2020/09/27 - 2020/09/27
162位(同エリア862件中)
玄白さん
日本の一大葡萄産地の勝沼に、掌に葡萄の房を載せた薬師如来像を本尊とする風変りな寺がある。寺の境内でブドウが栽培され、住職自ら檀家と協力してワインの醸造もやっている。庫裡で拝観料\500+\300で試飲することができるのである。連れ合いが見ていたTVドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」の撮影ロケにも使われて連れ合いが興味を持ったこと、玄白もワイン好きなので、夫婦の意見が一致し、いつもの山中湖ロッジに行く途中に立ち寄ってみた次第である。
ヨーロッパのキリスト教修道院では、修道士がワインやリキュールの醸造を手掛けることは珍しいことではないが、仏教寺院の僧侶がワイン作りをしているのは珍しい。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 自家用車
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柏尾山大善寺、通称ぶどう寺は、大伽藍というほどではないが、歴史も古く、いわゆる観光寺になっている。宗派は真言宗智山派である。中央道勝沼ICでおりて、国道20号を5分ほど走ったところにある。
受付で拝観券と一緒にもらったパンフレットによると、春は桜、初夏にはアジサイや藤が楽しめる花の寺でもあるようだ。この時期の花と言えば、彼岸花である。 -
若干、花のピークは過ぎているが、まだまだ鑑賞に堪える
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まだ、傷んでいない花を探してアップで撮ってみたり・・
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白い彼岸花を見つけたりと、参拝の前に花の撮影でウロウロ・・・
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駐車場からすぐのところにある燈篭の間から左側へ階段があり、本堂に続いている。
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147段の石段が本堂への参道になっている。
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参道の中間付近に、参道を横切るように走っている道があり、第3駐車場が参道の脇にある。なんと、駐車場はブドウ棚の下にある。
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参道中間点付近の脇もブドウ畑になっている。
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重厚な造りの山門。山梨県の重要文化財に指定されていて、パンフレットによると、元禄17年(1704年)に常陸国土浦氏3代城主土屋定直が建立したが、火災で焼失、寛政10年(1798年)に再建されたとある。元禄17年当時は徳川家ゆかりの人物が藩主を務める甲府藩、再建時は甲府藩が廃藩になって幕府直轄地になっているのだが、なぜ常陸国の城主が関わっているのか、調べてみてもよく分からない。
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幕末の戊辰戦争のとき、幕府軍の新選組組長の近藤勇が、ここで官軍と戦ったが、官軍の圧倒的武力の前に敗走したという史実があったと紹介されている。
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阿形、吽形2体の仁王像。古そうだが、いつごろの時代のものか説明はないが、山門が再建されたのが、寛政年間なので、江戸時代後期の作なのだろう。
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本堂の前に位置する楽堂
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楽堂の上に上がることができる。三間一間で、意外に広い。ここから外の風景が眺められるように椅子が置かれていた。
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楽堂に安置されていた木彫りの仏像。
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楽堂からの眺め。緑の畑はすべてブドウ畑である。勝沼らしい。
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イチオシ
参道を見下ろす。モミジの木が多いので紅葉の頃には良い眺めとなりそうだ。
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本堂の前に位置する能楽堂のような稚児堂。この寺の重要なイベントの藤切り祭りや縁日に、楽堂で音楽を奏で、稚児堂で子供達が舞いを奉納するという。
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大善寺本堂。本尊が薬師如来なので、薬師堂ともいわれる。鎌倉時代1286年の創建で、築730年以上経過した関東では最古の木造建築である。そのため、国宝に指定されている。
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この寺の縁起によると、創建は奈良時代の高僧、行基(死後菩薩になった)が左手掌に葡萄を持った薬師如来像と脇侍の日光・月光菩薩を作り、養老2年(718年)に寺を創建して安置したのが始まりだという。ブドウは奈良時代にはシルクロード、中国を通じて日本に入ってきていたが、当初は食べ物というより薬という位置づけだったようだ。そのため、病気と薬をつかさどる薬師如来に薬壺の代わりにブドウの房を持たせたのも、不思議ではない。
