2004/06/11 - 2004/06/14
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SamShinobuさん
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第7回上海国際映画祭に、クライアントをお連れすることになった。記念すべき中国訪問、第一回目である。僕はこの旅がきっかけで中国に傾倒していくのだが、この時はまだそれを知る由もなかった。なぜ僕はこんなにも中国に魅せられたのだろうか。記憶は大分怪しくなっているが、この時撮影したビデオ映像を頼りに、そのきっかけを探ってみたいと思う。少なくとも美しくも妖しい上海は謎に満ちた微笑みで僕を惑わし、強烈な第一印象を胸に刻み付けたのは間違いない。目覚ましい発展を遂げた近代都市・上海は、華々しい表の顔からは想像もつかないほど百鬼夜行な魔都だった。
*この旅では前述の通りビデオカメラを回し、他にフイルムカメラも使用した。撮影した動画は3時間にも及んだが、その分写真は極めて少なかった。ただビデオカメラにはスチールフォト機能があったので、初めてデジタル写真も撮っている。そのためこの旅行記の画像は、デジタルとフイルムの素材が混合している。フイルムはプリントした写真をスマホアプリでスキャンしてみた。またビデオモニター画面をスマホで撮影した画像も一部ある。いずれも画質は悪いが、雰囲気を残せればと思い使うことにした。
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2004年6月11日(金)
上海トランスラピッド(リニアモーターカー)
朝は8時9分渋谷発の成田エクスプレス9号に乗車し、9時25分に成田空港第2ターミナルに到着。11時25分成田発の日本航空JL619便に乗り、時差-1時間の現地時間13時25分に上海浦東国際空港に到着した。1999年に開港した浦東国際空港は、とにかく広くてきれいだった。
空港で両替した(1元=約14円)後、人生初のリニアモーターカーに乗る。なんと、この年(2004年)の1月1日に正式運行を始めたばかりのドイツ製磁気浮上式リニアである。運賃はVIPシートで一人100元(約1,400円)。当日の航空チケットを見せると80元に割引してくれた。 -
VIPシートの乗客は僕とクライアントの2人しかいなかった。
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ぐんぐんスピードが上がり、並走する高速道路の車を瞬時に抜いていく。最高時速430キロが電光掲示板に表示された時は、高速で流れ去る外の景色に気分が上がった。しかしそれもほんの数十秒。すぐに減速が始まる。リニアモーターカーの終点である龍陽路駅までは30.5km、走行時間はたった7分20秒しかない。430キロの余韻に浸る間もなく、リニアは龍陽路駅のホームに入っていった。
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龍陽路駅を降り、あんどんに「大衆」と書かれたタクシーに乗った。上海は日本とは反対の右側通行なので、車は左ハンドル。タクシーは右ドアから乗り込む。当然自動ドアではなく、自分でドアを開けなければならない。運転手とのやり取りは、事前に少しだけ中国語を勉強したので何とか通じたようだ。ホテル名を言うと、運転手は返事もなく車を出した。運転は異常なほど荒く、遅い車がいると容赦なくクラクションを鳴らし、急ハンドルで追い抜く。運転手は平然とハンドルを握っているが、どう見ても危険極まりない。呆れていたら、今度は運転手の携帯が鳴り出した。すると彼は悪びれもせず電話に出て、客がいようがお構いなしに電話の相手と大声で話し始めた。この時はまくし立てるような物凄い剣幕に驚いたが、その後こういう喧嘩腰の会話が彼らの通常モードだと知るようになる。電話中もずっと乱暴な運転は続いたので、まさに恐怖とスリルに息をもつかせぬ体験だった。日本では考えられないようなタクシーの洗礼を受けて、これが中国かと驚いた。それと同時に、この先何が起こるのかと思うと、何故か内心ワクワクしたのを覚えている。
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ホテルは和平飯店。リニューアル前のかなり時代の染み付いたホテルだった。格式はあるが、ロビーは薄暗く内装も老朽化していた。しかし歴史の重みが感じられて、そこにいるだけで不思議な充足感を得ることができた。僕はこのクラシックホテルが一瞬で気に入った。
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日本から予約していたガイドの紅(ホン)さんとロビーで待ち合わせしたが、約束の時間になってもいない。結局30分近く経って現れたのは、20代前半の可愛らしい女性だった。道が混んでいて遅れましたと言うが、最初からこれだと先が思いやられるので、ここはさりげなく注意した。するとクライアントは「まあまあ」と僕の方をたしなめ、日本語の堪能な紅さんと楽しそうにお話ししている。なるほど、クライアントがご機嫌ならばそれに越したことはないし、ふたりが仲良くしてくれればこちらも何かと楽だ。ちなみにそれ以来、アテンドでガイドを頼む時はできる限り若い女性を指名するようになった。
