2020/06/10 - 2020/06/11
22位(同エリア358件中)
かっちんさん
八幡平温泉郷よりさらに奥に入った松川の渓谷沿いにある「松川温泉」。約280年前に開湯したといわれています。
近くに日本初の「松川地熱発電所」があり、地熱貯留層から取り出す乾いた蒸気を使って発電しています。
その蒸気の一部はパイプで旅館に送り、部屋の暖房装置にも利用されています。
真冬の雪深い季節になると、宿までの急坂と路面の凍結に対応できる四輪駆動の懐かしい「ボンネットバス」が路線バスを代走します。
3軒ある宿の一つ「峡雲荘」は秘湯の宿に登録され、温泉は乳白色の単純硫黄泉。
夕食には岩魚の刺身や塩焼き、山の幸、短角牛等が並び、岩手の味を楽しむことができます。
6月初旬の松川温泉周辺は淡紅色のタニウツギが咲き、ミズナラの森を歩いているとハルゼミの大合唱で賑わっています。
「松川地熱発電所」にはシンボルとも言える巨大な冷却塔が佇み、「地熱館」では地熱発電の仕組みや歴史を学ぶことができます。
この冷却塔は数年後にはコンパクトなものに更新される予定なので、今しばらくの景観です。
今日は八幡平からの帰りに松川温泉「峡雲荘」に宿泊します。
翌日、盛岡駅から少し南下し、紫波中央にある天然記念物の「勝源院の逆さガシワ」と「旧紫波郡役所」を見学して帰ります。
今回は所用で盛岡へ行く機会があったので、近くの八幡平(はちまんたい)を訪ねています。
なお、旅行記は下記資料を参考にしました。
・松川温泉「峡雲荘」HP
・旅ぐるたび「盛岡から1時間、八幡平の秘湯「松川温泉峡雲荘」で古き良き昭和へタイムスリップ」
・あきた森づくり活動サポートセンター「タニウツギ」
・東北自然エネルギー(株)「松川地熱発電所発電設備更新計画」
・独立行政法人 石油天然ガス
・金属鉱物資源機構「松川地熱発電所」
・八幡平市「明治百年記念公園小水力発電所のご紹介」
・岩手県北バスHP
・岩手県紫波町「旧紫波郡役所庁舎」
・ウィキペディア「松川温泉」
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 高速・路線バス JRローカル 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
「松川温泉」バス停
「松川温泉」は十和田八幡平国立公園の南東に位置する小さな温泉地で、約280年前に開湯したといわれています。
「八幡平樹海ライン」の入口にあたるところにあり、八幡平頂上へ向かう「八幡平自然散策バス」が立ち寄ります。
また、盛岡駅前から松川温泉まで、路線バスが1日3本運行されています。 -
「松川温泉」の位置
八幡平と岩手山に挟まれた松川沿いにあります。
八幡平温泉郷よりさらに奥に入った山深い温泉地です。 -
今晩の宿は松川温泉「峡雲荘」
八幡平を源とする松川の渓流沿いに松川温泉があり、3軒の宿が各々離れて佇み、敷地内に源泉を持っています。
「峡雲荘」はその一つで、松川温泉バス停の前にあります。 -
秘湯の宿「峡雲荘」
「日本秘湯を守る会」の宿です。 -
昔のスキー板(峡雲荘)
フロントの前に置かれています。
長い板のスキーに、竹のストックなど、昭和初期のもの。
長靴を板に載せバンドでとめるようになっています。 -
出た~ 大きな熊(峡雲荘)
-
宿の客室(峡雲荘)
峡雲荘は昭和55年(1980)に湯治をベースに創業。
平成18年(2006)には建物の一部をリニューアルし、客室の設備を充実させています。
窓の下に見える配管は、近くの「松川地熱発電所」からもらっている地熱の蒸気で、部屋の暖房に使っています。 -
客室内の暖房装置(峡雲荘)
これが地熱を利用した蒸気暖房装置。
各部屋には入切スイッチが無く、全館一斉に蒸気を送るので、暑くなったら窓を開けるか扇風機をまわして室温を調整します。
当日の夜は少し冷え込みましたが、暖房がつかなかったので、窓の開け閉めをせずにゆっくり眠れました。 -
