2019/06/05 - 2019/06/06
6位(同エリア324件中)
かっちんさん
釧路湿原の北西部に位置する阿寒郡鶴居村(あかんぐん つるいむら)は、釧路総合振興局内では唯一の村となっています。
阿寒カルデラ外輪山の丘陵地を源として貫流する3つの川の流域に沿って原野が広がり、流域はいずれも農耕に適し大規模な草地が広がっています。
北部は丘陵地帯、南部は釧路湿原の湿原・湿地帯になっています。
「キラコタン岬」は釧路湿原に突き出た岬状の丘陵地で、緑に染まる湿原模様とチルワツナイ川の大きな蛇行の絶景が見渡せ、湿原の最深部に来たという実感が体験できます。
ここは釧路湿原の特別保護区域に指定され、かつて絶滅したかと思われていたタンチョウが大正13年(1924)に再発見された場所の一つです。
岬までは徒歩でしか行くことができず、天然記念物地域の国有地でもあるため、立ち入りには許可が必要です。
「キラコタン」はアイヌ語で逃げてきた村という意味で、当時海の近くに住んでいた人たちが大津波に襲われそこから逃げてきたと言われています。
鶴居村は過疎地域であるにもかかわらず、農業従事者一人あたりの平均年収額は全国一位。一人あたりの平均所得が日本一高い村です。
乳牛を主体とした酪農専業形態がほとんどであり、多頭数飼育により近代化経営が進められています。
鶴居村は特別天然記念物タンチョウが生息し、酪農台地の景観から、「日本で最も美しい村」に登録されています。
タンチョウの生息繁殖地に因み、村名を「鶴居村」と称しています。
今日は鶴居村の「ホテルTAITO」に泊まり、翌日早朝に宿のご主人がガイドする「湿原ウォッチングツアー」に参加し、「キラコタン岬」へ向かいます。
なお、旅行記は下記資料を参考にしました。
・北海道鶴居村HP
・日本で最も美しい村HP
・HOTEL TAITOのHP、館内掲示
・釧路湿原国立公園、自然解説マニュアル「⑥キラコタン岬周辺」、環境庁、平成元年
・ちょいプラ素材「釧路湿原 タンチョウとキラコタン岬が両方満喫できるTATITOネイチャー倶楽部のおすすめツアー」
「釧路湿原 キラコタン岬のネイチャーツアーで絵葉書のような風景に出会う」
・釧路湿原川レンジャーNews、2010Vol.3「第2回 釧路湿原川レンジャー学習会が開催されました」
・キラコタン岬の現地案内板
・ReRaレラ、釧路湿原のカヌーツアー「キラコタン岬」
・地下水学会誌「名水を訪ねて(118)釧路湿原の湧水」、第59巻第3号、2017
・たびらい「キラコタン岬 釧路湿原の秘境スポットをトレッキングで楽しむ秘訣」
・野人エッセイす「トリカブト 毒に囲まれた暮らし」
・季節のはなし「よもぎとトリカブトの見分け方知らなきゃ怖い違いと毒性」
・ウィキペディア「鶴居村」「クサグモ」「オトシブミ」「キハダ」
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 高速・路線バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
鶴居村の位置
釧路湿原の北西部に鶴居村があります。
鶴居市街に宿泊先の「ホテルTAITO」、湿原に突き出たところに「キラコタン岬」があります。 -
日本で最も美しい村「鶴居村」
NPO法人「日本で最も美しい村」連合は、2005年に7つの町村からスタートしました。
現在の加盟自治体は、全国63町村にまで広がっています。 -
阿寒バス回数券
釧路駅前から阿寒バス鶴居線の「グリーンパークつるい」行きに乗り、鶴居村へ向かいます。
バス料金は1,280円なので、お得な回数券が利用できます。 -
「鶴居中学校」バス停
このバス停の近くに「ホテルTAITO」があります。
釧路駅前から約1時間かかりました。 -
ホテル「TAITO」
大正5年(1916)に創業した旅館は、現在4代目の和田正宏氏が引き継いでいます。
