2022/09/13 - 2022/09/13
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ペコちゃんさん
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8月23日は、二十四節気の一つ「処暑」・・・暦のうえで暑さが収まる頃とされ、埼玉県北西部の長瀞町では秋の七草が植えられた寺を訪れる「秋の七草寺めぐり」が「処暑」に合わせて始まりました。
この夏は、コロナの第7波と猛暑で山歩きを中断していましたが、9月に入り、足腰のトレーニングを兼ねて桔梗やナデシコなど秋の七草が楽しめる「長瀞 秋の七草寺めぐり」に山仲間とトライしました。
歩行距離:約13km、歩行時間:約4時間という案内でしたが、実際に歩いてみるとかなりのハードなコースで、2回に分けるハイカーも多いとか・・・休憩・昼食時間も含めて約6時間で何とか走破できました。
秋の七草寺霊場会長の話では「万葉集にも歌われた花と長瀞の自然を、寺を回りながらゆったりとした気持ちで楽しんで欲しい」とのことですが、途中からそんな余裕はなく、バテバテに疲れた秋の一日でした。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 同行者
- 友人
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 私鉄 徒歩
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ハイキングのイベントも開催される「長瀞 秋の七草寺めぐり」・・・秋の七草とは、万葉集を代表する歌人・山上憶良が『萩の花 尾花葛花 なでしこの花 女郎花 また藤袴 朝顔の花』と詠んで以来、日本を代表する秋の花として古くから親しまれてきました。(朝顔:桔梗の古名)
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今回の参加者は7名。
西武秩父駅から秩父鉄道・御花畑駅へ。 -
9時10分発の電車が来ましたが、何と、賑々しいアニメのラッピングトレイン!・・・秩父鉄道は2014年から電車のラッピングを始めましたが、これは2021年4月から運行開始した第4弾のラッピングトレイン「超平和バスターズ」。
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秩父市を舞台にしたアニメ3部作「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない(あの花)」「心が叫びたがってるんだ(ここさけ)」「空の青さを知る人よ(空青)」のキャラクターや劇中画が3両の車両全体にラッピングされています。
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コロナ禍で落ち込んだ観光客を取り戻そうと企画されたフルラッピングトレイン・・・社内吊りもアニメの登場人物を紹介する拘りよう。
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2両目の「ここさけ」。
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3両目は「あの花」。
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「あの花」に登場する6人。
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9時28分に親鼻駅で影森行(下り)の電車と待ち合わせ。
やって来たのは、第3弾のフルラッピングトレイン「彩色兼備(さいしょくけんび)」・・・秩父鉄道の創立120周年記念で2019年から運行しています。
3両編成の外装を沿線地域の花や景色などでラッピングし、内装もグルメや観光スポットなど沿線の魅力を紹介するデザインになっています。 -
埼玉県北部の「三峰口」~「羽生」を結ぶ秩父鉄道・・・今回は「御花畑」~「樋口」まで30分の乗車です。
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9時40分に樋口駅に到着・・・記念に電車の前と後ろをパチリ・・・この電車はアニメ好きの人には堪らないでしょうね。
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樋口駅から長瀞駅に向かって、①尾花:道光寺 ⇒ ②葛:遍照寺 ⇒ ③萩:洞昌院 ⇒ ④多宝寺:桔梗 ⇒ ⑤藤袴:法善寺 ⇒ ⑥女郎花:真性寺 ⇒ ⑦撫子:不動寺 と頑張って歩きましょう。
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樋口駅をスタートし、荒川を見ながら「白鳥(しらとり)橋」を渡ります。
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橋を渡ると、最初の七草寺・道光寺が案内板にあります。
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山門の手前に尾花が見えてきました。
でもこれはふつうのススキではなく、明治時代に南米からやって来たパンパスグラス(シロガネヨシ)ですね。 -
樋口駅から徒歩10分で、1番目の道光寺に到着。
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山門を入ると右手に六地蔵。
道光寺の境内には様々な種類のススキが植えられており、その数35種類にも上るのだとか・・・さすが「尾花の寺」を名乗るだけあります。 -
道光寺は臨済宗妙心寺派に属する禅宗のお寺で、創建は1502年とされます。
享保年間(1716~1736)に火災が発生し、諸堂や鐘が焼失しましたが、本堂は1752年に再建され、現在に続いています。 -
本堂には、釈迦如来と文殊菩薩・普賢菩薩を脇侍として配置した釈迦三尊が、本尊として祀られています。
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左側にある鐘楼・・・火災による焼失や戦時中の供出を経て、昭和50年代に再鋳された現在の鐘は4代目。
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一般的にはススキと呼ばれる尾花・・・ススキの穂が動物の尾のように見えることから尾花と名付けられました。
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2番目の遍照寺に向かう途中、道端に咲く白いセンニンソウやコスモスなど秋の花が目を楽しませてくれます。
