2022/04/09 - 2022/04/09
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akitaineさん
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桜満開、桜吹雪の散る里山、当尾地域ー 浄瑠璃寺・岩船寺周辺を歩きました。
加茂市、木津川市にまたがった地域で、ほのぼのとした里山風景が美しい。
浄瑠璃寺と岩船寺での仏像とお庭は美しかった。また寺を結ぶ道すがらの石仏は、当地に仏教文化が花開いた平安時代から鎌倉・南北朝時代の息吹きを感じました。周囲の山里にしっとりなじむ石仏、奥深い味わいがありました。
【行程】
近鉄奈良駅ー(バス)ー浄瑠璃寺口(ここから徒歩)~丁石~ツジンドの焼仏~たかの坊地蔵~丁石~西小墓地石仏群・五輪塔~丁石~長尾阿弥陀如来~三体摩崖仏~丁石~浄瑠璃寺~藪の中三仏摩崖像~あたご灯篭~笑い仏・眠り仏~御本陣山(320.0m)~岩船寺~首切り地蔵~大門石仏群・春日神社~大門仏谷の如来形大摩崖仏~浄瑠璃寺口ー(バス)ー近鉄奈良駅
10.8㎞ 5時間39分(歩行時間・休憩含む)
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 交通手段
- 私鉄 徒歩
-
本日は、浄瑠璃寺と岩船寺を巡る旅。当尾地域です。
途中の里山を歩くのも楽しい。当尾地域という名称は、平安時代から世俗化した奈良の仏教を嫌う僧侶が草案を開き、その後寺院が次々と建てられ、塔頭が並び「塔の尾根」のように見えたものが訛って「当尾」となったと言われています。
廃寺になったお寺も多い中、石仏だけは今も残る、静かな山里。
距離的にはJR加茂駅が近いのですが、今日は近鉄奈良駅からバスに乗り、浄瑠璃寺口で下車。車道を歩き浄瑠璃寺まで向かいます。
車道といってもすぐに幹線道路から離れ、あまり車も通らない道になります。このようにのどかな山里を見ながら歩きます。
「美しい日本の歴史的風土百選」に選ばれた地域です。 -
バス停から25分ほどで、浄瑠璃寺に至る参道口に到着。
ここで右に曲がります。
今日は浄瑠璃寺と岩船寺をぐるりと巡り、正面にまっすぐ延びている道から帰ってきます。 -
道を曲がる地点にある丁石笠塔婆。浄瑠璃寺への道しるべとして置かれました。南北朝時代。笠は欠失しています。
当初は1丁(109m)ごとに置かれていましたが、現在は4つしか残っていません。 -
最初に出会った、丁石の近くにあるツジンドの焼け仏(1323年)。浄土信仰と地蔵信仰の融合。かつてはお堂(辻のお堂)があったので「ツジンド」。
度重なる火災で焼けてしまい、ちょっと痛々しいお姿になってしまいました。 -
周囲には菜の花をはじめ、春の花がいっぱい。
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道沿いにある民家には、見事なモクレンの花。
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少し坂を上ると西小(ニシオ)という地域になりました。
道沿いにある、たかの坊地蔵(鎌倉中期)
きちんと生のお花が飾られています。 -
道路との距離はこんな感じ。隣の建物は、地域の区会所。
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さらに進むと、西小(ニシオ)墓地石仏群。(室町~)
時代が様々な石仏が並んでいます。埋没盗難防止で集められたとのこと。 -
西小(ニシオ)墓地石仏群の隣にある五輪塔(鎌倉時代)と比較的新しいお墓群。
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近くに案内地図がありましたので、本日のコースご紹介。
