2021/08/03 - 2021/08/07
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irisoさん
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最後に海外に行ったのが、2020年3月、香港経由のバリ島だったと思い出すまで、少々時間がかかった。それはコロナウイルス感染拡大のため、世界中がパンデミックになり、海外渡航が許されない状況が長く続いているからだ。しかしながらバリ島のじめっとした空気、どこからともなく聞こえてくるガムランの音、お香の匂い、現地の人の陽気な挨拶、3人乗りのボロボロのバイクが通り過ぎるバリバリ音などはっきりと思い出すことが出来る。あぁ、またバリに行きたい。
マスクは必ず着用、県をまたぐ外出はしない、できる限り宅配で食事、リモートで出勤、自宅でも会話は控えめ、誰がこのような状況が来ると想定できたであろうか。未だ世界中がコロナと戦っている中、日本だけが2年前の日常を取り戻そうとしている。本来ならマスクを外し、冬直前の朝の暗がりや徐々に冷たくなっていく空気、秋の紅葉を思う存分満喫できるのだが、それをしている日本人はほとんどいない。真面目で勤勉、先を読み第6波を正しく恐れることが出来る国民性の我々日本人だからこそ、ウイズコロナを実現できたのだと思う。
およそ4年前、我が家ににゃすけ(白黒の野良猫のオス)が迷い込んでから、(家内と一緒に出掛けるとにゃすけの世話ができないため)一人旅を得意としている私が、8月に行ったのが古都京都。子供たちもすでに独立したので、家内を乗せることが出来れば良いとのお許しをどうにか得た私が選んだのは、2人乗りのポルシェ。背中から聞こえてくるエンジンの振動とスポーツカーならではの音を感じながら運転する新東名高速道路。入間インターから3度の休憩をはさみ、6時間半で到着したのが40年振りの金閣寺。駐車場に入り、空いている場所を選んで停めた。残念ながら全く覚えていない。高校の修学旅行で来ているはずなのだが・・・・
入口で拝観料を支払い金閣寺に続く小道をゆっくり歩くも、まったく覚えていない。小石をザクザク踏みしめ、いつもより早歩きで前に歩みを進めると・・・あった、澄んだ高い青空と白い雲を背景に陽の光が反射して鏡のようになった池の中に浮かんでいた金閣寺が。8月当時、関西は異常熱波で37度以上の危険な状況下での訪問だったため、人がほとんどいない静かで幻想的な金閣寺と対峙することが出来た。何と幸せなことなんだろう。まるで絵画を見ているように気持ちが引き込まれていくのが分かる。たとえ日陰にいてもシャツの内側に汗が流れているのを感じた。だが私の気持ちは、目前にある金閣寺の存在を嬉しく思うと同時に、私が40年振りに京都にいることを実感するばかりだった。時間が止まっていた。京都に来てよかった。あまり広くはない金閣寺の境内にただいるだけで、幸せな気持ちになれた。
気づくと600ミリリットルのペットボトルの水がほぼなくなり、持参したタオルも重たくなっていた。もうこれ以上外にいると危険と判断し、私は車に戻った。カメラを再生してみると200枚近くシャッターを切っていた。
あまり思い出を辿ることがない私が当時の画像を見ると、今でも鮮明にあの時の金閣寺を思い出すことが出来る。来年の春にまた行ってみよう、今度は家内も一緒に。
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