【東京都現代美術館】子供も大人も「あそびのじかん」

2019/10/10 - 2019/10/10

改修のため3年間休館していた「東京都現代美術館」が、2019年3月29日にリニューアル・オープンしましたので行ってきました。
https://www.mot-art-museum.jp/

リニューアル前は首をかしげるような作品が多い印象でしたが、今回の収蔵作品は割とわかりやすく魅力的なアートに変わっていました。

そして、期間限定の展覧会「あそびのじかん」は子供向けかと思いきや、気付けば大人もどっぷりハマっている楽しい体験型アートでした。

エリア 錦糸町(東京)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 5.0
• グルメ: 3.5
• 交通: 3.0

• 同行者: 友人
• 一人あたり費用: 1万円未満
• 交通手段: JRローカル 私鉄 徒歩

「東京都現代美術館」へのアクセスは、「清澄白河駅」より徒歩13分や「木場駅」より徒歩15分など。

木場公園に隣接して、緑に囲まれた美術館です。

東京都現代美術館 美術館・博物館

交通アクセスがあまり良くないため、「粗大ゴミ」と評されたこともありましたが、「新国立劇場」や「東京オペラシティビル」の設計者、「柳澤孝彦」氏の美しい建築です。

東京都現代美術館 美術館・博物館

Museum of Contemporary Art Tokyo、愛称「MOT」

東京都現代美術館 美術館・博物館

早速、企画展示「あそびのじかん」へ行きましょう！

東京都現代美術館 美術館・博物館

展示室に入り、まず目に飛び込んできたのは、タンスで作られた巨大な壁！！

東京都現代美術館 美術館・博物館

カラフルなホールドが取り付けられ、まるでボルダリングのようです。

作品名は「受験の壁／開発好明」
受験生が感じるプレッシャーを表現しています。

東京都現代美術館 美術館・博物館

タンスの一段目までは登ってもいいそうですが、高所恐怖症なので遠慮しておきました。

右奥を見てみると、開いている扉がありますが…

東京都現代美術館 美術館・博物館

タンスのひとつが開けられて、通り抜けられそうです。

「裏口入学して、壁の向こう側に行ってみましょう」とのこと。

東京都現代美術館 美術館・博物館

ハンガーバーには、セーラー服が掛けられています。

高校からの友人と来ましたので、高校時代にタイムスリップした気分で…

東京都現代美術館 美術館・博物館

「うらぐち入学」すると、膨大な問題が書き込まれた迷路になっていました。

小学生以下は無料なので、引率された園児たちもキャッキャッと迷路を楽しんでいます。

東京都現代美術館 美術館・博物館

次の展示は「笑う祭壇／野村和弘」

線の外から台座に向かってボタンを投げ、見事乗せることができたら「成功！」の参加型作品。

失敗して床に散らばった色とりどりのボタンが積み重なり、しだいに姿を変える大きな絵画となります。

東京都現代美術館 美術館・博物館

小皿1杯挑戦しましたが、台座を掠るのもなかなか難しい。
見事に乗った人は、今まで9人くらいだったかな。

東京都現代美術館 美術館・博物館

次の部屋は照明が落とされて、壁には光の三原色によって作られた映像が映されていています。

「今までの行動や信頼性が一言の言葉で揺らぐなら、人のために何かをすることは∞でしかない／ハンバーグ隊」

東京都現代美術館 美術館・博物館

時々、それぞれの色が揺れ動き、他の色と混じり合い新しい色を生み出すのですが、プロジェクターを動かしているのが、なんとロデオボーイ！

東京都現代美術館 美術館・博物館

人のシルエットもひとつのアート。こちらもいわゆる参加型ですね。

「ハンバーグ隊」、他の作品を見てもユニークな集団です。

東京都現代美術館 美術館・博物館

こちらが一番楽しかった！「タノニマス／タノタイガ」

壁にズラリと並んでいるのは、作家の顔から型を取ったお面たち。

東京都現代美術館 美術館・博物館

まだデコレーションされていないお面をひとつ取り、マジックや毛糸、布などを使って、自分だけのお面を作ることが出来ます。

人気のため、混雑時は整理券が配られるそうですが、この日はすぐに参加することが出来ました♪

東京都現代美術館 美術館・博物館

30分ほど没頭して完成！

上中央が友人のお面、左下が私のお面。
お互いのお面を見比べても、同じ人の顔とは思えませんね。

東京都現代美術館 美術館・博物館

ふと周囲を見ると、みなさんすごく個性的！

ちょっと綺麗にまとめ過ぎちゃったかな。
芸術を爆発させるのは難しい。

東京都現代美術館 美術館・博物館

個性的なお面が並んだ壁を眺めているだけで、一日過ごせそう。

ちなみに「夜の巷を徘徊する」でマツコ・デラックスさんが作ったお面が、中央にあります。
