2006/04/27 - 2006/05/01
183位(同エリア694件中)
まさとしさん
2006年4月後半。中国福建省の客家円楼に行ってきました。土でできた円形の奇妙な建造物(円形の土楼)を見に行くのが今回の目的です。
拠点になる都市は廈門。廈門も観光するには魅力的な街です。
4/27 東京(1000)→廈門(1310) 廈門(1535)→竜岩(1900/1940)→下洋(2130) 下洋 僑連旅社
4/28 下洋(初渓村・月霞村)→土楼文化村(南渓村) 土楼文化村 環興楼
4/29 土楼文化村(南靖土楼、下版、高頭) 土楼文化村 環興楼
4/30 土楼文化村(700)→龍岩(1030)→廈門 廈門(コロンス島) 廈門 廈門温州酒店
5/1 廈門観光 廈門(1425)→東京(1910)
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出発当日、成田空港第2ターミナルに7時半に到着。平日の朝、ゴールデンウィークも近いということで観光客も加わり、いつもに増して混雑している。特に日系のエコノミークラスカウンターは長蛇の列が始まりつつある。それを予想していつもより早めに空港に到着するようにした。今回はビジネスクラスなので長蛇の列に並ぶ必要はないが出国審査所は並ばざるを得ない。早めに審査を済ませ、ラウンジでくつろぎたいこともあり、今日は時間に余裕をもってきたのだ。
出国審査をすませエスカレータで4階の「CULB・ANA」ラウンジに向かった。 -
ラウンジで軽食でも食べながら、無料のネットをいじり出発を待つ。
食事はパンとドーナツくらいしかないが、ドリンクはアルコールを含め充実している。朝から飲む気にはならないが。 -
全日空の成田発廈門行き。機内食はエコノミーと違い面積は同じだが高さが違う。また白いテーブルクロスと敷かれるので高級感がある。
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食後は過剰な機内サービスもなく3時間広い座席にふんぞり返り、やがて廈門への着陸態勢に入った。
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厚い雲の中、小雨が降る廈門・高崎国際空港に到着した。エグゼクティブな旅行はここまでだ。これからはチープな旅に気持ちを切り替えなくてはならない。荷物は預けていないのでそのまま到着ロビーに出た。
両替をしようとしたが銀行が見つからない。案内所で聞いたら出発フロアーの2階にあるとのこと。面倒くさい。ずいぶん遠回りをさせられ階上のフロアの銀行は見つかった。しかし両替をしようとしたらパスポートのコピーを向こうで取ってこいとか言われた。要領が悪すぎる。すぐ近くの案内所でコピーし再び銀行へ。客が誰もいないからスムーズに両替をすますことができたが混雑していたら発狂ものだ。営業時間は17時までになっている。上海・北京以外の国際空港では中国元を事前に準備しておいた方が良いのかもしれない。 -
バスもあるらしいが、時間の方が大事なのでタクシーで市内のバスターミナルへ向かった。タクシー運転手はおばさんだった。それはさておき空港を出たタクシーはすぐに渋滞に巻き込まれた。最初永遠に動かないのではという雰囲気だったが、しばらく行った交差点を抜けてからはスムーズに動き出した。しかし市内への距離は13キロほどだが、高速道路の工事が行われていてその脇のでこぼこ道をちんたら走り、50分ほどかかり市の中心部にあるバスターミナルに到着した。
写真は高層ビルが建ち並ぶ廈門市内。
バスターミナルで龍岩までの切符を買おうとしたら脇の案内所の女の子が出発時間や値段を丁寧に説明をしてくれた。そして窓口の場所を教えてくれ、売場の人に直接行き先等を説明してくれた。ずいぶん親切だ。おかげでちょうど20分後の15:35に出発するバスの切符をスムーズに買う事が出来た。少なくとも今日中に龍岩までは行っておきたかったのでこれでひとまず安心だ。 -
バスは最初ガラガラだったが、出発後他の市内バスターミナルにも立ち寄り、満員の状態で廈門市内を出発し、龍岩に向け走り出した。しかし廈門の渋滞は深刻だ。なかなか車は進まない。おまけに踏切にも引っかかってしまった。踏切で30分近く足止めを食らった。龍岩までの所要時間は3時間半とのことだが、いったいいつ着くのだろうか。市街地を抜けるとバスはスピードを上げて走り出した。そして高速道路に入った。
写真は廈門から龍岩までのバス。料金は60元。
中国も完全な車社会になったようで高速道路を走っている日本にいるのとかわらない雰囲気だ。高速道路は山岳地帯を貫くトンネルにより一直線に西へ続いている。数キロはありそうなトンネルを頻繁に通過する。バスはすごい勢いで走り、廈門出発から3時間後に龍岩郊外のインターチェンジを下りた。そのまま市街地の中心に入り、龍岩のバスターミナルに到着したのは廈門を出てちょうど3時間半後の19時だった。廈門の渋滞は計算されていたのだろうか。また相当スピードを出していたのは時間を合わせるための回復運転だったのだろうか。とにかく中国は移動がしやすく物事がスムーズに進む。中国の旅行事情にはかつての悪いイメージはもはやない。
