2020/09/10 - 2020/09/10
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Weiwojingさん
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かなり前になるが、2008年8月東京多摩市にある多摩美術大学美術館で「セルビアのナイーブ・アート」展が開催され、見に出掛けたことがあった。その時はあまりいい印象に残った展覧会というほどでもなく、ほとんど忘れかけていた。しかし、最近、バルカン地域(かつてのユ―ゴスラビア共和国)に興味を覚えるようになり、ふとその時購入した図録を引っ張り出してきて、見る機会が何度もあった。バルカンに対する興味と共に、これまではそれほど関心を覚えなかったナイーブ・アートについて少し知りたいと思うようになった。
そもそも「ナイーブ・アート」とは何なんだろうか。辞書でナイーブ(naive)という言葉の意味を調べてみると、「無邪気な、素朴な、純真な」というような意味がある。これまでナイーブアートと言うと、グラン・モーゼス(アメリカ)、アンリー・ルソ-(仏)、カミーユ・ポンポワ(仏)等を思い出した。
セルビアの首都ベオグラードから北東50キロのところにあるコヴァチッツア村がこの芸術の発生地とある。正式な訓練を積んだ本職の画家というよりは元々は農民だったり、教師だっり、様々な職業を持ちながら絵に対する興味から村の人々や生活を描き始めたのが出発点であったそうだ。
確かにこの展覧会で見た作品はどれもナイーブと言ってよいようなものばかりで、見ているとどの作品からも素朴で、純真な思いが湧き出てくるようで、ますます興味を覚えた。中国の農民画を思わせるものがあった。
- 旅行の満足度
- 4.5
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多摩美術大学美術館へは小田急線多摩センター駅で降り、そこから歩いてしばらくのところにあった。なかなか現代的な建物である。
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正面から見た美術館はメタリックなガラスに覆われ、いかにも現代的な美術館という印象を受けた。初めての見学である。
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絵葉書や資料等から展示されていた作品を見てみたい。すべての作品を紹介することはできないので、興味を覚えたものや気に入ったものを見ていただきたい。
ドブロサフ・ミロエヴィッチ(1948~)作「我が祖国 」(1972) -
同作「我が故郷」(1997)
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ヤン・グロージック(1957~)作「コヴァチッツア村 190年を祝う」(1992)
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同作「井戸端で」(1999)
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同作「魚釣り」(2006)
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同作「父帰る」(2007)
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同作「村の冬風景」(2007)
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マリア・バラン(1923~2008)作「冬」(1998)
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ヤン・クニャーゾヴィッチ(1925~1984)作「コヴァチッチア」(1978)
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ヤン・シュトラクーシェク(1926~)作「畑を耕す」(1998)
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同作「車輪工場)(2000)
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同作「市場への道」(2000)
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エヴァ・フサーリコヴァ(1942~)作「ベンチで」(1978)
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カタリーナ・デュリショヴァ(1931~)作「豚を追う」(1997)
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同作「結婚式」(1998)
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同作「麻布を晒す」(1998)
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同作「居酒屋」(2005)
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同作「冬(夜のミサ)」(2006)
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アルジュベタ・チジコヴァ作「鵞鳥の餌やり」(2006)
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フェレンツ・パタキ(1994~)「橋」(2006)
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同作「愛」(2007)
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同作「荷車一杯の花」(2007)
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オンドレイ・ピルチ(1938~1992)作「釣りをする人」(1980)
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エヴァ・フサーリ子ヴァ(1942~)作「橇に乗って」(2007)
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パヴェル・ポヴォルニ・ユーハース(1946~)作「私の願い」(1999)
