杉山神社・水天宮（横浜市南区南太田2）

2020/06/24 - 2020/06/24

　横浜市南区南太田2に鎮座する杉山神社は創建年代は不詳であるが、永和2年6月 (1376年）銘の棟札があったことから、鎌倉時代以前の創建と考えられている。近くの宮元町3に鎮座する杉山神社（https://4travel.jp/travelogue/11630113）とは全く縁起が異なり、日本武尊を主祭神としており、都筑郡吉田村（港北区新吉田）杉山神社を勧請したものと考えられている。杉山神社には出雲大社の大己貴命を祀った社（https://4travel.jp/travelogue/10550660）もある。
　江戸時代には太田村（南太田・三春台一帯）の鎮守社であったといい、寛永年代（1624年~1644年）、隣接の松吟山大光寺が当社の別当寺となった。
　明治2年（1869年）に杉山神社と改称し、明治6年（1873年）に村社に列格、明治41年（1908年）には無格社浅間神社、東神社、稲荷社二社を合祀した。
　水天宮は平成10年（1998年）に合祀され、横濱水天宮と称している。
　元々は、貞亨年間（1684年~1688年）に筑後国久留米(現、福岡県久留米市）より現在の横浜長者町あたりに水天宮の御分霊を勧請奉斎し、水害の守護神として尊崇されていた。その後明治の初めごろ、河野与七がこの地を開拓する際に旧体を発見し、社殿を建立して再興し、安産･子育ての守護神として広く人々の信仰を集めてきた。
　昭和20年（1945年）、横浜大空襲で社殿･社務所･末社等が全焼し、米進駐軍により境内も接収されてしまったため、南区西仲町の河野与七の子孫の屋敷に、仮社殿を建築し奉斎されていた。横濱水天宮の主祭神は天御中主神（あめのみなかぬしのかみ）である。
　拝殿には「水天宮」と「杉山神社」の2つの扁額が掛かっている。そのうちの「水天宮」の扁額には「正二位大勲位伯爵東郷平八郎謹書」とあり、これも宮元町3に鎮座する杉山神社の社号標石と同じく、東郷が揮毫したものかと疑問に思い、宮司に聞いてみると、久留米にある水天宮の額のコピーだという。幾ら東郷でも頼まれると誰にでも揮毫していた訳ではなさそうだ。
　なお、杉山神社のホームページには横濱水天宮のことがメインに記載されている。そこかしこにある杉山神社よりも水天宮を参拝する人が多いということなのか？
　また、この周辺の神社には兼務ではなく、それぞれに宮司が居るのは幼稚園を併設していて、仕事があるからだと言われた。
（表紙写真は杉山神社拝殿）

エリア 東神奈川・保土ヶ谷・弘明寺(神奈川)

杉山神社参道。

「水天宮」社号標石。

「太田惣鎮守杉山神社」社号標石。

「南太田二丁目町内会掲示板」。

杉山神社の石鳥居。

掲示板。

杉山神社と水天宮の参拝者専用駐車場。

「寄附者」碑。

石段前に石柱と注連縄の鳥居。水天宮を合祀した際に建てられたものであろう。

「鳥居建築記念」碑。

石段上の境内。

狛犬。この神社では最も古いもの。

狛犬。

「御造営記念」碑。

手水舎。

手水鉢と石の手水口。

おみくじ結び。

社務所。

社殿と社務所の間。

絵馬掛け。

「天皇陛下　御在位六十年　奉祝記念」碑。

張り紙。

杉山神社拝殿。

杉山神社拝殿に掛かる「水天宮」と「杉山神社」の2つの扁額。

「水天宮」の扁額。「正二位大勲位伯爵東郷平八郎謹書」とある。久留米・水天宮の扁額のコピーだ。

杉山神社拝殿と本殿。

杉山神社本殿。

杉山神社拝本殿。