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愛媛巡礼2日目の今日は、宇和島の2ケ寺と隣町の西予市の1ケ寺をお参りし、途中の町を観光し、今晩は内子に泊る予定になっていて、その順番に巡礼記を綴っていく予定でいたが、この巡礼記自体は約3週間遅れでブログに公開しているが、昨日公開した(15)宇和島駅のコンビニで・・、に宇和島東高校出身の悠久のボヘミアンさんから、この宇和島駅に関するコメントが寄せられ、その中で「往時この駅は日本の終着駅と誰かが言っていました!この駅には日本では殆ど見られなくなった機関車の転車台も残っているんですよ!」とあった。自分もこの「終着駅」に興味を持ち、今日のブログは「巡礼記」を一休みし、この「終着駅」について、寄り道をしてみたい。<br /><br />「終着駅」で思い出されるのは、イタリア映画で、ローマ・テルミナ駅を舞台にした白黒映画のシーンだ。大きなカマボコ屋根のホームは如何にも欧州的な雰囲気だった。イタリア語の「テルミナ」は英語の「ターミナル」のことで、日本語で言えば「終着駅」。鉄道駅にはこの「ターミナル」とは別に「ステーション」という2つの呼び方がある。「ステーション」で言えば、高倉健主演の「駅・ステーション」が思い出される。「ステーション」は又日本語では「停車場」と翻訳されている。「終着駅」と「停車場」は同じ駅でも内容が違うのだ。<br /><br />英語の「Station」がそこに「止まる、停止する」の「Stay」から来ていて、「停車場」とはぴったりの訳だが、一方の「Terminal」は、「ある一定の区間、端と端を結ぶもの」の「Term」から来ているものであり、従って「Terminal Station」はその一定区間の始発駅であり、終着駅でもある。ステーションは電車が一時停止し、通過していく場所、ターミナルはそこに留まり、そこを起点とし、終点とする所、との違いがあるのだろう。ニューヨークの中央駅はセントラル ステーション、パリの中央駅ガレはターミナル。その言葉の違いは、英米の能動的な動きと、大陸のどっしり構えた安定的なニュアンスの違いがあるのかも知れない。<br /><br />「ターミナル」というと今は空港ビルが主体で、羽田では今では第3ターミナルビルまで出来ている。航空路での移動が無かった戦前ではターミナルと言えば鉄道駅に限られていた。ただ日本での使用例は少なく、日本の最初の駅、新橋が停車場と呼ばれたように、日本での呼び方はステーション、「停車場」が主流であった。「ターミナル」=「終着駅」と呼ばれるようになったのは、大分後からで、それは上記の映画の和名タイトルに使用されたのが最初のようである。勿論ターミナルも「Terminal Station」と呼ばれるように、鉄道駅の一形態であることには違いないのだが、単に鉄道駅と呼ばれるよりは、「終着駅」と呼ばれる方が何故か哀愁を帯びている。<br /><br />「終着駅」はこの先はもう何もない。線路はそこで途切れて、終点となる。去年石川の輪島駅を訪ねたが、そこはもう既に廃線になっていて、僅かに嘗ての線路が数十m記念に残されているだけだった。一昨年九州枕崎駅を訪ねたが、そこには記念に駅舎は保存されていたものの、途中の線路は廃線になっていた。最北の稚内駅は港に面し、高架駅になっていた。いつの時点か建て替えられたのだろう。随分以前に訪問した長崎駅。そこは東京からやって来た寝台車のドンずまり駅で、線路はここで終わっていた。<br /><br />函館駅は長崎とは違っていた。青函連絡船から下船した列車がそのまま駅に滑り込み、函館駅を出て行った。ああ、そう言えば門司も同じだったか・。下関からの列車は関門トンネルを抜けてきてそのまま門司駅に停車した。こうしてみると終着駅は案外少ないか・・。しかし小さい駅ではあちこちにある。西武線の是政駅とか、伊豆箱根の修善寺駅。でもそれ等の路線は余りにも短く、「終着駅」とは言えないだろう。ここ宇和島はしっかりとした「終着駅」。泊った駅前のホテルの名前も「ターミナル」。悠久さんの昨日のコメントに嘗ての旅の思い出が駆け巡ったが、この宇和島もその1頁に追加されるものになった。

