2022/06/09 - 2022/06/09
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t_jayさん
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内田百閒著『特別阿房列車』に出てくる「なんにも用事がないけれど、汽車に乗って大阪へ行って来よう」というコンセプトは、鉄道好き、特に「乗り鉄」にとってはたまらない旅の理由だろう。
ところが、よく読んでみると、周りから阿房(阿呆)と言われる彼の旅は、実に色々なルールがある。
・一等車でなければならない(でも、帰りは三等)
・無駄遣い防止のために宿泊は避けたい
・旅費は借金で調達
などなど、旅する側は阿呆どころか、真剣に考えないと旅に出られない仕組みになっている。
そう、「阿房と云うのは、人の思わくに調子を合わせてそう云うだけの話」なのだ。他人の物差しなど気にせず旅に出る。そんな想いから、旅に出てみようと思った。
-
そう思ったものの、大阪に行って来よう、という気にならなかった。
それに、大阪という目的地はあくまでも『特別阿房列車』の話であって、調子を合わせようとしてはいけない、と思い直して、自分流にアレンジすることにした。
ターゲットは、グランクラスとした。「現代版一等車」とでも言おうか。
出発の前日に「えきねっと」から予約し、支払いは「現代版借金」のクレジットカードとした。少し、阿房列車っぽくなった。
出発当日、東京駅の駅長室に行く(『特別阿房列車』では、駅長室に行って一等の切符をお願いすることになる)ことはないが、グランクラスを使う場合、東京駅のラウンジを使える、という案内があったので、行ってみることにした。
ラウンジの入り口(大きな案内があるわけではないので、分かりにくい)で予約時に受け取ったメールを見せると、奥のラウンジエリアに案内された。ラウンジ内は私一人である。コーヒーを飲みながら、出発時間を待つことにした。
コーヒーのお供に、高崎で有名なラスクが提供されたが、バリバリと音を立てて食べるのも…それに、ポロポロこぼれて一席だけ汚すのも申し訳ないので、遠慮することにした。 -
◆はくたか557号 東京9:32発→上越妙高11:24着
出発15分前くらいにホームに出ると、目的の新幹線はまだ清掃中だった。
以前、東北新幹線に乗った時に見つけた、ホームに近いBECK'Sで、カップの生ビールを販売していたように記憶しているが、メニューに見当たらない。誠に残念である。
『特別阿房列車』でも、終戦後、世の中が元に戻るようになると、一等車も復活するようになった、といったことが語られるが、2022年6月になると、少しずつコロナの影響から元に戻る部分が多くなったように思う。これも、旅に出たいと思った理由の一つである。 -
列車が発車すると、すぐにアテンダントの方がおしぼりと共に飲み物の希望を聞きに来た。まだ午前中ではあるが、ラウンジでコーヒーを飲んだばかりなので、早速、スパークリングワインを頼むこととする。
上野を出る頃には、軽食、おつまみ、洋菓子とスパークリングワインがセット完了。
「フリードリンクなので、お代わりのご注文をお待ちしてます!」
と、何とも心強いコメントをいただく。さすが、グランクラスである。 -
軽食の内容はこちら。ブランチ感覚で頂くには、ちょうど良いボリュームである。
あわせるスパークリングは高畠産シャルドネを使ったスパークリング。少しガス圧が弱いようにも感じるが、ミニボトルだから、なのだろうか?
少しレモン感が強いが、蕗の煮物とあう。菜の花の苦味とあうか?と思って試してみるも、思いのほか、菜の花が苦くない。少し甘めの味付けなのだろう。 -
続いて、普段、口にすることのない日本酒へ。
北陸新幹線だから、なのか、福井の酒である。非常に口当たりがスムーズで飲みやすい。食事の甘みに、後味のアルコール感をあわせるイメージなのだろうか?