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デサ・ぺトルフ・モラル(1946~)作「私の生まれた日」(1969)
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ミロラド・ニコリッチ(1949~)作「私の村」(2004)
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クララ・バブカ(1960~)作「井戸」(2007)
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マルコ・ステファーノヴィッチ(1959~)作「春の訪れ」(2001)
この作品は小生が気に入った作品の一つで、様々な色の木や教会が描かれていて、そこに2人の女性がいる。ちょっと不思議な感じがするが、心惹かれた。 -
ズサナ・ヴェレスキ(1955~)作「自転車に乗っている3人の嫁」(2006)
3人の女性たちが自転車に子供を乗せて買い物からの帰り道のようだが、荷台には購入した商品がたくさんのせている。 -
アダム・メジン(1954~)作「私の故郷Ⅱ」(2007)
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ヤン・ジョルナイ(1953~)作「ワイン畑へ不意のお客さん」(2006)
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アナ・レンハルトヴァ(1952~)作「田舎の家の食卓」(1973)
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マルテイン・パプ(1960~)作「夢」(2000)
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リジャ・ティリッチ(1961~)作「無題」(2004)
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パヴェル・チツカ(1961~)作「魚釣り」(2004)
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ナダ・コレニ(1964~)作「三人の嫁」(2000)
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ヤン・フリエシック(1965~)作「村一番の雄牛」(2002)
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パヴェル・グロージック(1968~)作「農作業」(2007)
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ヴィエロスラヴァ・スヴェトリコヴァ(1973~)作「凧揚げ」(2007)
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ナターシャ・ミアイロヴィッチ(1977~)作「ひまわり畑」(2006)
何となくユーモアを感じる作品で、夜男女が手を取り合って踊りをしている光景のようだが、周りにひまわりが浮かび、不思議な感じがしないでもない。 -
イヴァン・ラツコヴィッチ(1932~)作「王道十二宮」(1970年代)
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マルテイン・ヨーシュ(1924~1996)作「馬」(1992)
最後に、ナイ―ブアートに関する意見をのべるとするなら、どれも皆素朴で、自然や日常の村での生活を描き、ほのぼのとして雰囲気を漂わせている作品が多い。同時に、中には奇妙な光景や不思議な世界を描いているようなものや何か意味が隠されていると思わせるものもあり、興味が尽きない。
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この旅行記へのコメント (4)
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- 唐辛子婆さん 2020/09/24 22:38:33
- とても懐かしい雰囲気ですね
- Tamegaiさん
なんだかアンリ・ルソーみたいなのもあるし
どれもこれもとても懐かしい雰囲気で魅力的ですね。
エヴァ・フサーリコヴァの「ベンチで」は
ロシアのスーズダリを訪れた時の風景と人々を思い出だせてくれました。
コロナが終わったらぜひそのセルビアの村を訪れてみたいです♪
唐辛子婆
- Weiwojingさん からの返信 2020/09/25 07:56:09
- Re: とても懐かしい雰囲気ですね。
- 唐辛子婆さん、書き込みをありがとうございます。
セルビアのナイーブアートは心温まる作品もあれば何やら恐怖心を呼び起こすような作品もあり、興味は尽きません。もう少し作品の背景をアグると、もっと理解できるかもしれませんね。
「ベンチ」はロシアのスーズタリを訪れた時の風景と人々を思い出させてくれたとのことですが、ここはどんなところなのですか。
私もいずれはバルカン(セルビアを含めて)を訪れてみたいですが、いつになるでしょうか。その時が楽しみです。
ありがとうございました。
Tamegai
- Weiwojingさん からの返信 2020/09/25 08:01:03
- Re: とても懐かしい雰囲気ですね
- 読み返してみると、変な表現のところがありました。
作品の背景をアグると、もっと理解できる → 作品の背景を探ると、もつと理 解できる
失礼いたしました。
Tamegai
- 唐辛子婆さん からの返信 2020/09/25 16:19:58
- Re: とても懐かしい雰囲気ですね
- Tamegaiさん
アグると(←ググると)の間違いかと思いました^^。
>セルビアのナイーブアートは心温まる作品もあれば何やら恐怖心を呼び起こす>ような作品もあり
そうですね。やっぱり行ってみたくなりますね。
スーズダリはモスクワをぐるりと取り囲む「黄金の輪」と言われる古都群
の一つのようです。
まみさんというトラベラーがとても詳しく載せていらっしゃいます。
シベリアからモスクワまでの鉄道の経由地とならなかったので
現代的な発展はしなかったかわりに昔懐かしい古都として残り
観光客を集めているようです。
モスクワから電車でウラジミールまで行ってそこからタクシーに乗りました。
https://4travel.jp/travelogue/11369360
釘を一本も使わない木造の教会が残っていました。
唐辛子婆
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