2014/05/12 - 2014/05/13
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428gusukuさん
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この旅行記のスケジュール
2014/05/13
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この旅行記スケジュールを元に
転職をきっかけに、長く旅行が出来るチャンスだったので、旧ユーゴの国々を周遊した時の旅行記です。
その6.はバルカン半島で4カ国目、
1991年に独立した比較的新しい国、マケドニア共和国(今は北マケドニア)の2日目です。
この日はバスでちょっと遠出します。
湖畔の水上博物館、そしてその先のアルバニアの国境近くにあるスヴェティナウムへ…
美しい泉が湧き出る公園内にある教会です。
ガリツィツァ国立公園の中にある博物館やスヴェティナウムは本当に夢のような美しい場所でした。
しかし、旅行の翌年にこのエリアの観光開発10カ年計画が発表され、観光化によって様々な変化が生じると思うと、とても残念…
実際、全世界の専門家が大気汚染などにより、オフリド湖の美しさだけではなく、この地域特有の固有種などの自然の宝庫が失われると警鐘を鳴らし、国民の政府に対する反対運動もおこっているといいます。
どうか、この美しい景観が変わらない事を切に願います…
オフリド2泊3日の費用
(スコピエからスツルーガ迄の移動費込)
約¥15300/1人
移動 トータル2040den/2人
スコピエからの長距離バス900den/2人
タクシー2回800den/2人
バス2回 340den/2人
観光 ¥3300/2人
飲食 ¥9000/2人
宿泊費¥14200(スツルーガまでのタクシー代込)/2人
1マケドニアデナル=2円
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2日目
素晴らしい景観と美味しい空気のバルコニーで…
最高の朝食!
バルコニーから景色を眺めていると、2泊の束の間ですが、こんな場所に暮らせて幸せを実感(๑˃̵ᴗ˂̵)
さて、今日は水上博物館とスヴェティナウムへ出発です。
街のバス停からスヴェティナウムまで行くバスが1日に7本出るという情報なので、バス停まで…
時刻表もないので、周りの方に聞いても分からず、バス停で暫く待っていましたが中々来ない。
ツーリストインフォメーションに聞いても、
バスの事務所に聞いても、いつ来るかわからない。
諦めてタクシーで民族博物館まで行きます。 -
タクシーで20分で博物館の駐車場に到着。
バスだったら2人で120denで済んだのに、
タクシーは600den(涙)
ここからスヴェティナウムへは必ずバスに乗りたかったので、
駐車場にある博物館の受付のお兄さんにバスの時刻を確認します。
30分後にバスが出るとの事なので、
時間厳守で博物館を見学します。
(これを逃すと次は2時間後になってしまいます。)
一応時刻表あるじゃない(・・?)
写真の味わい深いレトロな車は
受付のお兄さんの車。 -
駐車場も素晴らしい景観です!
遠くに見えるのは、水上博物館から続く丘の上の湖畔の展望台。
ゆっくりするには最高の場所との情報があったので、
こちらでピクニックをする予定で、パンやハムや飲物等を持参してきましたが…
オフリド旧市街のバス停で時間のロスがあった為、そんな時間の余裕がなくなってしまいました(>_<)ガリシカ国立公園 国立公園
-
100denを払い入館。
高台の駐車場から湖畔まで下っていきます。
この水上博物館は元々3000年位前の古代水上生活の住居跡があった場所。
復元した人工島に水上住居を再現してあります。
展示物は少ないのですが、古代人の水上住居なんて中ここでしか?お目にかかれないので、興味津々。 -
-
湖畔にはカフェもあり。
-
住居跡は新しく再現されているので、
整然としていて綺麗。 -
敷地内が隅々までお手入れが行き届いていて、
兎に角美しい♡
博物館の見学も含めて30分しか時間がないので、後ろ髪を引かれる思いで駐車場へ戻ります。
ここへは必ず再訪したい。 -
バス停がある駐車場に戻った所、バスの遅延は常の様で…
なんと受付係のアレキサンダーさんが、待ち時間に自前のコーヒーを入れてご馳走してくださいました!
