モスクワ旅行記(ブログ) 一覧に戻る
アメリカにはAFS高校留学の1年間と医学博士取得後の研究で再度2年間留学して暮らしました。もちろん、アメリカ人の同級生も全米にいますから、何度も訪米しています、。一方、最近は食事を中心にイタリアにはまっていて31回も旅行しました。ただ、他の国にも興味がありロシアが75ヶ国目です。<br /><br />どうもソビエト連邦の時代を知っている世代として、またプーチン大統領の強面なイメージといい、あまりいい印象はないけどやはり行ってみないとわからないので、今回思い切って行きました。AFSのボランティアで知り合った数人のロシア人留学生は普通だし、一昨年はラテンのような明るいロシア人とも知り合いました。幸い、AFSでロシア留学した日本人が今はモスクワの大学にいるし、一昨年知り合ったロシア人も連絡が取れました。<br /><br />料理に関しても、宮廷料理などの伝統もあるし美味しいという人もいるけど、一般的にはあまりロシア料理は高い評価を聞いたこともない気もします。「百聞は一見に如かず」です。<br /><br /><br />【6月19日(水)】<br />いつものように、日本航空早朝便で福岡空港を発ち成田空港で1時間半くらいで乗り継ぎ(ラウンジが使えるサファイア会員に格上げされたので楽です)、モスクワ・ドモジェドヴォ(Domodedovo)空港には午後3時頃着きます。ビザが必要ですが、税関等は思ったほどうるさくはありませんでした。乗り継ぎ便はS7(シベリア航空)ですが、日航と同じワンワールドグループでここでもラウンジが使えラッキーでした。午後5時40分発の便で、サンクトペテルブルグへは午後7時前に到着です。旅行会社も考えることは私と同じらしく、飛行機は日本の航空会社だし、5つくらいのツアー客が一緒でした。<br /><br />マルシルートカと呼ばれるらしいマイクロバスK39 に乗り地下鉄のモスコフスカヤ駅まで行きます。そして、地下鉄2号線でネフスキー・プロスペクト駅へ。調べていた通り、後は歩いてホテルまで行きました。<br /><br />外はまだ明るいし、安全そうで全く問題ありません。かなり広い大通りを通って運河前のホテルの辺りへ行きます。でも、看板もありません。今は空港で3千円程度で買ったシムカードでスマホが使えるので、GPSですぐそばまで来ているはずです。目の前に血の上の救世主教会(但し、残念ながら中心部が修理中)が見えるので、場所的に間違いありません。少し躊躇していると、たむろしていた若い女性がホテルを探しているならここよと狭い閉ざされた扉を示してくれました。ついでに、3Bとボタンを押すといいと教えてくれました。よく見ると、小さな字でホテル名と英語で3Bボタンを押して合図するように書いています。教えてくれなかったら、しばらく探し出すのに時間がかかったかもしれません。<br /><br />すぐに音がして、鍵が開きました。例の安ホテルのパターンで階段で2階に上がり、フロントがありました。ここでも、ボタンを押して合図するとやっと開けてもらえます。今回は1万円以上のホテルですが、観光地で場所がいいので物価が高くなさそうなロシアでもこの程度の安ホテルなのでしょう。<br /><br />しばらくして気がつきましたが、ここサンクトペテルブルグはフィンランドのヘルシンキと同じく(実際、地図で見るとヘルシンキはモスクワよりはるかに近い)、この時期はほとんど白夜に近いようで夜の11時から朝3時くらいまで少し暗くなる程度のようです。日本との時差はいつものイタリア、フランスなどより1時間早い6時間差です。初めての通貨・ルーブルは暗算しやすく約2円です。<br /><br />明るいので、寝る前に歩いて3分の血の上の救世主教会の外観だけは裏側まで回り込んで写真に収めました。<br /><br /><br />【6月20日(木)】<br />安ホテルのパターンで、ビルの一角で2階だけの10室程度のホテルで当然の如く朝食はありません。昨日到着時に気がついた、大衆食堂が隣の地下にあります。滅茶苦茶安い! なんか黒っぽい穀物、buckwheatだから「そば」です。それとロシア風チキン、スープにコーヒーで合計175ルーブル、たったの350円です! しかも、安い割にはどれもそれなりには美味しいのです。気に入りました。<br /><br />基本的に歩いて観光するのが私のスタイルです。文字通り、街歩きです。ホテルの斜め前の気になる円柱のある回廊の横長の建物を見ながら進みます。カザン大聖堂らしいです。有名なエルミタージュ美術館前の広場に着きました。今日は美術館には入りません。夜9時まで開いている明日行く予定です。<br /><br />ネフスキー大通りから西によく見える気になる塔が旧海軍省尖塔らしいです。ここまで来ました。回りは公園になっています。目立つイサク大聖堂を目印にニコラエフスキー宮殿にロシアの民族音楽とダンスの予約に来ました。5,900ルーブル(1.2万円弱)です。<br /><br />昼食は「マーシャと熊さん」と言う可愛い名前のレストランを選びました。ボルシチが最高でした!あまり興味なく知らなかったのですが、日本で食べた有名なボルシチスープはただのそれなりの野菜を煮込んだスープの印象しかありませんでした。でも、色からして真紅です。それもそのはず、私の大好きな日本では珍しいビーツがたっぷり入ったスープなのです。味もビーツの味がして超美味しい! 知りませんでした。ビーフストロガノフは昔からそれなりに好きでした。但し、ロシア料理とは知りませんでした。しかも今回、ここサンクトペテルブルグのストロガノフ家がルーツと初めて知りました。これはそれなりに美味しいのは知っていました。<br /><br />2時半頃から、ホテルの前にもある運河を回るクルーズに乗りました。特別なことはありませんが、景色を楽しみながらのんびりしました。ただ、他の欧州の国々と違い説明が英語もなく、ロシア語のみでした。これは残念でした。一つだけ、地球の歩き方にも書いていない青い丸いドームの教会が気になりました。後で、ホテルのフロントの女性に写真を見せて聞くと、やはり有名な教会でした。調べると、世界遺産(サンクトペテルブルグ歴史地区と関連建造物群)の一つとも書いています。英語でTrinity Izmailovsky Cathedralと言うようです。詳細は後日詳しく書きます。<br /><br />着いてすぐに外観だけはたくさん写真も撮ったホテル近くの血の上の救世主教会の中に入りました。外観はいかにもロシア正教ですが、ビックリしたのは内装は意外にもイタリアのシチリア島で見た教会のようでした。天井のフレスコ画や壁に金箔が目立ちます。民族音楽鑑賞に出かける前に、隣の地下大衆食堂で軽くサラダを食べ、デザートとコーヒーにしました。キャフェテリア式ですから安くてしかも便利です。<br /><br />午後7時からの開演に備え、6時にゆっくり出発し余裕をもって30分以上前に着くはずでしたが、スマホのナビで何故か別方向へ行き、途中で気がつきました。慌てて、必死で運河沿いなどを歩き、開演ギリギリ前に間に合いました。英語で“Feel Yourself RUSSIA”と言うFolkshowです。<br /><br />ニコラエフスキー宮殿を使っているので豪華な反面、柱が数本あり少し邪魔でした。でも、ロシア独特らしい楽器演奏あり、それに合わせて民族ダンスは見応えがありました。しかも、ダンスにストーリー性があり、意外にもユーモアたっぷりでした。暗いイメージのロシア、ソビエト連邦と真逆でした。特に、一昨年アイスランドでラテンのように明るいロシア人女性に知り合ってから少しずつロシア人のイメージが変わりつつあります。<br /><br />午後9時前に終わった後、閉館まであまり時間がないので慌ててイサク聖堂の回廊へ行き、街の眺めを楽しみました。でも、よく考えると夜と言ってもまだ明るく昼間と変わりません。決して、「夜景」などではありません。その割には、夜と言うことで値段だけ高いのです。運河のクルーズで気になった青いドームの教会がここからもやはり目に入りました。<br /><br />まだ明るい午後10時過ぎにホテルに戻り、また隣の地下食堂でサラダだけ食べました。気楽に安く食べられるので便利です。ホテルは超質素ですが、場所は最高に便利です。どこへもほとんど歩いて行けます。