木目調の紙で包んだ、「木場→木の精」をイメージしたお面。

東京都現代美術館 美術館・博物館

次の展示へ向かうアーチ部分のお面が手付かずですが、会期終了までにどんなお面が飾られるのでしょうね。

東京都現代美術館 美術館・博物館

「ポジティブな呪いのつみき／TOLTA」

言葉が書かれた積み木を組み合わせることで、奇妙な文章ができる作品。
呪いとは本来悪い影響を与える言葉ですが、ここでは「人を動かす力を持った言葉」を意味します。

東京都現代美術館 美術館・博物館

洗濯ハンガーにぶら下がっているのは、子供のころ作った、折り紙の輪っかかな？

東京都現代美術館 美術館・博物館

近づいてみると、複雑に編み込まれた文章の羅列でした。

東京都現代美術館 美術館・博物館

「漠然とした夢の雲／TOLTA」

どこかのだれかの夢を編み込んだ雲。

東京都現代美術館 美術館・博物館

夢の雲から言葉の雨が降り注ぎます。

自分から自分に対する贈り物が睡眠……共感します！

東京都現代美術館 美術館・博物館

すごく蒸し暑いだから服が背中に張り付いてでもそういうことも日常の一部……

職場のエアコンが壊れていて毎日暑かったり、瀬戸内で炎天下の中を1時間歩いた思い出がフラッシュバック。

旅行記を書いているのは、台風19号(ハギビス)を体験した後。
便利な世界で日常を感じられることは、現代の夢なのかもしれません。

東京都現代美術館 美術館・博物館

出口で「トルタロボトーク」に話しかけられました。

「嫌いなものはある？」の問いに「餡子！」と答えておきましたが、いつか「無いよ！」と答えたい。

頭の上にあるものをもらっていくのを忘れずに。
後で使います。

東京都現代美術館 美術館・博物館

「不如意の儀／うしお」
「思うようにいかないことについて」という意味。
いくつかの分かれ道を進むと、様々な生活用品が置かれた部屋があります。

人生のように、一度進んだら引き返せないのかしら？
後でレポートなどを読むと、全部回って良さそうでしたが。

私たちが進んだ道はベッドだらけの部屋。
「あわてないあわてない、一休み一休み」というメッセージだと受け止めました。

東京都現代美術館 美術館・博物館

さて、「トルタロボトーク」の頭上にあったのは、こちらの紙。

番号通りに折っていきますと…

東京都現代美術館 美術館・博物館

紙飛行機の完成！

ずっとたのしくておわるとさみしくなっちゃうようなあそびをしたいよ。

東京都現代美術館 美術館・博物館

3階の休憩スペースでは、紙飛行機を飛ばす場所が設けられていました。

箱に乗せるのは難しいですが、紙飛行機を飛ばすって久しぶりで楽しい♪

東京都現代美術館 美術館・博物館

休憩スペースには、もうひとつTOLTA展示が。

「みんなとアイディアを共有しよう」

東京都現代美術館 美術館・博物館

まるいカードから、質問をひとつ選んでアンケートに答えます。

「あそびであいうえお作文」「新しい遊びを開発しよう」「昔好きだった遊びを教えてね」「今好きな遊びを教えてね」の4種類。

「昔好きだった遊び」はいくらでも出てくるのに「今好きな遊び」？
遊びの定義って？
ぐるぐると今でもたまに考えます。

東京都現代美術館 美術館・博物館

「あそびのじかん」は、10/20で終わってしまうのが残念！

子供はもちろん、大人にも有意義な企画展でした。

東京都現代美術館 美術館・博物館

「あそびのじかん」観覧料1,200円で、「MOTコレクション」も観覧できます（「MOTコレクション」のみは500円）
リニューアルされて所蔵品がどれだけ変わったでしょうか？

ビニールシートで囲われた空間を恐々と進むと、不思議な佇まいの像がありました。
「黄色のコンポジション／マーク・マンダース」

東京都現代美術館 美術館・博物館

「あそびのじかん」の続きで錯覚しそうですが、未完成の像を作る参加型アートではありません。
触るのもNGです。

東京都現代美術館 美術館・博物館

こちらの像は木の板が突き刺さって…

東京都現代美術館 美術館・博物館

首の後ろまでグサッと突き抜けています。
実際は、木の板の周りに像をつくったのでしょうけれど。

ネタばれですが、脆く見える像は、実は堅牢なブロンズでできているのだそう。

東京都現代美術館 美術館・博物館

「（左）この星へ＃2 / （右）Unnamed＃18／小林正人」

筆ではなく手に絵具をつけ、カンヴァスを木枠に張りながら同時に塗りこめていく独特な制作。

東京都現代美術館 美術館・博物館

最後は赤い部屋。

「それは変化しつづける　それはあらゆるものと関係を結ぶ　それは永遠に続く／宮島達男」

赤色のLEDデジタル・カウンターの光を、反対側の壁際に設置されたソファーに座り眺めていると、隣に友人が居るのにもかかわらず、意識が混濁しているような不思議な気分に…

