性と動力性能を実現。名車です。 -
5代目ファミリア(1980年)
主力車でマツダ初のFF(前輪駆動)。陸サーファーの相棒としても愛される。バカ売れした大衆車。排気量1490cc、85ps。 -
4代目カペラ(1982年)
ファミリアとルーチェの隙間を埋める車種。海外でも良く売れ、TVCMではアラン・ドロンを採用。排気量1789cc、100ps。 -
2代目サバンナRX-7(1985年)
ツインスクロールターボ付きの13B型(654cc×2)を採用し、最大出力205ps。エンジン、足回り、ボディ軽量等を施したフルモデルチェンジ。革命的初代に対し、こちらは超進化系。2年後にはオープンカータイプも発売。 -
ユーノスロードスター(1989年)
コンパクトなカブリオレ(オープンカー)かつスポーツカーというコンセプト。隙間産業が社風のマツダ本領発揮の車種。小型(1597cc)、操作性(人馬一体)、低価格(170万円台)の3拍子揃った世界のベストセラー。120ps。 -
一方で、ロータリーエンジンの改良も続け、1991年のル・マン24時間耐久レースでは、総合優勝。マツダの黄金時代が数年続きました。ラリーも参加し続けています。
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これが、実車。アパレル全盛期を彷彿とさせる懐かしい前面広告。
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この後21世紀のクルマがいろいろと展示。
CX-5(2012年)
クロスオーバーSUV市場に殴り込みをかけた製品。
クリーンディーゼルを採用し(驚異の175ps)、新たな需要を開拓した車両。
技術を重視する一方で、優れたコスパで顧客に選ばれるマツダの戦略を感じさせる歴史でした。 -
スカイアクティブテクノロジー
CMで耳にする言葉ですが、
走る歓びと、環境・安全配慮を両立させる取り組みです。
前出の初代CX-5以降の車種に採用。 -
環境負荷
リサイクル:自動車部品の90%をリサイクル。
車両製造:省エネ・廃棄物の少ない工場。
走行:高燃費・有害排気物の減少。
部品・素材製造:再生利用可能な素材、リサイクルしやすい加工。 -
真っ先に思いつくのが、エンジン改良。
左より、SKYVCTIV-G,D,X。
Dは軽油を燃料とするディーゼルエンジン、GとXはガソリンエンジンです。燃費向上を達成しました。 -
Gタイプは、高圧縮比(14。普通は10)を実現して、燃費を改善。圧縮比を上げてもノッキングしないように工夫を凝らしたエンジン。
Dタイプは、重い(頑丈)・高速回転できない・汚い排気というディーゼルエンジンの常識を、低圧縮比でもきちんと作動させることで克服した。
いずれも、ガソリン(ディーゼル)エンジンとはこういうものだ。という常識を根本から覆すプロジェクトです。
Xタイプは、低負荷時は(ディーゼルエンジンのように)圧力点火、高負荷時は従来の(火花)プラグ点火するガソリンエンジン。DとGの技術を基礎にしている。 -
効率化による省エネ
5-10年単位で発売製品を一括企画し、共通する固定要素と、個性を出す変動要素に分解。こうした企画をベースに開発~製造まで行う。 -
高効率フレキシブル生産
この後工場へ移動し、車体の組み立て作業を見学するのですが(もちろん撮影・録画禁止)、なんと全車種を一つのラインで組み立てていました。スポーツカーもSUVも街乗り車もごっちゃ混ぜです。1台ごとに、取付部品や工具が工程順に準備された棚が登場し、工員が作業していきます。車種ごとに製造ラインを分ける必要がないので、スペース・設備投資面では大きな節約になります。 -
eSKYACTIV(電気自動車)
走行時のCO2はゼロとはいえ、原料調達・製造・使用・リサイクル・廃棄という視点で評価する必要があります。グラフ(日本)を見ると現在の技術では、ガソリン車と比べて、納車までに2倍のCO2を排出。11万kmで臨界点を経るものの15万kmの部品交換で再び負けています。素材と部品寿命がネックだと分かります。
※再生可能エネルギーや原発による発電率の高い国だと、上昇率が下がります。 -
安全
予防:ペダルの踏み間違えを防ぐ配置、運転補助機能、左右前方が見やすい車両、疲れにくい座席etc.
