上信越高原国立公園、赤倉温泉・杉ノ原・志賀高原の地獄谷野猿公苑

2022/02/01 - 2022/02/04

赤倉温泉に泊まり、杉ノ原でスキーを楽しみ、それから志賀高原の地獄谷野猿公苑を訪れた。

エリア 妙高・池の平(新潟)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5
• ホテル: 4.0
• ショッピング: 4.0

• 一人あたり費用: 3万円 - 5万円
• 交通手段: 自家用車
• 旅行の手配内容: 個別手配

　2022年2月1日、車で上越市を昼頃に通過、昨年の上越市は大雪だったが、今年は少ない。しかし妙高に近づくにつれて、昨年並みの積雪になった。小雪の降る中、赤倉の小さな温泉宿にチェックイン。宿の女将曰く、「沢山の予約入っていたが、コロナですべてキャンセルになった。宿の貸し切りです。」と。早速、露天風呂に、写真の雪壁の回廊を歩いて行く。この回廊は、かけ流し湯で雪が溶けた跡であった。

　露天風呂は、雪穴の状態で、豪雪地帯ならではの情緒がある。硫黄泉だが、透明湯で硫黄濃度は高くない。欠点は豪雪で湯温は低く、湯から出たくなくなり、長湯となった。　

　2日は雪のち晴れ。昨夜からの新雪は、車上で20㎝ほど。雪の降る中を、杉ノ原に向かう。ゲレンデは圧雪されておらず、ガスと降雪で、足元さえ見えず、スキーの下手な私は楽しめない。
コロナが原因で一般客は少ないが、自衛隊員のスキー客の多さが目立った。神鍋スキー場でも自衛隊員の訓練を何度か見たが、初心者のスキー教室で、雪中戦闘訓練ではなく、防衛費で給料を貰いながらの、レクレーションだ。
　日本海側の山には、急斜面が多く、雪は深く、膝上から、時には胸まで雪に潜る。日本特有の豪雪地帯には、凸凹底のスキーは不適で、富山式の爪付きカンジキを履き、ラッセルで進む以外にない。一週間の雪中戦闘を想定するなら、装備を行動可能な30㎏程度に抑え、鋸で掘った雪洞で耐える訓練を強いるべきだ。ついでに、満足に泳げない海上自衛隊員を陸自に移すべきだ。
　杉ノ原は、午後から天気が回復、雪も踏まれ、滑りやすくなった。写真は帰り道にあった無人の別荘、玄関屋根の上の雪がすごい。数日後に松本市を訪れたが、穂高や木曽地方は雪が少なく、頚城山塊や劔立山の豪雪と全く違う。

　写真は池の平で、雪の中間投棄地、10m以上の高さまで積んで、再度、これを最終投棄地までトラックで運ぶ。係員曰く、「これ、要らないから持って帰ってくれよ。」と冗談。
　機械のない時代には、屋根雪と最低限の歩道の除雪だけでも、連日、無給の重労働であった。膨大な雪はゆっくり溶け、長期に安定した大水量は、効率的な水力による発電源となり、その電力は、雪のない豊かな都市で使われてきた。水力資源の横取りを見て、雪国の中学卒だった田中角栄は電源三法を考えた。ただ、原子力発電は別に合流してきた。真珠湾攻撃で有名な源田実代議士、軍人だった中曽根康弘など、最初は読売新聞社主の正力松太郎が初代科学技術庁長官となり、何故か科学技術庁と言いながら、原子炉と当初は固体ロケットだけに、数千億円の研究資金を投じていた。これには防衛軍事、財閥企業、関電事件類似の裏金まで絡んでいた。新聞は未来エネルギー、核アレルギーの病人と書き、安全神話を広げた結末は、非常用電源を海岸線に設置したままにして福島原発4基を破壊し、エネルギー救世主の文殊様では、肥えた豚が液体Naの流れに耐えない細いステン温度計を使い、それが折れて外国製造のNaが漏れ出て、文殊様が焼け死んだ。神話と仏滅の後に残ったのは、多額の借金と、放射能で汚れた国土と、英仏に大金を払って精製した大量のプルトニウム239であった。燃えるプルトニウム239の半減期2.5万年ほどで、永遠に投棄できない厄介物。燃えるプルトニウムをモックスで、燃やすより簡単で、一瞬で、燃やす方法もあるが、誰かが危ない使用法を考えているのかも？