龍岩に到着した。思っていたより大きな町で交通量も多い。地方の大都市といった感じだ。ここで1泊してもいいのだが、いまいち面白味に欠ける町で雨も降っているし、できれば今日中に下洋まで行きたい。バスの切符売り場で道にいたおっさんに下洋に行きたいんだけどと言ったら一緒にバス乗り場を探してくれた。少し離れた場所の乗り場から出発するようでそこに連れて行ってくれた。それにしてもこのおっさん必死でバスを探してくれる。いったいこの行動は何なのか、あまりにも親切で逆に不安になってきた。ここは中国だ。見ず知らずの人に対して利益の伴わないことは絶対にしない。中国ではこんな事はあり得ないはずだ。 -
結局バスはなく、おっさんは車の手配代行業者だったようで下洋までの車のチャーターを持ちかけてきた。バスがなかったから車を手配できたが、もしバスがあったらおっさんのここまでの行動はすべて無駄になる。バスがないのを知っての演技ならあまりにも手が込んでいる。もはや龍岩に1泊する気はなくなっているので車をチャーターすることにした。所定の場所で待っていると軽ワゴン車がやってきた。下洋までは180元。そのうち20元がおっさんへのコミッションになったようでその場で受け取っていた。そんなことは気にせずおっさんに礼を言い車は出発した。
雨はいっこうにやむ気配はない。
雨は次第に強くなってきた。バケツをひっくり返したという表現はまさにこんな感じだ。ワイパーも意味をなさない。龍岩から2時間の間、雨で水浸しになった山道を走りぬけ、下洋らしき街に到着した。雨の勢いは衰えず、市内の商店も半分扉を閉めて営業している。ホテルを探すのも一苦労だ。車から出たくない。出ようモノなら即ずぶぬれだ。これだけ雨が降っている場所を旅行中移動した記憶は最近ない。 -
何とか目的の宿は見つかった。僑連旅社といい1泊50元(750円)だ。運転手にここまでの180元(2700円)を支払った。この雨の中龍岩まで帰る運転手は大変だ。
とりあえず下洋までたどり着くことができてよかった。結果的に車をチャーターして一気にここまで来たのは大正解だ。おそらく龍岩で泊まっていても宿代だけで200元(3000円)くらい払っていたはずだ。ここまで来たおかげで安い宿にありつけた。
これで明日の朝一から行動できる。宿は中国建築風で老朽化しているが部屋は広く、テレビも付いていて清潔だ。ただ問題はお湯が出ない事だが寒くないので何とか我慢できそうだ。
写真は下洋で滞在した部屋。 -
宿のおばさんは無愛想で口調が荒いが、ちゃんと部屋の設備を細かく説明してくれた。仕事さえちゃんとしてくれれば何も言うことはない。とにかく初日のうちに一気に下洋までこられたのは最良の出だしだ。問題は明日の天気だ。
宿周辺は川沿いに屋台風の食堂が並び、のんびりした情緒ある村でなかなか雰囲気がいい。雨がやまないので傘をさしてホテルの前の屋台に行ってみた。こんな僻地に来ても相変わらずメニューの種類が多く、満足のいく食事ができるのが中国のいいところだ。10元(150円)の牛肉炒めで満腹だ。
雨が降りしきる中、屋台が営業する下洋の通り。
部屋に戻ってしばらくすると誰かが扉をノックしてきた。バイクタクシーの運転手だった。ここに旅行者が来たのをどうやって知ったのか知らないが、こちらから探しに行く手間が省けた。とりあえず明日は初渓村へ行きたいがバイクタクシー以外交通手段がない。とりあえず市最終的に土楼民族文化村まで連れて行ってもらう事で交渉し、200元(3000円)が150元(2250円)に下がり話はまとまったが、値段の相場がわからない。高い気もするが相場が分からないのであまり強く出られない。それよりも明日の雨が心配だ。 -
結局雨は一晩中降り続き、翌朝になってもやむ気配はない。がっかりだがこのような場合を想定してレインコートを持ってきたのだ。それに晴れ間のない円楼の方が味があるのではと良いように解釈したりする。とにかく移動が大変なのは今日だけだ。とはいえ何とか雨がやむことを祈った。
下洋で宿泊した僑連旅社。1泊50元(750円)。 -
傘をさして橋を渡ってみた。一軒の食堂で麺の朝食を食べることにした。1.5元と激安だ。
川沿いには水牛がいた。 -
市場が開かれていた。しかし規模は大きくなくいまいち活気がない。雨のせいだろうか。
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8時に約束通り、フロントで待っていたら昨夜のバイクタクシーのおじさんが起きてきた。部外者だと思っていたら彼はこの宿のオーナーだった。名前は陳さん。昨日部屋に案内してくれた口調の荒い女の人が奥さんだ。宿の規模が大きくみんな従業員かと思っていたが、なにげにアットホームな宿だ。
相変わらず雨は降り続いているが、出発前お茶を飲んでいたら小降りになってきた。でもどうせまた降るだろうと思い、完全装備のレインコートでバイクにまたがった。運転手の陳さんは朝食を食べたいとのことで近くの食堂へつきあうことになった。牛肉湯を軽くいただくことにした。