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ヤナギハナガサと葛の花。
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秩父鉄道の踏切を渡って国道140号に出ます。
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ニラとマルバルコウ。
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国道沿いにあるガーデニングの専門店「長瀞てらす」。
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埼玉県熊谷市と山梨県富士川町を結ぶ国道140号の愛称は「彩甲斐街道」。
暫く歩くと、洞昌院の「萩の花が見ごろ」の案内板が見えてきました。 -
140号から右に入ると、直進が葛の寺、左折が萩の寺の案内標識。
まっすぐ葛の寺に向かいます。 -
ナツメの実。
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道端に咲く可愛いマメアサガオ。
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編照寺入口の看板・・・ここから山道に入り、10分余りの急登で、かなりバテました。
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標高549mの不動山の中腹にある遍照寺・・・境内の入口にヒガンバナが咲いています。
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道光寺から約1時間、2番目の遍照寺に到着しました。
左側の六地蔵が迎えてくれます。
遍照寺の正式名称は「野上山金剛院遍照寺」で、真言宗智山派のお寺。
因みに「長瀞秋の七草寺めぐり」は、7寺のうち4寺が真言宗智山派です。 -
「葛の寺」の遍照寺の創建時期は不明ですが、室町時代末期の元亀年間(1570~1573)以前にはあったようです。
本堂は2度にわたる火災で焼失し、1702年に再建されました。 -
檀家の皆さんが「林さん」という特徴をもつ遍照寺・・・これは「一姓一寺」という慣習で、開基・林助之進と同族の林姓以外は檀家になれないのだそうです。
本尊は「役行者神変大菩薩」で等身大の寄木造り。 -
本堂前に置かれた石のベンチ・・・狛犬が可愛い!
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境内右側に広がる葛の棚・・・その下をくぐると甘い香りが漂ってきます。
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遍照寺から近道の急坂を下り、3番目の洞昌院へ。
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萩の寺・洞昌院・・・二千坪の境内にサミダレ・ベニハギ・ユキハギ・シロハギ・ニシキハギ・ミヤギノ・ツクシハギなど様々な萩が色とりどりに咲き集います。
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古来より親しまれてきた萩の花。
万葉集に詠まれた植物では、萩が141首とトップで、梅・118首、松・79首、橘68首と続き、桜は50首で5位・・・繊細で色合いが美しい萩の花は、万葉の人々にも愛されたのでしょう。 -
『秋風は 涼しくなりぬ 馬並めて いざ野に行かな 萩の花見に』(万葉集)
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石段を上がって本堂へ。
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途中にある六地蔵。
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不動山 白山寺 洞昌院・・・このお寺も2番目の遍照寺と同じ真言宗智山派です。
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洞昌院の創建は平安時代中期とも鎌倉時代の建立とも伝えられますが、江戸時代の初めに焼失したため、詳しいことは分かりません。
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本尊は不動明王。
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境内には、弘法大師像や・・・
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観世音菩薩が祀られています。
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本堂左脇のお地蔵様を見ながら、展望台のある裏山に登ります。
途中の斜面に設けられた墓地も、白萩の花で埋もれそう。 -
萩の花をタップリと楽しみました。
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多宝寺に向かう途中の道端に咲くハクチョウソウ。
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シュウカイドウ。
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樋口駅から秩父側に一駅戻った野上駅を通り・・・
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4番目の多宝寺に到着。
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多宝寺は桔梗・・・一番花が6~7月に咲くので、一旦それらを刈り取り、他の秋の七草の見頃に合わせて二番花を咲かせるようにしています。
白の桔梗は咲いていましたが、紫の桔梗はほぼ終り。 -
金玉山 観音院 多宝寺も真言宗智山派のお寺。
多宝寺が桔梗の寺とされる所以は、真言宗智山派総本山・智積院の寺紋が桔梗紋で、智山派の宗紋が桔梗紋だからです。
六地蔵を見ながら本堂へ。 -
多宝寺の開山は1321年と伝えられ、この本堂は1984年に建て替えられました。
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本堂に祀られているご本尊は、両脇に不動明王と毘沙門天を従えた十一面観世音菩薩で、行基の作と伝えられます。