部屋からの景色(峡雲荘)
この部屋からは見えませんが、地熱発電所の冷却塔が見える部屋があります。 -
宿の周辺を散策(松川温泉)
まだ15時なので、歩いて10分ほどの所にある「地熱発電所」の見学に行きます。 -
イチオシ
淡紅色の「タニウツギ」(松川温泉の散策)
松川に下りる坂道の途中に、小枝の先から淡紅色~紅色の美しい花をたくさん咲かせます。
花の形は漏斗形で細長い。
谷間に多く生えていることから、「谷空木」と書きます。
空木(うつぎ)とは、髄が消失し中空になる木をいいますが、タニウツギには白い髄が詰まっています。 -
森の中から顔をだす「巨大なとっくり」(松川温泉の散策)
これは地熱発電所の「冷却塔」です。 -
「松川地熱発電所」に到着(松川温泉の散策)
地熱館と発電所外側が見学できます。
東北自然エネルギー(株)は東北電力のグループ会社です。 -
イチオシ
「蒸気パイプ」と「冷却塔」(松川地熱発電所)
地下に貯まった天然の蒸気を井戸から取り出し、「蒸気パイプ」で発電所へ送ります。
「冷却塔」は、発電後の使用済み蒸気を冷やして温水になったものを、さらに空気で冷まします。
現在の冷却塔は高さ46mの自然通風式。
今後、発電所の老朽化を更新する計画があり、令和7年(2025)に新設備により運転開始されます。
新冷却塔はコンパクトな強制通風式、高さ約15mに変わってしまうので、この風景が見られるのはあと数年です。 -
「松川地熱館」(松川温泉の散策)
ここでは、地熱発電所の歴史と発電の仕組みを学べます。 -
地熱発電所の設備概要(松川地熱館)
火山帯に位置し、3本の河川が合流する豊富な水資源を持つ松川では、昭和27年(1952)に温泉の掘削が試みられましたが、噴出したのは蒸気のみ。
そこに着目し、昭和41年(1966)日本初の地熱発電所ができました。
生産井(せいさんせい)は深さ800m~1,600mで、蒸気は主に1,000mほどの深さから取り出しており、12本が稼動中。
蒸気を使ってタービンで発電機を回し、出力は25,000KVA・電圧11,000V。
仕事を終えた蒸気は、復水器で冷却されて温水になり、冷却塔に導かれます。
冷却塔は温水を落下させる間に空気にさらして冷却させる自然通風式です。 -
地熱発電所の施設配置と地下断面図(松川地熱館)
松川の地下は安山岩や貫入岩など緻密で硬い岩で囲まれ、高温の蒸気や熱水が溜まりやすくなっているのが特徴です。
松川では世界でも稀な蒸気卓越型の地熱貯留層から取り出す乾いた蒸気だけを用いることができるため、日本の地熱発電所では唯一、「ドライスチーム方式」による発電を採用しています。
この方式は、設備もよりシンプルにすることができるため、効率の良い発電が可能となります。 -
日本初の「地熱タービン」(松川地熱館)
このタービンは、日本で最初に開発された地熱発電用蒸気タービンそのものです。
昭和41年(1966)から平成5年(1993)まで約27年間、松川地熱発電所で実際に使用されていました。 -
「傘マークのToshiba」ロゴ(地熱タービン)
-
復水タービンの製造銘板(地熱タービン)
東京芝浦電気株式会社(現 東芝)製造、定格出力22000KWなど。 -
復水タービンと発電機の接続部(地熱タービン)
-
蒸気タービンの羽根車(地熱タービン)
羽根車に蒸気をあてて回します。 -
タービン-発電機-励磁機の接続(松川地熱館)
-
ビット(松川地熱館)
蒸気井戸をボーリングするとき、岩石を削るドリルの先端。 -
松川2号井の「主弁」(松川地熱館の屋外展示)
「主弁」は井戸の深部から噴出する蒸気の量を調節する装置。
松川2号井(掘削深度 1,080m)は、松川地熱発電所建設時の昭和39年(1964)に掘削された地熱蒸気生産井です。
昭和41年(1966)の商業運転開始から約50年にわたり、一般家庭約4,000世帯分の電気の源となる高温・高圧の蒸気を生み出してきました。
