2020年2月 新型コロナ禍を鼻先躱して逃げ切った旅、ボローニャ・ヴェネツィア・サンマリノ9日間 #4/5

2020/02/19 - 2020/02/27

元はと言えば、2月下旬にどこかヨーロッパへ行きたいなと検索したところ、国別ではイタリアが最安でヒットしたものの、都市を見てみるとローマでもミラノでもなく中国東方航空(MU)でのボローニャ往復が56,500円と最爆安だったため迷わず購入し、後付けでヴェネチアやサンマリノ、オペラ鑑賞、サッカー観戦などを組み込み旅を仕立て上げたのですが…

新型コロナの影響はまず最初にそのMUに襲い掛かります。
購入したNGO-BLQ往復エア6区間のうちKL運航によるPVG-AMSがキャンセルとなったため行程が成り立たなくなりました。
航空会社都合のキャンセルなのでエア代金の全額返金は良いとして、旅行を取り止めるとなれば他に予約済のAirbnbなど約4万円は返金不可となるため、それらを損切りして旅行を中止するか、あるいは他のエアを探してナンピン買いし旅に出るかの選択を迫られます。
結果的には仁川発着のTKボローニャ往復にOZの中部-仁川を別切りで組み合わせて約3万円の持ち出しに収め決着しましたが、トランジットとて足を踏み入れること一切まかりならんと誓っていた大の嫌韓である自分にとって苦渋の決断であったことは言うまでもありません。

その他の新型コロナウイルス関連を挙げ連ねると、3日目2月21日に出かけたヴェネチアのカーニバルは25日の最終日を待たずに2日切り上げて打ち切りとなり、4日目のセリエA観戦もミラノ等で同日開催の3試合が中止となりました。
極めつけは6日目のフィレンツェからボローニャへの帰路、イタリア国内のItaloやTrenitaliaほぼ全ての列車がサニタリーチェックの対象となった影響でどの列車も大幅遅延となり、通常であれば40分で到着するところが3時間半も掛かると言う有様。
帰路のフライトも、TKがその後イタリア、韓国との発着便を取り消しとし、OZの中部便も搭乗数日後に運休となるなど、旅を終えて振り返ってみれば全てに於いて運良くギリギリのタイミングで逃げ切ったと言うことになります。

今回は、Airbnbも9度目の利用にして初めて大ハズレのホストに当たったことも加わり、ほぼ天気にも恵まれ各論としての旅の内容はとても充実していたにも関わらず、総論としては余計な気苦労に溢れたやや残念な旅との印象となりました。

その後コロナ禍がイタリアをはじめとして世界中でさらなる拡がりを見せている現状を鑑みるに、昨年8回海外旅行へ出かけた程には旅好きな自分にとってさえもこの先しばらくは旅の立案すら気が引けてしまうのは当然のことだと思います。
1日も早く、また今までのようにごく普通に旅行ができる日々が戻って来て欲しいと願うばかりです。


行程
Day1 19FEB2020(WED)
OZ123 中部(NGO)18:20 仁川(ICN)20:30

Day2 20FEB2020(THU)
TK91 仁川(ICN)00:25 イスタンブール(IST)06:20
TK1321 イスタンブール(IST)09:30 ボローニャ(BLX)10:15
☆ボローニャ市内観光
☆オペラ「蝶々夫人」鑑賞 @ボローニャ市立劇場 20:00~
Airbnb @ボローニャ 泊

Day3 21FEB2020(FRI)
☆ヴェネチア カーニバル
Airbnb @ボローニャ 泊

Day4 22FEB2020(SAT)
☆イモラサーキット
☆SerieA第25節ボローニャvsウディネーゼ観戦 15:00~
Airbnb @ボローニャ 泊

Day5 23FEB2020(SUN)
☆サンマリノ市内観光
☆リミニ市内観光
Airbnb @ボローニャ 泊

Day6 24FEB2020(MON)
☆フィレンツェ市内観光
Airbnb @ボローニャ 泊

Day7 25FEB2020(TUE)
TK1326 ボローニャ(BLX)18:30 イスタンブール(IST)23:05

Day8 26FEB2020(WED)
TK90 イスタンブール(IST)02:20 仁川(ICN)18:30
Days Hotel & Suite @仁川 泊

Day9 27FEB2020(THU)
OZ122 仁川(ICN)08:10 中部(NGO)10:05


概算合計　156,019円　(その他含めた総費用 187,324円)
・航空券　64,070円 (ターキッシュエアウェイズ)
・航空券　22,410円 (アシアナ航空)
・ホテル　38,282円 (Airbnb ボローニャ5泊)
・ホテル　4,493円 (仁川1泊)
・レイル　14,803円 (Italo, Trenitalia)
・オペラ　7,800円 (Madama Butterfly)
・サッカー　4,161円 (SerieA Bologna vs Udinese)