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ホテルを出て中山東一路を渡ると、大きく視界が開け観光船や貨物船が行き交う川が出現する。川幅400m程の長江の支流、黄浦江である。こちら側の川沿いには外白渡橋から気象信号台まで、約1.4kmに渡って歴史的建造物が建ち並び、川向うには近未来的なビルがそびえ建っている。過去と未来を挟んで一本の川が流れているといった何とも不思議な光景だった。
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その黄浦江の水底に掘ったトンネルをボックス型トラムに乗って渡る。外灘観光トンネル(外灘観光隧道)というアトラクションのような乗り物だ(片道30元)。15人も乗ればいっぱいになってしまうが、すぐ次のトラムがやってくるので待つことはなかった。全長650mの光のトンネルを約5分かけて進む。そしてトラムを降りて地上に出ると、目の前に東方明珠塔を中心とした超近代的なエリアが出現した。
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東方明珠塔からの眺め。
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東方明珠塔は、1995年に完成した468mのテレビ塔である。球状の展望台は3つあり、上から太空艙(351m)、上球体(263m)、下球体(90m)と続く。入場料は細かく設定されており、真ん中の上球体と1階にある上海城市歴史発展陳列館がセットになったチケットを購入。70元(約980円)だった。
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地上263mの上球体から見ると、黄浦江の水面がキラキラ反射していて美しかった。
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金茂大厦。1999年に開業。2008年までは中国で一番高いビルだった。
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上海城市歴史発展陳列館。ここは東方明珠塔の1階にある歴史博物館だ。
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展示物は実に精巧で、テーマパークのように楽しみながら上海の歴史を学べるミュージアムだった。
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蝋人形もリアル。
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阿片を吸う人。今にも動き出しそう。
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ガイドの紅さん。
租界時代を思わせるレトロなバーのカウンターに立つ蝋人形を見て、紅さんが日本人だと言う。なぜそう思うのか尋ねると、日本人は後ろ姿でも雰囲気で分かると言う。その時は「そんなもんかなあ」と思ったが、何度か中国に行くうちに紅さんの言ったことが分かるようになった。この博物館、意外と内容が充実しており、観覧に1時間以上かかった。 -
今度はフェリーに乗って、再び黄浦江を渡る。
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バイクや自転車も人と一緒に乗りこむ。
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観光フェリーではなく、あくまで市民の足としての渡船だ。
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一人当たり5角(7円)。外灘観光隧道(30元)の1/60だ。あまりの安さに笑ってしまった。黄浦江に浮かぶ夕陽に照らされたジャンク船が異国情緒を醸し出していた。
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船着き場。
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折り返す船に一斉に乗り込む姿は、日本の通勤ラッシュのようだった。
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ここからタクシーで南京東路へ。おんぼろタクシーは車内も清潔とは言えず、相変わらず運転は荒かった。ラジオからは物凄いボリュームで中国語の歌が流れていて、運転手は鼻歌交じりでハンドルを握っていた。
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南京東路は人が多い。南京東路歩行路は歩行者天国になっていて、上海人より、観光客の方が多そうだ。
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紅さんから「ここはスリが多いから気をつけて下さい」と言われる。
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燕雲楼。
ガイドブックによると、1931年創業の北京料理の有名店だ。エレベーターで8階に上がると、だだっ広い客席が目に飛び込んできた。 -