平成28年(2016)にその役割を終え、地下部分は埋め立て処理し、地上部分の主弁を保存・展示のためここに移設しました。 -
松川沿いの「タニウツギ」(松川温泉の散策)
地熱館の見学を終え、松川の渓谷沿いに松川温泉「松川荘」まで歩きます。 -
「蒸気パイプ」(松川温泉の散策)
蒸気井戸は複数箇所にあるので、蒸気輸送管(蒸気パイプ)の長さはのべ2,400mになります。
この蒸気パイプは「松川荘」の先まで続いています。
パイプには「蒸気が流れています。熱いので触れないで下さい。」と注意書きが・・・
でも、ちょっと触ってみるとやや温かめでした。 -
清流の「松川」(松川温泉の散策)
橋を渡り、対岸の「松川荘」へ向かいます。 -
「蒸気井戸」(松川温泉の散策)
「松川荘」を通り過ぎ、その先に「蒸気井戸(M18とM9)」があります。
ここから蒸気が松川地熱発電所へ送られているのです。
立ち入り禁止の金網があり、外から眺めています。 -
「ハウチワカウデ」の花(松川温泉の散策)
帰りは別の散策路を通り「峡雲荘」へ戻ります。 -
「ミズナラ」の森(松川温泉の散策)
ハルゼミが大合唱する中を歩いています。 -
見つけました!「ハルゼミ」(松川温泉の散策)
この写真は翌朝です。 -
「マイヅルソウ」(松川温泉の散策)
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「ナナカマド」の白い花(松川温泉の散策)
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「峡雲荘」に到着(松川温泉の散策)
これから温泉で汗を流します。 -
温泉分析表(峡雲荘)
泉質は「単純硫黄泉(硫化水素型)」。 -
内湯の洗い場(峡雲荘)
蛇口から出るのは水だけ。体を洗った後の石鹸洗い流しは湯舟のお湯を使います。
頭を洗うときや上がり湯は、源泉かけ流しのお湯が四角い大きな桶に溜められているので、湯桶ですくい使います。 -
イチオシ
自然の中にある露天風呂(峡雲荘)
乳白色のお湯に浸かり、ハルゼミの声を聴きながら、ゆっくりくつろぎます。
露天風呂は女子露天風呂と混浴露天風呂があります。 -
イチオシ
籠を彩るご馳走(峡雲荘)
18:00から部屋で夕食が始まります。
岩手の山の幸、川の幸が並びます。
お刺身、ふきの煮物、わらびの酢味噌のせ、春の山菜「うるい」のお浸し、さんまの酢の物など。 -
香ばしい「豆腐の田楽」(夕食)
-
川魚のお刺身(夕食)
山奥に棲む「虹鱒と岩魚」の刺身が味わえます。 -
「岩魚」の塩焼き(夕食)
焼きたてです。 -
「短角牛」の陶板焼き(夕食)
岩手の短角牛プランを選んでいます。
他にホロホロ鳥鍋、短角牛鍋などのプランもあります。 -
豆腐の味噌汁(夕食)
-
デザート「八幡平ドラゴンアイ」(夕食)
昼に「ドラゴンアイ」を見てきたので、デザートで再び感動します。
山の豊富な食材の夕食に満足しました。 -
朝食は和食(峡雲荘)
朝食は7:30から大広間で。
小岩井まきば牛乳に、開き岩魚、さつま揚げ、焼海苔、納豆、きんぴらごぼう、昆布、温泉卵、青菜のお浸し、お新香など。 -
鉄鍋(朝食)
ウインナーソーセージ、シメジ、ブロッコリーなどのチーズ焼き。 -
囲炉裏(峡雲荘)
朝食の後は、ロビーにある囲炉裏にコーヒーが用意されています。
ここには季節ごとに撮られた「松川温泉の風景」の写真アルバムが置かれています。 -
イチオシ
冬期に走る「ボンネットバス」(写真アルバム)
真冬の雪深い季節になると、宿までの急坂と路面の凍結に対応できる四輪駆動の懐かしい「ボンネットバス」が路線バスを代走します。
次回はボンネットバスで冬の峡雲荘を訪れてみたいです。 -
盛岡行きの路線バス(峡雲荘前)
9:45発のバスに乗り、盛岡駅へ向かいます。
