2021/07/30 - 2021/07/30
28位(同エリア454件中)
かっちんさん
大雪山連峰の主峰「旭岳」周辺では7月中旬になると、高山植物の花々が咲き誇ります。
特に旭岳の中腹にある「裾合平(すそあいだいら)」では、「チングルマの群落」が見事に彩ります。
2021年夏は融雪が進まず、「チングルマ群落」の開花遅れが心配されましたが、7月中旬に入ってからの暑さで裾合平のチングルマの開花が一気に進みました。
春から夏にかけて比較的遅くまで雪が残る「雪田(せつでん)」。雪が解けるとチングルマ、エゾノツガザクラ、エゾコザクラが咲き出します。
「雪田」は植物が雪の下で冬季の低温から保護され、生育期には豊富な雪解け水に恵まれる湿潤な環境になります。
訪れたのは10日後の7月30日。裾合平のチングルマの花はまだ残っており、さらに旭岳ロープウェイ姿見駅~裾合分岐までの間でも高山植物のお花畑を4ヶ所も見ることができました。
マルハナバチが「エゾノツガザクラ」花冠に開けた「盗蜜痕」は、後日写真を整理していて見つけました。
今日は旭川駅前から朝の旭岳行きの路線バスに乗り、旭岳ロープウェイの山頂駅「姿見駅」から「裾合平」まで往復し、旭岳温泉「勇駒荘」に宿泊します。
この旅行記では、裾合分岐までの高山植物が彩るお花畑を紹介します。
なお、旅行記は下記資料を参考にしました。
・大雪山旭岳ロープウェイ資料
・そらいろ~日本が魅せる多彩な表情「大雪山・旭岳のチングルマの2021年見頃や開花状況は?アクセスや駐車場は?」
・大雪山倶楽部「2021.7.21 大雪山 旭岳・裾合平」
・層雲峡ビジターセンター「大雪山花ガイド」資料
・Tam's素人植物図鑑「ミヤマアキノキリンソウ」「イワブクロ」「ミヤマリンドウ」「コケモモ」「エゾオヤマリンドウ」「アオノツガザクラ」
・花しらべ花図鑑「エゾノマルバシモツケ」
・登山&アウトドアガイド沖本浩一「個体差いっぱい! エゾノツガザクラ」
・西遊旅行ブログ「エゾノツガザクラ」「アオノツガザクラ」「キバナシャクナゲ」
・花図鑑「蝦夷の栂桜(エゾノツガザクラ)」「黄花石楠花(キバナシャクナゲ)」
・Primula cuneifolia「エゾコザクラ」
・旭岳ロープウェーイ姿見駅の周辺ガイド展示
・環境省北海道「北海道マルハナバチ図鑑」資料、「大雪山の生きものと外来生物」資料
・北海道道立総合研究機構環境科学研究センター「北海道の”セイヨウオオマルハナバチ”ガイドブック」
・日本の外来種対策「セイヨウオオマルハナバチ」
・イエコマ「ギャンブレル屋根」
・ひがしかわ観光案内「忠別湖」
・ウィキペディア「忠別湖」「バイケイソウ」「シラタマノキ」「ジムカデ」「ミネズオウ」「ミツバオウレン」
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 高速・路線バス 徒歩 AIR DO
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
これは何だ・・・「すみません回送車です」(旭川駅)
旭川駅前に停車している回送のバスは、こんな「親切な案内」を表示しています。 -
「旭岳行き」路線バス(旭川駅)
旭川駅 7:11発の旭岳線「いで湯号」に乗ります。
バスは旭川空港に立ち寄り、終点の旭岳まで1時間40分ほど。料金は1,450円。 -
広大な大地(旭川空港付近のバス車窓)
地平線の見える農作地帯です。
ここは上川郡東神楽町。 -
大雪連峰(旭川空港付近)
左端に黒岳、右端にこれから向かう旭岳が見えます。 -
ジェットコースターのような道(旭川空港付近)
アップダウンの多い北海道の道。ヤッホー・・・ -
真っ白な「そば畑」と民家(志比内付近)
東川町の道の駅「道草館」を過ぎ、忠別川沿いに上流へ向かっています。
バスは忠別川を渡り、再び東神楽町の志比内に入っています。 -
「ギャンブレル屋根」(志比内付近)
