【瀬戸内】島アートを巡る旅（2日目：犬島・豊島）

2019/09/10 - 2019/09/13

急遽、3日間の夏休みをいただきましたので、現代アート好きとして気になっていた瀬戸内の島々へ。

2日目は直島から高速船に乗り、犬島と豊島へ渡りました。

数時間で回ることが出来てしまう「犬島」は、不思議な魅力に溢れた島。
「豊島」は半日では全然足りず、またいつかリベンジしたいです。


（1日目：直島「地中美術館」ほか）
https://4travel.jp/travelogue/11542069

エリア 直島・豊島・小豊島(香川)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 4.5
• グルメ: 3.5
• 交通: 3.5

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 5万円 - 10万円
• 交通手段: 船 JALグループ JR特急 JRローカル 徒歩
• 利用旅行会社: 楽天トラベル

宿から宮浦港へ向かう途中にある「スパーキーズコーヒー」でモーニング。

直島にはお店が少ないので、朝8時からオープンしているカフェはありがたい。
しかも、熱々のピザトースト！チーズ好きには最高♪
ゆで卵も茹で立て熱々、なかなか殻が剥けない！

グラノーラを掛けたヨーグルトに、

たっぷりのサラダにクラムチャウダー。
ドリンクを付けて1,000円でした。

今日もたくさん歩く予定ですので、しっかり朝食を食べられて感謝感謝♪

宮浦港9:20発の高速船で、家浦港（豊島）経由で犬島に渡ります。
フェリーの乗り場とは少し離れているので要注意。

列を作る場所が明確にされていないため、着船作業の妨げにならないよう、大体の人は少し離れたところに並んで待ちますが、一部の外国人や一部の関西人は列を無視してドンドン先へ行ってしまい、「ちょ待てよ！」と心の中で叫びました。

四国汽船 乗り物

定員60名ほどの高速船はほぼ満席で、その殆どが豊島で降りていきました。
キアヌ・リーブスが訪れたことで、話題になっているからかしら。

犬島に到着したのは10:15。
宮浦港から犬島の高速船は1日3往復しますが、豊島にも立ち寄りたいので、2本目の13:10発に遅れずに乗らなくては。

人口44人、面積が東京ディズニーランドの1.27倍しかない小さな島。

犬島の見どころは「犬島精錬所美術館」と「家プロジェクト」
チケットセンターでは、共通チケット（2,060円）の購入時に、帰りの高速船のチケットも一緒に購入出来ます。（クレジットカード利用可能）

コインリターン式ロッカーが有り、大きな荷物は預けられるので便利。

犬島 自然・景勝地

最初に「犬島精錬所美術館」へ向かう人が多いと予想して、まずは「家プロジェクト」から見て回ることに。

犬島「家プロジェクト」とは、犬島の集落に「日常の中の美しい風景や、作品の向こうに広がる身近な自然を感じられるように」との願いを込め、点在するギャラリーと作品を公開。
かつて建っていた民家の瓦屋根や古材、透明なアクリル、周囲の風景を映し出すアルミなど、多種多様な素材でつくられています（パンフレットより）

島の風景を見ながら「家プロジェクト」を目指していると、地図に載っていないアート作品にも出会えます（写真：イヌジマのアリ）

犬島 自然・景勝地

最初の作品へ到着しました。

【犬島「家プロジェクト」A邸】
「「Yellow Flower Dream（イエロー フラワー ドリーム）」／ベアトリス・ミリャーゼス」

犬島「家プロジェクト」 美術館・博物館

17枚のガラスにそれぞれ異なる絵が描かれ、見る位置や角度、日の光によって違った表情を見せる作品。

テーマは「想像の中の風景」
想像の中の風景に透かして、犬島の実際の風景を見ることができます。

犬島「家プロジェクト」 美術館・博物館

【犬島「家プロジェクト」S邸】
「コンタクトレンズ／荒神明香」

犬島「家プロジェクト」 美術館・博物館

3300個のレンズが吊るされ、周りの景色の形や大きさが歪んで映し出されることで、目に見える世界の多様性を表現しています。

水泡のようにもキラキラ輝く宝石のようにも見えますが、花をイメージした作品を展示しているA邸と合わせて、ここで「蝶の目（複眼）」を得て見る者が蝶となり、A邸で花に囲まれて、そこから異なった風景を各々が見出していくというストーリー性があるよう。