プロの写真家でもあり、釧路湿原の季節折々の風景や生き物をカメラに収めています。 -
イチオシ
欧州のプチホテルのような建物(ホテル)
-
ネコのお出迎え(ホテル)
チェックインの手続きと翌日の「湿原ウォッチングツアー」を申し込みます。
ツアーは早朝5:00に出発し、9:00頃に戻ります。(6/初旬の日の出は3:43)
ご主人の車で案内してくれるので、定員は6名。 -
お庭にタンチョウがきている(ホテル)
置きものですが・・・
夕食前に茶色い源泉の温泉でくつろぎます。 -
夕食(ホテル)
お肉にお刺身、付け合わせなど。
ホテルは家族経営です。長男の貴義さんはフロントに、次男の倫久さんは厨房で頑張っています。 -
山菜の天ぷら(夕食)
-
湿原散策のツアー(ホテルの掲示板)
TAITOネイチャー倶楽部は自然写真家のご主人が案内役。
キラコタン岬の湿原ウォッチングツアー料金は5,400円。
ガイド料、長靴レンタル料、保険料を含んでいます。
野生動物に逢える確率99%とは凄いです。 -
翌朝、ツアー出発(車窓)
参加者6名が早めに集まったので、ホテルを4:50に出発。
夏の海霧が早朝に太平洋から釧路湿原に押し寄せています。 -
阿寒の山から切り出された丸太(車窓)
釧路の製紙会社に丸太が送られ、パルプの原料になります。 -
丘陵地を流れる川(車窓)
-
湿原地帯に近づきます(車窓)
-
「キラコタン岬」の入口
ホテルから40分ほどで到着。
用意してくれた長靴に履き替え、これから先に外来植物を持ち込まないようにします。
クマが現れるかも知れないので、出会った時の注意事項を聞きます。
先頭を歩くご主人は時々ストックで木を叩いて音を出し、クマに人間が来たことを知らせています。 -
ヨモギとトリカブトはどっち?(散策路)
ネイチャーガイドのご主人から、早速みんなに質問?
誰も答えられず・・・ -
葉の裏側で判別(散策路)
よもぎの葉の特徴は、裏に白い産毛がたくさん生えてます。
なるほど。 -
森の道(散策路)
-
シラカバ林(散策路)
シラカバは鶴居村の「村の木」です。
草地に出て来ました。 -
「クサグモ」の巣(散策路)
クサグモの網は棚網と言われる型で、糸を重ねてできた膜を低木の枝先に水平に張ります。
ガイドさんが説明してくれます。 -
湿原に生える「モウセンゴケ」(散策路)
-
小さな「アキアジ沼」(散策路)
キラコタン岬周辺には数多くの湧水があり、その流れがアキアジ沼にへ注ぎ、沼はチルワツナイ川へとつながっています。 -
天然記念物「釧路湿原」(散策路)
入口からここまでが民有地、この先が天然記念物釧路湿原指定区域(国有地)になるので立ち入りの許可が必要になります。
ガイドさんは許可証を持っています。 -
国有地の入口で外来植物などの泥落とし(散策路)
-
周辺は「ヤチハンノキ」(散策路)
-
「バイケイソウ」(散策路)
葉の上には「エゾノコリンゴ」の樹木から落ちた白い花がのっています。 -
ここは泥炭地(散策路)
ガイドさんが飛び跳ねると柔らかい地層なので周りにいるみんなの足元に振動が伝わります。
ストックを泥炭地に突き刺すとズルズルッと入ります。ストックに50cmほど入った泥の跡が見えます。
植物繊維が積もっている泥炭は燃えるそうです。
泥炭は1年間に約1mm積もります。釧路湿原の泥炭層の深さは5mほどあるので、5,000年かけて積もったことがわかります。 -
頭でっかちの「ヤチボウズ」(散策路)
-
緑の葉巻、これは何でしょう?(散策路)
「オトシブミ」と呼ばれています。
名前は、江戸時代に他人に気づかれないように手紙を道端に落として渡した「落とし文」から来ています。 -
丸まった葉を開いてみると(オトシブミ)
葉の内側にオトシブミ(虫)の卵が1個だけ生みつけられています。
その葉を葉巻のように巻くので卵を他の動物から守ることができます。
