2021/12/03 - 2021/12/03
155位(同エリア205件中)
akitaineさん
- akitaineさんTOP
- 旅行記75冊
- クチコミ20件
- Q&A回答13件
- 45,189アクセス
- フォロワー8人
12月に入り、そろそろ冬の気配が感じられるとき、紅葉の和歌で有名な竜田川沿いを歩きました。
『千早(ちはや)ぶる 神代(かみよ)もきかず 竜田川(たつたがは)からくれなゐに 水くくるとは』在原業平
とても有名な歌で小倉百人一首の一つとして取り上げられているので、ご存知の方も多いですね。もうすぐお正月。カルタ取りでも馴染んでおられるのでは。
今回は、JR王子駅から北上し、ほぼ近鉄生駒線に沿って近鉄・生駒駅まで歩きました。途中寄り道もしたので、ほぼ16㎞の道のりでした。
竜田川を離れてからは、行基ゆかりのお寺、往馬(いこま)大社に立ち寄りました。最後の2つのスポットが思いがけない収穫!
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 交通手段
- JRローカル 私鉄 徒歩
PR
-
前から歩いてみたかった竜田川。
紅葉の季節を少し外れてしまいましたが、古の雰囲気があるものかと出かけてみました。
JR王子駅を下車。隣には近鉄生駒線の王子駅があります。近鉄生駒線は、生駒駅と王子駅を南北に結ぶ線です。今日は、近鉄生駒線にほぼ沿って歩くことになります。
王子駅を出て、大和川を東側に渡ります。 -
橋の東側は、斑鳩町。法隆寺がある町。
-
橋から西北側を見ると、信貴山が見えます。二つコブの山。
来年は寅年。信貴山の守り神は虎。 -
橋を渡り、住宅街を通り、三室山の登りに取りつきます。とはいえ、標高82m。すぐに頂上に着きました。
この高さなのに、景色抜群!
西側には信貴山から生駒山に延びる山脈。(写真の左山塊)
北側には矢田丘陵。(写真右山塊)
山頂には、能因法師の歌碑がありました。
「嵐吹く 三室の山の もみぢ葉は 竜田の川の 錦なりけり」
う~ん。気分盛り上がる。 -
信貴山(左側の2つコブの山)から生駒山(右側の山。うっすら鉄塔が見える)まで山並みが見えます。この山並みを縦走するのも面白い。
-
山そのものが公園になっていて、おしゃれな東屋もあります。
-
頂上付近には、まだきれいな紅葉が残っていました。
-
頂上の東側少し下ったところにあった神社。
-
神岳(かみおか)神社。延喜式内の神社。
と、いうことは、延長5年(927年)まとめられた 「延喜式」の巻に名前が載っている神社のこと、という意味ですね。以前より延喜式って何だろうと思い調べてみました。要するに古い時代からある神社。
「聖徳太子勅願所」と書いてあります。 -
神社の縁起。
やはり、自然信仰が元のようです。
う~ん、だんだん古代に近づいていく。 -
では、山の東側に下り、竜田川まで下りていきます。
下に流れるのが竜田川。
残念ながら川は紅葉で埋まってはいません。 -
川沿いに歩道が整備されています。
これから北上します。 -
川はちょっと人工的な感じ。
古人や貴族が歩いた雰囲気は、ちょっと感じられない。今のところ。 -
川沿いにあった地図を使って経路説明します。
図の下にある王子駅から竜田川まで来て、川沿いに北上。
ほぼ点線上を歩き、生駒駅まで行きますが、途中、長屋王と妻の吉備内親王の墓を寄り道して訪れます。
その後、近鉄・元山上口駅の北側にある「まぐわ淵」を見学します。 -
川を少し外れて長屋王の墓までやってきました。
藤原氏との権力闘争に敗れ、自死したとされる悲劇の皇子です。
宮内庁管轄のお墓のため、中に入ることはできません。 -
お墓の周りは、ぐるっと回れるので1周してみました。
円墳の形態。
先日も、安保親王(在原業平の父君)のお墓(兵庫県芦屋市)を見学したのですが、そこも古墳状態のお墓で、4世紀前半の古墳を500年後に阿保親王のお墓として再利用したらしい、といいます。
長屋王の墓も同じ発想なんじゃないか、と思いました。 -
長屋王の墓を後にして、300mほど離れた吉備内親王(長屋王の妻)のお墓へ。吉備内親王は元正天皇の妹です。
長屋王の変~藤原四兄弟と長屋王との政治争い~で、長屋王と一緒に自死されました。
階段の先のこんもり木が生い茂っている場所です。やはり宮内庁管轄。 -
こちらも、中には入れず、ぐるっと1周しました。古墳形態であることも同じ。
もちろん、お墓ですから、手を合わせました。 -
長屋王ご夫妻のお墓詣りを終え、竜田川に沿う道に戻ってまいりました。
-
このあたりは奈良と大阪に近いせいか、花卉の園芸畑を多く見ました。
葉ボタンもありました。もうすぐお正月なんだわ~。 -
竜田川と近鉄生駒線に沿って歩き、元山上口付近まで来ると、川がこれまでの整備された人工的な雰囲気から、少し様子が変わってきました。
川の中に大岩が混じり、少し自然の荒々しさが出てきました。 -
しばらく行くと、本日のお目当ての一つ、まぐわ淵に到着。公園になっています。
川が大きく蛇行した地形です。 -
ほぼ街中なのに、このワイルドさ!