犬島「家プロジェクト」 美術館・博物館

A邸やS邸にも宮浦港と同じ、SANAAの「ドロップチェア」がコロンコロンと置かれています。

犬島「家プロジェクト」 美術館・博物館

「中の谷東屋／妹島和世」
アートと島巡りの休憩所。
鏡面仕上げの屋根には空や周囲の風景が映り込み、声や音が響くのも楽しめます。

こちらにはSANAAの「ラビットチェア」が。
観光客だけでなく、地元のお年寄りが「どっこいしょ」と座る姿を想像すると微笑ましい。

犬島「家プロジェクト」 美術館・博物館

【犬島「家プロジェクト」C邸】
「無題（C邸の花）／半田真規」

家プロジェクトは無人ばかりと思っていましたが、こちらともう1ヶ所は人が立っていてチケットを確認されました。

窓もなくエアコンもない中、暑くて大変そう。
この日も最高気温36℃の晴天でした。

犬島「家プロジェクト」 美術館・博物館

かつては集会所であった「C邸」にひっそりと置かれた大きな木彫は、まるで神聖な場に奉納された切り花のように静かなエネルギーを内包しています。

犬島に生きる人々から発せられるエネルギーにインスピレーションを得た本作品は、島の「生」とともに呼吸し続けています（webサイトより）

この夏に完成したばかりの新作。

犬島「家プロジェクト」 美術館・博物館

【犬島「家プロジェクト」I邸】
「Self-loop／オラファー・エリアソン」

作品の中央に立ち、自分を取り囲む3つの鏡をのぞき込むと、自分自身と映し出された風景とが無限にループする、時空の奥行きが感じられる作品。

子供のころ、三面鏡で遊んだ記憶がよみがえりました。

犬島「家プロジェクト」 美術館・博物館

【犬島「家プロジェクト」石職人の家跡】
「太古の声を聴くように、昨日の声を聴く／淺井裕介」

犬島「家プロジェクト」 美術館・博物館

集落の路地や辻の地面に広がる、ゴム素材を焼き付ける手法で描かれた、動物や植物のモチーフ。

犬島「家プロジェクト」 美術館・博物館

「地球外生命体では？」という絵柄もありますが、幾何学模様好きの心をくすぐる作品。

犬島「家プロジェクト」 美術館・博物館

石のひとつひとつにも装飾が施されていて可愛らしい。
街の風景とも不思議とマッチしています。

淺井裕介さんを知りませんでしたが、これから注目です。

犬島「家プロジェクト」 美術館・博物館

こちらにもSANAAの「ラビットチェア」が。
確か、1脚4万円くらいするのですよ。

犬島「家プロジェクト」 美術館・博物館

【犬島「家プロジェクト」F邸】
「Biota (Fauna/Flora)／名和晃平」

京都の「スタバ」や「コンラッド大阪」の風神雷神像でも、話題になっている名和さん。
犬島「家プロジェクト」で、最も見てみたかった作品です。

犬島「家プロジェクト」 美術館・博物館

神社に隣接する民家をリノベーションしたF邸。
坪庭を含む空間全体を使用し「物質的な混沌よりうまれる新しい生のかたち」をコンセプトに制作した作品。

外からは見えない左右の部屋にも、お馴染みの泡々の鹿など有りますので、お見逃しなく。

犬島「家プロジェクト」 美術館・博物館

犬島「家プロジェクト」を見終わり、いよいよ「犬島精錬所美術館」へ向かいます。

犬島精錬所美術館 美術館・博物館

結構、怖い注意書きが有りましたが、悪ふざけしたりせず、普通に見学する分には全く危険ではありません。

レンガの溝にはまらないよう、ヒールのない歩きやすい靴がおすすめ。

犬島精錬所美術館 美術館・博物館

門を抜けると、ドキドキワクワク、ダンジョンのような世界が！

廃墟マニアにも堪らない空間！！

犬島精錬所美術館 美術館・博物館

1909年に建設された「犬島製錬所」は、銅価格の大暴落によって栄えたのはわずか10年。

「犬島精錬所美術館」は、銅製錬所の遺構を「在るものを活かし、無いものを創る」というコンセプトのもと保存・再生した美術館です。

設計を手掛けたのは「三分一博志」氏。
地中熱や太陽熱、煙突による空気の対流を利用し、なんと電気を使わずに館内の空調を整えています。

外は蒸し暑いのに中はひんやり、後で地元のおばぁちゃんから仕組みを聞いて驚きました！

犬島精錬所美術館 美術館・博物館

三島由紀夫をモチーフにした「柳幸典」氏の作品。

この閉塞感を利用した圧倒的な世界観。
「なんか知ってる」と思ったら、「ヨコハマトリエンナーレ2017」のゴジラの作者だ！！！（眼のある風景～Project God-Zilla～）

こちらは、他に人が居ると台無しなところもありますので、出来れば人が居ないのを見計らって入ってみてください。

人があまり居なくても、係の人が懐中電灯片手に丁寧に案内してくださるところに、ベネッセのプロ意識を感じました。

こちらのトイレも、ちょっとした驚きがありますので、お忘れなく。

犬島精錬所美術館 美術館・博物館

ダンジョンを無事クリアーしたので、ランチにしましょう♪

遠くに見えるのはチケットセンター。確かカフェがあったはず。

暑さと蚊の襲撃に負けてカフェ探しは断念しましたが、「家プロジェクト」を回っているときに、いくつか古民家を改装したような素敵なカフェを見かけましたので、時間がある方はぜひ♪