屋根が外側に向かって二段階に勾配が急になっている「ギャンブレル屋根」。
この屋根は雪のすべりを良くすることができ、また屋根裏の空間を有効活用でき、北海道でよく見かける建物です。 -
ダム湖の「忠別湖」
「忠別湖」は、石狩川水系忠別川の上流部、旭川市中心部と旭岳の間にあり、美瑛町と東川町の境に位置しています。
洪水調節、水力発電、上水道の供給、かんがい用水の供給などを目的とし、平成19年(2007)に多目的ダム「忠別ダム」が完成しました。
バスは美瑛町の湖岸の道を走っています。 -
忠別川の上流(国立公園入口バス停付近)
バスは天人峡へ向かう分岐「国立公園入口バス停」と分かれ、これから旭岳へ向かうジグザグ道を登ります。 -
旭岳情報(旭岳ロープウェイ山麓駅)
旭岳ロープウェイ山麓駅が目の前ある「旭岳バス停」に到着。
今日のロープウェイ終点「姿見駅」付近(標高1,600m)の天候は晴れ、気温17℃。
トレッキングには最適です。
「旭岳バス停」周辺にはコンビニがないため、旭川駅前で昼食のパンを調達しています。 -
まもなく「姿見駅」(旭岳ロープウェイからの眺め)
ロープウェイの所要時間は10分。標高差500mを一気に上がります。
正面には標高2,291mの旭岳。 -
姿見駅から裾合平までのルート(姿見駅)
トレッキングは、高山植物とお花畑の観賞が目的なので、旭岳には登りません。
姿見駅から裾合分岐までは 2.9km。(裾合平までは計 3.8km)
旭岳ビジターセンターの事前情報では、
「7月中旬に入ってからの暑さで裾合平のチングルマの開花が一気に進んだ。場所によってこれから咲くところもあるので、まだまだ楽しめます。」
「雪渓はいくつか残っていますが登山靴で歩けます。」
訪れた7/30は、鏡池から裾合分岐までの間に、雪渓が4ヶ所、高山植物のお花畑が4ヶ所ありました。
姿見駅に掲示している熊出没情報の地図を利用して、雪渓とお花畑があるおおよその位置を追記します。
お花畑は遅い雪解けの後に短時間に花を咲かせる「雪田植生群落」にあります。 -
イチオシ
「チングルマ」のお出迎え(姿見駅付近)
姿見駅を出発し、これから出会う高山植物を紹介していきます。
「チングルマ」の丈は10~20cmくらい、花径は2~3cm、花弁は5枚あります。
真ん中を彩るピンクの花は「エゾノツガザクラ」。
花の大きさは6~8mmと小さく、形は少し長い壺形。花の色は濃紅色から薄いものまでいろいろ。 -
「ミヤマアキノキリンソウ」(姿見駅付近)
低地に多い「アキノキリンソウ」の高山型で別名「コガネギク」。 -
「ハクサンボウフウ」(姿見駅付近)
-
旭岳ロープウェイ「姿見駅」(第一展望台からの眺望)
遠くに「忠別湖」と東川町、空には夏の雲が浮かんでいます。 -
「裾合平」方面(第一展望台からの眺望)
正面の当麻岳の麓に「裾合平」があるのですが、手前の緩やかな旭岳西側斜面に隠れています。
「裾合分岐」までの雪渓と花畑は、旭岳西側斜面の先にあります。 -
「チングルマ」の綿毛(姿見駅~鏡池)
花が終わると綿毛(羽毛状になった雄しべ)が残り、果実になっています。
姿見駅付近では花が見られたのですが、この場所は日のよく当たる場所なのでもう綿毛になっています。 -
「エゾノマルバシモツケ」(姿見駅~鏡池)
北海道の高山帯の礫地に生える落葉低木で、樹高が低く葉が小さい。
葉は互生し、葉身は2-3cmの倒卵形、縁に鋸歯があり。
枝先に散房花序をだし、小さな白色の花を多数つけます。 -
「満月沼」(姿見駅~鏡池)
まん丸のお月様のような「満月沼」。 -
「鏡池」分岐
この分岐から「裾合平」まで 3.4kmの登山道。 -
淡紫色の「イワブクロ」(鏡池)
岩場に生え、花冠が袋状になっているので、この名があります。
花は少し潰れた筒形の唇形花を横向きに密集してつけます。 -
青紫色の小さな「ミヤマリンドウ」(鏡池)
名前は高山に生えるリンドウの意。
