2019/09/14 - 2019/09/22
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HOUKOUさん
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福岡から青島へ。
青島流亭国際空港から高密へ直行バスが出ていた。
憧れの莫言の故郷へ到着。
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福岡からは青島まで直行便がでている。
この便に乗るのは今回で三回目である。
この便の不満なことは,エアサイドでの待ち時間に大韓航空ラウンジが空いていないことだ。
ラウンジでバランタインをかっ込んで気合を入れるのが私の海外旅行の儀式になっているが残念ながら今回それができない。
仕方ないので「くつろぎのラウンジ・タイム」で野菜ジュースでも飲む。 -
青島空港に時間前(?)に到着。
さて,空港から片田舎にしかすぎない高密へスムーズに移動できるかどうかがこの旅の最大の心配事であった。
まさか空港バスがでているとはとても思えず,空港から青島北駅へ移動し鉄道を使っていこうと思った。
トリップコムで切符も予約した。
ところが旅立ちの日も近づいた頃,たまたま空港から高密までバスがでていることが分かった。
飛行機の到着時間との連絡もよさそうだ。
うまくいけば,日が明るいうちに高密に到着することもできるかもしれない。
しかし経験から言って。中国の特にローカルな交通機関の情報は当てにならないことも少なくない。
汽車の切符はキャンセルせずに安全策として取っておくことにした。
駆けこむように,長距離バス乗り場の切符売り場へ。
「高密(ガオミー)!」,更に聞き間違えられないよう「莫言的故郷(モーユエンダグーシャン)!」と付け加える。 -
ワゴンタイプのバスに乗客は3人ほど。
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運転席の横に時刻表があったが意外と便はあるものだ。
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高密に近づくにつれ,気持ちが高ぶってくる。
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着いたところは空港バスの発着所になっているやや町はずれのホテルであった。
高密でのホテル選びは鉄道駅周辺に限っていたので,このホテルの名前も知らなかったし,鉄道駅(宿が近い)がどっちの方向でどれくらい遠いのかかも全く見当がつかない。
憧れの高密に着いたのだ。
スーツケースを引きながら街歩きし,適当なところでタクシーを拾おう。 -
ところが,これが中国の田舎町のありようなのか,空きのタクシーが全く見つからない。
それこそ「マジックリアリズム」のようである。
困り果てて,通りがかりの青年に助けを求めた。
私が莫言を慕ってこの地を訪れたことを説明し,目下困っていることを伝える。
駅の方向とどれくらい遠いか?
「ヘンユエン(遠い)」らしい。
この青年の助けもあり,何とか十字路を曲がりかけたタクシーを捕まえることができた。
青年の言ったとおり,かなりの距離を走った。 -
今日から2泊する「高密正大商務酒店」。
駅にもほど近く,北向いのはスーパーやシャオチー街もあるいいロケーションである。
室内も清潔そのもの。 -
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休憩もそこそこに真っ先に向かったのは駅前通り。
今回の旅も,訪問先やホテル周辺の様子や食堂をグーグルマップや百度地図で丹念に調べている。
高密駅周辺で特に目を引いたのが「ロバ肉屋」であった。
莫言の小説に「酒国」という至極怪奇な作品があって,その中に「ロバ肉屋」が並んでいる街の一角の描写があり,それを読んで以来是非とも「ロバ肉」なるものを食べてみたいと思っていたのだ。
駅前通りは少しさびれた感じがして,莫言ワールドに近づいたようで感無量である。
歩道にはられた洗濯ロープには注意を要する。 -
これが「濾馬(ロバ)肉屋」の看板。
「濾肉」はリューロウと読む。 -
メニューにはロバ肉を使った料理がずらりと並ぶ。
何をどう注文していいか戸惑っていると,好奇心の強そうな店主から「どこから来たか?」と尋ねられたので,日本から来たこと,莫言を慕ってきたことを伝える。
メニューの写真を撮っていいかと尋ねると,うれしそうに頷く。
中国は土地々により「反日度」に強弱があるということはよく言われることである。
重慶,南京などはそれが強いというが,ここ高密はどうであろう?
莫言の小説には抗日戦争が舞台としてしばしば登場するが,当然それは不当な侵略者,残酷な加害者として登場する。
日本軍の「残虐な行為」も,有名な「紅い高粱」などで生々しく描かれている。
決して「親日」な土地柄ではないであろう。
しかし,私は重慶の南京も中国東北地方も行ったが,こちらを日本人と名乗って不愉快な思いをしたことは一度もない。
唯一不快な思いをしたのは陽朔で小さな屋台に「我的タンズ(屋台)不歓迎日本人!」という看板を見たときぐらいである。
もちろん私の話し相手のほとんどは商売人であり,一般人の感情(あるいは反応)とは違いはあるかもしれない。 -
この時,親子連れがテーブルでハンバーガーみたいなものと,スープを食べていた。
これが定番なのであろう,同じものをテイクアウトしたいと伝える。
スープもプラスティックのボールにきちんと包装してくれた。
これにホテル向いのスーパーで白酒などを買いホテルに戻る。 -
ロバ肉バーガーは,西安などの日常食ロウジャーモーみたいなパン生地に挟まっている。
何か臭みやくせがあるかと思っていたら,そんなものは何も感じなくて普通にうまい。 -
スープも馬肉をスープにしたらこんな味かと思うようであった。
一言でいえば,うまい。 -
私がこよなく愛する白酒第1弾は「西鳳酒」である。
期待したほどの味ではなかった。
最近「西鳳酒」には外れが多いように感じ,少し躊躇ったがスーパーの棚に置いてある選択肢が少なかった。 -
酔いが回ったところで夜の街を散歩。
田舎町らしく人通りは既に乏しかったが,一角だけ演芸ショーみたいなものが開かれていた。 -
小説『白檀の刑』には「猫腔(ミアオチャン)」という莫言得意の架空の「伝統演劇」が登場する。
「反乱分子」である孫丙が「白檀の刑」に処せられ瀕死の状態の前で,弟子たちにより演じられる「猫腔」。
感極まった民衆から次々を発せられる合いの手は「ニャオ!ニャオ!」。
まるで世界が猫に取りつかれたようなこのシーンは物語のハイライトである。
この架空の伝統芸「猫腔」に対応するこの地方特有の伝統芸というものがあって,それは「茂腔」というものだ。
ここ高密で「茂腔」なるものを是非見てみたかったが,残念ながら舞台では流行歌みたいな出し物であった。 -
夜食を取ろうと思ったが,食堂が閉まるのが田舎町らしくやはり早くて選択肢が限られる。
こういう状況でも,私を待ってくれているのが「蘭州ラーメン」である。 -
この旅で蘭州ラーメンを何回か食べたが,どれもあまり満足できなかった。
どういうわけかどれも手延べ面ではなかったようである。
美味い蘭州ラーメンは,注文を受けて麺をのばし始めるものだ。
その独特の麺の腰,太さが微妙に不揃いの麺も美味さの秘密とも思われる。 -
ホテルに戻り,シャワーを浴びて寝る。
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