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2018年年末の沖縄本島への旅。那覇空港に下り立つや、映画を観ようとタクシーで向かったのは、那覇桜坂劇場。映画の題名は「岡本太郎の沖縄」で、東京でも2019年1月半ばに公開予定でしたが、特に予定を入れていなかった今回の訪沖。たまたま同映画の存在を事前に知ったことと、私がその映画の元にもなった岡本太郎氏の名著「沖縄文化論」を持っていたこと。あとは、いつも那覇空港からそのままどっかの離島だとか遠くの街だとかに一気に移動していたので、たまには空港から映画館直行なんてのも変わっていて面白いだろうと、今回の映画鑑賞による旅スタートとなりました。<br /><br />1959年と1966年の2度、まだ米国統治下に置かれていた中で訪沖し、いわく「沖縄に恋をした」岡本氏。紀行の詳細は映画と同名の写真集や、既出の「沖縄文化論」に詳しいですが、それらに出てくる場所の現在との対比や、写真集に写っている方もしくはその親類へのインタビューなどで構成され、後半では40年前を最後に450年余り続いた歴史に終止符を打った久高島の伝説の祭事「イザイホー」が出てきます。あ、思いきりネタバレになりましたが、興味ある方はぜひぜひ。<br /><br />映画鑑賞後は壺屋の路地散策を経て、路線バスで浦添市港川地区へ移動。かつての米軍住宅地をリノベーションした「港川ステイツサイドタウン」を散策したあとは、そのまま南下して伊祖公園や浦添ようどれなどを通り、さらにゆいレール沿いに入り、何年ぶりか分からないくらい久々に首里のあやぐ食堂で晩ご飯。最終的には、ゆいレール首里駅まで歩ききって初日は終了となりました。<br /><br />2日目。映画「岡本太郎の沖縄」に感化され、5年ぶりに久高島へ上陸しました。乗船した朝9時の高速船第1便から、早くも船内は満席状態。島に着くや、待合室兼レンタサイクル店にも長い列。そのまま並んでいればチャリをゲットできましたが、なんかイヤンなって列から外れ、思い切って歩いて散策することにしました。<br /><br />所要時間にして一周2時間10分ほど。沖縄の創世神・アマミキヨが降りたったとされる、島の最北端・カベール岬への850mの一本道(でもって来た道を戻らなきゃいけないから、往復1700m)が少々メンタルにくるかもしれませんが、全体的にはわりと苦労せずにしっかりと各景勝地を見られました。レンタサイクルを借りても多分同じくらい時間がかかるでしょうから、逆にレンタサイクル代が浮いた感じですね。ラッキー。<br />でもって、レンタサイクルをやっている食堂で1人ランチをしていると、11時の高速船で島へやってきた観光客が続々と「自転車ありますか?」と入ってくる。9時の便で来て自転車を借りた人たちがまだ帰ってきていなくて、気の毒にも少なくなってしまった自転車を争奪戦するハメになったようです。そんな彼らに言いたかったですね。「せっかくだから歩きなよ」って(笑)。<br /><br />久高島には今回で4度目ですが、実は以前なんだかなエピソードがありました。2度目の訪島で伊敷浜に行ったときのことなのですが、草木に覆われた浜の入口に畳一畳ほどの砂地があり、品の良さげなお婆さんが1人腰かけていました。一瞥だけして浜に出て再び戻ってくると、<br />「お兄さん、こちらで拝んでいらして」<br />声をかけてきたのはそのお婆さんでした。よく見れば、奥に石がいくつか置かれて拝所になっていました。とりあえず手を合わせると、そこからあれやこれやと話し込まれてしまい、そのうち若い男性も巻き添えを食い、かれこれ小1時間。話題が次第に神がかってきて、いわゆる「911」のときに東の空が云々……意を決したように若い男性が、<br />「……もしかして、ノロですか?」<br />ノロとは沖縄奄美の琉球信仰における女性神職のこと。アマミキヨが降り立ったとされるがゆえ、沖縄最高峰と崇められ時の王様が遥拝した「かの久高島のノロ」となると、なかなかすごい方らしいですが、彼女はその問いに少し表情をゆるめてコクリとうなづいたのです。思わず「おお」と我々。少しして無事「開放」されて2人それぞれ散策に戻れたのですが、そんな話を当時やっていた個人のホームページに書いたところ、こんな内容のコメントが。<br />「彼女、ノロをうたって島の中をガイドしてはお金を巻き上げています。私に勝手にガイドしてきて、5000円取られました。よかったら、一緒に訴えていただけませんか」<br /><br />彼女の顔は今も、割とはっきり覚えています。この日もカップルの観光客を車で案内していましたね。たまたま集落の狭路ですれ違って私が傍によけたら、「ありがとうございます」と笑顔で返してくださいました。5年前も観光客を案内していました。向こうはまず私など覚えちゃいないでしょうけど、別れ際に彼女に名前を名乗られていて、その名前で検索をかけると、ノロの彼女にガイドをされて感謝する投稿が多い中、一部には彼女の行為に手を焼いているという久高島民のコメントを引き合いに出すものも。はたして真実はよく分からないですが、久高島らしいっちゃらしい話なのかな。<br /><br />久高島をあとにして、ウカビ島なる小島に少しだけ上陸したり、久高島を遥拝する御嶽、世界遺産の斎場御嶽に行ったりして、那覇に戻ったらテキトーにぶらぶら。なんとなくですが、今回の沖縄旅は「岡本太郎氏が恋した沖縄に恋しようとした旅」となりました。よく分からないですが。