写真は陳さん。 -
下洋の街を出発したのは8時半だ。途中ぐんぐん坂を上り高度を上げていった。道は完全に舗装されているので乗り心地は良い。円楼は限られた場所にしか存在しないと思っていたが、小川に沿って走っているとところどころに円形の建造物を見かける。
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また方楼と呼ばれる四角い土楼もある。この辺りの建築様式が基本的に土楼なのでほとんどの建物が興味深い。そんな感じで10時前に初渓村に到着した。
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初渓村は数年前までとんでもない僻地だったようだが、今では世界文化遺産に登録されてから急速に道路網が整備されたようで何のストレスも感じないまま村へのゲートに到着した。ここで50元の入場料を払うことになる。バイクのチャーター代が150元という事を考えるとずいぶん高く感じる。でも払わないわけにはいかない。
初渓村には絵葉書などにも使われる客家を代表する円楼群が存在する。中でも代表的なのは集慶楼でこの村最大の円楼だ。 -
かつては老朽化が進み、住む人もいないので荒れ放題になっていたようだが、今ではきれいに修復され、内部全体が博物館になっていた。円楼自体巨大で見応えはあるが生活臭がなく面白味に欠ける。
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写真は初渓村最大の集慶楼の中央部にある祖堂です。
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円楼の中心部にある建物が祖堂です。祖堂とは先祖を祭った廟のことでたいてい円楼の中心にある。
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初渓村には集慶楼以外にも何個か円楼があり、それらの中では普通に人が生活していました。カメラをぶら下げてズカズカ他人の家の中に入るような感じだが、ここでは誰一人として嫌な顔はされず、みんなに歓迎される。
写真は康慶楼の内部にて -
康慶楼のさらに西隣にあった円楼。こちらは住む人もなく荒廃している。かつての集慶楼がこのような感じだった。
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円楼が連なる風景。
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小学校に立ち寄り先生と話をする機会ができたが、中国の先生は英語が分からずここでも筆談だ。
小学校の建物。 -
勉強する生徒。
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時間割。
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村の中には派出所や公衆電話など円楼と日常が共存する。
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村の中には新築の円楼を利用し最新設備の宿もあり、客家係シンガポール人が経営していた。自分の父親が住んでいた円楼をホテルに改造したとのこと。円楼の中にはインターネットやバスタブ付きの浴室(離れで共同)などかなり快適で1泊60元とのことだ。円楼の名前は「善慶楼」でそのままホテルの名前にもなっている。初渓村に滞在するならここはおすすめだ。
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ホテルとして機能している「善慶楼」の内部。
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雨は午前中やんでいたが正午近くになって再び降り出してきた。初渓村の円楼は一通り見学を終え、最後に高台にある展望台から初渓土楼群を見下ろすことにした。
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とりあえず初渓村の土楼郡見学は終了。
帰りは雨が降りしきる中、坂を下るだけなので比較的楽だ。景観も来るとき十分に見ているので雨に濡れてまでゆっくり見ようとは思わない。 -
そんなわけで一気に下洋に戻った。時間は12時半だ。
下洋の街並みも個性があり魅了的な場所だ。 -
川沿いに立つ建物は迫力がある。
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ホテルで荷物を受け取り土楼文化村へ移動するのだが宿の陳さんがもう一泊していけと引き留めだした。陳さんの本音としては雨の中走りたくないのだろう。でもあまり時間がないし、先を急ぎたい。
写真はホテルの陳さん夫妻。
昼ご飯を食べたあと湖抗の北にある土楼民族文化村に向かった。幹線道路を走るのでスピードも出るし距離の割に早く到着した。雨もいつの間にかやんでいる。どうやら日中雨の降る確率が高いのは標高が高い場所だけのようだ。 -