残念ながら、元祖「阿房列車」のように、同行してくれる「ヒマヤラ山系」のような方はいないので、一人で自分のペースで飲み続けることができる。 -
最後に赤ワインを頼むと、塩尻産メルロー2018年ヴィンテージがサーブされた。
プラム系の味わいが強く、樽熟成させると更に面白いのでは?と思いつつ、タンニン、酸共におだやかで、食事との相性としては守備範囲が広いのでは?とも思う。
つまりは、楽しく頂いたのだ。少し、冷やし過ぎなのはご愛嬌、としておこうか。
ちなみに、メニューに「白ワイン」はなかった。理由は不明である。
そして、ボトルとグラスの下に置かれるコースターのグリップ感が秀逸だったので、グランクラスのお土産とした。アテンダントの方曰く「コースターを褒められることが多いのですが、何がいいのか、よく分からないんですよね…」 -
列車は高崎を通過して軽井沢に停車した。
ホームドアのガラスにキレイな装飾が施されているとは知らなかった。 -
長野を出発したところで、下車に向けた準備として食後のコーヒーをいただく。
途中駅からの乗車もなく、この列車のグランクラスの乗客は私一人だった。
ちなみに、グランクラスのアテンダントの方は、グリーン車も担当しているのかと思いきや、グランクラス専属なのだという。客一人に対してスタッフ一人。何だか恐縮してしまう。と同時に、「お代わりのご注文お待ちしてます!」という力強い一言の裏には、私からのリクエストがないとやる事がない、という意味もあったのだろうか… -
目的地の上越妙高に到着。
アテンダントの方が深くお辞儀して見送っているので、こちらも最重要顧客の営業先から出てくる時くらいの勢いで何度も頭を下げてしまった。
これだけ乗客が少ないだけあって、2022年秋には「はくたか」のグランクラスは見直され、今回のような軽食や飲料のサービスは無くなるという。いくら安くなる、とはいえ、椅子だけ豪華なグランクラスに乗りたいか?と考えると、私は選ばないだろう。 -
ここからは三等列車の旅である。
できることなら、青春18きっぷの時期に、JRだけで帰ることができればベストなのだろうけど、6月の時期に青春18きっぷは無いので、私鉄多めのルートとしてみた。
と、その前に、えちごトキめき鉄道のホームからパチリ。新幹線の駅+並行第3セクター+駅前ビジネスホテル(ここの場合、東横インとスーパーホテル)、というのが、これからの地方開発のパッケージになるのだろうか?と思ってしまった風景。ビジネス需要があるのなら理解できるが、レジャーで「泊まれるホテルが東横インしかないけど家族で行こう!」ということは考えにくい。
事実、我が家の家族旅行は「大人2名+子供1名(添い寝できる体のサイズではない)」が基本なので、3名一室条件で宿泊先を探すことになる。この段階で検索から外れる駅前ビジネスホテルは意外と多く、そうなると目的地から除外せざるを得ない。
家族旅行なら、伝統的な「和室・1泊2食付」スタイルがベストなのか?こちらとしては、時には地元の居酒屋に入ってみるような「トリプル・1泊朝食付」な旅がしたいと思う。 -
◆上越妙高11:37発→直江津11:54着
まずは上越妙高から直江津を目指す。
どこかJR西日本デザインの各駅停車だが、よく見るとパンタグラフが無い。ディーゼルだったとは…
ちなみに、どこかJR東日本デザインの「電車」も走っていたが、こちらはロングシート車なので、列車旅にはディーゼルの方がオススメである。 -
直江津に到着。
直江津駅のホームで驚いたのは、こちらの待合室。写真では分かりづらいが、「自習室」と書かれていた。リモートワーク向けのボックスが駅に設置されているのは多く見るが、ホームに自習室、って需要あるのだろうか? -
◆直江津12:14発→六日町13:14着
直江津からは、ほくほく線を経由して六日町を目指す。
この日はたまたま、なのか、「ゆめぞら」車両で運転された各駅停車。全席転換クロスシートながら、直江津出発時の乗客は私も含めて3名程度、と寂しい限りである。 -
人生初ほくほく線だが、何しろ、見渡す限り、水田が広がっている。さすが、お米で有名な新潟県!
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北陸新幹線ができるまでは首都圏から北陸方面へのアクセスを担っていただけあって、高規格の頑丈な鉄路が水田地帯を飛ぶように敷設されていた。この線路を最高時速160キロで走る特急は、もう現れないのだろう。
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◆六日町13:29発→越後湯沢13:51着
六日町まで走った「ゆめぞら」は、そのまま車庫へ引き上げていった。
ここからはJR上越線の旅。新潟支社からやってきた2両編成の各駅停車は、ボックスシートはあるものの、車両の半分はロングシート。ボックスを確保できたのはラッキーだった。これからの地方輸送の形となるだろうか? -
越後湯沢で後続の水上行きを待つ間、立ち食いそば(駅そばには珍しくコシ強め)を食し、日帰り入浴を済ませる。そういった過ごし方の客が多いのか、駅員さんも手際良く途中下車の印を押してくれる。
昔はホーム一杯に特急「とき」などが停車していたのだろうか。そんなことより、往年の繁栄を物語る長いホームのどこに次の電車が停車するのか?をはっきりさせて欲しい、と、普段、越後湯沢駅を使わない人間は思うのであった。 -
◆越後湯沢15:08発→水上15:48着
長岡から水上まで走る各駅停車は4両編成であった。さすがに座席には余裕がある。
上越線上り線のハイライトといえば、やはりループ線なのだが、初夏の木々の勢いに押されて、よく見えなかった。 -
水上に到着。ホームを渡って高崎行きに乗り換える。
同じホームで乗り換えやすいように運用してもいいように思うのだが。 -
◆水上15:53発→高崎16:56着
何と、ロングシート車である。土地土地に事情があるだろうから文句も言えないが、ロングシートで1時間移動する、と考えると身構えてしまう。いや、旅するならボックスシート、という「物差し」が捨てられないだけか。実際、沿線の高校生や遠足の帰りと思われる中学生などで混雑する区間もあった。
前橋の車両区などを見る限り、高崎周辺の各駅停車は基本的にロングシート車のようだ。今後の列車旅の参考にしようと思う。 -
高崎から先、高崎線で帰京するわけだが、詳細は割愛させていただこうと思う。
ただ、高崎から接続の小田原行きは隣のホームに停車しているものの、水上からの電車が到着する段階ではボックスシートが埋まっていて、ロングシートの旅を続けるか、グリーン車という追加代金を支払うか、となるわけだが、乗り換え時間が短いのでのんびり悩む時間はないものと思った方がよい。と言っても、次の湘南新宿ラインがすぐに来るのだけど。
ホームの端に八高線が停まっていたが、こちらもなかなかの混雑ぶりであった。
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