-
滝をアップで。
水を見ながら、しばらく休憩。 -
そろそろ生駒山に近くなってきました。
竜田川ともわかれ、輿山という集落にやってきました。
輿山墓地とよばれる大きな墓地が丘の中腹にあり、中世から続く生駒谷11郷の郷墓です。
墓の中を歩き、ほぼ山頂の中心にあるのが往生院。
奈良時代の僧、行基が天平21年(749年)に没したときに火葬された地とされています。
無人のお寺ながら、きれいに管理され、地元の方々にしっかり守られていることがわかります。 -
往生院入口。
静かな雰囲気が漂ってきます。イチョウの落ち葉もきれいでした。 -
階段上がってすぐ右手にある行基像。
多くの建設事業(寺建立や橋などの土木工事)を行い、民のために社会活動をした偉いお坊様です。 -
本堂。真正面に灯篭があるのが珍しい。
慶州の仏国寺に行ったときも極楽殿前に石灯篭がある構成でした。
新羅系?
静かな空間の境内。 -
本堂向かって右側にある宝篋印塔。206.5㎝の堂々たる印塔。重要文化財。鎌倉時代(1259年)建立。本格的なものとしては最古の紀年銘をもつといわれています。
-
本堂裏には、五輪塔があります。
行基の遺徳を慕い。参詣する人が削った痕跡もあります。
石は5つ。空・風・火・水・地を表しています。 -
気分よくいったん道を下り、向いの丘へ移動。少し登り返します。
登り切った先には、古くて由緒正しそうなお墓群がありました。 -
お墓エリアを越えると、竹林寺。
行基のお墓が境内にあります。 -
生駒のことを「生馬」山、と書いてあります。
-
本堂のへ行く道をさらに奥に進むと、左奥に、、。
-
行基のお墓がありました。本日のメイン目的の一つ。
静かにお詣りさせていただきました。 -
少し小高い竹林寺を北に下る道の途中、反対側には竹林寺古墳がありました。知らなかったけど。
宝物も発見されたようです。
ここは宮内庁管轄ではないから登れますね。
今日は、先を急ぐので横目で見るだけ。
やはり、寺社と古墳セットのパターン。人が心惹かれ崇敬する気持ちはいつも変わらないものですね。 -
どんどん生駒駅に近づいてきます。
その前に最後の訪問地、生駒大社へ行きます。
住宅街にある案内標識。ここでは生駒を往馬と表記しています。
大社と名乗るのは、メジャーな神社ということ?
ちょっと調べたのですが、延喜式神名帳の中で大社と表記されていた神社(古くて由緒ある、ということだね)や自称で大社と言っている神社もあるとのこと。単なる大社は出雲大社のことを指すらしい。
生駒大社は、大神神社や石上神社と同じく神奈備(かんなび・生駒山)をご神体として祀られた古社です。表記は定まっていないようですが、延喜式でも官幣大に列せられていたので大社と名乗っているようです。 -
正式名は、往馬座伊古麻都比古神社、というのですね。
生駒谷17郷の氏神様。火祭りが有名らしい、
先ほどの往生院周辺は輿山墓地、生駒谷11か村の郷墓でありました。
ここ、往馬大社も地域の人々の信仰の中心であったわけです。 -
すごい階段を上った先にお社があります。
荘厳な雰囲気です。 -
登り切ったところに拝殿。立派。
自然と手が合わさります。 -
拝殿うしろの本殿もすごい。七座の神様を祀っておられます。
地域の信仰の中心ではあるものの、あまり知らなかった神社でしたが、その立派さにびっくり。
生駒というとロープウェイがあって、山頂には遊園地があり、大衆娯楽のイメージがありました。古くて荘厳な神社を見て、見方が少し変わりました。
行基が火葬されたとされる往生院と往馬大社、思いがけない収穫でした!
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
0
41