犬島アートプロジェクト チケットセンターカフェ グルメ・レストラン

ビール、もしくは「犬島ジンジャーカクテル」で喉を潤したかったのですが、アルコールは15時からですって。

とっても、とっても残念。

犬島アートプロジェクト チケットセンターカフェ グルメ・レストラン

午後から豊島で、もうひと頑張りするために、しっかり食べておきましょう。

瀬戸内の漁師めしがルーツといわれている、郷土料理「たこ飯」にアイスティーをつけて（1,080円）

犬島に来た観光客が集結したくらい賑わっていました（ほぼ外国人）
「家プロジェクト」に立っていた青年が、こちらでも働いていましたよ。

エアコンが効いているので、船の時間までここから出たくない～
併設の「ミュージアムショップ」では、様々なグッズや書籍の販売をしているので、それを眺めるのも楽しいです。

素敵なペーパーウェイト、重くても買って帰れば良かったな…

犬島アートプロジェクト チケットセンターカフェ グルメ・レストラン

犬島13:10発→家浦港13:40着
豊島へやって来ました。

直島や犬島は、一目で「アートの島」感がありましたが、豊島の第一印象は「漁村」

豊島 自然・景勝地

なんと、殆どのアートが「closed」
キアヌも訪れた「豊島美術館」と、「心臓音のアーカイブ」を目的としていたので良いのですが、次のバスが約1時間後の14:26発。

しかも、豊島で降りた人全員が向かうみたいで、ゲンナリしてしまい予定を変更することに。

豊島 自然・景勝地

家浦港から徒歩5分の「豊島横尾館」
言わずと知れた横尾忠則さんの美術館です。

家浦地区の中心部にあった民家3棟を、改修および増築してつくられました。

豊島横尾館 美術館・博物館

設計は「永山祐子」氏。

建物の赤いガラスは、3次元的表現である建築を、絵画的2次元表現に近づけることを意図し、館の主要テーマである「生と死」を表現しようと考えられたそう。

豊島横尾館 美術館・博物館

背景や人が、昔の赤青メガネの3Dのようにも見えて、面白い。

島には日影が少ないので、帽子や日傘が必須。
お店は少ないですが、自販機は駅の周辺にいくつか有りました。

豊島横尾館 美術館・博物館

「豊島横尾館」鑑賞料は510円
展示空間は既存の建物の配置を生かして、「母屋」「倉」「納屋」で構成されています。

普通の古民家が、極彩色の横尾ワールドに侵食されて全然普通じゃなくなってる…
悪夢のような、死後の世界のような、ノスタルジックな、エロティックな…

脳が情報を処理するのが追い付かない。
のぼせたような不思議な感覚でした。

豊島横尾館 美術館・博物館

もうひとつ徒歩で行けるアートスポットへ。
closedにはなっていましたが…

地元の小学生が元気に挨拶してくれて、ほのぼのしていましたら、軽トラが猛スピードで走り抜けていきました。

「豊島には病院はなく、救急搬送に時間がかかります。怪我をしないように十分ご注意ください」だそうですので、アートにばかり気を取られず、周りに目を配らなくてはいけませんね。

豊島 自然・景勝地

「針工場／大竹伸朗」

直島銭湯「Iラブ湯」をつくられたアーティストです。

宇和島の造船所に約30年放置されていた漁船の船体用の木型を、旧メリヤス針製造工場と合体させた作品だそう。

遠くからでも見られて良かった。

家浦港16:17発→宮浦港16:39着で、直島へ帰ってきました。

歩き疲れてしまったので、直島に1軒だけある「セブンイレブン」で夕食とワインを調達して、部屋飲みすることに。
宿に着いて、すぐに雨が降り出したので正しい判断でした。

今夜の宿は、本村地区の「民宿 西村屋」さん。
女性とファミリー専用の宿で、この日は他に女性1人客のみ。
共同のお風呂も、お互い様子を見ながら、ゆっくり入浴できました。

基本のアメニティが揃い、水回りも清潔にリフォームされて快適な宿。
共同の冷蔵庫と電子レンジもあります。

民宿　西村屋＜直島＞ 宿・ホテル

和室に泊まることが少なくなっていましたので、合宿みたいで新鮮！
（エアコンは新しく静かでした）

TVもWi-Fiもあるので、YouTubeでコブクロを流したり、TVドラマ「偽装不倫」最終回の昭和な展開をツッコミながら、最後はうるうるしたり…

さて、明日は島を発つ日。
船の時間まで、直島の「家プロジェクト」を楽しみます。つづく。

民宿　西村屋＜直島＞ 宿・ホテル