<br /><br /><br />【6月21日(金)】<br />朝はいつものようにゆっくりして、隣の地下で軽く朝食。11時も過ぎてから歩いてイサク聖堂へ再び行き、今度は内部を見学しました。イタリアの教会のようにかなり内装も豪華です。金色も目立ち、シチリア島の教会に少し似ている気もします。中央真上の丸屋根部分に描かれた「聖母マリアの栄誉」も素晴らしい! いつものことながら、真上を見るので首が疲れます。<br /><br />エルミタージュ美術館前の宮殿広場に行く途中のレストランに入りました。ロシア語は全く勉強したこともなく、ローマ字と同じ文字が半分くらいで分からない文字(キリル文字)が半分くらいです。でも、ローマ字の認識しやすい文字を一生懸命見て読んでいるとrestaurant(restoran)は解明できました。pectorahです。pがrで、cがsで、hがnらしいのです。<br /><br />「レストラン」は私には一番大事な単語です。世界中回って発見したこと! 多くのアルファベットを使う国で同じような単語です。英語のrestaurant、発音は違うけどフランス語もドイツ語も同じ綴りです、イタリア語のristorante、スペイン語でrestauranteなどです。でも、日本語のローマ字通りのrestoranを見つけました!それは、クロアチア語です。まぁ、細かいことを言うとresutoranではありませんが・・・<br /><br />話しを戻すと、このレストランもなかなかでした。ビーフストロガノフは昨日の方が美味しかった気もしますが、ロシア風キャベツスープが最高に美味しかったです。私の好みです。少し酸味が効いています。たった280ルーブル(550円程度です!)で忘れられない味です。ストロガノフも付け合わせのポテトとピクルスは非常に美味しかったです。全部で1,985ルーブルですから、食べ物の物価の安そうなロシアにしては値段はそれなりです。<br /><br />それから宮殿橋(跳ね橋)を見に行きました。残念ながら、両側に跳ね上がるのは夜だけのようです。それでも、真ん中に亀裂がありそこから両側にせり上がるのが想像できました。<br /><br />午後2時頃になってようやくメインイベントのエルミタージュ美術館見学です。この日を選んだのは金曜日(水曜日も)は午後6時でなく、午後9時までオープンしているので、気分的にゆったり回れるからです。別の建物の新館から先に入りました。ルノワール(ジャンヌ・サマリーの肖像)、ゴッホ(ライラックの木)、モネ(ジヴェルニーの干草)、ゴーギャン(果実を持つ女)などの超有名な印象派絵画が次々に見れました。私の地元福岡でのテレビCMでは、リョーユーパンがジャンヌ・サマリーが絵画から抜け出す設定で有名です。<br /><br />それから、別棟の本館へ移動したのが午後3時半過ぎでした。広過ぎて地球の歩き方の地図があってもスムーズに移動できません。「宮殿装飾巡り」とも呼ばれる豪華な部屋が沢山あります。これは、イタリアのカゼルタ宮殿、ナポリの王宮などと似ています。<br /><br />絵画はイタリア美術はレオナルド・ダ・ヴィンチ、ラファエロ、カラヴァッジョなどの絵画が並んでいます。スペイン美術では、ゴヤ、エル・グレコ、ベラスケスなどが、オランダ美術では、ルーベンスやレンブラントの絵画が鑑賞できます。<br /><br />流石にだんだん疲れてきて、午後7時15分頃には美術館を出ました。それなりに十分堪能できました。宮殿広場では、何かパーフォーマンスをやっています。宗教団体でしょうか?<br /><br />帰り道(何度も歩いて通り過ぎた)に気になっていた高級そうなレストラン(Empire Restaurant)があり、入りました。午後8時頃です。昨日は、昼間でまだオープンしていませんでした。看板にストロガノフ家の伝統的ビーフ・ストロガノフと書いています。もちろん、注文しました。最初に、ボルシチを注文すると、ビーツなどの野菜に何と目の前で熱いスープを注いでくれるのです。パンも美味しく、バターに少しキャビアまで入っています。さすがロシアです。肝心のビーフ・ストロガノフですが、本格的なステーキにソースとしてマッシュルームソースがのっている感じです。美味しいですが、食べ慣れたもう少し肉を小さく切った牛肉料理というような普通の方が個人的には好きです。実際、もう2回すでに食べたストロガノフはそんな感じでした。飲み物はいつものようにアルコールが駄目なのでミネラルウォーターです。さすがに合計2,651ルビーですが、内容を考えたらそんなに高くは感じません。どうせ外はまだ明るいのですが、疲れて午後10時半には寝ました。いつものように、今日も5~10kmは歩いていると思います。<br /><br /><br />【6月22日(土)】<br />今朝も隣の地下大衆食堂で朝食を。試したかった冷たいボルシチ(これもビーツでまっ赤)、オートミール(ちょっと甘いけど)、サラダとコーヒーで美味しく食べれました。しかも、たったの155ルーブル。300円です!相変わらず、安くて美味しい庶民の味方です。<br /><br />今日はいよいよモスクワへの移動日ですが、午前中ずっと気になっていたTrinity Izmailovsky Cathedralへ行きました。ここも思ったより地下鉄駅に近く便利な場所でした。ロシアは食べ物も美味しく気に入ったのですが、唯一困るのが地名です。この教会も検索すると、日本語だと至聖三者大聖堂(トロイツキー大聖堂)と呼ぶそうです。前者の日本語も「至聖三者」と言われても、キリスト教徒でない私にはチンプンカンプン。しかも、横文字表記も私がフロントの女性に聞いたのでは、Izmailovsky、つまり「イズマイロフスキー」のはずなのに、何故か「トロイツキー」と表記されています。Trinityがロシア語でトロイツキーかもしれません。<br /><br />まぁ、今回がいい例でインターネットで簡単に検索できるので便利な時代です。教会(大聖堂)のことも簡単に調べられるし、地図もすぐに出せます。<br /><br />午前8時過ぎにホテルを出て、地下鉄に乗るとたったの2駅。もう8時半には大聖堂が見えます。でも、9時まではオープンしないと調べています。近くに喫茶店を見つけ、イタリアほどは美味しくないカプチーノを飲みながら時間をつぶしました。<br /><br />中に入ると、他のヨーロッパの国々と違い写真撮影はダメと書いています。でも、あまり人がいなかったのでこそっと2枚だけ撮りました。<br /><br />その後、列車の時間までまだあるので、エルミタージュ美術館ほどは有名ではなくても地元のロシア人の作品が多いらしいロシア美術館へ行きました。でも、ここも入り口に少し行列がありました。<br /><br />あまり時間がないので、地球の歩き方に書いている有名な作品を中心に見ようとしましたが、手元の2018~2019年版でさえ展示がずいぶん変わっていることに気が付きました。確かにロシア人の作品が多いようです。クストーディエフの「お茶を飲む商人婦人」などが気に入りました。<br /><br />海外では、補助金があるらしく地下鉄などの公共手段はかなり安いです。ロンドンの地下鉄は高いですが。たった45ルーブルと大きい荷物45ルーブル、合計90ルーブル払って地下鉄で、ここサンクトペテルブルグのモスクワ駅へ移動します。ややこしいことに、ロシアでは駅の名前が到着(出発)駅の名前のようです。<br /><br />午後1時ちょうどに予定通り、ネット予約した高速鉄道「サプサン」が静かに走り始めます。イタリアと違って初めての列車ですから、少し高めの6,619ルーブルのチケットを買いました。半信半疑だったのですが、どうも2,000ルーブルまでは食事可能の席のようです。食堂車です。念のため、コーラとサンドイッチを買い込んで乗り込んだのですが、タイ野菜炒めとライス、コーヒー2杯、炭酸水と注文しました。なかなか快適な列車の旅で4時間で予定通りモスクワのレニングラード(サンクトペテルブルグの旧称)駅へ到着しました。<br /><br />駅からすぐにスターリン7姉妹の豪華な建物が見えます! これが宿泊予定のモスクワ・ヒルトンホテルです。我ながら、サンクトペテルブルグとは雲泥の差です。