花の色は濃淡の変化があります。
花冠は直径1.5cm、長さ1.5-2.2cmの筒状鐘形で5つに裂け、各裂片の間に不規則に切れ込んだ狭3角形の副片が1つずつつきます。 -
水面に映る「旭岳」(鏡池)
-
「ワタスゲ」の群落(鏡池~岩場)
-
フワ フワ フワ・・・(ワタスゲ)
-
「バイケイソウ」(鏡池~岩場)
緑白色の花を房状に多数つけます。 -
「エゾノマルバシモツケ」(鏡池~岩場)
ピンクも混ざる白い花。 -
直立する「エゾノツガザクラの実」(鏡池~岩場)
花の後にできる実は「さく果」(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)です。
名前の由来は、北海道に分布し、葉の形が針葉樹の栂に似て桜色の花をつけることから。 -
「チングルマ花畑」(鏡池~岩場)
最初のお花畑は「チングルマの群落」が登山道の両側で見られます。
チングルマはすでに綿毛になっています。
1~2週間早く来れば花が見られたと思います。
鏡池分岐からも近くお手軽なところなので、次回は花の咲く頃に来たいです。 -
道の反対側(チングルマ花畑1)
東川町方面です。 -
気持ちよく伸びる「綿毛」(チングルマ花畑1)
-
「エゾノマルバシモツケ群落」と旭岳(花畑1~岩場)
-
イチオシ
毬状の花「エゾノマルバシモツケ」(花畑1~岩場)
白い花が開く前は赤い蕾。 -
濃紅紫色の「エゾノツガザクラ」(花畑1~岩場)
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岩場
旭岳が噴火したときの火山岩が見られます。
ここからやや登り坂ですが、道が整備されています。 -
「コケモモ」(岩場)
岩混じりの草地に生える高さ5-15cmの常緑小低木。
紅色を帯びた白い花を2-8個下向きにつけます。 -
秋の気配を感じる「エゾオヤマリンドウ」(岩場~中間地点)
花は茎頂に3-8個集まってつきます。
花冠は長さ3-4.5cmの長い鐘状で青紫色。 -
小柄の「ミヤマリンドウ」(岩場~中間地点)
-
中間地点
ロープウェー姿見駅から1.9km、裾合平まで1.9kmの中間地点。
ここの標高は1,725mで、姿見駅から125m登ってきました。
この先の裾合分岐の標高は1,690mなのでやや下ります。 -
「キバナシャクナゲの実」(中間地点)
花の後にできる実は「さく果」。熟すると下部が裂け、種子が散布されます。 -
「シラタマノキ」(中間地点)
花はドウダンツツジのような釣鐘型で、先端がつぼまり、5裂し、裂片は反り返ります。
「シラタマノキ」の名前の由来は、ガクが肥大化して果実を覆い、白い玉状になることから。 -
目立ちたがり屋の「イワブクロ」(中間地点)
どこから見ても花の中が見えるのは、虫を誘うためでしょうか? -
最初の雪渓は恐る恐る・・・(雪A地点)
沢に積もった雪渓。
歩くための目印としてロープが張られているので、慎重に歩けば大丈夫。 -
イチオシ
不思議な世界(雪A~雪B)
緑の森から飛び出る赤、紫、白の謎の生物。
「エゾノツガザクラ」と「エゾノマルバシモツケ」ですが・・・ -
「ハイマツの実」(雪A~雪B)
-
上品な「ゴゼンタチバナ」(雪A~雪B)
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真っ白なお花畑(雪A~雪B)
2番目のお花畑です。
春から夏にかけて比較的遅くまで雪が残る「雪田(せつでん)」。雪が解けると「チングルマ」が咲き出します。
「雪田」は植物が雪の下で冬季の低温から保護され、生育期には豊富な雪解け水に恵まれる湿潤な環境になります。 -
「チングルマ」の群落(花畑2)
-
淡いピンク色の「コエゾツガザクラ」(花畑2)
「エゾノツガザクラ」と「アオノツガザクラ」が交配して生まれた種「コエゾツガザクラ」です。