土楼文化村のゲートに到着した時、一人のおっさんが道路に飛び出してきてうちの円楼に泊まらないかと言ってきた。場所は文化村と目と鼻の先のゲートの外だ。とりあえず興味があるので部屋を見せてもらうことにした。円楼の名前は「環興楼」といいそれなりの規模があり築五百年で内部は生活臭に満ちていた。しかしそれだけオンボロだということでもある。円楼の屋根の一部は崩れかかっている所もある。部屋は窓がはずれていたり酷い有様だったが20元という値とコンセントがあり、お湯シャワーもちゃんと浴びる事ができるということでここに泊まることにした。
バイクタクシー兼ホテルのオーナーの陳さんとはここでお別れだ。 -
本来なら土楼民族文化村の中の振成楼に泊まろうと思っていたが、振成楼は観光開発され、中国政府が正式な宿泊施設として認めており快適さは保証されているが、普通の人が住んでいないということに面白みが欠けると思っていた。清潔さを取るか素朴さを取るかの選択だったが、結局素朴なのを選ぶ事になった。写真は円楼の客室の扉。ボロいが雰囲気は最高だ。
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2泊することになった、築500年の「環興楼」。
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宿の管理人は円楼には住んでおらず、川を挟んだ道路沿いにある「土楼賓環」という商店兼簡易宿泊所の中に住んでいるようでシャワーもここで浴びることになる。写真がその建物。ここで宿代を払い、周辺の土楼へ行くためのバイクタクシーを紹介された。バイクタクシーの運転手は宿主の知り合いみたいなのでめちゃくちゃなことはしないだろう。とりあえず今日の3時半から湖抗の南にある円楼を回り、明日は60キロ離れた南靖県の円楼へ行く事で話がまとまった。2日間で180元(2700円)とのことだ。高いがそれなりの距離を走るので言われるがままだ。
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荷物を部屋に置いたあと、バイクタクシーにまたがり湖抗の南にある南渓村の土楼群へ向かった。とりあえず一番遠くの環極楼から戻るような感じで見学することにした。
写真は山間の南渓村。 -
南渓村にある環極楼。
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環極楼は中心が広場になっていてここで声を出すと不思議な響きとなる。ただこの円楼に入るのに10元払うことになった。今回の旅行で円楼への入場料は避けては通れない。
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続いて衍香(イェンシャン)楼へむかった。川沿いにたたずみ周り、単独の土楼としてはもっとも絵になる風景だ。
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衍香楼の門構え
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内部は円楼なのに角張った祖堂が連なっていて独特の雰囲気だ。
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円楼の住民。
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衍香楼の脇を流れる川の下流に屋根のある橋があった。
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最後に一番有名な振福楼へ行こうと思ったが入場料が40元もするので断念することにした。ここは内部が修復され、生活している人もあまりいないということなのでそこまで高額な入場料を払う意味がわからない。少し離れた所から外観を見るだけにし、そのまま湖抗の町に戻った。
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宿に戻る前、バイクタクシーの運転手の家がある「松竹楼」というとこに連れて行ってもらった。ここは方楼と呼ばれる四角形の土楼でかなり大きい。
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中ではじいさん達が麻雀をやっていて賑やかだった。
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家畜の豚
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バイクタクシーの運転手とは明日の8時に環興楼の前で待ち合わせということで今夜はいったんお別れだ。
日が暮れ環興楼に戻ったら真っ暗だった。部屋の電気は明るいが通路には全く灯りがなく、外に出る時は暗闇の中、懐中電灯がないと出歩くことは不可能だ。事実上円楼内では日没後の行動がかなり制限されてしまう。門限も早い。シャワーを浴びに外へ出ていたら鍵を鍵を掛けられていた。中の人がすぐにあけてくれたけど気軽に外も出歩けない。