エリア サンマリノ(サンマリノ)

2月23日、旅行5日目…
この日は世界で5番目に小さなミニ国家サンマリノ共和国へのデイトリップ。
いつものように、まずはボローニャ中央駅からインターシティに乗り込みます。

ボローニャ中央駅 駅

1時間10分ほどでサンマリノへの拠点となるリミニ駅Riminiに到着します。

リミニ駅の外観。
この駅前は若干治安が悪いとの情報が多々あったので少し身構えましたが、噂どおり、屯ろしているガラの悪い輩を何人か見かけました。

リミニ駅前のタバッキでサンマリノ行きのバスチケットを購入しました。
バス停には既に十数人の観光客が並んでいました。
バスチケットはバス停でバス待ちをしているとスタッフが売りに来るとの情報もありましたが、閑散期だったからか、この日はそのようなスタッフはいませんでした。

遥か遠くにサンマリノの丘が見えてきました。
どんよりとした天気が残念ですが、雨が降るよりはマシですね。

地図と照らし合わせながらバスに乗っていると、どうやらこの辺りがサンマリノ共和国との国境と思われます。
特に表示もなく、一時停止するでもなく、バスは何事もなかったかのように通り過ぎました。

サンマリノ山頂(？)を目指しているのでしょうか、ヒルクライマーの姿も多く見かけました。
が、ここは最後まで容赦無くそこそこの傾斜を登り詰めなので相当キツイと思います。

サンマリノ山頂(？)へのロープウェイ乗り場ですが、バスの乗客は誰一人降りませんでした。
何人かの乗客がバスを降りてロープウェイに乗るなら自分もそれに倣って乗ろうかなと考えていましたが完全にスルーでした。

リミニから所要1時間弱で終点サンマリノのバスターミナルに到着。
高度感がありここからの眺めもなかなか素晴らしかったです。

サンマリノ歴史地区とティターノ山 史跡・遺跡

バス停から階段を登った先にある旧市街への入り口サンフランシスゲート前にはポリスボックスがあり、歩行者がいるとポリスが横断歩道前で車を止めてくれるので安全極まりなし。

サンマリノ歴史地区とティターノ山 史跡・遺跡

旧市街地内に入ってもしばらく登り道が続きます。
一旦北西方向へ向かった道が行き止まって南東方向へ折り返す辺りで先ほどのロープウェイの終点駅があります。
ちょうどゴンドラが上がってきましたが、かなりの高度感です。

サンマリノ歴史地区とティターノ山 史跡・遺跡

インフォメーションでは、観光情報のほか、EUR5,00でパスポートに入国ビザを押してもらえます。

サンマリノ歴史地区とティターノ山 史跡・遺跡

こちらがそのビザ、EUR5,00は高いような気もしますが、単なる記念スタンプではなく正規査証なので、希望される方はパスポートの持参をお忘れなく！

サンマリノ歴史地区とティターノ山 史跡・遺跡

通りを歩いているとあちこちにやたら目につく銃砲店。

サンマリノ歴史地区とティターノ山 史跡・遺跡

さらに登り続けると第1の塔ロッカ・グアイタRocca Guaitaまでもう少しです。

サンマリノ歴史地区とティターノ山 史跡・遺跡

ここで入場チケットを購入しますが、観光する場所の数によって料金が異なります。
時間的に2か所を巡ろうと踏んでいたので2か所券を購入。
因みに、「地球の歩き方 イタリア2019~20」編には入場カードを返却するとデポジットが返金されると記載されていますが、確認したところ今はそのような制度はありません。

サンマリノ歴史地区とティターノ山 史跡・遺跡

第1の塔は敷地も広く見回る場所もたくさんありますが、やはり塔の上からの眺めが最高です。

サンマリノ歴史地区とティターノ山 史跡・遺跡

第1の塔から望む第2の塔(チェスタの塔La Cesta)
これまでの晴天から打って変わってどんよりとした曇り空なのが残念ですが、この景色が見たかったので満足です。