<br /><br />今回のヒルトンホテルは超豪華です、私にしては! サンクトペテルブルグのホテルが1.1万円程度で安ホテルだったのに比べたら雲泥の差です。2人の女性にホテルまで迎えに来てもらうので、カッコ悪くなくてすみました。サンクトペテルブルグのホテルだと少し恥ずかしかったですが・・・ この豪華さなら、値段も1.8万円程度とそんなに高くはありません。首都のモスクワだけど、中心部からは少しはずれるからかもしれません。でも、すぐ近くに列車の駅があるから選んだし、地下鉄の駅もより近くで便利な場所です。<br /><br />せっかくの高級ホテルですから、早速コンシェルジェにボリショイバレエの予約を頼みました。たぶん、火曜日の夜のチケットが取れそうです。8,000ルーブル程度のようです。現金で前払いしました。さすがに安くはありませんが、高くもありません。世界的に有名なバレエですから。<br /><br />近くをしばらく歩いて、レストランに入りました。ニシンの蒸し焼き(1,590ルーブル)、野菜炒め、スープ、ピロシキ3個を注文して3,490ルーブルとやや高めでした。やはり、モスクワはサンクトペテルブルグよりは物価が高いのでしょうか?あまり食べていなかったピロシキですが、これはあまり感動はしませんでした。でも、スープ類はどれも美味しいです!<br /><br /><br />【6月23日(日)】<br />昨夜は一回しか目が覚めず、睡眠時無呼吸症候群の私としてはまぁまぁでした。世界中、CPAP(経鼻的持続式陽圧呼吸療法)の機械を持ち回しています。現在のは日本製で、軽くてリュックに収まるので助かります。最初にフィリップス製を使っていた時は、余分に一つ小さいカバンが増える感じでした。だいぶ眠りの質はよくなりましたが、どうも顎を支えるヘアーバンドがずれたり、鼻に当てている装置がずれたりして、無呼吸になり夜2回くらいは機械を使っていても目が覚めます。<br /><br />朝7時過ぎに起きて、バイキングの朝食会場へ。さすがに、ヒルトンホテルでの朝食場は豪華で何でもありです。野菜の好きな私は、生野菜サラダをたっぷり取り、オリーブオイルと塩、コショウで味を調えます。世界中にだいぶ普及してきたイタリア・モデナのバルサミコ酢がここにもあったので、追加して自分用のドレッシングの出来上がりです!<br /><br />モスクワ観光初日の今日は、とにかく一番有名そうなクレムリン、赤の広場へ行くことにしました。午後からは以前知り合ったAlinaが案内してくれることになっています。<br /><br />赤の1号線で乗り換えずに地下鉄ビブリオチェーカ・イーメニ・レーニナ駅で降りると目の前にクレムリンの建物が一部見えます。でも、中に入るのに行列があり、入場料が要るのを全く知りませんでした。それも、とにかく9時半頃オープンらしくうまく列の初めに並べたと思っていたら、チケット売り場は別の場所です!結局、並びなおしです。それでも、10時には中へ入れました。<br /><br />印象として、クレムリンの広い広場には人がいず、勝手には歩き回れない雰囲気でした。警備員(警察?)が見張っています。いくつもの教会のような建物があります。一番好きな鐘楼には上れませんでした。どうも、事前にチケットを買っておかないと中に売り場はないようです。高いところからは眺めがよく、なるべく必ず上るのですが、残念でした。<br /><br />中の教会をいくつも見た後で、入場したのとは反対側から外に出ると、有名な赤の広場です。モスクワのシンボルであるあのユニークな形の教会が見えます。聖ワシリイ大聖堂です。ロシア正教の教会です。普通のキリスト教の教会とはずいぶん形が違います。建立は1560年です。1990年に世界遺産登録したようです。<br /><br />午後1時頃、地下鉄の駅にある食堂で軽くロシア餃子とスープを食べました。なかなかロシア料理は美味しく満足です。モスクワの地下鉄は55ルーブル(110円)です。サンクトペテルブルグはもっと安く45ルーブル(90円)でした。余裕をもって2時前にはホテルへ戻りました。3時にAlinaが迎えにやって来ることになっています。<br /><br />Alina Araslanovaが約束通り午後3時頃ホテルへやって来ました。これは、チェコの女の子から聞いていたく感心したのですが、ロシア人などの苗字に多い語尾のovaは女性だけで、例えば彼女のお父さんの苗字はAraslanov(英語表記でAraslanoff)です。テニスの女王、チェコスロヴァキアのマルチナ・ナブラチロワ(Martina Navr&amp;aacute;tilov&amp;aacute;やロシアのマリア・シャラポワ(Maria Sharapova)なども確かに語尾がオヴァ(日本語発音はオワ)です。しかも医者の私にはすぐにピンときましたが、ovaは英語のovaryまたはラテン語のovarium(卵巣)からきているのです。国によって名前はいろいろ特徴があり面白いですね。<br /><br />イタリア語でも、女性の名前の語尾は「ア」で男性は「オ」です。ロベルタ、ロベルト、マリア、マリオ、フランチェスカ、フランチェスコなど。<br /><br />地下鉄に一緒に乗りましたが、アリーナがTroyka Card(トロイカカード)なるプリペイドカードを教えてくれたので、安いうえに非常に便利です。たったの55ルーブルでも安いのに、このカードを使うと38ルーブルになるそうです。駅名もチェックしませんでしたが、地下鉄駅を降り子供博物館の屋上へ連れて行ってくれました。ここは彼女に言わせると、隠れ名所で屋上ですから無料ですし、街の眺めを楽しめます。しかも、ちょうど探していた赤ちゃん用の服も見つけ買いました。三男の嫁が8月に出産予定だからです。898ルーブルでしたが、残念ながらお土産らしくモスクワ、ロシアなどのロゴが付いたのを期待しましたがありません。どうもフランス製らしいです。<br /><br />アルバート通りを歩きました(この時は名前は意識していませんでした)が、歩行者天国でストリートパフォーマンスもあり、楽しみながらのんびり歩けます。いつの間にか、赤の広場へやって来ます。実は午前中に来たばかりですが構いません。グム百貨店の一階はアーケード街みたいになっています。両端にアイスクリーム屋さんがあって、立ち食いしながら通るのが流行りらしいです。ただ、食べ物はかなり気に入った私ですが、アイスクリームはイタリアのジェラートほどは美味しくないと感じました。<br /><br />すぐ近くのモスクワ川にザリャージェ公園があり、そこから川に向かってflying bridgeともfloating bridgeとも呼ばれる橋があります。橋と言っても、2ヶ所を渡すわけではなく、V字型の突出のみで支柱もなく川の上に飛び出しています。おかげで、近くの赤の広場のワシリー寺院やクレムリンの出口にあるベクレミシェフスカヤ塔などがきれいに見えます。<br /><br />それから、モスクワ川沿いのクレムリン川岸通りをひたすら歩きました。午前中にも見えていた教会、ずっと気になっていた教会に向かいます。やはり有名な教会のようで、救世主キリスト聖堂という名前のようです。<br /><br />旧ソ連らしいエピソードがあるようです。1883年に完成した大聖堂ですが、革命後は宗教弾圧の対象となり、1931年に何とスターリンが爆破したそうです。フルシチョフの時代には屋外温水プールとして生まれ変わったそうです。ソ連崩壊により新生ロシアの象徴として再建が決まり、2000年8月に完成したそうです。<br /><br />このように、ヨーロッパの若者と市内観光するとひたすらお金を掛けずに歩きます。私の街歩きと同じスタイルで私には違和感なく楽しめます。もちろん、途中では色々な話をします。フェイスブックで繋がっていたのですが、私の記憶違いでMIRAIプログラムで大学生として東京に来ていたメンバーだと思っていたのですが、知り合ったのは同じAFSのプログラムでも3年前のヴェニスでのVSS(主に欧州AFSの会合で若い人が多い)だったようです。ですから、3月に会ったヴェニス在住のイタリア人ミケーラや今回は会えなかったラテンのように明るいロシア人エカテリナなどが共通の友人です。<br /><br />AFSらしく彼女もリターニー(高校留学経験者)で、タイに1年間行ったそうです。行先が希望ではなく、タイに決まった時には興味もないし、何も知らなかったそうです。