2019/10/30 - 2019/10/31
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ひらしまさん
わたしにとっての韓国は1997年、サッカーW杯フランス大会アジア予選での「一緒にフランスへ行こう」という韓国代表サポーターの横断幕に始まった気がする。
そして、映画「シュリ」(2000年)に胸を揺さぶられた。永らく反共独裁の国だった韓国もすでに、民主派のキム・デジュンが大統領になっていた。
近くなった韓国へ行こう。仲間と連れだってソウルと統一展望台を訪ねたのは2002年だった。キョンジュやスウォンにもいつか行きたいと思いながら、あれから17年も経ってしまった。
その間に日本中のあちこちで、お母さんは韓ドラにどっぷりはまり、お父さんは嫌韓ネットに熱中し、子どもたちはKポップに夢中と、良くも悪くも韓国はすっかり私たちに身近な存在となった。
国交正常化以降最悪の関係などと言われる今、なにができるわけじゃないけれど、庶民レベルで普通の関係を続けることが大事だと思うから、訪ねてみよう韓の国。
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1日目。
成田1320発のアシアナ航空。機内食は品数少ないけどおいしい。紅茶がないというので仕方なくなんとかいう韓国茶を頼んでみたら、淡い甘さでなかなかよかった。
写真は半島上空にさしかかったところ。
インチョン空港に着き、まずは両替屋の隣にあるATMでウォンのキャッシング。ところが、なぜか最後にエラーとなってしまう。機械を変えて試みてもやはりだめ。別の場所の同じく両替屋の隣のATMに行っても、またまたエラーになる。ほかの人も成功している風はない。
しょうがないからちょっと高くても両替屋で両替するかと思ったとき、ひらめいた。これは両替屋の隠謀だ! ATMで客をおびき寄せて、でも最後にはエラーになるように設定しておき、結局自分の店に来ざるを得ないようにするという手口だ。証拠はないけど。
意地でもここでは両替しないことに決めた。韓国はタクシーにもクレジットカードが普及しているそうなので、一日くらいウォンがなくても大丈夫だろう。 -
A'REXのソウル駅直通列車はアシアナの航空券提示で値引きされる。一般列車に比べ時間的な利点はないが、クレジットが使えゆったり座れるのはありがたい。
ソウル駅で高速鉄道KTXに乗り換える待ち時間に、キャッシングに再挑戦した。最初の機械には拒否されたものの、別の場所で都合7回目の挑戦でようやく成功し、40万Wを手にすることができた。
今回の体験で、キャッシングには実行できないというリスクがあることを学ぶ。 -
1900発のプサン行きKTX(写真)に乗り、妻が買ってきた駅弁を広げる。キンパと幕の内。牛肉の辛さに韓国を感じる。レジ袋は有料だったそうで、プラごみ対策は日本より進んでる印象。
KTXは座り心地こそ日本の新幹線ほどにはよくなかったが、400kmを2時間45分で結び、6千円足らずで行ける。韓国の交通費は実に安いのだ。
プサン駅からホテルへのタクシーでは想定の倍の金額をふっかけられたが、面倒くさくて払ってしまった。初日の夜はどうもそうなる。入国したばかりでボーっとしている客って狙い目なんだろうな。 -
ホテルAVENTRYは、国際市場とチャガルチ市場の中間のビルの6階にフロントがある。流ちょうな日本語で対応してくれたのに驚いた。10階の部屋に入り、バスタブで体をほぐして眠りにつく。
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2日目。
前日の移動の疲れを感じながらもなんとか起きる。朝食後、フロントでTマネーカードを売っている店とプサンタワーへの道を尋ね、親切に教えてもらう。日本語で聞けるのはやはりありがたい。
スーツケースはもちろんリュックなども預けて、この界隈を歩く。財布とスマホ、それに水とカメラだけというのがこの旅の基本スタイルになった。
それから、眼鏡をかけたまま行動するようになったのも老化への対応。
まずはプサンタワーに上り、プサン港を一望する。 -
現代日本人の多くの祖先がおそらくこのあたりから日本列島に渡った。
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その後もずっと、人もモノも文化も、この海を介して交流してきたのだ。半島と列島は、時には戦い、時には友情をはぐくみ。
今では、博多から高速船でたったの3時間。下関からの夜行フェリーも根強い人気があるという。 -
ほんとは古来の人々と同じように海路でプサンに上陸したかった。でも人一倍乗り物酔いする我々には、玄界灘を船で渡る勇気がなかった。トゥンベリさん、ごめん。
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チャガルチ市場方向。我々が泊まったホテルAVENTRYもこの辺にあるはずだがわからなかった。
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港と反対の側には超高層住宅が林立し、韓国第2の都市であることを思い出させる。
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プサンタワーを下りて歩くとすぐに国際市場だ。正確に言えば場外らしいけど。
日本敗戦時に自然発生的に市場ができ、朝鮮戦争では避難民がここでの商売で生活し、米軍横流し品の闇市にもなり、それが今日まで続いてきているのだとか。映画「国際市場で会いましょう」そのままに、この国の激動の時代を今に伝えている。 -