右下の西小方面から水色の道を上がり、浄瑠璃寺へ。その後、水色の道を東小へ。ここで左に道を取りあたご灯篭→阿弥陀地蔵摩崖仏→辻を左に取り、笑い仏→岩船寺→西畑→東小に戻る→首切り地蔵→大門仏谷の阿弥陀石仏→西小の丁石(出発点)とぐるり周ります。 -
浄瑠璃寺手前にある長尾阿弥陀如来(1307年)。笠が残っています。
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長尾の阿弥陀如来像の説明板。
各石仏の近くに、このような説明板があるので確認しやすい。 -
いよいよ、浄瑠璃寺へ入る道に来ました。
最後の丁石(1355年)です。この丁石は笠が残っています。 -
浄瑠璃寺の山門。ひっそりとした控えめな大きさがいい。
桜が満開。 -
浄瑠璃寺本堂(国宝)。
手前は阿字池。本堂内部には九体の阿弥陀仏(国宝)が置かれ、池を含め極楽浄土を表しています。宇治の平等院に似ています。
浄瑠璃寺でいただいたパンフレットによれば、1047年創建で、本尊は薬師如来(現在は池の反対側の三重の塔に祀られています。1107年九体阿弥陀仏を祀る本堂が作られました。薬師如来は、現実の苦悩を救い西方浄土に送り出す遣送仏。池の反対側におられる阿弥陀如来は西方にある理想の世界、極楽浄土へ迎えに来てくれる来迎仏です。本堂の中では、私たちは西を向いて阿弥陀仏を拝めるようになっています。
池をぐるりと周ることができます。 -
本堂から池をはさんで見る三重の塔(国宝)。薬師如来像(秘仏)が祀られています。
過去から現世へ、そして池の向こうにある極楽浄土へと、私たちを運んでくれるのです。 -
反対側から見た本堂。簡素で明るく、美しい。
本堂の中に入り、阿弥陀如来像(二体は修理に出ていました)を拝みました。(撮影禁止だったので写真はありません。)
障子を通して外の光が入るお堂。はかとない明るさの中で阿弥陀如来は静かに座しておられます。中央のひときわ大きな阿弥陀如来は、周囲の阿弥陀如来が禅定印(自らの理想向上)を結んでいるのに対し、右手を上げて来迎印(後から来るものを、弱いものを引き上げ助ける)を結んでいます。お彼岸の時期、午後の太陽が来迎印の阿弥陀如来の後方に沈んでいくのだそうです。
清々しい心で浄瑠璃寺をあとにしました。 -
東小の少し手前にある、藪の中三尊摩崖仏。(1262年)
-
藪の中三仏摩崖仏の説明板。
他の石仏にも説明板が添えられていて、銘文の説明が書いてあります。
年号、施主の名前などがわかります。
この三尊は、東小田原(小田原は当尾の旧称)西谷浄土院のものですね。
<今回の発見>
作成した人と思われる名前があり、大工と小工という役割があること。
大工:橘安綱 小工:平貞末
大工は、今でも使われる言葉ですが、小工という人もいた。ちょっと調べてみると、律令制度の時代から使われていたもので、修理、補助などを担当する仕事だった。仏像制作に携わり、銘に載るというのは、推測ですが、修理というより、大工の弟子という意味ではないでしょうか。1262年あたりに生きていた石工か僧侶。想像が膨らみます。 -
東小から、あたご灯篭、阿弥陀地蔵摩崖仏(写真は撮らず)を経て、笑い仏(1299年)に着きました。確かに微笑んでいるようなお顔です。
-
笑い仏の近くにある眠り仏(南北朝)。
半分地中に埋まっています。土のお布団をかぶって寝ておられるから。 -
どんどん行きます。
崖に彫られた三体地蔵(鎌倉末)。三体は過去・現在・未来を意味する。
浄瑠璃寺の仏様と同じ思想。
この後、後ろの御本陣山(320.0m)に登りました。
写真は撮らなかったのですが、山頂には巨石が何気なく置かれ、人の痕跡を感じました。三等三角点もありました。 -
次は、本日2つ目のメジャーなお寺、岩船寺。
関西花の寺二十五か所の一つです。 -
山門を入り、まっすぐ進むと左に十三重石塔があり、ミツバツツジと白モクレンが真っ盛り。椿も少し残っています。