那覇で映画「岡本太郎の沖縄」を観て感化され久高島へ

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2018/12/22 - 2018/12/23

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85

マギー

マギーさん

2018年年末の沖縄本島への旅。那覇空港に下り立つや、映画を観ようとタクシーで向かったのは、那覇桜坂劇場。映画の題名は「岡本太郎の沖縄」で、東京でも2019年1月半ばに公開予定でしたが、特に予定を入れていなかった今回の訪沖。たまたま同映画の存在を事前に知ったことと、私がその映画の元にもなった岡本太郎氏の名著「沖縄文化論」を持っていたこと。あとは、いつも那覇空港からそのままどっかの離島だとか遠くの街だとかに一気に移動していたので、たまには空港から映画館直行なんてのも変わっていて面白いだろうと、今回の映画鑑賞による旅スタートとなりました。

1959年と1966年の2度、まだ米国統治下に置かれていた中で訪沖し、いわく「沖縄に恋をした」岡本氏。紀行の詳細は映画と同名の写真集や、既出の「沖縄文化論」に詳しいですが、それらに出てくる場所の現在との対比や、写真集に写っている方もしくはその親類へのインタビューなどで構成され、後半では40年前を最後に450年余り続いた歴史に終止符を打った久高島の伝説の祭事「イザイホー」が出てきます。あ、思いきりネタバレになりましたが、興味ある方はぜひぜひ。

映画鑑賞後は壺屋の路地散策を経て、路線バスで浦添市港川地区へ移動。かつての米軍住宅地をリノベーションした「港川ステイツサイドタウン」を散策したあとは、そのまま南下して伊祖公園や浦添ようどれなどを通り、さらにゆいレール沿いに入り、何年ぶりか分からないくらい久々に首里のあやぐ食堂で晩ご飯。最終的には、ゆいレール首里駅まで歩ききって初日は終了となりました。

2日目。映画「岡本太郎の沖縄」に感化され、5年ぶりに久高島へ上陸しました。乗船した朝9時の高速船第1便から、早くも船内は満席状態。島に着くや、待合室兼レンタサイクル店にも長い列。そのまま並んでいればチャリをゲットできましたが、なんかイヤンなって列から外れ、思い切って歩いて散策することにしました。

所要時間にして一周2時間10分ほど。沖縄の創世神・アマミキヨが降りたったとされる、島の最北端・カベール岬への850mの一本道(でもって来た道を戻らなきゃいけないから、往復1700m)が少々メンタルにくるかもしれませんが、全体的にはわりと苦労せずにしっかりと各景勝地を見られました。レンタサイクルを借りても多分同じくらい時間がかかるでしょうから、逆にレンタサイクル代が浮いた感じですね。ラッキー。
でもって、レンタサイクルをやっている食堂で1人ランチをしていると、11時の高速船で島へやってきた観光客が続々と「自転車ありますか?」と入ってくる。9時の便で来て自転車を借りた人たちがまだ帰ってきていなくて、気の毒にも少なくなってしまった自転車を争奪戦するハメになったようです。そんな彼らに言いたかったですね。「せっかくだから歩きなよ」って(笑)。

久高島には今回で4度目ですが、実は以前なんだかなエピソードがありました。2度目の訪島で伊敷浜に行ったときのことなのですが、草木に覆われた浜の入口に畳一畳ほどの砂地があり、品の良さげなお婆さんが1人腰かけていました。一瞥だけして浜に出て再び戻ってくると、
「お兄さん、こちらで拝んでいらして」
声をかけてきたのはそのお婆さんでした。よく見れば、奥に石がいくつか置かれて拝所になっていました。とりあえず手を合わせると、そこからあれやこれやと話し込まれてしまい、そのうち若い男性も巻き添えを食い、かれこれ小1時間。話題が次第に神がかってきて、いわゆる「911」のときに東の空が云々……意を決したように若い男性が、
「……もしかして、ノロですか?」
ノロとは沖縄奄美の琉球信仰における女性神職のこと。アマミキヨが降り立ったとされるがゆえ、沖縄最高峰と崇められ時の王様が遥拝した「かの久高島のノロ」となると、なかなかすごい方らしいですが、彼女はその問いに少し表情をゆるめてコクリとうなづいたのです。思わず「おお」と我々。少しして無事「開放」されて2人それぞれ散策に戻れたのですが、そんな話を当時やっていた個人のホームページに書いたところ、こんな内容のコメントが。
「彼女、ノロをうたって島の中をガイドしてはお金を巻き上げています。私に勝手にガイドしてきて、5000円取られました。よかったら、一緒に訴えていただけませんか」

彼女の顔は今も、割とはっきり覚えています。この日もカップルの観光客を車で案内していましたね。たまたま集落の狭路ですれ違って私が傍によけたら、「ありがとうございます」と笑顔で返してくださいました。5年前も観光客を案内していました。向こうはまず私など覚えちゃいないでしょうけど、別れ際に彼女に名前を名乗られていて、その名前で検索をかけると、ノロの彼女にガイドをされて感謝する投稿が多い中、一部には彼女の行為に手を焼いているという久高島民のコメントを引き合いに出すものも。はたして真実はよく分からないですが、久高島らしいっちゃらしい話なのかな。

久高島をあとにして、ウカビ島なる小島に少しだけ上陸したり、久高島を遥拝する御嶽、世界遺産の斎場御嶽に行ったりして、那覇に戻ったらテキトーにぶらぶら。なんとなくですが、今回の沖縄旅は「岡本太郎氏が恋した沖縄に恋しようとした旅」となりました。よく分からないですが。

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