シーズン前でいくら観光客が少ないとはいえ、こんなおもてなしを受けるなんて思いもよらず…
優しいお気遣いに感激♪ -
バスを待っている間、
美しい湖畔の景色を眺めながら美味しいコーヒーを頂き…
この土地をこよなく愛するアレキサンダーさんとのお喋りが素敵な思い出になりました。 -
結局、バスは15分も遅れましたが、
湖畔の山道を走る道中も
最高に楽しいドライブ旅♪
ドライバーさんがジプシー風の軽快な音楽に合わせてハンドルを叩いてリズムをとっています。
その音楽と一体となった軽快なテクニックと
車窓の景色にうっとり(๑˃̵ᴗ˂̵) -
バスに揺られて
アルバニアの国境近くのスヴェティナウムの入口に到着。
まずは帰りのバスの時間を確認です。
(2時間後)スヴェティ ナウム 自然・景勝地
-
オフリド湖の湖畔を進みます。
左手にはオフリド湖へ綺麗な水を送り出している聖なる泉。 -
そして敷地内には
放飼の孔雀が優雅に闊歩してます。 -
-
丁度、広げる時間帯?
あちこちで美しさを競い合うように
孔雀が羽を広げてました。 -
奥に進むとフレスコ画で有名なナウム教会。
100den
ブルガリア帝国時代の約900年頃からある歴史のある教会。
オスマン帝国に支配されてから破壊されて、
今ある建物は16世紀~17世紀にかけて建造されたのも。聖ナウム修道院 寺院・教会
-
内部には美しいフレスコ画。
-
教会の屋根の上にも孔雀が!
美しい教会に
聖なる水とマイナスイオンたっぷりのきれいな空気、
周囲の新緑と孔雀達…
ここは楽園? -
教会の参拝後は
泉のボート乗り場へ…
ボート乗り場は泉に面したレストランの奥にありました。 -
2人で600den。
20分間、ガイドさんの英語の説明付きで
ボートを漕いで貰えます。 -
湖畔の山の雪水が山を伝って水が湧き出て、
この泉は作られている様です。
透明度の高い泉の底を見てみると、
本当にプクプクと湧き出てくるのが見てとれます。 -
泉の周囲の新緑と、
泉の中で青々と茂る水草、
エメラルド色の水の輝き。
様々な自然の色の競演が楽しめました。 -
5月は特に色が鮮やかですが、
秋の紅葉も素晴らしいと、
ガイドさんはしみじみと語っていました。
聖なる泉に、身も心も洗われた後、
そろそろ遅めのランチです。
泉のレストランも魅力的でしたが、
ピクニックするつもりでお弁当を持参してきたので、
教会と泉の間にある公園内に
ちょうどよいテーブルと椅子を見つけていただきます。 -
孔雀が物欲しげそうに急接近!
ジッと佇む姿が愛らしい。
食べ物を与えないように!との注意書きは
どこにも見当たらないので… -
孔雀がこんなに人懐こいなんてビックリです。
こんな楽園の様な場所でピクニックが出来て幸せ(๑˃̵ᴗ˂̵) -
因みにここの孔雀達は凶暴性がある様には思えませんでしたが、
敷地内の看板には
『小さな子供に危害を与えることがあるので注意!』との注意書きがありました。
2時間、ゆっくり過ごしてから
バス停へ。
旧市街から本当に素敵なプチトリップになりました(๑˃̵ᴗ˂̵)
オフリド市内まで110den/1人
帰りのバスはBGM付きではなくて残念… -
約1時間後
オフリド市の中心に到着。
バス停から徒歩で観光。 -
旧市街への門を通り抜け…
-
先ずは左手の道へ少し登ると
聖マリア教会(旧クリメント教会)聖クリメント教会 寺院・教会
-
基礎部分を除き殆どが再建された教会とのことですが、
教会内には素晴らしいフレスコ画もあり、
拝観料を払ってみる価値のある教会でした。
チケット100den
教会の隣にはイコン博物館がありますが
別料金。 -
別の場所にある聖クリメント教会から
聖クリメントの聖遺物がこの教会に移ってきてから、
この教会は聖クリメント教会と呼ばれていたそうです。
その聖遺物が元々の聖クリメント教会
(旧パンテレイモン教会)に戻ってから、
マリア教会に名前が変更されたようです。
ややこしい(≧∇≦)
聖クリメントとはオフリドで大変尊敬されている聖人なので、教会名にも影響するんですね。 -
ちょうど、藤の見頃で素晴らしい景観。
-
-
高台にあるので景観も素晴らしい。
サミュエル要塞も見渡せます。
聖マリア教会を後にして… -
ローマ帝国の支配下にあった
紀元前2世紀頃に作られた円形劇場。
後に荒廃して、崩れて埋まってしまい、
20世紀になって発掘される時には14件もの民家が建っていたので、立退も大変だったようです。
今では現役の劇場として利用されている様で、
いつかはこの劇場の舞台を見てみたい♪古代劇場 史跡・遺跡
-
お次は聖クリメント教会(旧パンテレイモン教会)。
こちらも100den。
何処も100denが相場みたい。
(2014年当時)
オフリドの教会はそれぞれ素晴らしい立地条件で、
この教会もオフリド湖を見下ろす高台にあり、
景観が抜群!