回りにもそんな国はやめておけと言われたそうですが、好奇心で行くことを決めたようです。実際に行ってみると、よくある話で最初はともかく、徐々にタイ料理も大好きになり、素晴らしい経験をしたようです。ですから、ボランティアとしてAFSの世話をしているわけです。後日会うななえちゃん(福岡からのAFSロシア高校留学経験者)も世話をした一人だったようです。<br /><br />そのまま夕方は高級レストランで一緒に食事です。もちろん私がおごるのでシャレたレストランに案内してくれと前もって頼んでいました。スターリン様式ビルの一つ、外務省ビルの近くのデパートの14階で、少し入り口が入り組んでいました。もちろん、眺めも良く、二人で2万円ほど(10,616ルーブル)の食事を楽しみました。<br /><br />一部意味が不明ですが、英語メニューだとSalad with tongue (1,200R), jellied king crab(1,530R), rhubarb shchi(soup) (820R), boar(イノシシ肉)cutlets x2 (1,960R), scallops (2,496R)などです。サンクトペテルブルグよりは早く夜が更けるので、午後9時頃には高層階の窓から夕陽で向かいの外務省ビルが赤く染まる眺めなどを楽しめました。<br /><br />夜もだいぶ遅くなったのですが、少し遠回りしてくれて一緒に地下鉄で私の駅まで送ってくれました。地下鉄は25時までに乗れば大丈夫らしく、意外と治安もいいのでしょう。若い女性が歩いて帰れるのですから。<br /><br /><br />【6月24日(月)】<br />今日は一人で市内見物です。ゆっくり10時過ぎに出発しました。昨日アリーナが教えてくれたVernissageへ行ってみました。でも、お土産屋だけでレストランも、特に聞いていたイスラエル料理店も見つかりません。観光客向けに山のようにマトリョーシカ、帽子などはあるのですが、赤ちゃん用の服は売っていません。<br /><br />最寄りの地下鉄駅まで戻り、近くのホテルのレストランIl Cantoと言うイタリア料理店のような名前のレストランへ入りました。でも、注文したのはオリヴィエのサラダとスープとロシア料理でした。このサラダは今福岡へ留学しているロシア人お勧めでした。ただ、美味しいけど珍しくはないサラダでした。<br /><br />地球の歩き方で見て眺めが良さそうなので「雀が丘」へ行きましたが大変でした。地図で見て少し歩くのは覚悟していったのですが、ヴァラビヨーヴィ・ゴールィ駅で降りるとまだかなり距離があります。スマホのナビのおかげで方向は確認できますが、かなりの崖を上らないといけません。そうしないと上にある道路には行けないからです。やっとの思いで崖を上りました。それからもかなりの距離歩きました。やっとそれらしき場所へ着いたのですが、ケーブルが動いていません。建物がほとんど閉鎖しています。しばらく、探索したけど無駄でした。<br /><br />ひょっとしてと思い、もう少し奥まで歩いて行くと、何もないけれどもやっと眺めのいい場所に出ました。でも、サッカーワールドカップ決勝戦で使ったスタジアムなどが見えましたが、それほど絶景でもないです。また、あの崖を今度は下って地下鉄駅まで戻るのも大変です。ふと反対側を見ると、スターリン7姉妹の中でも一番大きそうな立派なモスクワ大学のビルが見えます。きっと立派なキャンパスに違いありません。スマホのナビで見ても、とんでもなく広大な敷地で地下鉄の駅も相当遠いです。でも、先ほどの崖に戻るくらいなら有名に決まっているモスクワ大学の広大なキャンパスを見物しようと歩きだしました。目の前に見えるけど、軽く1kmはあります。<br /><br />ちょうど卒業生らしき人影があり、どうも中国人のようです。左折して右折してキャンパスの横側から入れるかなと期待したら、厳重に鍵がかけてあり、途中にある検問所では厳しいチェックがありそうです。残念ながら、中には入れないようです。平地とは言え、ひたすら歩いてようやくウニヴェルシチェート駅(Universitet)、つまり(モスクワ)大学駅に着きました。おかげで、キャンパスの広さがよ~く分かりました。<br /><br />デッキー・ミールという児童向け販売店が市内にいくつかありそうで、地下鉄ルビャンカ駅近くの店を見つけ、ようやく赤ちゃん用の売り場を見つけ、もう2枚生後1ヶ月と3ヶ月用のベビー服を買いました。これもフランス製らしくモスクワなどのロゴはありませんが、1枚はテニスラケットのロゴがあり、私と同じくテニスをやる3男夫婦にはいいお土産になります。2枚で8千円以上ですから、まぁ上等です。<br /><br />いつの間にか、また赤の広場へ来ていました。見落としていたレーニン廟がありましたが、中には入れませんでした。午後1時までしか開いていないようです。近くを通過していたのに、カザンの聖母聖堂を見つけるのに結構苦労しました。ちょうどミサの最中で、牧師さんの説教がちょうど仏教のお経のような抑揚で妙に懐かしく聞こえました。また、3人の女性によるお経に合わせたような歌が絶妙で、しばらく聞き惚れていました。残念ながら、撮影禁止でした。ロシアはイタリアなどと違い、内部は撮影禁止が多いような印象です。地球の歩き方にはカザンの聖母のイコンがサンクトペテルブルグのカザン大聖堂に移されたと書いています。サンクトペテルブルグのホテルの近くで、毎日のように見ていた大通りに面した横長の建物でしたが、いつも目的地に行くのに忙しくて中は見ませんでした。しかも、その写真を見て、自分のお土産に買った女性の像が「カザンの聖母」だと気が付きました。<br /><br />何回か通ったニコリスカヤ通りで高級喫茶店に入り、珍しくケーキとコーヒーセットで約1,800円(コーヒー250ルーブル、ケーキ650ルーブル)を注文しました。こんなに高いのは我ながら初めてです。ベリー好きな私ですが、英語でisberryと書いてあるのが気になりました。後で辞書で調べてもないので、読み間違いかもしれません。ブルーベリーのような色でした。味も、とにかくベリー類の味でした。<br /><br />地下鉄でスモレンスカヤ駅へ移動しぶらぶらしたら、これが有名なアルバート通りかと気付き、しかも昨日アリーナと歩いた通りだと気づきました。やはり、自分で地図を読みながら確認して歩くのと、人任せで歩くのでは記憶に残るのが違います。<br /><br />まだ明るいですが午後7時頃になり、時々見かけるロシア以外の旧ソ連国の料理、アルメニア・ジョージア料理店に入りました。ジョージアの国名はグルジアと以前は日本語で呼ばれていました。英語ではアメリカのジョージア州と同じ綴り(Georgia)なのにと不思議でしたが、数年前にジョージア政府が日本政府に「ロシア語読み」のグルジアでなく、英語読みのジョージアに変更要請があったようです。旧ソ連邦から独立しただけあって、反ロシアのようです。<br /><br />昨年ノルウェーに行って知ったのですが、ノルウェーでもロシアは嫌われています、と言うか恐れられています。ちょうど多くのアジアの国々が中国を怖がっているように。覇権主義だからです。しかも、ビックリしたのは何とノルウェーがロシアと国境を接しているのです。普通の地図では見落としそうな北極圏で繋がっているのです。<br /><br />そういう政治的な意味とは別に、国民はそんなに悪い人たちではないというのが今回の印象で、しかも全般的に食事も期待よりはるかに美味しい。やはり、実際に体験してみないと一国の評価はできません。幸い、私はもう75ヶ国くらい経験しました。幸せな人間です。<br /><br />肝心のアルメニア・ジョージア料理ですが、ビーフスープはここでも最高でした。今のところ、どこもスープは抜群に美味しいです。仔牛料理はイマイチでした。野菜も少し油っぽく、くどい感じでした。全部で2,140ルーブルだから結構いい値段です。<br /><br />腹ごなしに通りに戻って歩くと、ストリート・パーフォーマーの女性シンガーの声が素晴らしく聞き惚れました。迷わず200ルーブルのチップを帽子に入れました。<br /><br /><br />【6月25日(火)】<br />今朝も豪華な朝食です。いつもの野菜サラダに始まり、珍しくパンケーキを食べました。