衣類を扱う店が多い。妻は母のために韓国っぽい華やかなあったか靴下5足組を買った。でも母のお気に召さなかったので、妻が”サングンさまの靴下みたい”と気に入って履いている。
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道の真ん中で市場のおばさんたちがキムチでも食べてるのかと思ったら違った。市場に来た客相手に軽い食事を出している。
ホテルで教えてもらったユニクロ並びのセブンイレブンでTマネーカードを買い、2万Wずつチャージする。Tマネーカードは地下鉄やバスで使えるプリペイドカードで、これから毎日お世話になるはずだ。 -
港に向かって大通りを渡ると、こんどは魚屋ばかりが軒を連ねる。
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現代的ビルになっているチャガルチ市場より、こちらのほうが庶民的で市場という感じがする。
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チャガルチ市場の脇を抜けるとプサン港に出る。
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大きなカモメが出迎えてくれた。
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市場にはいり、案外静かだなあと思いながら見て歩いていると積極的なおばさんにつかまった。もとよりこちらもおいしい海の物を食べたいと思ってきているので、帆立、アワビ、サザエに小ダコをつけて2万という提案に乗る。支払っている間に2階から迎えが来て、帆立たちと一緒に連れて行かれる。
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2階は広い食堂だが、まだ昼前だからか、がらんとしてほかに客はいない。まず出された副菜の昆布、キムチ2種、いも、豆をつまむうちに、アワビとタコの刺身が出てきた。ところが、タコの活きがよすぎて足が動いているのがなんとも食べづらく、気持ちが落ち着かなかった。
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帆立とサザエは焼いてもらった。
帰りに請求された席料8千W、焼き代5千Wは結構とるんだなと感じたし、しかも釣銭をごまかそうとしたのが印象悪かったが、食材と総額で考えればまあそんなもんかな。 -
宿の荷物を引き取って、梵魚寺をめざし地下鉄1号線でポモサ駅に向かう。階段の前で、スーツケースを持った我々にエレベータの場所を教えてくれる人あり。
ポモサ駅で荷物を預かってくれるという情報をあてにして事務所に行ったのだが、あっさり断られ、隣のノポ駅にコインロッカーがあるよと紹介された。
やむなく行ったノポ駅のコインロッカーの前で説明書きに目をこらしていると、通りがかったリュックを背負ったおじさんが韓国語と身振りでやり方を教えてくれ、実際に預け終わるまで見守ってくれた。本当に親切な人だ。カムサハムニダ。
今韓国に行くの?気をつけてね、などと言われて来たが、結構親切にされてるよ。
梵魚寺へのバス便があるはずのポモサ駅には戻らず、タクシーで梵魚寺へ向かう。 -
タクシーを下ろされたのは向って右手の駐車場で、そこから坂を上って行った。
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青々とした竹林にどこか楽し気な土塀。
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梵魚寺は山の中腹にある。
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韓国唯一の禅宗総本山。
新羅時代の7世紀に創建されたが、韓国の多くの歴史的建造物と同じく、秀吉軍の侵略で壊滅的被害を受け、後に再建されている。
写真は普済楼の堂々とした姿。 -
ちゃんと正面から登ってくれば、この普済楼の下を通って大雄殿前の広場に出る。
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広場右手の建物。
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日本の禅寺を見慣れた目にはずいぶんと明るく華やかに映るが、これもまたよい。まわりは山に囲まれ俗世間から離れているのがやっぱりいい。
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祈りの場である大雄殿の中は撮影禁止だ。観光客の無遠慮なにぎやかさを意に介さず、信者は一心に祈りを捧げる。
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こういう素敵な建築もきっとあの人たちに支えられている。
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なかなかに大胆なデザインが印象的な梵魚寺であった。
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山門に下りてきた。
帰りはバスに乗ったが、ポモサ駅止まりと思っていたバスの終点は、荷物を預けてあるノポ駅だった。やった!
