◆花の都　東京の橋梁等を巡る旅◆その２

2022/04/01 - 2022/04/01

　東京の橋を巡る旅、後半です。隅田川を上流へレンタサイクルで観て行きます。

前半はこちら⇒https://4travel.jp/travelogue/11754617

エリア 浅草(東京)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 3万円 - 5万円
• 交通手段: 新幹線 徒歩 バイク

【厩橋】（うまや）
1929年(昭和4年)竣工、下路タイドアーチ橋

夥しい数のリベットが打たれた太いアーチリブ！

厩橋 名所・史跡

端部の親柱状の端柱上部はステンドグラスの照明で飾られ、その名の由来となった馬が描かれています。

橋台付近には銘板も。

【駒形橋】
1927年(昭和2年)竣工、2ヒンジアーチ橋

こちらも帝都復興院担当６橋の一つ。
この６橋は早期開通が求められる状況下でありながら、鈑桁橋の２橋を除いて異なる形式の橋が採用され、真っ先に開通した相生橋を除いて今なお供用されているのがすごいですね。

駒形橋 名所・史跡

尖塔付きの円筒形照明が特徴的。このポールは一体何故付けたのか？何に使うのか？

【吾妻橋】
1931年(昭和6年)竣工、上路2ヒンジアーチ橋+RCボックスラーメン橋

アサヒビール本社脇に架かる色鮮やかなアーチ橋。
高欄には隅田川の花火が描かれていました。

吾妻橋 名所・史跡

橋台にはアーチの通路も併設され、復興橋梁に多数採用されたラーメン橋台にも類似しています。

旧橋は英国製部材使用の錬鉄製プラットトラス(ピン結合)で、架替工事施工中に発生した震災にも耐えましたが、その後に発生した火災に被災し架け替えられました。
旧橋脚上部は鉄道省及び警視庁保安部の指導・援助の元、カーリット爆薬にて爆破解体されました。
写真左奥、今はアサヒビール関連ビルの建っている場所には札幌麦酒東京工場の「SAPPORO BE(ER)」の文字が見えます。

出典：土木学会

銀座線【浅草駅４番出入口】
1931年(昭和6年)頃竣工

寺院建築をモチーフとした上家！
【登録有形文化財】

地下鉄浅草駅出入口 名所・史跡

東武鉄道 【浅草駅】
1931年(昭和6年)築、1974年(昭和49年)改修、2012年(平成24年)改修

平成の改修により、耐震補強と共にネオ・ルネサンス様式の当初の姿が再現されました。

浅草駅 (東武鉄道 地下鉄) 駅

清水建設に建設時の写真がありました！
「復元」ではなく「再現」という表現を東武さんが使っているので、かなり似せて作り直したけど元通りではないよ　という事なのかもしれません。
ペントハウスの時計廻りなど、ちょっと違うのが判ります。

東武伊勢崎線 【架道橋】（名称不明）
1931年(昭和6年)開通、上路プレートガーダー橋

浅草駅ホームも受ける、うぐいす色の架道橋。

旧架線柱の下部と思しき古レールにはUSスチール・テネシー社の刻印も残っていました。
　OH TENNESSEE-7540-ASCE-7-1922　でしょうか

東武伊勢崎線 架道橋（名称不明）
1931年(昭和6年)開通、上路プレートガーダー橋

スキューの鈑桁を受ける、17基のポスト橋脚が強烈！

東武伊勢崎線 【浅草河岸橋梁】
1931年(昭和6年)開通、上路プレートガーダー橋

川岸の桜が満開で綺麗でした。

東武伊勢崎線 【隅田川橋梁】
1931年(昭和6年)開通、中路カンチレバーワーレントラス橋

隅田川の復興橋梁が美観を重視してアーチ橋を多用した中で、近傍唯一のトラス！
両端を絞った中路桁と、独特な形状の架線柱が印象的。

すみだリバーウォーク 名所・史跡

清水建設に施工中の写真がありました！

2020年(令和2年)に側道（すみだリバーウォーク）も添架され、橋上からスカイツリーや川沿いの花見も楽しめます。

吊桁支点部も覗き見えました。

東武伊勢崎線 【小梅橋梁】
1931年(昭和6年)開通、上路プレートガーダー橋

浅草河岸橋梁や手前の橋脚が改修されていますが、その奥は原形を保った橋脚が残っていました。

JR東 山手線 【中里道架道橋】
1903年(明治36年)開通、Ｉ桁橋

Ｉ桁ウェブに英国鉄鋼メーカーの刻印が残る貴重な橋桁が残存！

　LANARKSHIRE　STEEL　Co　LD　SCOTLAND

明治の鋼橋は大抵プレートとアングルをリベット接合して造られていますが、こちらはＨ型鋼等と同様、工場でＩ型に造られた鋼材を使用。しかも英国製、鮮明な刻印付きです！

こちらは銘板。塗装の厚塗りでかなり判読し辛いので、他の銘板も合わせての推測ですが、

明治四拾四年
汽車製造合資会社製作
LIVE LORD COOPER’S E40
鐵道院
MATERIALS
I-BEAM LANARKSHIRE STEEL CO.
CHANNEL ？　（I.J.G. STEEL WORKS.かな？）
ANGLE DORMAN LONG & CO.
PLATE CONSETT IRON CO.
RIVET DAVID COLVILLE & SONS.

以前観てきた武豊線南大股橋梁と同一のレシピ！
違いは活荷重だけ　
　のような気がします。（もう一枚の銘板は「明治四拾弐年」か）

小田急【新宿駅】

ロマンスカーとJR在来線を乗り継いで帰路に着きます。

小田急【70000系（GSE）】

ロマンスカーといえばTGV等でも採用されている連接台車で有名でしたが、今年3月で定期運行を終了した5000系(VSE)を最後に、連接台車をやめてしまったのが残念です。
ホームドアの設置が求められる時代になり、今後も連接台車の特殊なドア配置を継続するのか否かという判断を迫られた結果かもしれません。
でもやっぱりVSEの方が断然カッコ良かった！

【ブルーリボン賞受賞】

定員はVSEの358名から400名に大幅増、展望席も健在です。ワイパーは運転席にしか付いていません。

上下式のカーテンはワイヤーをガイドにしていて、眺望を邪魔しないように配慮しています。高床構造のHiSE等、眺望の確保にはこだわりがあるようですね。

小田急【小田原駅】

三角形断面のジャイアントキールアーチが開放的ですばらっ！
【土木学会デザイン賞奨励賞受賞】

小田原駅 駅

【名代箱根そば】
お昼は小田原駅名物のかき揚げ天そば！

名代 箱根そば 小田原店 グルメ・レストラン

今回の旅は以上です。
元々「寂れゆくばかりの地方を何とかしたい」という思いで始めた活動なので、あえて東京は避けて来ましたが（１mmも何ともなっていませんが…）、やっぱり東京は凄いです！素敵な橋が目白押しで目移りしてしまいました。
特に御茶ノ水～秋葉原間は激戦区といった様相で、落ち着きませんでした。
隅田川沿いの橋梁も中途半端になってしまいましたが、まだまだ素敵な橋が無数にあるので、折を見て寄っていきたいと思います。

根府川駅 駅

今回もレンタサイクルで廻りましたが、やはり都市部での移動にはもってこいですね！今後も活用して行きたいと思います。

トータル　橋22、駅５、車両１、他２　を巡る旅でした。