2019/09/07 - 2019/09/08
25位(同エリア1027件中)
かっちんさん
2019年前期のNHK連続テレビ小説「なつぞら」の舞台になった十勝地方。
帯広駅に降り立つとスピッツの「なつぞら」主題歌が流れ、駅ビル帯広エスタでは「なつぞら展」が9/28まで開催されています。
帯広市内の真鍋庭園では、主人公「奥原なつ」に絵心を教えた「山田天陽」のロケセットを12/1まで公開しており、帯広市内はまさに「なつぞらブーム」。
北海道開拓に寄与した一つが開拓農家の甜菜(てんさい)栽培と製糖工場。帯広には大正9年に北海道製糖(現日本甜菜製糖)帯広工場ができ、甜菜を集荷するために十勝鉄道が敷設されました。
旧帯広工場の跡地には「ビート資料館」ができ、ここを見学すると甜菜の歴史や製糖工程、十勝鉄道の役割等を丁寧に説明してくれます。
その近くには十勝産小麦100%を使い焼きたてのパンが味わえる「ますやパン 麦音(むぎおと)」があります。
今日から帯広の東横インに滞在し、昨年11月から発売開始した十勝管内すべての路線バスに乗れる「ビジットトカチ パス」を利用して十勝の南部と北部を巡ります。
この旅行記では、なつぞら展、真鍋庭園の天陽ロケセット、ビート資料館、麦音などを紹介します。
夕食の鮮度抜群の回転寿司「なごやか亭」、昼食の「麦音」の焼きたてパンはお勧めです。
なお、旅行記は下記資料を参考にしました。
・北海道十勝観光パンフレット「なつぞらロケセットめぐり」「夏の帯広に遊びに行こう!」
・なつぞら応援推進協議会「なつぞらの舞台 十勝・帯広」の説明板
・スポニチ「なつぞら、異例の天陽くん献花台設置!」2019.9.4
・NHKオンライン「連続テレビ小説 なつぞら」
・「ビジットトカチ パス」パンフレット
・真鍋庭園HP
・家づくりを応援する情報サイト「屋根の形状」
・川の名前を調べる地図「機関庫の川」
・十勝鉄道HP
・日本甜菜製糖HP
・ビート資料館HP、展示資料、パンフレット
・帯広市「とてっぽ通」
・満寿屋商店「麦音」
・テレ東プラス「トコトン十勝、地元農家と共存する地域密着型のパン屋さん:カンブリア宮殿」
・ウイキペディア「イチイ」「十勝鉄道」
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 高速・路線バス 新幹線 JR特急 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
なつぞらの舞台「北海道十勝」(ポスター)
2019年前期のNHK連続テレビ小説「なつぞら」の舞台となった十勝地方。
現在、放映中であり、帯広は「なつぞらブーム」となり、ロケ地などを訪れる人たちが増えています。 -
特急「スーパー北斗」(新函館北斗駅)
東京を朝一の新幹線に乗り、新函館北斗駅から札幌行き特急に乗り換えます。 -
サイロの残る酪農家跡(長万部付近の車窓)
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煙突の立つ住宅(長万部付近の車窓)
北海道の真冬の寒さを凌ぐストーブの煙突が各戸にあります。 -
黄金色の稲穂(伊達紋別付近の車窓)
長万部から室蘭本線に入り、水田地帯が多くなります。 -
石勝線の0キロ標(南千歳駅)
昭和56年(1981)に開業した石勝線(南千歳~新得)により、札幌から帯広・釧路間の距離が短縮されました。
では、南千歳から釧路行き特急「スーパーおおぞら」に乗ります。 -
動輪マークのアパート(追分付近の車窓)
炭鉱の多かった追分付近は鉄道の要衝だったところ。
かつて鉄道員が多く住み、国鉄のアパートだったのでしょうか? -
特急「スーパーおおぞら」車内
グリーン車のあるキロ282-1には、オープンカウンター方式の車掌室があります。
乗ったのは普通車でしたが・・・ -
特急車両側面に「なつぞら」ポスター掲示
単線なので、滝ノ上駅で反対列車と交換。
その車両ドア付近に「なつぞら」のポスターと広瀬すずのコメントが書かれています。
「十勝の美しい景色の中で撮影をさせて頂き、北海道が大好きになりました。