　3日は好天。再度、杉ノ原に向かう。今日のゲレンデは圧雪されていた。妙高には４カ所にスキー場がある。北の関温泉スキー場は小規模、次の赤倉地区には、温泉スキー場と観光リゾートスキー場が並んでいる。前者の高度差は五百米ほどで、ルートは多いが、リフトの乗り繋ぎに欠点がある。後者は高度差8百米ほどの長い中級のゲレンデがある。池の平スキー場の高度差は７百米ほどで、初中級の、のびやかなゲレンデである。杉ノ原の高度差は、日本最高クラスの1100米で、野沢温泉のように中弛みがなく、私のような下手くそにも向いている。ただ最上部の２ルートは難しい上級者向けである。一般に長野北部までのスキー場は日本海側の気候で、北ほど積雪が多く、降雪日が多い。菅平など長野中部のスキー場は、むしろ太平洋側の天気で、南岸低気圧などで降雪となる。写真は杉ノ原のゲレンデ上の大きな木。　

　スキー場には樅ノ木や白樺、岳樺が似合う。杉やカラマツの植林は美的にも経済的にも農林省の大失敗だ。白樺は気品があるが、冷たい感じがする。岳カンバは黄色みがあり、私は大好き。岳カンバには柔軟性があり、豪雪や雪崩にも耐える。その皮には油分が多く、遭難時に火をつけるのに役立つと聞く。写真は美人肌のダケカンバ。

　2月4日の朝は長野で、農産物売り場の何時ものオランチェ。リンゴと贈答品を購入。

　イオンで食料を調達し、湯田中に入る。写真の手前が湯田中、後方の山の斜面のゲレンデがよませ温泉スキー場。

　ホテルに入るには早いので、地獄谷野猿公苑に向かう。車で三峰神社下の細い道に入り、0.5㎞ほど登ると、トイレのある無料駐車場がある。そこから徒歩百米で野猿公苑歩道の入口となる。野猿公苑は外国人に人気があるが、今は2～3組ほどだった。

　杉林の中の平坦な用水路沿いの細道を半時間ほど歩くと地獄谷に達する。　

　職員はここまで、チェーンを履いたバイクで通っているようだ。自動車の少なかった時代には、チェーン付きバイクを見たが、私はここで数十年ぶりに見た。

　入口の谷には蒸気の噴出口があり、見ごたえがある。

　階段を登ると、入口の建屋があり、入苑料は800円。大麦エサを撒いた直後で、多くの猿が集まっていた。

　温泉を通すパイプの上で、暖をとる親子猿。

　温泉に入浴中の猿。猿は温暖な地域に住む動物だが、日本では志賀高原だけでなく、北アルプスにも住んでいる。私の空想だが、農耕が盛んになる前は、ニホンザルも温暖な平野の密林に住んでいたのだろう。人間が増え、農地が広がり、森林が減ると、猿は寒い山岳地帯に追いやられ、多くの猿が凍え死に、毛の長い、強い猿だけが生き延びたのだろう。逆に、毛の無い日本人はエネルギー多消費の寒がりになった。

　温泉から上がったら、毛の無い日本人はタオルで拭く。犬は濡れると、体を震わせ水を飛ばす。ずぶ濡れの猿は体を震わせる動きをしない。寒くないのかね？　犬猿の違いか？　犬猿は群れをつくり、猫は個人主義で、糞尿場所を決めるが、猿は所かまわず糞をする。英米人は自己主張で競うが、日本人は協調性を強要し、出る杭を打ち、退化する。