2019/08/28 - 2019/08/29
636位(同エリア1500件中)
ころたさん
箱根なんてしょっちゅう来ていると思っていたが、思い返すともう5年ぶりだよ。今回は94歳の誕生日を迎えたじっちゃんをご招待しての1泊2日。
しか~し、豪雨ですよ豪雨。ゴリラゲイウって奴ですか?こりゃあ外遊びは無理だ。
でも大丈夫! 箱根には美術館がある、くさるほど。
なんであんなにあるの?逆にアウトドアの遊び場って意外にも少ないのよ。まあ芦ノ湖があれば十分と言えば十分なんだが。。
と言う訳で1日目は美術館巡りだぁ。そのチョイスは「箱根ガラスの森美術館」と「ポーラ美術館」。
安易だって?4Traの仙石原美術館ランクの1,2位だって?
いいものはいい! これでいいのだ!!
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 3.5
- 交通
- 3.5
- 同行者
- 家族旅行
- 交通手段
- 自家用車
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雨だ!それもハンパな降り方じゃない。豪雨ですよ、ゲリラゴウウだかゴリラゲイウだか知らんが、箱根はバッシャバシャ。こりゃあ予定変更だな。
ホントは芦ノ湖で軽く1mクラスのニジマスを釣ってから、彫刻の森にでも行こうかと思っていたのだが、ちと無理。 -
なので向かったのは、箱根ガラスの森美術館。箱根にゴマンとある工芸系の美術館のひとつ。
私には初訪問だ。今の企画は「ピカソ・シャガールたちのヴェネチアン グラス彫刻展」。箱根ガラスの森美術館 美術館・博物館
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園内に入ると欧風の建物と池とガラスのオブジェ。ヴェネチアとは思わないが、周りの箱根の山を借景していい雰囲気だ。
天気が良ければもっときらびやかなんだろうな。入館料は大人1500円。箱根ガラスの森美術館 美術館・博物館
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決して大きくはない館内に入ると、まずは企画展の作品たち。
これがアタリだった。1500は安い! -
入場するとまずはピカソがデザインしたTORO(雄牛)が現れる。まごうことなきピカソだ。
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これらの作品は1950年代、ヴェネチアのエジディオ・コスタンチーニが立ち上げたガラス工房が、世界の巨匠たちに新しいガラス芸術創生を呼び掛けた結果、作りだされた作品だ。つまりコスタンチーニはアートディレクターのハシリなのだ。
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しばらくピカソの作品が続く。その数、10点以上。
ピカソがコスタンチーニのガラスを気に入っていた事がうかがわれる。 -
確かにいい。ピカソのデザインとガラスの質感がよくマッチしている。
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光を反射し、光にかざされ、作品は様々な顔を見せる。
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ケンダウロスの像もガラスならでは。
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「牧神と山羊」
これ好きだな。ツルンと光を通す山羊と、面を粗らした牧神の対比が美しい。 -
これらはマックス・エルンストのデザイン。奥のケースにはチェスの駒が。
箱根ガラスの森美術館 美術館・博物館
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ジャン・コクトーはデザインと共に詩を一編送ってきた。「月」と「魚」。
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これもガラスが似合う作家、マルク・シャガール。
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「農夫」では光の透かし方、反射のし方で表情が変わる面白さ。
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シャガール作品ではお馴染みの馬。「幻想的なアンフォラと馬」
シャガールは最初からガラスにする事を考えて、あのモチーフを作ったのかと思わされる。箱根ガラスの森美術館 美術館・博物館
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部屋自体にも注目してほしい。ヴェネチアのドゥカーレ宮殿を模したと言う。
箱根ガラスの森美術館 美術館・博物館
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天井には、ヴェロネーゼによる天井画。(もちろんレプリカだが)
そして企画展はここまで。紹介できなかったが、ジョルジュ・ブラック、ダダのJ・アルプやL・ヴェロネージ、横尾忠則なんかもあった。 -
隣の建物に移ると、そこにはショップがたくさん。その2階が現代の作家を展示している。
箱根ガラスの森美術館 美術館・博物館
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デイル・チフーリ作品展。それは良いのだが、アメリカ合衆国人間国宝?