衝突安全:相対速度100km/hを想定(CX-5)。
相対速度100km/h:静止物体に100km/hで衝突、50km/hで走行する車同士が衝突etc. -
めったに起きない正面衝突ではなく、
危ない!とハンドルを切ってぶつかるオフセット衝突で実験。勿体なやCX-5. -
歓び
単なる移動手段ではなく、ときめきも与える。
何よりも、ハンドル・エンジン・ミッション・タイヤが一体になって実現します。
とはいえ、メカだけではなく、見た目も重要。
デザインは立体的になり、躍動感が増します。
直線の光を照射すると、ボディ表面の躍動感が一目瞭然。タイヤへ向かって、線(エネルギー)が集結します。逆に解釈すると、タイヤから生まれたエネルギーがクルマ全体へ拡散しているともいえるでしょうか? -
色・塗料
古くは緑。三輪車、ファミリア、特に初代RX-7は、この色以外はありえません。
一方で、2代目コスモから続く赤の伝統も。躍動感とときめきを表現しつつも、ラグジュアリー感を増していく進化が続きます。写真は、赤と塗膜構造の変化。 -
上と下のパーツは、立体感と躍動感に大きな差がありますが、同じ形状で塗料だけを変えたもの。ずいぶんと違いが出るものですね。
ミュージアムは以上で、工場見学して終了です。 -
本社工場
1982年に防府工場が誕生するまで、国内唯一の生産拠点だった。面積223万平方キロメートル(マツダスタジアム97個分)。
写真右の猿猴川を挟んで右側が本社地区で、本社機能と車軸製造を行う。
対岸が宇品工場で、右からプレス、車体組立、塗装、車両組立・ミュージアム、出荷埠頭、素材置場の順に並ぶ。
宇品工場の左は宇品第2工場で、エンジン加工・組立が行われる。 -
以降は、公道からの撮影です。
マツダ本社は、JR向洋駅そばにあります。向かいには、マツダ病院とズームズーム薬局があります。向洋駅 駅
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本社地区の南端には独身寮が並びます。
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独身寮の横には、広島バスの営業所が。
広いマツダ本社工場内には34のバス停があり、通勤時間帯は構内を数分おきにバスが来ます。運行は広島バスに委託しています。 -
黄金橋で猿猴川を渡ります。
手前には本社地区の車軸製造工場が、奥の高い棟はカーポート(立体駐車場)。壁が斜めになっていて、自動車が上階へ上がる坂道になっているのが分かります。 -
カーポートの前は旧埠頭で、かつては900台を積める船が横付けされました。
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ちょっと遠いですが、猿猴川を跨ぐのが東洋大橋。本社地区と宇品工場を結ぶ私道。宇品工場操業開始の前年1965年に開通。当時は、東洋一の私設橋でした。ミュージアム見学の際も渡ります。名称は、当時の社名東洋工業に因みます。
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独身寮付近からの撮影。手前の道路でゆっくりと高度を上げ、画面真ん中で川を渡ります。自動車輸送船が航行できるよう、水面からかなり高い部分を横断します。
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宇品工場
西端は広島港の一部で、素材受入と完成車の輸送が行われます。6000台を積める自動車輸送船が停泊できる岸壁です。臨海部には自前の発電所等があります。 -
宇品波止場公園からは、貨物船、および自動車輸送船が停泊しているのが眺められます。
宇品波止場公園 公園・植物園
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宇品第二工場
エンジン部分を担当。宇品工場とは、産業道路で分断、専用陸橋で結ばれます。かどやお好み焼 グルメ・レストラン
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宇品工場と第二工場の間には、広島~宇品港を結ぶ国鉄宇品線が通っていました。日清戦争に備えて開通し、晩年は旅客営業もしていました。
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おまけ
動物のお尻もかわいいですが、クルマのお尻にも個性があります。
まずはR360。
後部にエンジンを取り付けるのが、マツダ流でした。 -
キャロル600
エンジンを保護するため、バンパーが念入りです。 -
ボンゴ1000バン
ワゴン車なのに、後ろにエンジン。 -
車内(左が後部で、右が前)
ノンステップバスと同じ構造ですね。
車底を低くして横のスライドドアからの積み下ろしを楽にしました。 -
初代ルーチェ
メルセデスベンツに似たヨーロピアン美人。 -
グランドファミリア
うっとりします。 -
コスモスポーツ
次の旅行記↓
https://4travel.jp/travelogue/11815980
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