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太山寺の下の駐車場から本堂のある境内迄、予想外の距離があって、往復30分以上を費やしてしまった。最初の予定よりは大きく後れ、時間はもう既に1時近くになっている。この辺り、松山の中心部からは大きく離れ、近くには郊外型の住宅があるだけで、お昼が食べられるような場所はない。近くに松山港がある。そこまで行けば食事位にはあり付けるだろう。最悪、コンビニ弁当位は買えるだろう。<br /><br />山裾にある太山寺からぐるっと回って平地に下り、海に近い近辺にやってきた。道路標識を見ると、おや、「三津浜」と出ている。真っすぐ進むと三津浜。ここは昔からの松山の港。漱石が東京から松山中学に最初にやって来た時に上陸した港だ。ここは昔から港として栄え、古くは斉明天皇が朝鮮出兵の折、汐待ちした港で、付き従った万葉歌人額田王が「熟田津に船乗りせむと月待てば、汐も叶いぬいざ漕ぎ出な」と詠んだ港とも比定されている。・・どうしようか、、少し寄ってみようか・・。しかし、時間はもう1時を回り、お腹も空いた。行った処で、古い港に石碑か何かが建っている位だろう。それを又探すのが大変だ。その交差点で少しは迷ったが、右折し、松山新港に向かった。<br /><br />交差点を右折して少し進むとトンネルに入る。先刻の太山寺が建立されている山の下をくり抜いて、松山新港のある海に直結する道路だ。いつ頃出来た道路とトンネルかは知らないが、わざわざこんなトンネルを造らなくても、三津浜経由でぐるっと海岸沿いを走ってきても、時間は20分も変わらないだろうに。無駄な税金の使い方、土建業者を儲けさせるためだけの道路行政。低い山の割にはかなり長いトンネルで、視力の落ちた自分には暗いトンネルを走るのが苦手だ。特に前方から車が対向してくると、そのライトで運転が心配になる。<br /><br />距離が長いと言っても僅か5分程度だが、トンネルに入って中ほどまで来たところ、後ろにバイクの大型ライトがピッタリくっ付いてくる。うるさい野郎だ。先に行かせてやろうと、車を左側に寄せて追い抜かせようとしても、なかなか追い抜いてくれない。やむを得ず、振り切るためにスピードを上げて走らせたらもう出口になった。正面にフェリーターミナルが見える。ここならレストラン位はあるだろうとパーキングを探していると、後ろから白バイがやってきて、車を止めろとの合図。無視して走り続けると、今度はラウドスピーカーで、「前の白い車停車せよ!」との命令口調で、右横に張り付き強制停車。免許拝見、となった次第だが、何だ、後ろのバイクは白バイだったのか・・。今分かっても後の祭り。トンネル内の走行は何キロか知っていますか?と聞かれたので、50キロでしょう、と答えたら、ここのトンネルは40キロ制限、それを越えていた。それに蛇行のようなふらふら運転をしていた、等々の訓示。来たか! 内心切符を切られるのを覚悟したが、当方のゴールドの免許、東京から来た運転者、等々を斟酌してくれたのか、運転は十分気を付けて下さい、と言って、Uターンして行ってしまった。良かったー! ここで又罰金を食わなくて。<br /><br />車をパーキングに停めてターミナルビルに入ると、すかさず3-4人の中年男が寄って来た。ダフ屋のような感じで、無視していたら、あんたもやられたのか?と聞いてくる。逆に何を?とこちらから聞き返すと、さっきあそこで白バイに停められていたが、切符を切られただろう、と皆が言う。彼等はターミナル前で客待ちをしていたタクシー運転手達だったのだ。口々に言うのは、白バイがあのトンネルで網を張っていて、出来た当時はみんなスピード違反でやられた。あそこだけ40キロにしていて、酷い話だ、自分たちは分かっているから良いが、知らない人はみんなやられる、お客さん、やられなくて良かったねええ、と、同情しつつも、自分が血祭りに上げられなかったのが、少しがっかりの風もあった。この4-5人の運転手、フェリーが着くまでどんな世間話をしているかは知らないが、正に暇人、人の不幸は蜜の味に違いない。<br /><br />ガランとしたターミナルビル。何故かここは松山新港ではなく、松山観光港と呼ばれている。県か市か第三セクターか、どこか知らないが、ここを瀬戸内観光のキー港にしたかったに違いない。しかし今はコロナ禍。観光旅行する人などいなく、それでなくても人口減の日本、大きな箱物だけが負の遺産として大きくのしかかっているに違いない。幸に2階に眺望の良いレストランがあって、窓の外に広がる瀬戸内の海を眺めながら、名物じゃこ天うどんを食べた。

愛媛(伊予一国)ドライブ巡礼(48)松山観光港での昼食。

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2020/06/21 - 2020/06/27

1169位(同エリア1523件中)

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ちゃお

ちゃおさん

太山寺の下の駐車場から本堂のある境内迄、予想外の距離があって、往復30分以上を費やしてしまった。最初の予定よりは大きく後れ、時間はもう既に1時近くになっている。この辺り、松山の中心部からは大きく離れ、近くには郊外型の住宅があるだけで、お昼が食べられるような場所はない。近くに松山港がある。そこまで行けば食事位にはあり付けるだろう。最悪、コンビニ弁当位は買えるだろう。

