2016/11/17 - 2016/11/18
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わになのかさん
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「ヨーロッパなんか旅して回っておもしろいか?」
ランチ時、混雑した食堂。向かいに座ったトムが、ふと食事の手を止めて聞いた。僕はちょうど、サンドイッチを頬張っていたところだった。サンドイッチはルッコラと生ハムがたっぷり入っていて、今日もあいかわらず旨い。スープを飲んで一息入れてから口を開く。
「おもしろいさ。元々日本にいたころから、ヨーロッパ旅行は好きだったんだ。風景とか食べ物とか日本とは全然違うからね。」
「そりゃ、日本とは違うってのはわかる。俺も中国とか東南アジアとか行くのは好きだよ。特に中国の内陸の方。西安あたりに行ったときは大冒険だったなあ。いまだにどうやって辿り着いて、戻ってきたのか思い出せないぜ。もう一回やれって言われてもできない。まあ、行けばなんとかなるけど。」
トムはパスタをすくって口に運びつつ続ける。
「でもお前はもうこっちに住んでるわけじゃん?ここも、イタリアもそう変わらなくないか?少なくとも俺にはそう思えるね。」
「そりゃあ、生まれたときからここにいる君はそうかもしれないけど、こっちにきて数年の僕にはまだまだ目新しいよ。イタリアの街並みはこことは違うだろ?食べ物もピザとかパスタとか、ここにないものがあるし」
「パスタはここにもある」
トムはそう言って、スプーンで皿のパスタを持ち上げる。
「そのパスタは、、また違うだろ」
「まあ、、そうだ」トムは肩をすくめた。正直、ドイツ、オランダのパスタは、イタリアとは別物だ。
ヨーロッパの食は地域によってかなり違う。しかも日本のように地方の物産がそこかしこのデパートやアンテナショップに出回るわけでもない。そう考えると、その地の美食を求めて旅をするのはヨーロッパ人といえども魅力的だと思うのだけど、違うのだろうか。まあ、旅に求めるのは人によって異なる。美味しいものを旅の中心にすえる我が家は珍しい方かもしれない。
「でもそのサンドイッチは旨いだろ?」
「うん、、旨い。」
「ルッコラと生ハムのサンドイッチはイタリアじゃなくてもうまいぜ」
「まあ、、そうかも」
「そういえば、」
とトムが思い出したように口を開いた。
「あの、パンは旨かったな。クリームがいっぱい入っててさ、こう、クロワッサンみたいな形で」
「クリーム入りのクロワッサンじゃないの?」
「クロワッサンじゃないんだな、これが。なんていったかな、あれ。コ、コ、コルなんとか」
「コルなんとか」
「うん、コルなんとか」
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- 乳幼児連れ家族旅行
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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三日目。今日はゆっくりとフィレンチェに滞在し、明朝にイタリアとお別れである。朝はホテルプランについている朝食を楽しむことにした。アパートメントタイプのホテルだが、近くのカフェの朝食券がついていたのだ。
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少し歩いた路地にあるカフェは人も少なく落ち着いた雰囲気だった。カウンターのパンやオードブルを自由にとるビュッフェスタイル。バスケットにはカスタードやチョコクリームがたっぷりつまった小さな菓子パンがたっぷりと盛られていた。ミニクロワッサンのようである。後から知ったが、これはコルネットと言われるイタリアの朝食によく食べられるパンだそうだ。もしかして、日本のチョココロネってこのあたりから来ていたりするのかもしれない。
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イチオシ
甘いパンと甘いカプチーノ。路地を行き交う人々を眺めながら、イタリアの朝食(コラツィオ-ネ)をのんびりと味わう。
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朝食のあと、一日目にはあまり周れなかった街を歩く。
ウフィツィ美術館。
回廊にはレオナルドダヴィンチやガリレオガリレイといった偉人の像が立ち並ぶ。 -
ウフィツィ美術館の回廊を抜けて、川沿いへ出る。
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そこから見えるのは、有名なポン・テ・ヴェッキオ(ヴェッキオ橋)だ。
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ポンテヴェッキオの上は宝飾店が軒を連ねていた。
え?欲しい?いやー、3歳の君にはまだ早いんじゃないかな、はは、は?二人に?ママと共同戦線はずるいぞ。やめて、ほんとに買っちゃいそうになるから! -
ポンテヴェッキオを渡って、しばらく歩くとピッティ宮に到着。ここには有名なボーボリ庭園があるとのことだが、今回はスルー。
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少し道を戻って、さっきはまだ開店していなかった店をのぞいた。フィレンチェの工芸品であるマーブル模様の紙を使った文房具店のようだ。
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イチオシ
お店の奥では、このような孔雀(ピーコック)柄を紙に染める実演も見せてくれた。
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お昼は市場の近くのトラットリアに入る。
Osteria Brincello
この旅の定番となったボロネーゼ。そして今回はシーフードパスタをオーダー。旨い! -
近くまで来たので中央市場にも寄って、デザートを。アイスクリームにティラミス。カンノーリを食べてみようと思ったが、普通はリコッタチーズが入っているところに、アイスが入っているものを見つけたので、思わずそちらに走ってしまった。
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まだまだ街歩きは続く。
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あらためてジョットの鐘楼や、八角形の洗礼堂、ミケランジェロの天国の扉などもゆっくり見てまわる。でも人がいっぱいなので、入らなくても良いかな。
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狭い路地に迷い込むように、そぞろ歩き。
色んなお店をのぞいてまわる。
巨大な肉を発見。うーん、やっぱり最後にあれを食べて帰りたいなあ。 -
ということで、フィレンチェでの最後の夕食は初日のレストランで、となった。
ビステッカを口いっぱいに頬張る。あー幸せだ。
あ、そんなに食べるの?やっぱり2皿頼んでおけば。。えぇ?他の料理が食べれない?いや、食べれるでしょう。。
あっという間に完食。
デザートにはパンナコッタを。 -
翌朝早々にフィレンチェを発った。僕にとっての初イタリアは本当に、なんというか、とにかく美味しかった。少し遠くへ足を延ばせば、全く違う食文化に出会える。それがヨーロッパの魅力の一つだ。帰ったらトムに言ってやろう。生ハムとルッコラのサンドイッチですら、本場は違ったぞと。まあ、でもきっと彼は言うだろう。その味の違いに旅費は見合うのかと。うん、皮肉気な彼の顔が目に見えるようだ。
飛行機の窓からはアルプス山脈がちょうど見下ろせた。この最高峰が、ドイツ圏とイタリア圏を分けたのだ。こうして簡単に行き来できるようになってもまだ、その文化の違いがちゃんと生きているというのが素晴らしいではないか。
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