色合いが淡いピンク色で、花冠と花柄の繊毛が「エゾノツガザクラ」より若干少ないのが特徴。
花の形は「エゾノツガザクラ」より丸みを帯びた壺型です。 -
濃紅紫色の「エゾノツガザクラ」(花畑2)
花冠を拡大してみると繊毛があります。
雪解けの早い場所に「エゾノツガザクラ」が分布しています。 -
イチオシ
すくすく成長する「チングルマ」(花畑2)
雪解け後、短時間に花を咲かせます。 -
2番目の雪渓(雪B地点)
花畑2の先にある短い雪渓。 -
淡い黄緑色の「アオノツガザクラ」(雪B付近)
長さ1cm弱の壺型の淡い黄緑色の花が枝先に10個前後、下向きに花を咲かせます。
雪解けの遅い場所に「アオノツガザクラ」が分布しています。 -
淡黄白色の「キバナシャクナゲ」(雪B付近)
白色に近い淡黄白色の花は、直径3-4cmほど。漏斗型で5中裂し、枝先に2~5個ほど密集して花をつけます。
「キバナシャクナゲ」が、黄色となるのは開花前のつぼみの状態のときだけです。 -
ランプシェードのような「ジムカデ」(雪B付近)
枝先に短い花柄を出し、白い花を下向きまたは横向きにつけます。
花冠は長さ4-5cmの先がややつぼまった広鐘形で5深裂、ガクは紅紫色で5全裂。
「ジムカデ」の名前の由来は、緑の茎が地をはう「ムカデ」に似ていることから。 -
小さな女王「ミネズオウ」(雪B付近)
枝先に散形状に2-5個の花をつけます。花の大きさは金平糖のような直径5mmほど。
花冠は白色~紅色で5裂。 -
美しい「ミツバオウレン」(雪B~雪C)
花茎は緑色で、高さ5-10cmになり、1個の花を上向きにつけます。
花の径は7-10mm、白い花弁にみえるのは萼片で5枚あり、長楕円形。
花弁は蜜を分泌し、黄色で萼片より小さい。 -
「シラネニンジン」(雪B~雪C)
-
「エゾノツガザクラ」と「アオノツガザクラ」(雪B~雪C)
この2つのツガザクラの間で、マルハナバチが体に付着した異なる花粉を運ぶと「コエゾツガザクラ」が生まれます。 -
イチオシ
「マルハナバチ」が開けた「盗蜜痕」(雪B~雪C)
「エゾノツガザクラ」の花2つに小さな穴が開いています。
これは「マルハナバチ」の中でも短舌の種類が、花の正面からでは吸蜜できない花筒の細長い花に対して、花筒に穴をあけて吸蜜した「盗蜜痕」です。
これでは花の受粉ができないのですが、他の長舌の「マルハナバチ」がいることと花の数が減少していないことから、生態系には今のところ心配ないようです。 -
3番目の雪渓(雪C地点)
-
「ジムカデ」(雪C~花畑3)
-
花の構造がわかる「エゾイソツツジ」(雪C~花畑3)
白い花の径は1cmほどで小さく、花弁は5枚。
10本の真っ白な雄しべが5枚の花弁の中央から真っすぐに伸びています。
中央にある緑色の雌しべは子房(将来種子になる部分)がぷっくりと膨らみ、花柱と柱頭(花粉がつく部分)がはっきりわかります。 -
下り坂(花畑3)
石がゴロゴロする坂を下り、振り返ったところ。
これからお花畑がはじまります。 -
イチオシ
雪田を彩るお花畑(花畑3)
チングルマをはじめ3種類の花が咲いています。 -
「チングルマ」と「エゾコザクラ」のお出迎え(花畑3)
-
紅紫色の「エゾコザクラ」(花畑3)
草丈は10cm程度。
花茎の先に2cm程度の紅紫色の花を1~6個、散形状に咲かせます。 -
イチオシ
可憐な「エゾコザクラ」(花畑3)
このお花畑には「エゾコザクラ」の群落があります。 -
「エゾコザクラ」と「チングルマ」(花畑3)
-
イチオシ
背比べする「チングルマ」(花畑3)
旭岳は高山植物の宝庫でした。
秋の紅葉は2017年9月11日に訪れています。
こちらの旅行記もご覧ください。
『旭岳据合平で見られる大雪山の絶景紅葉 2017(北海道)』
https://4travel.jp/travelogue/11282329
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