調べたらちゃんとありましたよ。英語でNational Heritage Fellows。確かにまんまだ。創設は1982年。
https://www.arts.gov/news/2019/national-endowment-arts-announces-free-events-september-18-20-2019-honor-national-heritage -
日本の人間国宝は1955年だから、こちらに倣ったのかな。
それはいいとして、色鮮やかなオブジェが並ぶ。 -
この作り方が凄い。火山の溶岩に突っ込みような重装備の助手の真ん中で、チフーリはシャツの袖を捲くって作業している。その片目には海賊眼帯。ひょっとして作業で目を失ったのか?
庭にあるイソギンチャクみたいなオブジェもデイル・チフーリ作品だ。 -
廊下を渡って別の部屋に行くと、たくさんのガラスの昆虫。
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その作者がこの人、コンティエッロ。生粋のヴェネチア生まれ。
その作業に見入ってしまう。何本ものガラス棒を組合せ、金箔を貼り、脚をつぎ足し、引きちぎり、挟んで引っ張る。 -
見る見るうちにカブトムシが出来上がっていく様は見事!
そしてそんなに時間を要していない。だからこんな凝った作品がそこそこの値段で売れるんだ。 -
美術館を出てお茶にしよう。ガラスのススキの原の向こうにあるのは、当然イタリアンレストラン。
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カプチーノとシフォンケーキで1400円くらい。まぁそんなもんでしょ。
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ここでは1時間毎にカンツォーネのライブがある。15分ほどだが、この日は誕生日の客が3人もいて、歌手のロベルト、大忙しだ。
箱根ガラスの森美術館 美術館・博物館
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3時間ほどの滞在は満足満足。企画にもよるが、かなりお勧めできるスポットだ。
箱根ガラスの森美術館 美術館・博物館
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強羅の蕎麦屋で軽く昼食を取って、向かったのはポーラ美術館。
定番中の定番だが、ここは私設美術館としては東京富士美術館と並んで抜群のコレクションを誇る。もう4度目の訪問。
東京富士美術館の見学記は、
https://4travel.jp/travelogue/11532030ポーラ美術館 美術館・博物館
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現在の企画展は「シンコペーション」。
巨匠たちのマスターピースを現代作家達がインスタレーションの一部として使い、新たな作品群にしようという試み。 -
このモネの「睡蓮」と、セレスト・ブルシエ=ムジュノの巨大な円形プールを泳ぐ陶器の作品とを並べた。
ただしムジュノの作品は2013年作なので、今回のためのインスタレーションではない。面白い作品だが、「睡蓮」と結びつけたのはムジュノではなく、この企画展のコーディネーターだろう。
https://www.youtube.com/watch?v=mpwBbm22_y0#action=shareポーラ美術館 美術館・博物館
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以下もそのような目で見ていこう。このシンコペーションは作家自らの意図ではなく、コーディネーターの仕業(別に悪意はない)だと。
そんな目で次の「石塚元太良×ルネ・マグリット」を見よう。
何点かの石塚の写真に並んで、マグリットの絵が置かれている。右の洞窟内から山を描いた風景画。 -
これに対峙するように掲げてあるのが、石塚の流氷の写真。
あ~分かるけどね。 -
「ティルマンス×マネ」
ティルマンスの挑みかかるような写真に並べられた、マネの風景画。 -
同じくマネの風景画とティルマンスの不思議な版画。
ゴメン、ここはちょっと通じなかったなぁ。 -
照明を落とした部屋に飾られたルノアール、セザンヌ、ボナール。
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その奥では横溝静の映像作品。ひたすらピアノを弾いているだけだが、この部屋の印象派達とよくマッチしていて、これは好きだな。
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ボナールの「ミモザのある階段」。
鮮やかでいいね! また照明がいいんだ。ポーラ美術館 美術館・博物館
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アリシア・クワデのインスタレーションの向こうに見え隠れする、ダリの作品。
