2017/01/01 - 2017/01/01
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わになのかさん
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周囲のあちこちから何かが飛んでくる鋭い音が聞こえる。右からか?と首をすくめてそちらを向こうとした瞬間、左から炸裂音。閃光と煙が立ち上った。そうでなくても、周囲はもうもうと煙に覆われ、夜空は火花で明るい。
思わず走り出した僕の眼前で、今度は急に光の柱が立ち上がった。順々に炎を噴き上げて立ち上がる柱は合計5本。狭い住宅街の道を完全に塞いでしまっている。こうしている間にも、あちらこちらから何かが飛んでくる音と炸裂音は連続して止まない。
「仕方がない、引き返すか?!」
しかし、振り向いた先は、民家からぞろぞろ出てきた人でふさがれていた。その手には、みんな火薬を持っている。驚いたことに小さな子供まで混じっていた。
「くそ、逃げ場がない。。」
そのとき、僕のすぐ横の家の扉が開き、一人の老婦人が顔を出した。
「おや、こんばんわ。良い夜ですこと」
穏やかな笑顔で近づいてくる彼女に僕は安心した。
「ええ、こんばんわ。でもすごい状況です。危ないですよ。」
「あら、ほんとに」
婦人は上品に微笑んだ。
微笑みながら、後ろ手から爆竹を取り出すと、おもむろに僕の前で火をつけたのだった。
「ハッピー・ニューイヤー!!」
- 旅行の満足度
- 4.5
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ドイツの新年は花火によって始まる。
ちょうど大晦日の夜12時きっかりに、町のそこかしこで花火が打ちあがる。それも結構な規模の花火である。打ちあがる高さは民家の屋根を優に越えていく。それと同時に、ロケット花火が飛び交い、地面では爆竹が炸裂する。
興味本位で外へ出て後悔した。とてもじゃないが、のんびり散歩できる状況ではない。道はもうもうと煙に覆われ、そこかしこで火花が散る。耳元をロケット花火の飛ぶ音がかすめ、炸裂音が響く。ああ、きっと戦場とはこんな感じなのだろうな、と頭を低くしながら這うようにして家に戻った。 -
街の中心部ではもっと大きな花火があがっているのか、遠くの空が明るい。大通りでは若者たちがロケット花火や爆竹に興じていた。対デモ用の警官がつけるような顔まで覆うヘルメットをしていた。うん、それなら安全対策はばっちりだ、とかそういう問題じゃない。やりすぎである。
聞くところによると、ドイツでは普段は花火は禁じられているそうだ。この元旦の日だけ許されているとのこと。はっちゃけちゃうのは無理もない。 -
住宅街の路地でも、若い者に負けるなとばかりに老夫婦や家族が花火を打ち上げていた。
我が家は大人しく家のバルコニーからそれらの様子を眺めることにした。しかし、みんな楽しそうである。日本人からすると騒がしすぎるというか、身の危険を感じるまであるというか、、そんな感じだが、これはこれで良いじゃないか。
楽しい年になりそうである。
「なんかうるさい。。」
娘が目をこすって起き出してきた。さて、ここは日本式であいさつをしよう。
「明けましておめでとう」
「あけましておめでとう?もうあさ?なんかあかるい」
「花火だよ。今年も良い年になりますように」
「・・・うるさくてねれないんだけど」
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