夜のブエノスアイレス キルチネル文化センターでコンサート鑑賞

2022/05/15 - 2022/05/15

気温が下がって外出がおっくうになってきたので、自然とインドアなアクティビティへ。旧中央郵便局をリノベしてできた文化センターの大ホールで開催されるコンサートに出かけました。館内の催し物は無料というあいかわらず太っ腹のブエノスアイレス市ですが、先着順なのでチケット予約がなかなか難しく、ようやくタイミングが合いました。

エリア ブエノスアイレス(アルゼンチン)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5
• グルメ: 4.0

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 鉄道 徒歩

セントロへ到着して、５月大通りではパラグアイフェアが開催されていました。

5月大通り 散歩・街歩き

ちょっとお金をおろしに銀行へ。５月広場の一本北の通りには銀行の本店が並びます。その中でひときわ目立つ旧ロンドン・南アメリカ銀行本店。

寒かったので建物を愛でるまもなくキルチネル文化センターの中へ。

開演までちょっと館内をうろうろ。旧中央郵便局を改築した大きな建物の内部に、大きなコンサートホールが。別名がブルーホエールというのも納得の構造です。

キルヒナー文化センター 博物館・美術館・ギャラリー

クジラの背が広場になっています。あとで来よう。

開け放たれていたトイレの窓から。

７階建ての階段室。

時間になりホール内へ。初めて入りましたが、思ったより大きくないなという印象。数年前まで、建築音響２の講義で、学生たちにブエノスアイレス市内のホールを選んで調査させる課題を出していて（今学期はヨーロッパのホールが課題）、何人かの学生がこのホールを選んでいたので、写真やデータだけは頭に入っていました。

壁面の曲線や表面の凹凸、バルコニー側面の角度など、なるほどねー、と。

天井の反射板やパイプオルガンなど、なるほどねー、と。

演目は最初が管楽器の五重奏。演奏者が登場して拍手が起こったときから、なんと響かないホールだ、とびっくり。ステージ周りにめぼしい反射板が一切なくて、後壁の前や袖のドアはカーテンで吸音しまくりです。そのぶん演奏者は、ホールの音響との兼ね合いを気にせず、自分の出したい音に集中できるのでしょうか。

後半は弦楽器が加わりました。演奏に関してははずれがないので全員素晴らしかったですが、特にバイオリンの奏者がきれっきれでした。

無料だったのか、１時間ほどであっさりと終了。アンコールも１回だけでした。あらためて来学期の教材用に写真を撮ります。バルコニーの側面が下を向いているのは、メイン席の観客に反射音を届けるため。

各座席の下に空調用のグリルが。館内全体を冷暖房するよりも圧倒的に風量が少なくて済むので、そのぶん騒音も抑えられます。

客席側の後壁は、凹凸があって音を拡散させることが多いです。面積は小さいですが、ここからの反射が、ステージ→客席後壁→ステージと戻ってくると、エコーになって演奏しにくくなるからです。

天井の反射板は、ま、こんなもんでしょう。やはり問題はステージ周りですね。客席側に反射させる要素が全然ないので、ステージ前に座っていても、ガラス戸の向こうで演奏しているようなかんじです。音が遠い。

バルコニー席の側壁も凹凸になっています。バーが縦に入っているのは、前後に音を拡散させるためです。横に入ってると上か下に音が拡散されますが、上に行ってしまうと観客に音が届かなくなってしまいます。

メインフロアの側壁は緩やかに凹になっていて、音がフォーカスする部分ができてしまってよくないので、申し訳程度に雁行させていますが、効果のほどはどうでしょう。

以上、例によって音楽を聴きに来たのか音響を聴きに来たのか、のコンサート鑑賞でした。

ホールの周りをたくさんの部屋が囲んでいて、展示が行われていました。今日はミュージアムうんぬんは置いておきましょう。あれけっこう疲れるのです。

黄色が基調なのか。

これ紙製ですが、材料がしっかりしていれば、ホールの壁に使えばいい拡散板になりそう。

クラシカルなエレベータ。台南の林百貨のようですね。見た目だけ復元されています。

コンサートホールの躯体は、外側の建物と構造的に絶縁されています。すぐそばを地下鉄が走っているのですが、演奏中もまったく振動や騒音を感じませんでした。すばらしい遮音・制振性能。

クジラの背中へ。

広すぎて広場感しかありません。若者が好きそうな空間。

最上階へ。他の階と違って、ホール側もロビー側も、安全のため吹き抜けは全面ガラスで区切られていました。この、上に並んだバーがなんだかいいリズム。

１階へ下りてきました。クジラの土台。４つの脚だけで支えなければならないので、ごついです。

エントランスホールのオブジェと天井のステンドグラス。

中央郵便局らしいかんじ。

古めかしい回転ドアのなごり。

すっかり夜になりました。アルゼンチンカラーにライトアップされています。

ポストマンの銅像。

天井は内部からブルーに照らされています。

全体を正面から。正面の銅像も迫力があります。

プエルトマデーロの夜景。今宵は満月です。

防衛省の建物もアルゼンチンカラーにライトアップされていました。

防衛省 建造物

そしてカサ・ロサダへ。ベルグラーノ将軍はライトアップなしですか。

大統領府（カサ ロサーダ） 建造物

５月広場の真ん中にある、ピラミデ・デ・マヨ。ブエノスアイレスで一番古いモニュメントです。真っ白で美しいのですが、見るたびにいつもiPod Shuffleを思い浮かべてしまいます。

ピラミデ デ マヨ モニュメント・記念碑

夜のカビルド。

カビルド / ブエノスアイレス市議会 建造物

夜のカテドラル。

メトロポリタン大聖堂 (ブエノスアイレス) 寺院・教会

オベリスコまでやってきました。

オベリスコ モニュメント・記念碑

ガラス張りの交番の上には、

見晴らし台が新設されています。

今日はイベントもなく、ふつうのライトアップです。

そしてコリエンテス大通りをちょっと歩きます。劇場が立ち並ぶブエノスアイレスのブロードウェイです。

コリエンテス大通り 散歩・街歩き

時間的にショーはこれからというかんじです。どの劇場の前にも、当日券を求める人の長い行列ができていました。

とても有名なピザレストランGüerrin。

あいかわらず混みすぎで、入るのをあきらます。別の店で夕食をとりました。

アニメグッズを売る店も増えています。

大きいけどわりと地味なサン・マルティン劇場。

アストラル劇場。どの劇場も、Google Mapの口コミ数が多く、星評価も高いです。

片側が歩行者天国になっているコリエンテス大通り。ボケてしまった。撮り直しに戻ってきたい。

地下鉄→バスで帰ろうと思いましたが、バスがもう終わっていました。慌てて電車に乗り換えます。ホームまでダッシュしたのにいったんドアが閉まってしまいましたが、もう一度開けてくれました。日曜の夜は30分に一本なので助かりました。