今夜は念願の円楼内での宿泊だ。少し虫が多いが香取マットも完備され、コンセントもあるのでパソコンを触ることもできる。それなりに快適な部屋だ。 -
翌日。早朝の環興楼内部。
炊事をする煙、どことなくさわやか気分になる。 -
今日は南靖県の円楼を見に行くことにした。なかでもその姿に惹かれたのは田螺坑土楼群だ。ここは永定円楼群の範囲外で本来行く予定ではなかったが、宿でその写真でその姿を見てすぐに行く決断をした。文化村から片道60キロとかなりの距離があるが、行って後悔することはないだろう。
8時前にトイレと食事を済ませるために商店に向かった。円楼の中には水道はあるがトイレはないようだ。どうやら部屋の前の小便壺の中に用を足すようだが、あまり気が進まない。顔も洗いたいし商店へ行くことにした。ついでに朝からチャーハンを食べることにした。昨日から世話になっている運転手の李さんが出発の準備をして待っている。気がついたら8時になっていた。中国人は時間に正確だ。こちらの方がルーズな感じがする。遅くなってしまったが8時過ぎに出発だ。 -
今日は天気は良さそうだが、いつ崩れるか分からないので一応レインコートを着込むことにした。風にも強いので雨が降らなくてもバイクに乗るときは着ておいた方が暖かくてよい。黄色が派手で目立つが中国人はカラフルなのが好きだから違和感はないだろう。
バイクタクシーは途中山間の集落を経由し、所々土楼も目に付く中、40分ほど走り、南靖県に入った。 -
その後塔下という村があり、ここは滝になった川沿いに煉瓦造りの家や石橋などがあり、思わず見とれてしまう街並みだ。中国の田舎は土楼以外の建築様式にもしばしば魅了される。
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途中増水した危なっかしい道を通過する。
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山をぐんぐん登り、田螺坑土楼群を見渡せる展望台に到着した。見学料は20元。そのなかに田螺坑村への入場料も含まれているようだ。
フジツボのように身を寄せ合う土楼郡が印象的だ。はるばるここまで来た甲斐があった。 -
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田螺坑の村に入ってみた。一通り円楼内部を見学、
ここは方楼を中心に四つの円楼が身を寄せ合う感じで立ち並んでいる。展望台からの眺めはすばらしかったが円楼の内部はどこもにたような感じなのでそろそろ飽きてきたかもしれない。 -
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田螺坑をあとに
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山を下り、途中の下版という村に立ち寄り裕昌楼を見学した。
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ここは円楼の一部が傾いていてずいぶん危なっかしいが人は普通に住んでいる。
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ここでも烏龍茶が出された。
またここでは絵葉書などの土産物やお茶を買わないかと持ちかけられた。今回の円楼めぐりで入場料など高くずいぶん観光化されているなと思っていたが、そこに住む人に物を売りつけられることは一度もなかった。でもここに来て初めて観光地だったんだと我に返った。とはいえしつこく売りつけようとしてこないのでまだまだここの人は素朴で純粋だ。 -
裕昌楼。円楼の一部が傾いていてずいぶん危なっかしい。場所によっては床が抜けている。まさにあばら屋だ。
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土楼民族文化村の北部にある高頭村まで戻ってきた。ここには中国を代表する巨大な「承啓楼」が存在する。最初ここにも宿泊しようと考えていた。かつてはウルルン滞在記の舞台にもなった素朴な円楼の代名詞だったが、今では有数の観光スポットになっていて入場料も30元(450円)と高い。住んでいる人は減り続けている。宿として解放されているのかも微妙だ。とりあえず外を一周して中に入るのは断念した。もう入場料を払ってまで入りたい円楼はなくなってきた。
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承啓楼の裏に回り込んだらアヒルがいた。
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五角形の土楼もあった。
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土楼民族文化村に行ってみた。中に入るのに50元(750円)必要だが、中ではもう出費を気にしなくていい。中途半端な円楼1カ所に30元とか払うより気分的に満足できる。それにしても今回の旅行の費用の大部分が土楼の入場料として消えてしまった。