ノポ駅に隣接するバスターミナルのパン屋パリス・バゲットで休憩。疲れた体に苺ヨーグルトシェイクがとてもおいしかった。 -
2・3泊目の宿は地下鉄ソミョン駅の近くにとった。
ソミョン駅は広く、構内は若い人でとてもにぎやかだった。黒いマスクを掛けている人が目立つ。日本でもたまに見かけるけど、ここではキリッとした烏天狗黒マスクが基本みたい。
宿への出口は9番と分かっていたのに、エレベータに誘われて手前の7番で出てしまったのが大失敗。宿への方向はなんとか見定めたものの、その方向への横断歩道がないので道路を渡れないのだ。
横断歩道を探してスーツケースを引っぱり、左へ行き右へ行き、結局あきらめて地下に戻り9番出口へ回る羽目に。韓国って結構人より車優先なんだな。
写真は夜のホテル前の通り。 -
ホテル・キョンソンは京城旅館とも書く。部屋は靴を脱いで上がるスタイルで、夜にはオンドルが入り、なるほど旅館風。
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でも設備は新しくセンスは上品で、繁華街にあるけど二重窓で静か。ここの受付のおねえさんにも日本語堪能な人がいる。
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夕食は、妻が食べたいというネンミョン(冷麺)の店「春夏秋冬」へ。メニュー表にSPICY表示があるので、それの付いてないネンミョンは大丈夫と安心して頼んだけれど、出てきたネンミョンの肉の下には真っ赤な唐辛子だれがたっぷり。まっ、韓国なんだから当然だね。
こちらも当然、そのたれをまず完全除去して、味を見ながら少しずつ加えて食べる。
うまい。麺は固めで、のどごし抜群。汁はだしがきいてて、すっきりコクがある。
この旅でその後いろんなものを食べたけれど、ベストワンは結局あのネンミョンだったな。
■主な支出
アシアナ成田~ソウル往復 24980円
A'REX 7500W
KTXソウル~プサン 59800W
プサンのタクシー 10000W
ホテルAVENTRY 78795W
プサンタワー 8000W
Tマネーカードチャージ 20000W
チャガルチ市場での昼食(2人)33000W
ノポ駅ロッカー2箇所 7000W
ノポのタクシー 5100W
ホテル・キョンソン(2泊) 187278W
春夏秋冬のネンミョン 7000W
■諸費用込みレート 1ウォン≒0.095円
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この旅行記へのコメント (2)
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- ソウルの旅人さん 2019/12/11 17:02:59
- きっと伝えてよ鴎さん・・・・
- 釜山港にて「大きなカモメが出迎えてくれた」のは韓国の歓迎の印でしょう。ソミョン駅で地上に上がるも横断歩道がなく、又地下に戻ったのは同じ失敗を2回もしている私としては笑っちゃいました。国内では飲むことが出来ない苺ヨーグルトシェイクを美味しそうに飲んでおられ、羨ましいです。ああ、韓国でネンミョンを食べたい。
釜山の後、何処を旅されたか存じませんが、このあとの旅行記が楽しみです。
追記:
釜山港を望んで、「現代日本人の多くの祖先がおそらくこのあたりから日本列島に渡った。」と記されていますが、私が韓国に行くのはその祖先を探す旅です。
- ひらしまさん からの返信 2019/12/11 23:18:40
- Re: きっと伝えてよ鴎さん・・・・
- プサン港といえばあの歌の舞台だったのですね。
カモメに歓迎されてわたしの韓国旅は順調に始まったようです。
でも、地上に上がるも横断歩道なくすごすご地下に下りる経験をソウルの旅人さんもされていたとは奇遇です。
そういうのはぜひ旅行記に書いておいてくださいよ。ブツブツ。
まあ、笑いを提供できてよかったですけど。
そしてネンミョン!
わたしも食べたくなってきました。
味覚の経験を共有するっていいですね。
次はアンドンのハフェマウルへ日帰りで行きます。
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