いつものコーヒーでなく紅茶にしてみました。ロシア風紅茶はジャムを紅茶に溶かすのではなく、ジャムを舐めながら紅茶を飲むらしいと知ったので試してみました。正解です! 溶かすと甘さと紅茶の渋みが変に混ざる気がしますが、甘いジャムを舐めながら紅茶を飲むと甘さと紅茶が別々に楽しめました。午前11時に待ち合わせなので、部屋でのんびりしました。<br /><br />ロビーで待っているとななえちゃんが来ました。彼女は私が支部長をしているAFS博多支部(福岡)出身で高校留学でまずロシアに1年間滞在し、気に入ったらしく現在はモスクワ大学の学生です。何と昨日見物した巨大なモスクワ大学です!日本で言えば東大です。<br /><br />高校留学に出発する前は失礼ながら平凡な日本の高校生でした。ところが、彼女は1年間の高校留学を経てたくましく成長しました。積極的になり、ミスコンにまで出場しました。そして、難関のモスクワ大学に合格。日本では休学扱いになり1年遅れるので、大検で高卒資格を取り受験資格を得たようです。私は普段ボランティアをしているおかげで、優秀な日本人の若者と知りあえますし、一昨日のアリーナのように世界中の優秀な若者とも知りあえます。しかも多くはAFS高校留学経験者で国際的です。みんな英語はできます。実際に多くの人と外国で会っています。ただの観光旅行以上の楽しみがあります。<br /><br />本当はななえちゃんにゆっくり市内案内をしてもらうつもりでしたが、ちょうど昨日の月曜日が試験らしくて、今日お昼だけを一緒にすることになりました。代わりに、アリーナが一昨日ゆっくり案内してくれました。地下鉄プローシャチ・レヴォリューツィ駅で降り、また赤の広場近くへ来ました。選んでくれたレストランは私がすでにウロチョロした所で、彼女によると観光地なのに意外と安くて美味しい郷土料理だそうです。<br /><br />ちょうど12時ですが、ついつい欲張って注文し過ぎました。ロシアぎょーざ、魚のスープ、キエフ・カツ、サラダなど。彼女の説明があるので、何を食べているのかよくわかります。午後1時40分にはお別れです。<br /><br />せっかく観光地のど真ん中にいるので、娘のお土産に少し奮発してイースターエッグの宝石(ピアスとネックレス)を買ってやることにしました。どうもWi-Fiの繋がりが悪く、休憩を兼ねて一度ホテルに戻りラインで写真を送り、好きな絵柄を選ばせました。<br /><br />地下鉄ルビャンカ駅で降りてもまだ午後4時半頃で、時間がたっぷりあるので歩いてスターリン様式の一つ、文化人アパート・ビルの方へ歩いて行きました。途中で止めましたが、近くにTrinity ??? cathedralがありました。別に有名ではなさそうでしたが、見かけただけでそれなりに立派な教会でした。<br /><br />ホテルのコンシェルジェに手配してもらったボリショイ劇場新館でのバレエは午後7時開演ですが、念のため早目に行きました。昨日、下見を兼ねていたのですが、私がボリショイ本劇場でなくボリショイ劇場新館と思っていたのは反対方向で、マールイ劇場という演劇専門劇場でした。入り口で間違いと分かりましたが、早目に行っているので慌てずにすみました。<br /><br />流石に内装も立派な劇場です。でも、この新館はサイズは本館に比べると小さいそうです。私の見た演目はタイトルがなさそうでした。その代わり、プリマドンナの名前Carmina Buranaがチケットにも書いていて、内容的にも「白鳥の湖」のような純バレエではなく、オペラとの混合のようでした。おかげで衣装ももっと派手で、ストーリーも何となく分かり充分楽しめました。しかも、もちろん写真撮影はダメだと思っていましたが、最後のカーテンコールの時は何人も写真を撮っているのに気づき、もちろん自分でも撮りました。席も5列目の11番とかなりいい席で、幕間に覗くとオーケストラ演奏者が30人くらいいるのが確認できました。休憩をはさんで、午後7時から9時頃までありました。<br /> <br />午後10時まで開いていると確認していた先ほどのお土産屋で娘の選んだピアスとネックレスを買えました。<br /><br /><br />【6月26日(水)】<br />今日は帰国の日ですが、夕方の便なのでもう少しだけ観光できます。しかも慌てず午前10時過ぎにホテルを出ました。ななえちゃんに勧められたトレチャコフ美術館へ行くことにしました。超有名なサンクトペテルブルグのエルミタージュ美術館ですが、イタリアなどの外国人の作品がメインです。でも、ここモスクワのトレチャコフ美術館はロシア人の作家の作品が中心らしいです。<br /><br />イコン画家出身のウラジミール・ボロヴィコフスキーの「ロプヒナの肖像」、トロピーニンの「刺繍をする人」、ヴェレシチャーギンの「戦争の結末」、アイヴァゾフスキーの「黒海」、「虹」、セローフの「桃を持った少女」、クインジの「白樺の木立」、スリコフの「モロゾワ侯爵夫人」などを楽しみました。ただ、見終わった後に外に出ようとすると出口を見つけるのが結構大変でした。<br /><br />それでも何とか予定通り午後1時半頃には、チェックアウト後荷物を預けたホテルへ戻りました。地下鉄で鉄道駅に乗り継ぎ、アエロエキスプレスで45分ほどでドモジェドヴォ空港へ着きました。15時頃には到着し、出発までたっぷり時間があります。JALのラウンジ(ここではAirport Business Lounge)が使えるのを期待して、ここで昼食替わりの食事をとりました。ボルシチがあり、味見にパムキン・スープも試しましたが、こちらも美味しく満足です。<br /><br />ただ、今回は現金で7千ルーブル(約1.4万円)も余ったので両替しようとしたら、出国手続き後の空港内には両替所がないようです。<br /><br />JAL Global Club会員に格上げされてからは快適で、自分がビジネスクラスでなくてもラウンジが使えます。しかも、今まであまり気にしなかったのですが、搭乗も優先搭乗できます。今回は珍しく早々と乗り込むと、いつも有難うございますとCAが挨拶に来ます。<br /><br />いつものように窓際の席の私ですが乗り降りしやすいように後方で2席しかない(通常は3席)所を取っています。隣には、やたら細い若い女性が乗ってきました。顔だけでは日本人とは限らないので声を掛けると、サンクトペテルブルグのアカデミーにバレエ留学中の女性でした。昨夜のボリショイ劇場のチケットを見せましたが、やはりタイトルは書いていないと言います。横で見ていると体が異常に柔らかく、凄い格好で寝ていました。<br /><br /><br />【6月27日(木)】<br />日付が変わって、翌朝8時には成田空港に到着しました。以前のように、夕方のJAL便まで待たされるよりはましですが、LCCのジェットスターで福岡まで乗り継ぎです。少しレートは悪いかなと思いましたが、成田空港の両替所でルーブルを日本円に両替しようとしました。銀行員も呆れるくらいのとんでもないレートで、10%から20%どころか100%、つまり1ルーブルが2円程度のはずが、半分の1円です。7千ルーブルが1.4万円から7千円に暴落です。止めました。後日、夏休みに日本に帰ってくるななえちゃんに間を取って、1.05万円で両替してもらいました。お互いに得するからです。<br /><br />10時50分まで時間があるのに、狭い第3ターミナルへ移動です。もちろんラウンジもありません。結構疲れて、福岡空港まで到着しました。それでも、夕方まで待って福岡に帰るよりは楽です。<br /><br /><br />私の最初の著書「「機内にお医者さんはいませんか?」―空飛ぶドクターの海外旅行と健康管理」には若い頃の私のヤンチャな旅行記がたくさんあります。面白いエピソードも多く、関西で有名なMBSラジオの「ありがとう浜村淳です」に月曜日から金曜日まで5つのエピソードが取り上げられ、ラジオドラマ化されました。たった5万円ですが、著作権料ももらいました。<br /><br />残念ながら出版社が倒産したので絶版になりましたが、ネット書籍として「空飛ぶドクター・坂本泰樹の「医者いらず」の海外旅行体験記Kindle版」で読めます。<br /><br /><br />空飛ぶドクター(登録商標)<br />坂本泰樹<br />