東北自動車道は通らず、地元の人たちが暮らす集落を通る、1時間50分のバス旅です。 -
バスカード(岩手県北バス)
松川温泉~盛岡駅前までのバス料金は 1,160円。
1,100円利用できる1,000円カードを車内で購入します。
絵柄は盛岡の伝統芸能「さんさ踊り」。 -
小水力発電所(八幡平市松尾寄木付近のバス車窓)
明治百年記念公園の「小水力発電所」です。
農業用水路から発電用の導水路を引き、その水を利用して発電を行っています。
この水車は、昔から使用されてきた下掛け水車に最新技術を加えたもので、約14世帯で使用する電力を発電できます。
-
JR花輪線大更駅(バス車窓)
バスは大更から国道282号を通って南下し、盛岡駅へ向かいます。 -
姫竹(盛岡駅ビル)
今の時期が旬の「姫竹」があったので、今晩、自宅で焼いて食べます。 -
紫波中央駅(東北本線)
盛岡駅から東北本線(在来線)で南下し、5つ目の「紫波中央(しわちゅうおう)」で降ります。 -
紫波中央周辺の案内図
これから天然記念物「逆さガシワ」を見に行きます。 -
「勝源院(しょうげんいん)の山門」
紫波中央駅から 1.5kmのところの国道4号沿いにあります。 -
天然記念物「逆ガシワ」はあちら
勝源院本堂の裏にあります。 -
地面を這う「逆ガシワ」
カシワは本来幹が直立し、高さ20m以上になる落葉広葉樹です。
しかし、ここのカシワは直立せず、地際で四本の支幹に分かれ、それぞれ地面を這うように伸びてから立ち上がっています。
この姿は、あたかも根が枝になったように見えることから「逆ガシワ(さかさガシワ)」の名で古くから親しまれてきました。 -
イチオシ
変わった樹形の巨樹(逆ガシワ)
樹齢約300年、枝張約21~27m、樹高約12m。
昭和4年(1929)に、カシワとしては最も早く国の天然記念物に指定されました。 -
庭園に咲く「カキツバタ」(勝源院)
Googleマップで帰りの道を確認していたところ、「旧紫波郡役所」が近くにあることがわかり立ち寄ります。 -
明治の「旧紫波郡役所」(国道4号沿い)
明治30年(1897)4月に「紫波郡役所」が設置されることになり、翌年の明治31年(1898)に「紫波郡役所庁舎」が完成したといわれています。
大正12年(1923)に郡制が廃止となりましたが、庁舎だけは郡役所として存続し、その後各種事業所、紫波町役場として使用されました。
昭和35年(1960)に町役場庁舎の新築に伴い、現在の位置に移築されました。 -
イチオシ
玄関ポーチが素敵な「旧紫波郡役所」(国道4号沿い)
洋風木造2階建ての「旧紫波郡役所」は紫波町指定有形文化財(建造物)に指定されています。
これで旅を終えます。
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この旅行記へのコメント (2)
-
- ちーちゃんさん 2020/07/31 07:53:04
- ボンネットバス♪
- おはようございます!
前から行ってみたかった松川温泉。
ボンネットバスで行こうと
主人と話していましたが、
冬しか走っていなかったとは…
かっちんさんの記事で初めてしりました。
良かった!
知らずに行っていたら残念な事になっていたかも…
それにしても渋い温泉ですね。
シャワーが無いのは知りませんでした。
でもステキな風情!
必ず冬に行きたいと思いました。(*^o^*)
- かっちんさん からの返信 2020/07/31 18:12:01
- RE: ボンネットバス♪
- ちーちゃんさん
こんばんは。
ボンネットバスで行く松川温泉。
よくご存じでしたね。
冬しか走らないことがお役に立ったようで嬉しいです。
露天風呂で温まり、山の幸の並ぶ夕食など、のんびりできますよ。
ぜひ、ボンネットバスの時期に訪れてみてください。
かっちん
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