サンマリノ歴史地区とティターノ山 史跡・遺跡

目を下に向けるとサンマリノ郊外の景色が広がっています。

サンマリノ歴史地区とティターノ山 史跡・遺跡

いくら見ていても飽きない素晴らしい眺めです。
また、この小高いティターノ山の尾根に良くこれだけの要塞を作ったものだと感心させられます。

サンマリノ歴史地区とティターノ山 史跡・遺跡

同じような写真が続きますが、石窓越しに撮ってみました。

サンマリノ歴史地区とティターノ山 史跡・遺跡

反対側はサンマリノ市街地方面。

サンマリノ歴史地区とティターノ山 史跡・遺跡

要塞の中はこのような梯子を何本も登り繋いで最上階へと到達します。

サンマリノ歴史地区とティターノ山 史跡・遺跡

基本的にいつもカメラはiPhoneとGRIIIだけでいずれも望遠と呼べるほどの機能はありませんが、ほんの少し引っ張ってみました。

サンマリノ歴史地区とティターノ山 史跡・遺跡

さて、次は第2の塔(チェスタの塔La Cesta)を目指してまた石畳を登っていきます。

サンマリノ歴史地区とティターノ山 史跡・遺跡

こちらでは城内に中世の鎧や武器などの展示もありましたがその辺りは軽く流して最上部を目指します。

サンマリノ歴史地区とティターノ山 史跡・遺跡

第2の塔からの第1の塔。
こちらも高度感たっぷりの絶景です。

サンマリノ歴史地区とティターノ山 史跡・遺跡

ここでも少し寄った絵を撮ってみました。

サンマリノ歴史地区とティターノ山 史跡・遺跡

南東方面には第3の塔ロッカ・モンターレRocca Montaleが望めます。
第3の塔へも足を運ぶことはできるのですが、時間的な制約もあり、今回は見送りました。

サンマリノ歴史地区とティターノ山 史跡・遺跡

第2の塔の堂々とした姿。

サンマリノ歴史地区とティターノ山 史跡・遺跡

この時間になりほんの少し青空も覗いてきました。

サンマリノ歴史地区とティターノ山 史跡・遺跡

「IN or OUT」これはカリフォルニアにあるバーガーチェーン「In-N-Out Burger」のパクリでしょうか。

サンマリノ歴史地区とティターノ山 史跡・遺跡

政庁が建つリベルタ広場。

サンマリノ歴史地区とティターノ山 史跡・遺跡

実は、おめでたいことにこの日が日曜日であることを完全に失念していて、帰りのバスの時間を平日と勘違いし1時間半待ちぼうけを食らうことになりました。
当初予定ではリミニに降りてからどこかでランチでもと考えていたのですが、こうなると予定を変えざるを得ません。
城門にほど近い「Giulietti Km0」でランチすることにしました。

サンマリノ歴史地区とティターノ山 史跡・遺跡

何かサンマリノらしい食べ物はないかとメニューを見てみると、サンマリノバーガーHamburger di San Marinoらしきモノを発見。
ただ、サンマリノ産牛肉使用と言うだけで普通のハンバーガーと比べ特段味に違いがある訳ではありません。

サンマリノ歴史地区とティターノ山 史跡・遺跡

14:15サンマリノ発のバスでリミニに戻ったのは15時前、ボローニャへのインターシティは15:47発なので少しリミニの街を散策してみることにしました。
バスを終点リミニ駅前のひとつ前で下車してみると、アウグストゥスの凱旋門が旧市街への入り口でその威容を誇っています。

街の中心トレ・マルティーニ広場へ向け足を進めると、骨董市のようなものが立っていて多くの人で賑わっていました。

カヴール広場では小規模な移動遊園地が出ていたほか仮装した子供たちも多数いたことから何かイベントがあったのでしょう。

リミニの中心部を流れるマレッキア川に架かる石造りのティベリウスの橋は築2,000年だとか。
今でも車や人が通行する現役の橋です。

30分足らずの駆け足の街歩きでしたがけっこう楽しむことができました。
また、駅前の治安の悪さからは程遠く、ローマ時代やルネッサンス期の遺物が残るこじんまりとした歴史を感じさせる良い街でした。

インターシティでボローニャへ戻ります。

驚いたことに、この頃からマスク姿の現地人もチラホラ見かけるようになってきました。
欧州でマスク姿など感覚的にも見慣れないので余計目につき異様な感じがしますが、これもイタリア全土に拡まりつつある新型コロナ禍への危機感をイタリア国民が認識し始めた現れでしょう。

ボローニャ中央駅にすぐ近くにある「Venchi」で本場のジェラートを頂きます。
今では東京にも出店しているようですね。

ボローニャ中央駅 駅

アパートメントからの黄昏時、空の色がとても綺麗でした。

帰路、アパート近くのスーパーで仕入れたPERONIのビール缶はTIM SerieAの強豪インテル仕様。
ミラノのライバルACミランとのミラノダービーを制したスタッツをデザインするなどなかなか捻りも効いて洒落ています。
併せて買って帰ったハムやチーズでお夜食としました。