初めての国・ロシアへ

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2019/06/19 - 2019/06/27

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空飛ぶドクター

空飛ぶドクターさん

アメリカにはAFS高校留学の1年間と医学博士取得後の研究で再度2年間留学して暮らしました。もちろん、アメリカ人の同級生も全米にいますから、何度も訪米しています、。一方、最近は食事を中心にイタリアにはまっていて31回も旅行しました。ただ、他の国にも興味がありロシアが75ヶ国目です。

どうもソビエト連邦の時代を知っている世代として、またプーチン大統領の強面なイメージといい、あまりいい印象はないけどやはり行ってみないとわからないので、今回思い切って行きました。AFSのボランティアで知り合った数人のロシア人留学生は普通だし、一昨年はラテンのような明るいロシア人とも知り合いました。幸い、AFSでロシア留学した日本人が今はモスクワの大学にいるし、一昨年知り合ったロシア人も連絡が取れました。

料理に関しても、宮廷料理などの伝統もあるし美味しいという人もいるけど、一般的にはあまりロシア料理は高い評価を聞いたこともない気もします。「百聞は一見に如かず」です。


【6月19日(水)】
いつものように、日本航空早朝便で福岡空港を発ち成田空港で1時間半くらいで乗り継ぎ(ラウンジが使えるサファイア会員に格上げされたので楽です)、モスクワ・ドモジェドヴォ(Domodedovo)空港には午後3時頃着きます。ビザが必要ですが、税関等は思ったほどうるさくはありませんでした。乗り継ぎ便はS7(シベリア航空)ですが、日航と同じワンワールドグループでここでもラウンジが使えラッキーでした。午後5時40分発の便で、サンクトペテルブルグへは午後7時前に到着です。旅行会社も考えることは私と同じらしく、飛行機は日本の航空会社だし、5つくらいのツアー客が一緒でした。

マルシルートカと呼ばれるらしいマイクロバスK39 に乗り地下鉄のモスコフスカヤ駅まで行きます。そして、地下鉄2号線でネフスキー・プロスペクト駅へ。調べていた通り、後は歩いてホテルまで行きました。

外はまだ明るいし、安全そうで全く問題ありません。かなり広い大通りを通って運河前のホテルの辺りへ行きます。でも、看板もありません。今は空港で3千円程度で買ったシムカードでスマホが使えるので、GPSですぐそばまで来ているはずです。目の前に血の上の救世主教会(但し、残念ながら中心部が修理中)が見えるので、場所的に間違いありません。少し躊躇していると、たむろしていた若い女性がホテルを探しているならここよと狭い閉ざされた扉を示してくれました。ついでに、3Bとボタンを押すといいと教えてくれました。よく見ると、小さな字でホテル名と英語で3Bボタンを押して合図するように書いています。教えてくれなかったら、しばらく探し出すのに時間がかかったかもしれません。

すぐに音がして、鍵が開きました。例の安ホテルのパターンで階段で2階に上がり、フロントがありました。ここでも、ボタンを押して合図するとやっと開けてもらえます。今回は1万円以上のホテルですが、観光地で場所がいいので物価が高くなさそうなロシアでもこの程度の安ホテルなのでしょう。

しばらくして気がつきましたが、ここサンクトペテルブルグはフィンランドのヘルシンキと同じく(実際、地図で見るとヘルシンキはモスクワよりはるかに近い)、この時期はほとんど白夜に近いようで夜の11時から朝3時くらいまで少し暗くなる程度のようです。日本との時差はいつものイタリア、フランスなどより1時間早い6時間差です。初めての通貨・ルーブルは暗算しやすく約2円です。

明るいので、寝る前に歩いて3分の血の上の救世主教会の外観だけは裏側まで回り込んで写真に収めました。


【6月20日(木)】
安ホテルのパターンで、ビルの一角で2階だけの10室程度のホテルで当然の如く朝食はありません。昨日到着時に気がついた、大衆食堂が隣の地下にあります。滅茶苦茶安い! なんか黒っぽい穀物、buckwheatだから「そば」です。それとロシア風チキン、スープにコーヒーで合計175ルーブル、たったの350円です! しかも、安い割にはどれもそれなりには美味しいのです。気に入りました。