なぜ上海の初日の夜にわざわざ北京料理店に来たのか。それは好物の北京ダックを本場中国で食べたかったからだ。好物と言っても、日本では高価ゆえに一度に数切れ食べるのがやっと。それが中国ではまるまる一羽供されて客の目の前でさばいてくれると聞いて、僕の頭の中は北京ダック一色になっていた。
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まずは青島ビールで乾杯。すると、こんがり焼かれた北京ダックがワゴンで運ばれて来た。そして料理人が見事な包丁さばきで切り分けてくれる。驚いたのは一切れ一切れが皮だけでなく肉付きなのだ。中国ではそれがオーソドックスなスタイルだと、その時初めて知った。
一応、紅さんに食べ方を確認すると、そこは日本と変わらずキュウリやネギと一緒に巻いて、甜麺醤につけるという。ではさっそく食べてみよう。パリパリの皮からジューシーな油が口内に広がり、至福の時が訪れる。なにしろまるまる一羽なので、3人でも食べ応えがある。でも途中から気付いたが、僕は肉のない皮だけのほうが好きだ。肉は皮ほど美味しくないし、肉があるとすぐお腹いっぱいになってしまう。 -
次に紅さんお勧めのスープ、酸辣湯を初体験。「酸っぱくて辛いです」という紅さんの説明そのものだったが、これも美味しくてお気に入りになった。他にも車海老のとろ火煮など5品の料理とデザートにりんごの水飴かけを注文。
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りんごの水飴かけ。
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注文し過ぎて死ぬほどお腹いっぱいになった。ビールや紹興酒のボトルまで頼んで、合計がなんと420元(約5,900円)。一人当たり2,000円以下とは、北京ダックまで食べているのにいくらなんでも安すぎるんじゃないか。メニューを改めて見てみると北京ダックは78元と書かれており、計算すると1,000円ほどだったので衝撃を受けた。何度も言うが、まるまる一羽の価格である。観光地である南京東路の有名店でもこの安さとは、中国恐るべしだった。
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再び南京東路歩行路を歩く。
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上海第一食品商店という食品デパートで見つけた豚の頭。おいおい!
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マクドナルドを発見。この時は見るもの聞くもの全てが物珍しく、マクドナルドの漢字が「麦当労」だというだけで、妙に感心したものだ。
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天福茗茶。
この茶葉専門店もガイドブックに載っていたので入ってみた。 -
和平飯店に戻ってきた。
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ホテルの1階にあるオールド・ジャズ・バー。老年爵士楽団が奏でるスタンダードなジャズナンバーは、上海の夜にピッタリだ。ただしおじいちゃんたちのパフォーマンスを期待してはいけない。途中誰か寝ているんじゃないかと思うほど力の抜けた演奏で、多少音が外れようが気にしない。でもそんな洗練されていないステージこそが、戦前租界時代の上海に時を超えて繋がっているようで、ノスタルジックな世界に僕らを誘う。店のオリジナルカクテルに心地好く酔った。バンドは70曲ほどあるレパートリーの中からアトランダムに演奏し、30元(420円)払うとオーダーリストの中からリクエストにも応じてくれる。
この夜演奏していたナンバーは
「Sentimental Journey」
「Strangers in the Night」
「In the Mood for Love」
「Smoke Gets in Your Eyes」等々。 -
ミュージックオーダーリスト。
気がつくと、クライアントが「Mambo No.5」をリクエストしていた。 -
売り子がおじいちゃんたちの演奏が入ったCDを持ってテーブルを回っている。思わず記念に買ってしまったが、CDにもかかわらず、この演奏もまた素人レベルだった笑。
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2004年6月12日
朝、早く目が覚めたので一人で散歩した。 -
中山東一路を渡ると川沿いに整備された外灘遊歩道が延びている。
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いたるところで太極拳、気功、ダンス等をしており、見ていて飽きない。
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太極拳をしている人たちをビデオで撮っていると、初老の紳士が英語で話しかけてきた。自分は上海の美術大学の教授で、中国の有名な絵画を多く所有している。特別に格安で譲るので見に来ないかと言うのだ。こちらの方が恥ずかしくなるほど下手な嘘で、大学の教授が聞いて呆れる。こんな低レベルな詐欺師がいるのかと思ったら、かえって可笑しくなってきた。自称大学教授は断ってもしつこくつきまとってきたが、こちらに脈がないのが分かると何も言わずにプイっと行ってしまった。
