堀ノ内の庚申塚（横浜市南区堀ノ内町2）

2020/06/26 - 2020/06/26

　横浜市南区堀ノ内町2に堀ノ内の庚申塚がある。堀ノ内町1から堀ノ内町2に北東に伸びる道路が舗装路から堀ノ内町2に入った辺りから砂利道になる、その手前から左折すると数m先にある庚申塚である。しかし、この道は直ぐに曲がった細い道になっている。門前公園も近い場所ではあるが、旧街道があったようには思えない場所だ。
　一番奥の大きな庚申塔には「奉建之庚申供養…」、「延宝七年己未正月吉日」と刻まれており、延宝7年（1679年）に建立された庚申供養塔であることが分かる。また、17世紀後半の庚申供養塔は大きく、この庚申供養塔でも蓮の台座のさらに下の台座に三猿が彫られている。
　もう1基の庚申塔も古そうで、風化しており、建立年は判読できない。
　他に、寛永20年（1643年）に建立された「…六部…」や元禄8年（1695年）に建立された「村中息災祈所」などの碑が見られる。
　このように建立年が判読できるものは17世紀に建立されたものばかりであり、建立年が判読できない庚申塔も、その風化の具合から見ても古いもので、17世紀に建立されたものであろうと考えられる。庚申塔が2基以上建てられている庚申塚で、全てが17世紀に建立されたものは滅多にお目に掛かれない。
（表紙写真は庚申供養塔（延宝7年（1710年）銘））

エリア 東神奈川・保土ヶ谷・弘明寺(神奈川)

堀ノ内の庚申塚。

庚申供養塔（延宝7年（1679年）銘）。「奉建之庚申供養…」、「延宝七年己未正月吉日」。

「…六部…」（寛永20年（1643年）銘）。「寛永二十年」、「十二月四日」、「願主」、「覚本」。

庚申塔。風化しており、建立年は判読できず。

庚申塔の側面。

「村中息災祈所」（元禄8年（1695年）銘）。「元禄八乙亥年」、「秋八月十五日」。

仏像。