基本的に歩いて観光するのが私のスタイルです。文字通り、街歩きです。ホテルの斜め前の気になる円柱のある回廊の横長の建物を見ながら進みます。カザン大聖堂らしいです。有名なエルミタージュ美術館前の広場に着きました。今日は美術館には入りません。夜9時まで開いている明日行く予定です。

ネフスキー大通りから西によく見える気になる塔が旧海軍省尖塔らしいです。ここまで来ました。回りは公園になっています。目立つイサク大聖堂を目印にニコラエフスキー宮殿にロシアの民族音楽とダンスの予約に来ました。5,900ルーブル(1.2万円弱)です。

昼食は「マーシャと熊さん」と言う可愛い名前のレストランを選びました。ボルシチが最高でした!あまり興味なく知らなかったのですが、日本で食べた有名なボルシチスープはただのそれなりの野菜を煮込んだスープの印象しかありませんでした。でも、色からして真紅です。それもそのはず、私の大好きな日本では珍しいビーツがたっぷり入ったスープなのです。味もビーツの味がして超美味しい! 知りませんでした。ビーフストロガノフは昔からそれなりに好きでした。但し、ロシア料理とは知りませんでした。しかも今回、ここサンクトペテルブルグのストロガノフ家がルーツと初めて知りました。これはそれなりに美味しいのは知っていました。

2時半頃から、ホテルの前にもある運河を回るクルーズに乗りました。特別なことはありませんが、景色を楽しみながらのんびりしました。ただ、他の欧州の国々と違い説明が英語もなく、ロシア語のみでした。これは残念でした。一つだけ、地球の歩き方にも書いていない青い丸いドームの教会が気になりました。後で、ホテルのフロントの女性に写真を見せて聞くと、やはり有名な教会でした。調べると、世界遺産(サンクトペテルブルグ歴史地区と関連建造物群)の一つとも書いています。英語でTrinity Izmailovsky Cathedralと言うようです。詳細は後日詳しく書きます。

着いてすぐに外観だけはたくさん写真も撮ったホテル近くの血の上の救世主教会の中に入りました。外観はいかにもロシア正教ですが、ビックリしたのは内装は意外にもイタリアのシチリア島で見た教会のようでした。天井のフレスコ画や壁に金箔が目立ちます。民族音楽鑑賞に出かける前に、隣の地下大衆食堂で軽くサラダを食べ、デザートとコーヒーにしました。キャフェテリア式ですから安くてしかも便利です。

午後7時からの開演に備え、6時にゆっくり出発し余裕をもって30分以上前に着くはずでしたが、スマホのナビで何故か別方向へ行き、途中で気がつきました。慌てて、必死で運河沿いなどを歩き、開演ギリギリ前に間に合いました。英語で“Feel Yourself RUSSIA”と言うFolkshowです。

ニコラエフスキー宮殿を使っているので豪華な反面、柱が数本あり少し邪魔でした。でも、ロシア独特らしい楽器演奏あり、それに合わせて民族ダンスは見応えがありました。しかも、ダンスにストーリー性があり、意外にもユーモアたっぷりでした。暗いイメージのロシア、ソビエト連邦と真逆でした。特に、一昨年アイスランドでラテンのように明るいロシア人女性に知り合ってから少しずつロシア人のイメージが変わりつつあります。

午後9時前に終わった後、閉館まであまり時間がないので慌ててイサク聖堂の回廊へ行き、街の眺めを楽しみました。でも、よく考えると夜と言ってもまだ明るく昼間と変わりません。決して、「夜景」などではありません。その割には、夜と言うことで値段だけ高いのです。運河のクルーズで気になった青いドームの教会がここからもやはり目に入りました。

まだ明るい午後10時過ぎにホテルに戻り、また隣の地下食堂でサラダだけ食べました。気楽に安く食べられるので便利です。ホテルは超質素ですが、場所は最高に便利です。どこへもほとんど歩いて行けます。


【6月21日(金)】
朝はいつものようにゆっくりして、隣の地下で軽く朝食。11時も過ぎてから歩いてイサク聖堂へ再び行き、今度は内部を見学しました。イタリアの教会のようにかなり内装も豪華です。金色も目立ち、シチリア島の教会に少し似ている気もします。中央真上の丸屋根部分に描かれた「聖母マリアの栄誉」も素晴らしい! いつものことながら、真上を見るので首が疲れます。

エルミタージュ美術館前の宮殿広場に行く途中のレストランに入りました。ロシア語は全く勉強したこともなく、ローマ字と同じ文字が半分くらいで分からない文字(キリル文字)が半分くらいです。でも、ローマ字の認識しやすい文字を一生懸命見て読んでいるとrestaurant(restoran)は解明できました。pectorahです。pがrで、cがsで、hがnらしいのです。

「レストラン」は私には一番大事な単語です。世界中回って発見したこと! 多くのアルファベットを使う国で同じような単語です。英語のrestaurant、発音は違うけどフランス語もドイツ語も同じ綴りです、イタリア語のristorante、スペイン語でrestauranteなどです。でも、日本語のローマ字通りのrestoranを見つけました!それは、クロアチア語です。まぁ、細かいことを言うとresutoranではありませんが・・・

話しを戻すと、このレストランもなかなかでした。ビーフストロガノフは昨日の方が美味しかった気もしますが、ロシア風キャベツスープが最高に美味しかったです。私の好みです。少し酸味が効いています。たった280ルーブル(550円程度です!)で忘れられない味です。ストロガノフも付け合わせのポテトとピクルスは非常に美味しかったです。全部で1,985ルーブルですから、食べ物の物価の安そうなロシアにしては値段はそれなりです。

それから宮殿橋(跳ね橋)を見に行きました。残念ながら、両側に跳ね上がるのは夜だけのようです。それでも、真ん中に亀裂がありそこから両側にせり上がるのが想像できました。

午後2時頃になってようやくメインイベントのエルミタージュ美術館見学です。この日を選んだのは金曜日(水曜日も)は午後6時でなく、午後9時までオープンしているので、気分的にゆったり回れるからです。別の建物の新館から先に入りました。ルノワール(ジャンヌ・サマリーの肖像)、ゴッホ(ライラックの木)、モネ(ジヴェルニーの干草)、ゴーギャン(果実を持つ女)などの超有名な印象派絵画が次々に見れました。私の地元福岡でのテレビCMでは、リョーユーパンがジャンヌ・サマリーが絵画から抜け出す設定で有名です。

それから、別棟の本館へ移動したのが午後3時半過ぎでした。広過ぎて地球の歩き方の地図があってもスムーズに移動できません。「宮殿装飾巡り」とも呼ばれる豪華な部屋が沢山あります。これは、イタリアのカゼルタ宮殿、ナポリの王宮などと似ています。

絵画はイタリア美術はレオナルド・ダ・ヴィンチ、ラファエロ、カラヴァッジョなどの絵画が並んでいます。スペイン美術では、ゴヤ、エル・グレコ、ベラスケスなどが、オランダ美術では、ルーベンスやレンブラントの絵画が鑑賞できます。

流石にだんだん疲れてきて、午後7時15分頃には美術館を出ました。それなりに十分堪能できました。宮殿広場では、何かパーフォーマンスをやっています。宗教団体でしょうか?