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和平飯店の裏の路地。なんか、いいなあ。
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ホテルの朝食ブュッフェに向かう途中にあったホール。ここは日本映画「T.R.Y」(2003年公開)のロケで使われていた。
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お洒落なレストランで朝食。
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上海影視楽園。
タクシーに乗って松江区にある巨大撮影所に向かった。タクシーの運転手は場所を知らなかったが、住所を教えると大丈夫だと言って車を出した。しかし途中で道が分からなくなり、車を止めては人に尋ねて何とかたどり着くことができた。ガイドの紅さんも初めて来たそうだ。 -
1930年代の南京路を再現したオープンセットを始め、豫園周辺を思わせる古い町並み、静安区にあるエリック・マーラー邸のレプリカや教会、フランス式庭園もある。また人工の湖まであって撮影所の広さと規模に驚愕した。この撮影所でロケした日本映画「T.R.Y」の撮影監督から「ここは凄いよ」と聞いていたが、聞きしに勝るとはまさにこのことだと思った。
チャイナドレスの衣装や小道具、大道具の展示などもあった。また映画館や劇用車の大ガレージまであり、撮影所内に走っている路面電車には乗車することもできる。 -
映画「T.R.Y」では、この走る路面電車の中で織田裕二のアクションシーンがあったことを思い出した。
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人工の湖
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上海市内に戻るのにタクシーを拾おうと思ったが、全然走っていない。紅さん曰く、仮にタクシーが捕まっても、上海まで行ってくれるかどうか分からないという。では途中までバスで行こうということになったが、今度は肝心のバス停が見当たらない。そこで、やってきたバスに紅さんが手を挙げると、目の前で止まってくれた。どうもこの辺りのバスは、相当ユルイらしい。
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スプリングの効かないバスは、でこぼこ道を激しく上下に揺れながら走る。当然エアコンもない。笑ってしまうほど乗り心地の悪いバスで上海市内に向かい、地下鉄1号線の外環路駅の前で降りた。ここでタクシーを拾って、豫園商城へ向かう。タクシーから街の風景を見ていると、道路に干してある洗濯物がやたらと目に付いた。住まいのベランダや窓に干すのではなく、歩道の街路樹や電柱などに紐を渡して干しているのだ。ズボンだろうが下着だろうがお構いなしだ。特に布団を干している家のなんと多いことか。公道を何だと思っているんだろう。
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初めての豫園商城は迷路だった。
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まず入口すら何処だか分からない。
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紅さんに案内されて建物の細い通路に入ると、雑踏の中どこからか中国笛の音色が聴こえてきた。周りを見回すと、あるお店の前で男性がたて笛を吹いていた。多分その店の客寄せで演奏しているのだろう。聞き覚えのあるメロディだが、なかなか曲名が思い出せない。初め中国の曲かと思っていたが、ようやく思い出したその曲は、なんと内山田洋とクールファイブの「逢わずに愛して」だった。まさか上海で聴くとは思っていなかったので、不思議な感覚だった。それにしても中国古典楽器で演奏すると、日本のムード歌謡も中国っぽくなるんだなあ。
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南翔饅頭店。創業1871年、この場所に店を構えたのは1900年というから、豫園の歴史を見つめ続けてきた老舗だ。ここで有名な小籠包をテイクアウトして、食べながら豫園商城を見て歩こうと思っていた。しかし行ってみると驚くほど長い行列ができている。聞くと1時間待ちだそうで、店内で食べるなら少々高くなるが20分くらいで座れると言う。
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迷わず入店した。蟹の解体作業を見ることができる。
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3階まで上がると、そこも列ができていた。しばらく待って、ようやく席に着くことができた。混んでいるので中国人観光客と相席だ。
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冷たい烏龍茶を頼むと、サントリーのウーロン茶(缶)が出てきて笑った。中国では冷たいお茶を飲む習慣がないので、冷たいウーロン茶頼むと、これになるらしい。冷たいお茶は邪道なのかなと思ったら、相席の中国人も同じサントリーのウーロン茶を飲んでいた。