愛媛(伊予一国)ドライブ巡礼(16)閑話休題。「Station」と「Terminal」。

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2020/06/21 - 2020/06/27

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ちゃお

ちゃおさん

愛媛巡礼2日目の今日は、宇和島の2ケ寺と隣町の西予市の1ケ寺をお参りし、途中の町を観光し、今晩は内子に泊る予定になっていて、その順番に巡礼記を綴っていく予定でいたが、この巡礼記自体は約3週間遅れでブログに公開しているが、昨日公開した(15)宇和島駅のコンビニで・・、に宇和島東高校出身の悠久のボヘミアンさんから、この宇和島駅に関するコメントが寄せられ、その中で「往時この駅は日本の終着駅と誰かが言っていました!この駅には日本では殆ど見られなくなった機関車の転車台も残っているんですよ!」とあった。自分もこの「終着駅」に興味を持ち、今日のブログは「巡礼記」を一休みし、この「終着駅」について、寄り道をしてみたい。

「終着駅」で思い出されるのは、イタリア映画で、ローマ・テルミナ駅を舞台にした白黒映画のシーンだ。大きなカマボコ屋根のホームは如何にも欧州的な雰囲気だった。イタリア語の「テルミナ」は英語の「ターミナル」のことで、日本語で言えば「終着駅」。鉄道駅にはこの「ターミナル」とは別に「ステーション」という2つの呼び方がある。「ステーション」で言えば、高倉健主演の「駅・ステーション」が思い出される。「ステーション」は又日本語では「停車場」と翻訳されている。「終着駅」と「停車場」は同じ駅でも内容が違うのだ。

英語の「Station」がそこに「止まる、停止する」の「Stay」から来ていて、「停車場」とはぴったりの訳だが、一方の「Terminal」は、「ある一定の区間、端と端を結ぶもの」の「Term」から来ているものであり、従って「Terminal Station」はその一定区間の始発駅であり、終着駅でもある。ステーションは電車が一時停止し、通過していく場所、ターミナルはそこに留まり、そこを起点とし、終点とする所、との違いがあるのだろう。ニューヨークの中央駅はセントラル ステーション、パリの中央駅ガレはターミナル。その言葉の違いは、英米の能動的な動きと、大陸のどっしり構えた安定的なニュアンスの違いがあるのかも知れない。

「ターミナル」というと今は空港ビルが主体で、羽田では今では第3ターミナルビルまで出来ている。航空路での移動が無かった戦前ではターミナルと言えば鉄道駅に限られていた。ただ日本での使用例は少なく、日本の最初の駅、新橋が停車場と呼ばれたように、日本での呼び方はステーション、「停車場」が主流であった。「ターミナル」=「終着駅」と呼ばれるようになったのは、大分後からで、それは上記の映画の和名タイトルに使用されたのが最初のようである。勿論ターミナルも「Terminal Station」と呼ばれるように、鉄道駅の一形態であることには違いないのだが、単に鉄道駅と呼ばれるよりは、「終着駅」と呼ばれる方が何故か哀愁を帯びている。

「終着駅」はこの先はもう何もない。線路はそこで途切れて、終点となる。去年石川の輪島駅を訪ねたが、そこはもう既に廃線になっていて、僅かに嘗ての線路が数十m記念に残されているだけだった。一昨年九州枕崎駅を訪ねたが、そこには記念に駅舎は保存されていたものの、途中の線路は廃線になっていた。最北の稚内駅は港に面し、高架駅になっていた。いつの時点か建て替えられたのだろう。随分以前に訪問した長崎駅。そこは東京からやって来た寝台車のドンずまり駅で、線路はここで終わっていた。

函館駅は長崎とは違っていた。青函連絡船から下船した列車がそのまま駅に滑り込み、函館駅を出て行った。ああ、そう言えば門司も同じだったか・。下関からの列車は関門トンネルを抜けてきてそのまま門司駅に停車した。こうしてみると終着駅は案外少ないか・・。しかし小さい駅ではあちこちにある。西武線の是政駅とか、伊豆箱根の修善寺駅。でもそれ等の路線は余りにも短く、「終着駅」とは言えないだろう。ここ宇和島はしっかりとした「終着駅」。泊った駅前のホテルの名前も「ターミナル」。悠久さんの昨日のコメントに嘗ての旅の思い出が駆け巡ったが、この宇和島もその1頁に追加されるものになった。

旅行の満足度
4.0
同行者
一人旅
交通手段
レンタカー

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  • この後に回る八幡浜のフェリーターミナル。

    この後に回る八幡浜のフェリーターミナル。

  • 終点の道後温泉駅。

    終点の道後温泉駅。

  • 今治フェリーターミナル。

    今治フェリーターミナル。

  • JR西条駅。

    JR西条駅。

  • 松山空港ターミナル。

    松山空港ターミナル。

  • JR宇和島ターミナル駅。

    JR宇和島ターミナル駅。

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