北海道の皆さん、”なつぞら”見てくださいね! 広瀬すず」 -
帯広駅に到着
「なつぞら」のメロディーが流れる帯広駅に17:30に到着。気温は23℃。
北海道新幹線が開業後、東京から帯広まで当日中(11時間)に行けるようになりました。 -
イチオシ
「なつぞら」の出演者が勢揃い(帯広エスタ)
駅ビルの帯広エスタでは、「なつぞら展」が9/28まで開催されています。 -
週毎の台本が展示(なつぞら展)
表紙の絵がとっても可愛い。 -
雪月の包装紙(なつぞら展)
十勝の菓子屋「雪月」は「なつ」の大親友「小畑雪次郎」が育ったところ。
雪月の主人「雪之助」は「天陽」に包装紙のデザインを依頼したところ、北海道の牧場を見つめる少女「なつ」が描かれました。 -
出演者のパネル展示(なつぞら展)
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戦後の食料品(なつぞら展)
「なつ」の幼少期の話で登場した、上野の闇市でタップダンスを披露した兄「咲太郎」が、占領軍から喝采され手に入れたチョコレート、コンビーフ、ビスケット、缶詰など。 -
夕食は鮨処「なごやか亭」
帯広駅から南に2km弱のところにある回転寿司「なごやか亭 帯広大通店」。
鮮度抜群の回転寿司で、お勧めです。 -
つぶ貝、生ホタテ、やりいかの山わさびのせ(なごやか亭)
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こぼれいくら(なごやか亭)
太鼓の合図とともにお客全員が注目。
私の目の前で軍艦巻きに「いくら」を何杯も載せてくれます。
一皿598円ですが、口の中でプチっと潰れる食感と甘い味は絶品。 -
翌日は帯広駅南部の稲田町にある真鍋庭園・ビート資料館・ますやパン麦音へ
真鍋庭園は、帯広駅前から十勝バスの循環線に12分乗り「西4条39丁目」で下車し徒歩5分。
ビート資料館・ますやパン麦音は、真鍋庭園から西に2km弱なので歩きます。
バスきっぷは、十勝管内の「すべての路線バス」に乗れる「ビジットトカチ パス」を利用します。
2日パスは\2,500でお得。 -
真鍋庭園前の白樺並木
循環線の「西4条39丁目」バス停で降りると、庭園入口まで白樺並木が続きます。 -
標識「エゾリス横断注意」(白樺並木)
エゾリスが出て来そうな雰囲気です。 -
魔女のお出迎え(真鍋庭園前)
以前は魔法使いのホウキがあったのですが・・・ -
真鍋庭園入口
真鍋庭園は日本庭園・西洋風庭園・風景式庭園で構成され、25,000坪の庭を回遊しながら楽しむことができます。
入場料金は\800。
実は2017年夏に真鍋庭園を訪れているので、今回は入場しません。
そのときの旅行記「真鍋庭園 2017夏 ~魔法使いのほうきに乗って~(北海道帯広)」も参考になさってください。
https://4travel.jp/travelogue/11297846 -
天陽の馬小屋~アトリエ~(真鍋庭園)
今回は無料エリアに展示されている「天陽の馬小屋」を訪ねます。
ドラマでは、山田天陽がアニメーターを目指す「なつ」に絵心を教えた場所です。 -
山田家の馬小屋~天陽のアトリエ~(真鍋庭園)
もともと馬小屋だったスペースを、馬が死んだ後にアトリエとして天陽兄弟が使用しました。
中に入れませんが、入口と横窓から内部の様子を見ることができます。 -
入口の奥には馬の絵(馬小屋)
-
イチオシ
ベニヤ板に描かれた躍動感あふれる馬(馬小屋内部)
天陽は農作業の合間に大好きな馬の絵をベニヤ板に描き続けました。 -
天陽がいる・・・(馬小屋の横窓)
-
自画像と馬(馬小屋内部)
横窓から内部を覗いてみると、天陽の自画像と馬の絵が置かれています。
天陽亡きあと、「なつ」が自画像の天陽に向かって自分の将来について相談した場面が思い浮かびます。 -
画家「神田日勝」の絶筆レプリカ「馬」(馬小屋内部)
天陽は神田日勝をモチーフにしています。 -
山田天陽の献花台(馬小屋前)
なつぞらのドラマでは、2019年9月3日放送の第134話で、天陽が36年の短い生涯に幕を閉じました。
その翌日4日に、馬小屋の前に献花台が設置され、大勢のファンが献花に訪れています。 -