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多宝寺を後にして、荒川を見ながら高砂橋を渡り・・・
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突き当りを右折して、藤袴の法善寺に向かいます。
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12時を過ぎていたので、食堂「賢」で遅めの昼食。
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豊富なメニュー・・・手ごろな値段でボリュームたっぷり・・・陽気なママさんとの会話も弾みました。
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5番目は藤袴の法善寺
春の枝垂桜が見事な法善寺ですが、この時期は柳のような葉っぱが境内を覆っています。
参道入り口の右側には、小さいお地蔵さんを抱いた子育て地蔵・・・台座には「抜苦与楽(苦を抜き楽を与える)」の文字が刻まれています。 -
1478年創建の法善寺は臨済宗妙心寺派のお寺・・・金獄山(かねたけさん)の麓にあることから、山号は山門の扁額にある金獄山。
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本堂の右側にある鐘楼。
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境内のあちこちに藤袴が咲いています。
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1739年に建立された本堂。
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正面の欄間彫刻は、熊谷・妻沼聖天堂の彫刻などを手掛けた後藤茂右衛門正綱の作・・・彫りが深く重厚な龍虎の彫刻は色彩も当時のまま保存されており、江戸中期の代表的な作品として評価されています。
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法善寺から金石水管橋を通って荒川を渡ります。
この橋は、水道本管を併設した歩行者と自転車専用の橋です。 -
荒川河川敷に設けられた長瀞オートキャンプ場。
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女郎花の真性寺に到着しました。
真性寺は646年の創建と伝えられています。 -
本堂の前で一面に咲く女郎花。
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鮮やかな黄色の花が見事です。
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六地蔵と女郎花。
六地蔵とは、六道(地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天上)のそれぞれにあって、衆生の苦悩を救済する地蔵菩薩のことで、六体のお地蔵様は、それぞれが六つの世界で苦しむ亡者を救済し、浄土に送り届けてくれると言われます。 -
真性寺も真言宗智山派のお寺で、本堂は1994年に改築。
無住のお寺ですが、多くの参拝者が訪れる女郎花の花期には本堂が開放されます。 -
本尊は不動明王。
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本堂の前に建つ弘法大師像。
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境内に建つ高さ約3mの「青石塔婆」・・・板碑上部には「三弁宝珠」と阿弥陀如来を表す梵字が刻まれています。(三弁宝珠:下に2つ、上に1つの円形の宝珠が積み重なったもので、仏の持物の1つ)
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秩父鉄道の踏切を渡り、7番目の不動寺に向かって国道140号線を歩きます。
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宝登山神社の入口を左折して不動寺へ・・・最後の坂を頑張って上ります。
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不動寺は宝登山ロープウェイの広い駐車場の先にあります。
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宝登山の麓にある不動寺は、秩父鉄道によって1980年に新しく創建された真言宗醍醐派のお寺で、正式名は「長瀞山 五大院 不動寺」。
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境内にはいろんな種類の枝垂れ桜が植えられています。
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不動堂には本尊の不動明王が安置されています。
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宝登山麓の林に囲まれた不動寺は「撫子(なでしこ)の寺」。
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可愛らしいピンクの花を咲かせる撫子。
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宝登山ロープウェーが境内のそばを通っています。
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境内の撫子は余り多くありませんでしたが、寺の裏山では白い曼珠沙華が至る所で咲き誇っています。
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これで「長瀞秋の七草寺めぐり」は無事に終わり、宝登山神社の大鳥居を見ながら長瀞駅に向かいます。
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駅前商店街の歩道に埋め込まれたタイル絵。
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関東の駅百選に選ばれた長瀞駅。
秋の七草を楽しみながら、天気にも恵まれた秋の一日でしたが、3万歩近いウォーキングはキツかったですね。
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