土楼民族文化村の中にあった水車。 -
中国福建省の百家土楼でもっとも有名で豪華だとされる「振成楼」に行ってみた。ここは中国人の団体客が多い。
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振成楼の内部
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中は確かに煉瓦造りで密度の濃い祖堂など高級感があるが、土産物屋が大半で観光客も多く騒がしいので一通りみて外へ出ることにした。
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そのままさらに奥へ向かい、途中食事を済ませてから「福裕楼」に行ってみた。名前の通りここは方楼としてはもっとも豪華な造りの建造物だが、中が迷路みたいになっていて見学しにくい。
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福裕楼の外観
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川を挟んだ所に「如昇楼」というのがあり、ここは規模が小さい分、中庭で空を見上げるとまさに円楼といった感じがする。
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最後に斜面にたたずむ「奎聚楼」に行ってみた。方楼で斜面に要塞のように立ちはだかっている。
何となくチベットの宮殿のようだ。 -
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内部は「福裕楼」同様煉瓦造りの祖堂が所狭しと迫り高級感がある。
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廈門へ戻る日、土楼民族文化村前から7:30に出発する(時刻表に表示されている)廈門行きのバスに乗ろうとしたが、ないらしい。廈門へ行くバスは12:30だけとのこと。昨日もバイクタクシーの運転手がこのバスはないと言っていた。日曜だから無いのか。「(没有)ない」と言われて待つ気にはなれない。龍岩行きのミニバスが7時にあるのでそれに乗ることにした。急いで廈門に行っても仕方ない。龍岩経由でのんびり行こう。
ミニバスは土楼文化村の前が始発なのでゆったり好きな席に座れる。今まで車をチャーターしたりバイクタクシーだったり落ち着かない乗り物ばかりだったが、やっと車窓を眺めながら移動を楽しめる乗り物に乗れた気がする。
ミニバスは15分ぐらい走った所で廈門行きのバスとすれ違った。時間的に土楼村前を7時半に通過するはずだ。どういう事だ。ないはずでは。
どうやらバス乗り場の人はバスがないのではなく、席がないから12:30のバスを進めてきたのかもしれない。12:30発なら近隣の湖抗が始発のため座れる。だから勧めてくれたのだろう。それ以外の5本のバスは永定など遠い町から来るので絶対に座れない。立ったまま廈門までの4時間半はかなりきつい。そうにちがいない。
値段的にかなり高くなるが龍岩経由の方がゆったり移動できる。そう解釈し龍岩へ向かった。 -
約2時間半で龍岩に到着した。写真は高層ビルの建ち並ぶ龍岩の街並み。
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10:30発の廈門行きの切符を買うことができた。それにしてもバス代が来たときより10元高い。バスの種類が違うのだろうか。出発は1時間後。それまで軽く食事を済ませることにした。
写真は切符売り場。最近の中国人はちゃんと並ぶ。 -
しかし相変わらず公衆トイレの大便用に扉はない。
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廈門へのバスは予想通り豪華バスで横3列席でトイレ付きのハイデッカーバスだ。雑誌と水のサービルもあった。バスは途中ドライブインにも寄らず、この前とは違うルートを通って廈門の工業団地を突っ切り、巨大な吊り橋である海論大橋から廈門の島に入った。そのまま中心部から離れた松柏バスターミナルに到着した。龍岩からの所要時間は2時間だ。速い。
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松柏バスターミナルから鷺江賓館周辺の繁華街まではけっこうな距離がある。バスを降りると旅行代理店の客引きがいてホテルを紹介された。直接行くより若干割引がきくようなので案内してもらうことにした。宿は最高級の鷺江賓館でも良かったが、安い宿しか紹介していないようで最安値で比較的繁華街に近い「廈門温州酒店」に連れて行ってもらった。1泊180元のところ150元(2250円)に値引きしてもらいバスターミナルからホテルまでの送迎代は無料だが、仲介手数料として20元払う事になった。この費用がタクシー代と思えば結果として手間も省けて少し安く済んだ感じだ。