イチオシ
山田家のロケセット~天陽の家~
真鍋庭園にある2つ目のロケセットです。
天陽の家は昭和20年代と昭和30年代のものがあります。
これは昭和30年代の家で、壁がワラの束(20年代)から木材に変わり、電気を引き込み、井戸も家の周囲に設置されています。
2019年の公開は2019年12月1日まで。冬期間は真鍋庭園が休園するのでそれにあわせているようです。 -
「ハルニレ」の巨木(稲田町)
真鍋庭園をあとにし、近くの「はるにれ公園」に来ています。
樹齢推定200年、「ハルニレ」の巨木です。
では、「ビート資料館」へ歩いて向かいます。 -
「イチイ」の赤い実(稲田町)
北海道では標高の低い地域に自然分布する「イチイ」の木。
「オンコ」とも呼ばれています。 -
北海道に多いギャンブレル屋根(稲田町)
屋根の勾配が途中から急勾配になっています。
もともとは牛舎の2階に干し草を収納する目的のために、真ん中に柱を使わずに屋根組を支えるように設計されています。 -
庭を飛び回る野生の「エゾリス」(稲田町)
長い尻尾のエゾリスが民家の庭を飛び回っています。
真鍋庭園前にあった「エゾリス横断注意」の標識を思い出しました。 -
イチオシ
自慢のポーズ(稲田町)
口に木の実をくわえているエゾリス。 -
珍しい名前の「機関庫の川」(稲田町)
名前の由来をビート資料館で教えてもらいました。
「もともとは無名の川。
日本甜菜製糖工場には甜菜・製糖輸送用に敷設した十勝鉄道があり、その機関庫付近に川が流れていたので「機関庫の川」と呼ばれるようになりました。」
なるほど。
源流は約8kmほど上流(帯広市川西町付近)の湧水です。 -
十勝鉄道のトラック(稲田町)
甜菜や砂糖の輸送は時代と共に軽便鉄道から自動車へと変わり、昭和52年(1977)には帯広製糖所閉鎖にあわせ、帯広~工場前の貨物運輸営業が廃止されます。
現在は十勝鉄道のトラックが、芽室製糖所の原料甜菜・砂糖運送、石炭・石灰原石運送等に使用されています。
スズラン印の砂糖は日本甜菜製糖の製品です。 -
クサフジ(稲田町)
途中で道に迷い、売買川(うりかりがわ)の土手を歩いていて、綺麗なクサフジを見つけました。 -
ビート資料館に到着(稲田町)
昭和52年(1977)帯広製糖所を閉鎖後、平成元年(1989)日本甜菜製糖にてビート資料館が開設されました。
ここでは甜菜糖業の歴史、技術史、製糖工程、十勝鉄道について資料や品々が展示され、館長の丁寧な説明が聞けます。
建物の前にある大きな装置は、大正9年(1920)創業時から稼動していた米国アリスチャーマー社の「コーリス式蒸気機関及び発電機」で、自家発電装置として設置されました。 -
十勝鉄道の線路(ビート資料館)
線路は展示用にビート資料館前に移設されたものと思われます。
ビート資料館の入場料は300円、休館日は特定日だけでほぼ毎日開館しています。 -
旧帯広製糖所の模型(ビート資料館)
大正9年創業時の旧帯広製糖所(当時の名称は北海道製糖帯広工場)を米国ダイヤ―社の原図面から復元した、縮尺70分の1の模型です。
右側に本工場、左側に倉庫、裏にボイラー室と煙突があります。
広い構内には、社宅、クラブ、購買所、食堂、医務室、農場事務室、農夫舎、倉庫など40棟もの建物があり、十勝平野のなかに別天地が出現したようでした。 -
美しいステンドグラス(ビート資料館)
十勝の田園風景をモチーフにしています。
帯広製糖所は昭和45年(1970)に完成した帯広近くの芽室製糖所に生産拠点を移し、帯広製糖所を昭和52年(1977)に閉鎖します。 -
甜菜(ビート資料館)
ビート、砂糖大根とも呼ばれる甜菜です。
根の部分から蓄えられている糖分を取り出して、砂糖を作ります。
甜菜1個から、約コップ1杯分の砂糖(160g前後)ができます。
甜菜は3月にハウスで種をまき、4月下旬から5月上旬に苗を畑に移植し、10月中旬から収穫します。
甜菜は北海道農業の基幹作物として畑作の輪作体系に取り入れられています。 -
製造工程(ビート資料館)
製糖所に運び込まれた甜菜は、付着土砂等を洗浄除去し、細長く裁断します。