東京都現代美術館 美術館・博物館

あ！
これって、9月に訪れた、直島「家プロジェクト」の「角屋」と同じ作家さんです！

そして急に思い出しましたが、来年閉館してしまう「原美術館」でも宮島さんの作品に出会ってました。
原美術館で「時の連鎖」を見たときは「タイムマシーン？」と首を傾げましたが、一連の作品を見てテーマが分かりスッキリ。

もっと宮島さんの作品を見てみたいな。

東京都現代美術館 美術館・博物館

7/23～24にエントランスホールで行われた、文谷有佳里さんの公開ドローイング作品。

「音楽の即興演奏のように、譜面も下絵も迷いもなく、支持体に線を走らせる独自の作風」は所蔵作品でも見られます。

「MOTコレクション」は撮影OKの作品も撮影NGの作品も、まだまだたくさん。
見応えありました！

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11時に入館したのに、もう17時過ぎ。
時間が過ぎるのが早い！

18時の閉館まであと僅かですが、無料公開されている「MOTサテライト2019 ひろがる地図」も観ていきましょう。

東京都現代美術館 美術館・博物館

後半は駆け足になってしまいましたので、あまり紹介できませんが、一番初めの展示が楽しかったので何点か写真を載せます。

「空想地図　中村市／今和泉隆行（地理人）」

市販の市街地地図のフォーマットで、架空の都市「中村市(なごむるし)」を描いています。

今和泉さんは「アウト×デラックス」の出演経験もあり、「夜の巷を徘徊する」では、マツコさんと地図好き同士で話が弾んでいました。

東京都現代美術館 美術館・博物館

本当に芸が細かい！

「まちの声」では平川が結構ディスられていて、私の住む町もよくディスられるので親近感が湧きました。

東京都現代美術館 美術館・博物館

子供の頃、チラシで届く、間取り図に毎回ワクワクしていたな～

大人になって物件探しが下手だと気づいてからは、楽しんで間取り図を見られなくなりました…

東京都現代美術館 美術館・博物館

「中村市内の粗大ゴミ／今和泉隆行（地理人）」

ゴミ袋や「粗大ごみ処理券」も、もちろん架空です。
収集できないゴミまで用意されているところがさすが！

東京都現代美術館 美術館・博物館

「中村市内のポリ袋／今和泉隆行（地理人）」

間違って、飲み終わったペットボトルを置いていってしまう観覧客は、いないのでしょうか？
先ほどのゴミ袋もこちらの袋も、ミュージアムショップで購入できます。

東京都現代美術館 美術館・博物館

「Caos poetico -詩的な混沌-／荒木珠奈」

「メキシコシティの周辺部で、電気を電線から屋台や家に勝手にひいて暮している人々の景色にインスパイアされて、できた作品。電線を都市の道のひとつとして眺めると、この作品も地図かもしれません」とのことです。

東京都現代美術館 美術館・博物館

美術館のもうひとつのお楽しみ、ミュージアムカフェ。

パン好き仲間の友人と、ランチは「二階のサンドイッチ」へ♪
http://www.smiles.co.jp/upstairs/

東京都現代美術館 美術館・博物館

店内はフリーWi-Fi＆電源完備で、ひとりでサクッとランチするのに良さそうです。

風が気持ち良いので、中庭のテラス席でいただくことにしましょう！

東京都現代美術館 美術館・博物館

「沼津港直送 鯖のオリエンタルサンドイッチ」に、グラス白ワイン（1,450円）
チリソースと香草をきかせた鯖のソテーがサンドされています。

アートなテイクアウトボックスに詰めてもらって、木場公園でピクニックするのも楽しいですね♪

東京都現代美術館 美術館・博物館

地下1階にはファミリーレストラン「100本のスプーン」があります。
https://100spoons.com/mot/

混んでいると聞いていましたが、16時頃はもう空いていて、広々とした店内でゆったりカフェ利用できました。
「ピーチグリーンティー（税抜480円）」

次回はこちらでランチにしようっと♪

六本木や上野など交通の便の良い美術館も魅力的ですが、たまには喧騒を離れてゆっくりと芸術に浸る一日もおすすめです。

100本のスプーン 東京都現代美術館内 グルメ・レストラン