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本尊の薬師如来像。左掌にブドウを持っている。この薬師如来は秘仏で5年に一度、一週間だけ、御開帳されるので、普段は、厨子に写真が貼られているのみ。この秘仏が安置されている厨子も国宝になっている。薬師如来像そのものは、国重要指定文化財である。仏像より入れ物の方が価値が高いというのも面白い。
なお、本堂内は写真撮影禁止なので、以下3枚の玄白の署名がない写真は「やまなし富士観光ネット」HPから拝借した。(HP内に著作権の明示、引用を禁じる文言はないのでOKだろうと・・・) -
普段は厨子の扉に張られた葡萄薬師如来の写真の前に置かれた前立ち薬師如来を拝むということになる。こちらはブドウを持っているのは右手である。
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脇侍の月光菩薩と十二神将像。日光菩薩と併せて、これも国重要文化財の指定を受けている。
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本堂内で唯一、写真撮影ができるのが、これ。ドラマ「逃げ恥」で主人公の男女が薬師如来の前に座って会話していた場所を示すところ。
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本堂の左手にある鐘楼
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イチオシ
本堂(薬師堂)を斜め位置から撮影。檜皮葺屋根のカーブが優美である。
銅板葺屋根に代えるために、銅板の勧進がやられていたので、いずれこの檜皮葺屋根は姿を消すことになりそうだ。檜皮葺職人がもういないのかもしれない。 -
本堂の前に植えられているのは釈迦がその木の下で悟りを開いたという菩提樹。年月がたつと大木になる木だが、まだこの木は若そうだ。
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菩提樹は、こんな実をつける。
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稚児堂の右手に展望台がある。眼下に寺のブドウ畑が広がっている。
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イチオシ
一面のブドウ畑
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芭蕉の句碑があった。芭蕉さんもブドウを句に詠んでいる。もちろん、ブドウが秋の季語である。
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本堂の檜皮葺屋根
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本堂の右手にある開運地蔵堂。幟の「ぼけよけ」という言葉に思わず反応して、そちらにもお参りすることに! 玄白も今年、古稀を迎え正真正銘の高齢者の仲間入りし、高齢者特有の病いに向き合わざるを得ないことになっている。やはり一番心配なのは、人格面でも破綻を来たす認知症を心配する年頃になったので、それだけは避けたいという思いが募り、無神論者ではあるがこの際は神頼み・仏頼みである。
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堂内で祀られている地蔵菩薩。
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山梨県といえば、歴史上最も著名な史実は戦国の雄、武田信玄の活躍と家督を継いだ勝頼の代になってからの滅亡の歴史であろう。信玄亡き後の勝頼の織田信長との戦さに敗れ敗走したとき、ここ大善寺に一時逗留したということが、この寺の売り文句でもある。信玄の従妹だったと言われる理慶尼による「武田家滅亡記」がそれを物語っている。
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本堂周辺を巡った後、参道階段麓の庫裡へ。庫裡と方丈がある裏手には、江戸時代初期の作庭といわれている回遊式池泉庭園がある。この庭もまた山梨県指定文化財になっている。
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庫裡では、寺の住職や檀家の人たちが作っているワインを試飲したり、購入したりできる。寺でのワイン作りを説明した解説パネルが置いてある。
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食用高級ブドウは、かつては巨峰だったが、最近ではシャインマスカットが人気である。庫裡のワインテイスティングする部屋には、盆栽仕立てのシャインマスカットが、たわわに実をつけている。
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イチオシ
まずは、寺の自家製ワインを味見。赤ワインのブドウ品種はマスカットベリー、白ワインは甲州のみ。赤のマスカットベリーは軽くて深みに欠けるので甲州の白ワインを試飲。
甲州は、日本固有のワイン用ブドウ品種である。品質面からはシャルドネ、カベルネ・ソーヴィニョン、リースリングといったヨーロッパ系のワイン用ブドウであるヴィティス・ヴィニフィラに属しているが、長い間そのルーツは不明だった。近年、遺伝子解析により、カスピ海周辺のヴィニフィラに属するブドウがシルクロードを通って中国に渡り野生種と交雑しながら日本に渡来したと考えられている。味は、シャルドネに近いシャープな味わいだが、よりブドウの果実味が色濃く残っている。
赤ワインのように見えるのは連れ合い用のブドウジュースである。車なので、二人してワインを飲むわけには行かない。連れ合いには山中湖ロッジでじっくりワインを味わってもらうことにした。 -
年金生活に入り、あまり贅沢な高級ワインとは縁が無くなっていて、白は普段飲みのシャルドネのバギンズワインばかり。ブドウ寺の自家製ワインも手頃な値段のテーブルワインであるが、十分楽しめるワインであった。
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