山裾にある太山寺からぐるっと回って平地に下り、海に近い近辺にやってきた。道路標識を見ると、おや、「三津浜」と出ている。真っすぐ進むと三津浜。ここは昔からの松山の港。漱石が東京から松山中学に最初にやって来た時に上陸した港だ。ここは昔から港として栄え、古くは斉明天皇が朝鮮出兵の折、汐待ちした港で、付き従った万葉歌人額田王が「熟田津に船乗りせむと月待てば、汐も叶いぬいざ漕ぎ出な」と詠んだ港とも比定されている。・・どうしようか、、少し寄ってみようか・・。しかし、時間はもう1時を回り、お腹も空いた。行った処で、古い港に石碑か何かが建っている位だろう。それを又探すのが大変だ。その交差点で少しは迷ったが、右折し、松山新港に向かった。

交差点を右折して少し進むとトンネルに入る。先刻の太山寺が建立されている山の下をくり抜いて、松山新港のある海に直結する道路だ。いつ頃出来た道路とトンネルかは知らないが、わざわざこんなトンネルを造らなくても、三津浜経由でぐるっと海岸沿いを走ってきても、時間は20分も変わらないだろうに。無駄な税金の使い方、土建業者を儲けさせるためだけの道路行政。低い山の割にはかなり長いトンネルで、視力の落ちた自分には暗いトンネルを走るのが苦手だ。特に前方から車が対向してくると、そのライトで運転が心配になる。

距離が長いと言っても僅か5分程度だが、トンネルに入って中ほどまで来たところ、後ろにバイクの大型ライトがピッタリくっ付いてくる。うるさい野郎だ。先に行かせてやろうと、車を左側に寄せて追い抜かせようとしても、なかなか追い抜いてくれない。やむを得ず、振り切るためにスピードを上げて走らせたらもう出口になった。正面にフェリーターミナルが見える。ここならレストラン位はあるだろうとパーキングを探していると、後ろから白バイがやってきて、車を止めろとの合図。無視して走り続けると、今度はラウドスピーカーで、「前の白い車停車せよ!」との命令口調で、右横に張り付き強制停車。免許拝見、となった次第だが、何だ、後ろのバイクは白バイだったのか・・。今分かっても後の祭り。トンネル内の走行は何キロか知っていますか?と聞かれたので、50キロでしょう、と答えたら、ここのトンネルは40キロ制限、それを越えていた。それに蛇行のようなふらふら運転をしていた、等々の訓示。来たか! 内心切符を切られるのを覚悟したが、当方のゴールドの免許、東京から来た運転者、等々を斟酌してくれたのか、運転は十分気を付けて下さい、と言って、Uターンして行ってしまった。良かったー! ここで又罰金を食わなくて。

車をパーキングに停めてターミナルビルに入ると、すかさず3-4人の中年男が寄って来た。ダフ屋のような感じで、無視していたら、あんたもやられたのか?と聞いてくる。逆に何を?とこちらから聞き返すと、さっきあそこで白バイに停められていたが、切符を切られただろう、と皆が言う。彼等はターミナル前で客待ちをしていたタクシー運転手達だったのだ。口々に言うのは、白バイがあのトンネルで網を張っていて、出来た当時はみんなスピード違反でやられた。あそこだけ40キロにしていて、酷い話だ、自分たちは分かっているから良いが、知らない人はみんなやられる、お客さん、やられなくて良かったねええ、と、同情しつつも、自分が血祭りに上げられなかったのが、少しがっかりの風もあった。この4-5人の運転手、フェリーが着くまでどんな世間話をしているかは知らないが、正に暇人、人の不幸は蜜の味に違いない。

ガランとしたターミナルビル。何故かここは松山新港ではなく、松山観光港と呼ばれている。県か市か第三セクターか、どこか知らないが、ここを瀬戸内観光のキー港にしたかったに違いない。しかし今はコロナ禍。観光旅行する人などいなく、それでなくても人口減の日本、大きな箱物だけが負の遺産として大きくのしかかっているに違いない。幸に2階に眺望の良いレストランがあって、窓の外に広がる瀬戸内の海を眺めながら、名物じゃこ天うどんを食べた。

旅行の満足度
4.5
交通手段
レンタカー JALグループ

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  • 太山寺本堂。

    太山寺本堂。

  • 本堂から大師堂を見る。

    本堂から大師堂を見る。

  • 大師堂から見る国宝の太山寺本堂。

    大師堂から見る国宝の太山寺本堂。

  • 大師堂から仁王門を見る。左手に鐘楼が見える。

    大師堂から仁王門を見る。左手に鐘楼が見える。

  • 重文の山門(仁王門)。

    重文の山門(仁王門)。

  • 太山寺石段下の車道のロータリー。下に大日如来が小さく見える。

    太山寺石段下の車道のロータリー。下に大日如来が小さく見える。

  • 太山寺周辺の観光図。これから松山観光港に向かう。

    太山寺周辺の観光図。これから松山観光港に向かう。

  • 松山観光港にやってきた。

    松山観光港にやってきた。

  • 観光港の近代的なターミナルビルだ。

    観光港の近代的なターミナルビルだ。

  • 瀬戸内航路の時刻表が出ているが、客の姿は見えない。

    瀬戸内航路の時刻表が出ているが、客の姿は見えない。

  • 2階レストランの展望デッキ。瀬戸内が良く見える。

    2階レストランの展望デッキ。瀬戸内が良く見える。

  • 今日のお昼、じゃこうどん。

    今日のお昼、じゃこうどん。

  • 静かな瀬戸内の海。左手に三津浜港がある。

    静かな瀬戸内の海。左手に三津浜港がある。

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