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蟹入り小籠包はさすがのお味だった。
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蟹味噌のスープ。巨大な小籠包のようなものに入ったスープをストローで飲む。熱々で口の中は火傷必至。
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香茗楼。
クライアントが中国茶を買いたいというので、紅さんが案内してくれた茶葉専門店に入る。 -
ここは日本語の堪能な店員さんが何人かいて、お茶の詳しい説明をしてくれるので、日本人客が多い。また好きなだけ試飲させてくれるのもいい。試飲したいお茶を選ぶと、そのお茶の正式な飲み方を丁寧にレクチャーしてくれる。僕は台湾の凍頂烏龍茶を頼む。まずは聞香盃で香りを楽しみ、それから口に含むと身体が喜んでいるのが分かる。
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健康にいいお茶を尋ねると、苦春芽(にがはるめ)が一番だという。 高血圧、糖尿病、高脂血症、コレステロール高に効き、血をサラサラさせる効果があるという。苦春芽、最高かよ!名前の通り少し苦いが、決して不味くはない。
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試飲させてもらっていたら、店の電気が消えて真っ暗になった。完全な暗闇だ。突然の停電に驚きつつ、その時初めて店に窓が無いことに気がつく。数分後には復旧したが、電圧の関係で豫園ではよくあることらしい。
その後、人生初の龍井茶を飲ませてもらったが、初めは草っぽい味という印象だった。でも飲み慣れてくると、その上品な香りにいつの間にか虜になっていた。クライアントは中国茶の美味しさに感激して、びっくりするくらい大人買いしていた。 -
はんこをその場で彫ってくれる。2本で210元(約3,000円)だそうだ。子供二人の名前を彫って貰おうと思い、とりあえず値切ってみたら、いきなり85元(約1,200円)になった。どんだけ吹っかけてんだと思ったが、1本600円なら文句はない。他に箸の専門店、中国古典楽器の店で二胡を見た。
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豫園からタクシーに乗ろうとしたが、なかなか捕まらない。やっと来たかと思って手を上げたが、他の客にさっと横取りされてしまった。ここは気を取り直して、タクシー争奪戦に参戦だ。降りる客のタクシーが止まったら、それと同時に乗り込む作戦に出る。しかし敵も考えることは同じで、タクシーが近づいて来ると皆いっせいに駆け寄っていく。遠慮していたら一生豫園から帰れない。そこで次にやって来たタクシーに気合いを入れて突撃したら、すんなり乗ることができた。皆図々しい割りにポテンシャルは高くないので、こちらが本気を出すとあっさり勝てたりする笑。
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成龍行蟹王府。
南京東路の一本南側に並行する九江路にある。 -
店内に入ると、僕が何も言う前に「いらっしゃいませ。こんにちは」と日本語だ。やはり一見して日本人だと分かってしまうようだ。レジ横の壁には客が置いていった多数の名刺が貼られているが、日本人の名刺も多かった。上海蟹の旬は9月〜2月だが、この時はまだそのことを知らなかった。それでも、ここは自社養殖場を持っているので、一年中上海蟹が味わえる有名店とガイドブックに書いてあった。
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動いている生きた蟹を見せてもらう。
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Steinlagerはニュージーランドのブランドだが、これは中国の有名なビールメーカー、雪花啤酒の製造のようだ。
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かなり濃厚なフカヒレ貝柱スープ。紅さんがこんな高級なものなかなか食べられないと感激していた。
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蟹の爪。紹興酒も注文した。
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ホクホクの上海蟹が登場。店員さんに剥いて貰う。心臓は食べられないので取って貰う。クライアントは面白がって自分で剥きはじめたが、途中でグズグズになってしまい、結局店員さんに助けて貰っていた。
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生まれて初めて食べる上海蟹の味は衝撃的だったが、正直言ってこの時は美味しいと思わなかった。ベストシーズンではなかったからなのかもしれない。いや、多分そうではないと思う。あまりにもインパクトの強い未知の味に、舌がパニックになって味が分からなかったのだ。濃厚過ぎる蟹味噌に、ただただ「凄い」としか言いようがなかった。珍味というものは往々にしてそういうものだろう。実際、二度目に上海蟹に挑戦した時から、僕はすっかりその魅力に取り憑かれてしまうのだから。