聖クリメントが医者の聖パンテレイモンの為に900年頃に建てた教会で、2007年に新しく建設されたようです。
オフリド最古の教会で、
聖クリメントもこの教会に埋葬されたようですが、
15世紀にオスマン帝国にモスクに作り替えられたそうです。
それで、マリア教会に聖遺物が移された訳ですね。聖パンテレイモン教会 寺院・教会
-
同じ敷地に5世紀の初期キリスト教のバシリカの跡地もあり、丁度再建中でした。
バシリカの遺構を守る為に屋根がつけられて、
足場も組まれていて発掘途中の様子を見学できました。 -
-
バシリカの発掘現場。
当時から残る?洗礼場。 -
教会内部に残るモザイクの床は当時のまま。
色彩はどんな感じだったのかしら?
繊細なデザインが美しい。 -
作業中ではありませんでしたが、
こう言った現場を目にするとロマンが掻き立てられます。 -
他にも遺跡が残っていました。
聖クリメントはここにヨーロッパ最古の大学を作り、
9世紀~10世紀の間、
文化・芸術・教育の中心地であったのだそうです。
見所満載なので、今後色々と再建されると、
きっとここはオフリドのランドマークになるでしょう。
お次は
先程見えたサミュエル要塞へ…
全て徒歩圏内で、町が綺麗なので散策も楽しい。 -
入場チケット30 den(安い!)
城壁に登るとこの絶景です♪
この要塞は
オフリド出身の第一次ブルガリア帝国のサミュエル皇帝によって10世紀末から11世紀初めに建てられ、
ここオフリドが第一次ブルガリア帝国の首都となります。
サミュエルは黒海からアドリア海に至るバルカン半島の大半を支配し栄華を誇りましたが、
サミュエル死後は第一次ブルガリア帝国も衰退。サミュエル要塞 史跡・遺跡
-
城壁の中はそれ程広くもなく城壁以外に何もありませんが、オフリド湖とオフリドの街が一望出来きますので、お勧めのビュースポット。
-
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先ほどの聖マリア教会も見えます。
ここからは歴史のお話…
紀元前4世紀、
今の北マケドニアは
有名なアレキサンダー大王の古代マケドニア王国(古代マケドニア王国は殆どが今のギリシャにあたる)に支配されていました。
因みにアレキサンダー大王は古代ギリシャ人です。
これがギリシャとの確執の発端です。
紀元前2世紀にローマ帝国に、
395年の東西分裂後は東ローマ帝国に支配されます。
(西ローマが滅亡後はビザンツ帝国)
9世紀~11世紀にはアルバニア系民族による
マケドニア朝ビザンツ帝国に支配されます。 -
986年の有名なトラヤヌスの門の戦いでサミュエル皇帝率いるの第一次ブルガリア帝国がビザンツ帝国を破り、栄華を誇りました。
しかし1000年ごろ、
ビザンツ帝国バシレイオス2世に領土を奪い返されてしまいます。
バシレイオス2世(ブルガリア人殺しというニックネーム)は捕虜100人の目潰しをしてその内1人は片目だけ残して、先頭につかせて数珠つなぎにこの要塞に送り返したという…。
なんとも恐ろしい(-_-;)
これを見た失意のサミュエルは1014年に死亡。
サミュエルが正式に皇帝に即位したのが997年。
この地に北マケドニア人による政権が始まったと思ったら、ほんの束の間20年もしないうちに、マケドニア朝ビザンツ帝国に滅ぼされてしまいました。。 -
何とも皮肉な結末…
雑草が生い茂るこの要塞はまさに
「兵どもが夢の跡」 -
その後もセルビアが勢力争いに加わり翻弄され続け、
14世紀後半以降はオスマントルコの支配下になります。
1912年の第一次バルカン戦争でオスマン帝国が劣勢になったと思ったら、
その翌年の第二次バルカン戦争で
ギリシャ50%、セルビア40%、ブルガリア10%に3分割されてしまい、
この時のセルビア領マケドニアが今の北マケドニアの地域という訳です。
40%と小さくなった北マケドニアは1945年旧ユーゴの一部となって初めて、『マケドニア人民共和国』と名乗ります。
マケドニアのアイデンティティをギリシャに誇示。 -
そして、
1991年のユーゴ崩壊によって北マケドニアも
マケドニア共和国として独立成功!