卵から幼虫になると、くるんだ葉を食べて育つので、何と合理的なこと。 -
まもなく「キラコタン岬」(散策路)
説明を聞きながら歩いてきたので、入口から1時間ほど経過しています。 -
「キラコタン岬」到着
釧路湿原の最深部にある「キラコタン岬」。
ヨシやスゲの茂る湿原とその中を蛇行する「チルワツナイ川」が目の前に見えます。
ここでは湿原をバックに記念写真を撮ってもらいます。 -
イチオシ
さらに山道を登り絶景ポイントへ向かいます
-
イチオシ
キラコタン岬から眺める絶景(絶景ポイント)
広大な釧路湿原を俯瞰できる高台に到着。
湿原を蛇行する「チルワツナイ川」、青い水面の「青沼」、遠くに釧路市街と日本製紙釧路工場の煙突など、釧路湿原の自然のままの絶景にうっとりします。
ここに1時間ほど滞在し、タンチョウやエゾシカの生態を観察します。 -
水面に映る「タンチョウ」(絶景ポイント)
タンチョウは川に入り餌を探しています。 -
タンチョウのペア(絶景ポイント)
タンチョウの夫婦は離れ離れ。
なかなか近づこうとしません。 -
イチオシ
釧路湿原を移動するエゾシカたち(絶景ポイント)
タンチョウはそっぽを向いて知らんぷり。 -
ジャンプする先頭のエゾシカ(絶景ポイント)
-
イチオシ
凄いジャンプ力(絶景ポイント)
次々と湿原に上がっていきます。
タンチョウはその様子に見とれています。 -
絶景を十分満喫できたので帰ります
-
アカゲラの巣穴(散策路)
行きとは別の景色が目に入り、大きな巣穴を見つけます。 -
エゾハルゼミの抜け殻(散策路)
-
キハダ(散策路)
樹皮はコルク質。
樹皮からコルク質を取り除いて乾燥させたものは、生薬の黄檗(おうばく)として知られ、薬用のほか染料の材料としても用いられます。 -
民有地の草地(散策路)
このあたりはガイドさんが土地を購入しており、森を再生する計画があります。 -
青空に映える一本の木(散策路)
-
牧場の風景(車窓)
散策路入口に戻り、車に乗っています。 -
あらっ、タンチョウの親子がいる!(車窓)
突然、車が停車したので何かなと思ったらタンチョウの親子。
静かに窓を開け、車内から観察します。
井上さんの農地にいるので、「井上さんちのタンチョウ」と呼ぶそうです。 -
タンチョウの家族(車窓)
お父さん、お母さんもいました。
子どもは今年生まれたタンチョウです。 -
「右向け~右」(タンチョウ)
-
お母さん「ちゃんと付いてくるのよ」(タンチョウ)
子ども 「はーい」 -
お母さんの得意技「1本足でも歩けるのよ」(タンチョウ)
子ども 「あちゃー」 -
道路の横断(タンチョウ)
お母さん「最初に左を見て」
後ろの子ども「左ってこっちかな・・・」
前のこともはマイペース。 -
イチオシ
姿勢を正して横断します(タンチョウ)
-
お母さんは立ち止まりおしっこ(タンチョウ)
-
子どもの面倒をお父さんとバトンタッチ(タンチョウ)
-
阿寒の山々(車窓)
左から阿寒富士、雌阿寒岳、右側に雄阿寒岳が見えます。 -
朝食(ホテル)
9時過ぎにホテルに戻り、これから和食の朝食です。 -
美味しそうな「鶴居プリン」(ホテル)
昨日の夕食のデザートで味わいました。 -
山小屋風のホテル
ホテルを後にし、今日は大正~昭和40年代まで走っていた「鶴居村営軌道跡」を巡ります。
釧路湿原の最深部にある「キラコタン岬」では、湿原の中で生活するタンチョウとエゾシカの姿を見ることができ感動しました。
「ホテルTAITO」に泊まり、早朝の「湿原ウォッチングツアー」はお勧めです。
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
鶴居・標茶(北海道) の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
0
60