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綺麗に並んだ足を見て思わず笑ってしまった。
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二胡と中国琴で演奏が始まる。「月亮代表我的心」という曲だ。初めて聴くメロディは美し過ぎて聴き惚れてしまった。そう、ここで初めてテレサ・テンの代表作であるこの曲と出会ったのだ。感動していたら、日本人向けにと思ったのか「瀬戸の花嫁」を弾き始めた。いや、そのサービス要らんって。その後も続けて、音楽の教科書にも載っていた「旅愁」を演奏した。思わず「日本の曲はもういいのに」と呟くと、紅さんが「えっ、これは中国の歌ですよ」と言う。いやいや、日本の有名な唱歌だよと、曲に合わせて日本語の歌詞を僕が歌う。「ふけゆく秋の夜 旅の空のわびしき思いにひとり悩む・・・」。するとそれに対抗して紅さんが中国語で歌い出し、にわかに歌唱バトルが勃発した。その時はどちらも一歩も引かなかった。そこで後日調べてみたら、なんと作曲者はジョン・P・オードウェイというアメリカ人だった(笑)。
この後、僕らは上海雑技団を見に行くので、紅さんのガイドはここまで。彼女はこの後、合コンに行くという。おじさん二人は「合コン」という言葉に色めき立って、興味津々になる。友達の女の子が企画して、男女4対4で会うそうだ。笑ったのは、紅さんが「合コン」を「Go con」という英語だと勘違いしていたことだ。「合同コンパ」の略だと教えてあげたら驚いていた。
この店の支払いは、1,340元(約18,800円)。一人当たりにすると約6,300円だった。 -
合コンに行く紅さんと別れて、僕等はタクシーに乗った。
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人民広場に隣接する上海大劇院にて、上海雑技団を見る。一人280元(約3,900円)。
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雑技も生で見るのは初めてだ。
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人間業とは思えないような身体の柔らかさに、感動を通り越して内心ドン引きしてしまった。どんな練習をしたら、あんなにぐにゃぐにゃになれるのだろう。
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上海雑技団を見た後、タクシーで帰ろうと思ったが、例によってなかなか捕まらない。普通に道路脇で待っていても、さっと出てきた人に横取りされてしまう。よく見るとひとり客は皆、後部座席ではなく助手席に乗っている。日本では有り得ない光景だろう。またタクシーを止める時、手を上に挙げるのではなく斜め下に真っすぐ伸ばしてひらひらさせている。タクシーひとつとっても習慣の違いがいろいろあって面白い。いやいや、感心している場合ではない。さあ、戦闘モードになろう。走ってきたタクシーに向けて手を斜め下にひらひらさせながら駆け寄り、ようやく乗ることができた。
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桃源郷マッサージ。南京東路にある高級マッサージ店で、ガイドブックには必ず載っている。店内では中国琴の生演奏があり、混んでいたので中国茶をいただきながら少し待った。ここは漢服やチャイナドレスを着て変身写真を撮ってくれるサービスもあるようだが、僕にコスプレの趣味はない。1時間の全身マッサージは、一人148元(約2,100円)だった。日本と比べると1/3位か。この値段で極楽気分を味わうことができて、僕は中国マッサージのファンになった。
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24時間営業の中国のコンビニ「C-STORE喜士多便利連鎖」に入る。
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さすが中国、紹興酒や白酒の種類が多い。
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日本と同じようなコンビニおにぎりがあって驚いた。
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ホテルに戻る途中信号待ちしていたら、花束をいくつか手に持った10歳くらいの女の子が近づいてきた。みすぼらしい格好のその子は、花を買ってくれと僕にひとつ差し出した。こんな小さな子が真夜中にひとりで、これを売らないと帰れないのだろうか。そう思うと可哀相になってしまい、確かひとつ10元だったと思うが、その花束を全部買ってあげた。翌日紅さんにその話をすると、彼女たちには元締めがいて近くで見張っているそうだ。だからいくら買ってあげても、すぐまた売りに行かされるだけですよと諭された。
(後編に続きます)
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