やっと平安を手に入れたと思ったら、次はギリシャからの言いがかりです。
古代マケドニア王国が古代ギリシャ人によって作られた歴史がある事で国名変更を要求!
「マケドニア旧ユーゴスラビア共和国」という変テコな名前で国連に加盟せざるを得なかった。
元々のマケドニアの50%がギリシャの領土で、そこがマケドニア地方と呼ばれている事もあり、
マケドニアと言う国名を名乗るなんて許せない!
しかも首都スコピエの空港名に
『アレクサンドロス国王空港』を名乗るなんて許せない!と
ギリシャは猛反発(>_<) -
ギリシャがマケドニアって国名にしなかったんだから、ウチの国名にしちゃおーっと!
ついでにアレキサンダー大王も空港名に使っちゃおーっと!
なーんて、
簡単には済まされなかったんですね(;_;)
2014年の旅行時期にはまだこの空港名でしたが、今では『スコピエ国際空港』
その後、国名も北マケドニアに変更で、NATOの30番目の加盟国に認められます。
一件落着。
それでもギリシャ人の中には、まだマケドニアがついている事に不服と思っている人も多く、未だに北マケドニア人を『スコピエ人』と呼んでいるらしい(>_<)
紀元前4世紀頃から古代マケドニア王国に支配され、
2300年以上、何処かの国の支配下に置かれていた可哀想な北マケドニア。
勝手に3分割されて…
いつの間にか小さくなってしまった小国の北マケドニア。(岩手県+福島県の面積より狭い)
少しは大目に見てあげても良いじゃないっ!
と判官贔屓に… -
夕方に行ったので、オフリド湖が西陽を受けてキラキラと輝き素晴らしい光景でした。
美しくて穏やかで平和過ぎて…
それが、余計に過去の戦の虚しさを物語っているかのよう。 -
今回の旅では
ドブロヴニク、
コトル、
要塞は3箇所目。
どこも素晴らしい景色。
バルカン半島で幾多の戦が繰り広げられましたが、このようにして旅行が出来る時代が来て良かった… -
部屋に戻り… -
オフリド湖の最後のディナーは…
月明かりの元、テラスで。 -
この夜景も見納め… -
翌朝、
チェックアウト後はアルバニアに向かう為、車で20分位のStrugaのバス停までタクシーの手配をしてくれました。
2泊の宿泊費にタクシー代をプラスして7100denにしていただき助かりました♪ -
オフリド バスターミナル バス系
-
チケットを購入。
余ったディナールがほんの少し、
カフェで使い切ってバスを待ちます。 -
長年想像も出来ない様な数奇な運命を辿ってきている
オフリド。
この地をこよなく愛する地元の方々により、美しいオフリド湖の自然は保たれ歴史的建造物の保存、復元に尽力し、今では平和な美しい楽園です。
バルカン半島でまた再訪したい土地のベスト1になりましたが、観光開発で変化すると思うと本当に悲しい…
次は5カ国目、アルバニアのドゥラスへ移動です。
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この旅行記へのコメント (2)
-
- Black7さん 2020/05/13 21:35:13
- うらやましい!
- 428gusukuさん、こんにちは!
いつも訪問ありがとうございます!
オフリドの水上博物館とスヴェティナウムに行かれたんですね。
僕もオフリドを訪れた時にスヴェティナウムに行きたかったのですが、バスターミナルでバスのことを聞いてもよく分からず、たいへんそうなのであきらめてしまいました。
でも428gusukuさんの写真を見て、こんなきれいな所だったとは!
無理してでも行けばよかったと思ってしまいました。
特に、透き通った泉はとてもきれいで、ボートにも乗れるんですね!
雰囲気も良いし、うらやましいです!
オフリド、とっても良い所ですよね。
個人的にはバルカン半島の中でも穴場スポットだと思っていて、あまり観光地化されずに美しい景観のままであってほしいなって思っています。
アクセスはちょっとたいへんだけど、いつかスヴェティナウム行きたいな~
Black7
- 428gusukuさん からの返信 2020/05/15 07:29:17
- Re: うらやましい!
- Black7さん、おはようございます(*^^*)
コメント有難うございます♪
スヴェティナウムの素晴らしさが伝わって嬉しいです!
来月のウラジオストク行きも、ちょっと難しくなってきました(涙)
外出自粛中の今はせっせと家の断捨離、そして古い旅行記をボツボツ作成です。
お互いにまた安心して旅行できる日が来ることを楽しみに…
Black7さんもご自愛下さいませ。
428gusuku
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