その後、温水中で糖分を抽出し、石灰をくわえて炭酸ガスを吹き込み、沈殿物として不純物を除きます。
さらにイオン交換樹脂を使い精製すると純度の高い透明な糖液となります。
この糖液を煮詰めて結晶化させ、結晶だけを回収することで、極めて純度の高い砂糖が得られます。
イオン交換樹脂に付着した不純物は、岩塩を使った塩水に浸して取り除き再生します。
砂糖を作るには塩も必要なんです。 -
砂糖の製品(ビート資料館)
グラニュ糖、上白糖、美幌製糖所のビート含蜜糖などがあります。 -
甜菜集荷区域図(ビート資料館)
北海道内の製糖会社は3社(日本甜菜製糖、ホクレン、北海道糖業)あります。
原料となる甜菜の集荷エリアは3社で協議し、製糖所近くに割り当てられています。
日本甜菜製糖は道内に3工場あるため、道北エリアが士幌製糖所、十勝エリアが芽室製糖所、美幌エリアが美幌製糖所に各々甜菜を供給しています。(オレンジ色の部分) -
十勝鉄道路線図(ビート資料館)
甜菜の栽培は明治4年(1871)に松方正義が札幌官園に試作したのが始まりです。しかし、甜菜の集荷作業が馬車だったため、製糖所の生産量が上がらず失敗に終わります。
その後20数年たち、大正9年に息子の正熊が北海道製糖を設立して帯広製糖所が完成、帯広駅~帯広工場間に専用線が開業します。
大正12年には工場専用線を地方鉄道に改めるため十勝鉄道を設立。大正12年に十勝鉄道は専用線を譲り受け、さらに南部の地域まで路線を延ばしていきます。
総延長65.5kmの十勝鉄道は、甜菜の集荷作業効率を向上させ、旅客輸送も始まり、地域の開拓に大きな役割を果たしました。
しかし、自動車の普及により、昭和34年(1959)旅客営業廃止、昭和52年(1977)貨物営業が停止し専用線の運行管理委託を除いて鉄道事業から撤退します。 -
十勝鉄道の備品(ビート資料館)
十勝鉄道の「十」の字を図案化した十勝鉄道の社章、鉄道時計、合図灯、ボルドウィン社のSL26541製造銘板などがあります。 -
とてっぽ通
十勝鉄道が走っていた線路跡が「とてっぽ通」となり、当時の蒸気機関車と客車が保存展示されています。
場所はビート資料館ではなく、西6条南20丁目(イオン帯広店近く)。
「とてっぽ」は、地元の人が親しみを込めて呼んだ「十勝鉄道」の呼び名です。 -
イチオシ
十勝鉄道の保存車両(とてっぽ通)
蒸気機関車4号は、大正9年(1920)日本車輛で製作。
客車コハ23号は、大正14年(1925)楠木製作所で製作。
昭和34年(1959)に旅客輸送が停止し、両車両が廃止されました。 -
黒光りする勇姿(とてっぽ通)
煙突にある横長になった「重」の銘板は堂々としています。 -
ますやパン 麦音(稲田町)
ビート資料館の隣にあるパン工房「ますやパン 麦音(むぎおと)」で昼食のパンを買います。
帯広市を中心に8店舗を構える「満寿屋商店」。 -
風車のある麦音
郊外にある「麦音」は広大な敷地を使って小麦が作られ、小麦粉を挽くための風車があります。
店内には焼きたてパンをその場で食べることができる「イートイン(カフェ)スペース」があります。 -
パンのリース(麦音)
麦音のパンは全てが十勝産小麦100%だけを使う「地産地消」のこだわりがあります。
麦音には風車、水車、石臼があり、風車が回ると水車が回り、その力が石臼に伝わり、小麦を挽きます。
そして、地元の木材ペレットが燃料のペレット石窯でふっくらと焼き上げます。 -
イチオシ
オープンキッチンの売り場(麦音)
パン工場を店内に併設し、売り場を囲むオープンキッチンになっており、パンの出来ていく様子を見ながら、買い物が楽しめます。
約100種類あるパンの中で、人気No.1は「とろーりチーズパン」。
2019年8月15日に放映されたテレ東「カンブリア宮殿」では、地元農家と共存共栄を図り地域の発展に貢献するパン屋の情熱が紹介されました。 -
イートインエリア(麦音)
室外にもイートインエリアがあり、広場で遊ぶことができます。
パンを食べきれないほど購入しました。
この後、中札内の「六花の森」へ向かいます。
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