廈門温州酒店はエアコンやテレビなど設備は一通りそろっているが、部屋は狭いし窓がないのですこしむさ苦しい。この宿は廈門で最低水準の価格なので我慢だ。 -
廈門の街へ出た。中心部は交通量が少なく歩くやすい。まず海岸線へ出ることにした。雰囲気が上海の外灘に似ている。でもコロニアル調の建物は鷺江賓館くらいしかない。
写真は廈門の近代的な海岸線沿いのビル。 -
渡し船で廈門最大の観光地、コロンス島へ行ってみた。船内は超満員だ。
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船の屋上デッキは一元の追加料金が必要だ。
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写真はコロンス島の桟橋。
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島にいるのはみんな中国人観光客で大はしゃぎだ。コロンス島では中国人観光客が土産物を買いまくっていた。みんな何も考えずに金を使いまくっているような感じがする。このような光景を見ていると毎年10パーセント以上の経済成長も納得できる。
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島には車が走っておらず、遊園地のような感じで騒がしい。この島最大の名所である日光岩は入場料が100元(1500円)もする。決して外国人料金ではなく、中国人観光客は何の躊躇もなく払っているのがすごい。僕はそこまで大金をはたいて岩の上に登る気にはなれなかったので行くのはやめた。
コロンス島自体、街並みが欧風で僕が中国に求めているものではない。市内の路地裏を歩いているほうが街並みはおもしろい。そのため島に長居する気にはなれなかった。
写真は島にあった天主堂。 -
コロンス島から廈門市街を眺める。
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旧日本領事館の建物と中心部の商店街を散歩して廈門の市街地に戻ることにした。
写真がその建物。 -
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帰りの船。往復で8元だ。戻るときに往復分徴収される。
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廈門の夜景。今朝までいた土楼の街とはあまりにも対照的で近代的な風景だ。
廈門は昔から経済特区で中国でも有数の豊かな都市だ。 -
廈門の繁華街「中山路」は夜遅くまでにぎやかだ。
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帰国の日、チェックアウトして外へ出た。その際荷物は預けることにした。今日も雲が多いが晴れ間も時折見え、日中は暑くなりそうだ。廈門の街並み。
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ホテルの近くに市場があり、行ってみた。
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ここで北京ダックを買うことにした。1匹25元だがそんなにいらないので半分買うことにした。ハーフで13元(195円)だったがそれでもすごい量だ。その場で食べるわけにもいかず、海沿いの遊歩道まで出向き、そこで食べる事にした。今日は月曜だが、この界隈は相変わらずすごい人だ。あとで知ったことだが、中国でもこの時期は大型連休とのことだ。昨日が日曜日だから人が多いというのは関係なかったようだ。
あまり歩き回ると疲れるので適当に座って北京ダックをほおばることにした。さすがにこの近辺でこんなモノ売っている店はないので道行く人の注目を浴びてしまう。脂がのって柔らかくて美味い。 -
北京ダックだけでは中途半端なのでホテルへの帰り道、小籠包の店があり、軽く食べる事にした。
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その場で手作りの小籠包。
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同じ店にはモツのスープもあり、これも美味かった。値段はそれぞれ3.5元で合計7元(105円)だった。暑い中熱い物を食べて汗がダラダラ出てきた。
そんな感じで空港へ向かうためタクシーに乗り込んだ。
廈門高崎国際空港。国際線乗り場は便数が限られているのでガラガラだ。2時間前にチェックインは始まった。一応ビジネスクラス用ラウンジがあるようで、それなりにゆっくり待ち時間を過ごせそうだ。でも機内食が食べられなくなると損なので飲み物だけ口にすることにした。 -
帰りもビジネスクラスの客は少ない。
機内食はまた日本食を選んでしまった。写真の食事にみそ汁が付く。
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