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「姿の見えない人、馬、獅子」
雰囲気は合っている。でもあともう1,2点、増やせないかな。 -
「渡辺豊×ピカソ」
渡辺は何でもキュビズムっぽく描く作家らしく(間違っていたらゴメン)、ピカソに憧れた作品たちが本物を取り囲んでいる感じ(額入りがピカソ)。壁にビッシリと貼り付けられているのもコーディネーターの意図なのだろう。 -
渡辺は藤田嗣治もオマージュしているが、こちらは作風が180°くらい違うので、こっちの方がシンコペーションに相応しいかな。
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セザンヌの「四人の水浴の女たち」とコラボするのは、プリンツ・ゴラム。
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ここに来るともうあなたは分からない。プリンツとゴラムの二人が林の中でゆっくりと動き回る。ただそれだけ。オチはなし。
普段はあまり見ないキャプチャを読むと、
「セザンヌの水浴図、またロダンの彫刻とともに、今日的な状況下における身体イメージを探ります。」
うぅぅぅん。。。 -
「磯谷博史×ピカソ」
モノクロ写真がピカソの静物画を取り囲み、不思議な空間を作り出す。 -
最後はオリヴァー・ビアによる「声の形」
ここでのマスターピースは陶器の名作たち。彼らは楽器として登場する。陶器内の反響音をきかせるのだ。
おもしろい! -
成功・失敗取り交ぜた企画展はここで終了。
ここからは安定の常設展だ。まずはポーラらしく美人画シリーズ。ローランサン、モディリアニ、藤島武二と並んじゃったらもう、誰とお話すればいいのか。。。 -
そしてこれですよ。岡田三郎助の「あやめの衣」。
いいよねぇ。日本女性の美しさ、日本画のつつましさと西洋画の光。今の絵にはない美しさ。
日本の絵画が変わったの?それとも日本女性が変わっちゃったの?ポーラ美術館 美術館・博物館
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さすがのコレクションなのだが、照明の良いポーラ美術館の中でここだけは照明が頂けない。と言うか、絵をでかいショーウィンドウに入れたのが間違い。見にくくてしょうがない。
ポーラ美術館 美術館・博物館
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続いてドガのバレリーナたち。たくさんのドガによるデッサンも展示してあり、ドガのあの躍動感は多くの試行錯誤の結果であることが見て取れる。
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ルドンの静物画に挟まれたモネの睡蓮。その右にはエミール・ガレのガラス器。
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ポーラさんはガレの方がラリックよりお好きかな。
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最後に定番中の定番、モネの睡蓮を見て心落ち着かせましょ。
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展示室を出れば「お疲れでしょう」と言わんばかりにカフェが待ち構えている。
そうですね、じゃあケーキセットを。(また食うんかい!)カフェ チューン グルメ・レストラン
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企画展はボチボチだったけど、やっぱ常設展はいいわぁ。
また数年したら来ようかな。
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この旅行記へのコメント (2)
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- Zebraさん 2022/10/09 23:30:55
- ポーラ美術館
- 先週、箱根ガラスの森美術館には行ってきたのですが、
ポーラ美術館はパスしてしまったのです……
こんなに品ぞろえ(←美術品)が良いなら、立ち寄るんだったと後悔しています。
ベネチアンガラスの実演をご覧になっているのも、うらやましい……
- ころたさん からの返信 2022/10/12 23:09:43
- RE: ポーラ美術館
- Zebraさん
つたない旅行記へのコメント、ありがとうございます。
ポーラ美術館はお勧めです。森の中の立地と言い、ガラスとコンクリートを融合させた建物と言い、その収納作品と言い、箱根随一だと思います。そして都内の美術館のような混雑が無いのも良いですね。私もまた訪れたくなりました。
Zebraさんの旅行記にもお邪魔させていただきますので、よろしくお願いします。
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