流石、花の寺。 -
正面には三重の塔。お花に埋もれています。
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三重の塔は山の斜面に沿って建っています。
少し山を登ると、桜の広場。ベンチが置いてあります。
山桜の大木の下、花吹雪を浴びながらランチタイム。
青空と桜。 -
ランチ後、本堂に向かう手前に、貝吹岩という標識があるので周遊コースを外れて行ってみました。
山の尾根になっていて、大きな岩があります。法螺貝を吹いた場所だそうです。この眺望、遠くまで音が鳴り響くことでしょう。
今朝歩いた道路の方向を下に見ます。
反対側から見ていたんだな。朝は。 -
近くに見える山桜も満開。1年に一度だけ見られる華やかさです。
風も心地よい。 -
本堂に戻り、中にある阿弥陀如来坐像(平安時代)や普賢菩薩騎象像(平安時代)などを拝観。(本堂内は撮影禁止なので写真はありません)
普賢菩薩騎象像は菩薩様が象に乗っている。女性的な優美なお姿。
写真は、本堂横からお花を撮影。手前には桜も入っている。 -
岩船寺を後にして、道路を進みます。
東小まで戻ってきました。ここから山道に入る入口にある首切り地蔵(1262年。実際は阿弥陀如来像)。
何やら怖い名前ですが、お地蔵様の首に切れたような跡があるから。北方に処刑場があったとのことで、供養の意味があるのでしょう。
ついでながら、背後の竹林、すごいです。この地域一帯、終日竹林が見えました。
(浄瑠璃寺入口近くの売店で朝採りのタケノコ買った。by浄土を思いながらも俗世に生きるワタクシ) -
東小集合墓地入口にある五輪塔(1497年)。
午前の西小の集合墓地と同じく、年代が異なるたくさんのお墓が集合していて、五輪塔は総供養の石塔の役目をしています。
手前には、たぶん、他所に置かれていたと思われる石碑やお地蔵様がずらっと並べられていました。散り散りになるのを避けるため。
お墓群は、まったく怖い感じはしません。
古い時代に生きた人々が集まって静かに眠る、ある意味、爽やかさまで感じる明るい場所でした。 -
さらに少し歩くと、大門石仏群。
沢山の仏様が圧巻。少し離れたところに同じような石仏群がもう一塊ありました。(室町時代以降)。
四角い石に仏様をレリーフした石龕仏、中には二体仲良く並ぶ仏様も見られます。 -
もう一塊の石仏群。
-
道路の反対側には春日神社があります。
小さなお社ですが、かつて大門にあった阿弥陀寺の鎮守でありました。
きれいに管理されています。 -
いよいよ最後の見学スポット、如来型大摩崖仏(平安末作)へ。
石の大きさは5mくらいはあるでしょうか。手前に川が流れる谷があり、多くの人は、道路から遥拝するようですが、きれいな山道がついているので、山道を下り谷まで下りて、近くまで行けました。
この摩崖仏もよかった。像の周囲に光背の赤い色が残っていました。 -
道路から見た摩崖仏。遠くなので見えますか?
赤の矢印をつけましたので拡大してご覧ください。
山道は10分もかからないので、是非歩いて近くまで行ってみてください。
ここから15分くらいで最初の丁石まで戻りました。
明るい春の陽射しの中、狭い地域に存在する多くの石仏や摩崖仏。浄瑠璃寺と岩船寺の仏像、自然の山里の中で仏教を深く考えさせられた1日でした。
歩いて巡ることに意味あるんじゃないかな。
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この旅行記へのコメント (1)
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- masaさん 2022/04/15 19:06:28
- 感動
- 素晴らしい写真と解説に、すっかり現地巡礼している気分になりました。
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