帰り道(何度も歩いて通り過ぎた)に気になっていた高級そうなレストラン(Empire Restaurant)があり、入りました。午後8時頃です。昨日は、昼間でまだオープンしていませんでした。看板にストロガノフ家の伝統的ビーフ・ストロガノフと書いています。もちろん、注文しました。最初に、ボルシチを注文すると、ビーツなどの野菜に何と目の前で熱いスープを注いでくれるのです。パンも美味しく、バターに少しキャビアまで入っています。さすがロシアです。肝心のビーフ・ストロガノフですが、本格的なステーキにソースとしてマッシュルームソースがのっている感じです。美味しいですが、食べ慣れたもう少し肉を小さく切った牛肉料理というような普通の方が個人的には好きです。実際、もう2回すでに食べたストロガノフはそんな感じでした。飲み物はいつものようにアルコールが駄目なのでミネラルウォーターです。さすがに合計2,651ルビーですが、内容を考えたらそんなに高くは感じません。どうせ外はまだ明るいのですが、疲れて午後10時半には寝ました。いつものように、今日も5~10kmは歩いていると思います。


【6月22日(土)】
今朝も隣の地下大衆食堂で朝食を。試したかった冷たいボルシチ(これもビーツでまっ赤)、オートミール(ちょっと甘いけど)、サラダとコーヒーで美味しく食べれました。しかも、たったの155ルーブル。300円です!相変わらず、安くて美味しい庶民の味方です。

今日はいよいよモスクワへの移動日ですが、午前中ずっと気になっていたTrinity Izmailovsky Cathedralへ行きました。ここも思ったより地下鉄駅に近く便利な場所でした。ロシアは食べ物も美味しく気に入ったのですが、唯一困るのが地名です。この教会も検索すると、日本語だと至聖三者大聖堂(トロイツキー大聖堂)と呼ぶそうです。前者の日本語も「至聖三者」と言われても、キリスト教徒でない私にはチンプンカンプン。しかも、横文字表記も私がフロントの女性に聞いたのでは、Izmailovsky、つまり「イズマイロフスキー」のはずなのに、何故か「トロイツキー」と表記されています。Trinityがロシア語でトロイツキーかもしれません。

まぁ、今回がいい例でインターネットで簡単に検索できるので便利な時代です。教会(大聖堂)のことも簡単に調べられるし、地図もすぐに出せます。

午前8時過ぎにホテルを出て、地下鉄に乗るとたったの2駅。もう8時半には大聖堂が見えます。でも、9時まではオープンしないと調べています。近くに喫茶店を見つけ、イタリアほどは美味しくないカプチーノを飲みながら時間をつぶしました。

中に入ると、他のヨーロッパの国々と違い写真撮影はダメと書いています。でも、あまり人がいなかったのでこそっと2枚だけ撮りました。

その後、列車の時間までまだあるので、エルミタージュ美術館ほどは有名ではなくても地元のロシア人の作品が多いらしいロシア美術館へ行きました。でも、ここも入り口に少し行列がありました。

あまり時間がないので、地球の歩き方に書いている有名な作品を中心に見ようとしましたが、手元の2018~2019年版でさえ展示がずいぶん変わっていることに気が付きました。確かにロシア人の作品が多いようです。クストーディエフの「お茶を飲む商人婦人」などが気に入りました。

海外では、補助金があるらしく地下鉄などの公共手段はかなり安いです。ロンドンの地下鉄は高いですが。たった45ルーブルと大きい荷物45ルーブル、合計90ルーブル払って地下鉄で、ここサンクトペテルブルグのモスクワ駅へ移動します。ややこしいことに、ロシアでは駅の名前が到着(出発)駅の名前のようです。

午後1時ちょうどに予定通り、ネット予約した高速鉄道「サプサン」が静かに走り始めます。イタリアと違って初めての列車ですから、少し高めの6,619ルーブルのチケットを買いました。半信半疑だったのですが、どうも2,000ルーブルまでは食事可能の席のようです。食堂車です。念のため、コーラとサンドイッチを買い込んで乗り込んだのですが、タイ野菜炒めとライス、コーヒー2杯、炭酸水と注文しました。なかなか快適な列車の旅で4時間で予定通りモスクワのレニングラード(サンクトペテルブルグの旧称)駅へ到着しました。

駅からすぐにスターリン7姉妹の豪華な建物が見えます! これが宿泊予定のモスクワ・ヒルトンホテルです。我ながら、サンクトペテルブルグとは雲泥の差です。

今回のヒルトンホテルは超豪華です、私にしては! サンクトペテルブルグのホテルが1.1万円程度で安ホテルだったのに比べたら雲泥の差です。2人の女性にホテルまで迎えに来てもらうので、カッコ悪くなくてすみました。サンクトペテルブルグのホテルだと少し恥ずかしかったですが・・・ この豪華さなら、値段も1.8万円程度とそんなに高くはありません。首都のモスクワだけど、中心部からは少しはずれるからかもしれません。でも、すぐ近くに列車の駅があるから選んだし、地下鉄の駅もより近くで便利な場所です。

せっかくの高級ホテルですから、早速コンシェルジェにボリショイバレエの予約を頼みました。たぶん、火曜日の夜のチケットが取れそうです。8,000ルーブル程度のようです。現金で前払いしました。さすがに安くはありませんが、高くもありません。世界的に有名なバレエですから。

近くをしばらく歩いて、レストランに入りました。ニシンの蒸し焼き(1,590ルーブル)、野菜炒め、スープ、ピロシキ3個を注文して3,490ルーブルとやや高めでした。やはり、モスクワはサンクトペテルブルグよりは物価が高いのでしょうか?あまり食べていなかったピロシキですが、これはあまり感動はしませんでした。でも、スープ類はどれも美味しいです!


【6月23日(日)】
昨夜は一回しか目が覚めず、睡眠時無呼吸症候群の私としてはまぁまぁでした。世界中、CPAP(経鼻的持続式陽圧呼吸療法)の機械を持ち回しています。現在のは日本製で、軽くてリュックに収まるので助かります。最初にフィリップス製を使っていた時は、余分に一つ小さいカバンが増える感じでした。だいぶ眠りの質はよくなりましたが、どうも顎を支えるヘアーバンドがずれたり、鼻に当てている装置がずれたりして、無呼吸になり夜2回くらいは機械を使っていても目が覚めます。

朝7時過ぎに起きて、バイキングの朝食会場へ。さすがに、ヒルトンホテルでの朝食場は豪華で何でもありです。野菜の好きな私は、生野菜サラダをたっぷり取り、オリーブオイルと塩、コショウで味を調えます。世界中にだいぶ普及してきたイタリア・モデナのバルサミコ酢がここにもあったので、追加して自分用のドレッシングの出来上がりです!

モスクワ観光初日の今日は、とにかく一番有名そうなクレムリン、赤の広場へ行くことにしました。午後からは以前知り合ったAlinaが案内してくれることになっています。

赤の1号線で乗り換えずに地下鉄ビブリオチェーカ・イーメニ・レーニナ駅で降りると目の前にクレムリンの建物が一部見えます。でも、中に入るのに行列があり、入場料が要るのを全く知りませんでした。それも、とにかく9時半頃オープンらしくうまく列の初めに並べたと思っていたら、チケット売り場は別の場所です!結局、並びなおしです。それでも、10時には中へ入れました。

印象として、クレムリンの広い広場には人がいず、勝手には歩き回れない雰囲気でした。警備員(警察?)が見張っています。いくつもの教会のような建物があります。一番好きな鐘楼には上れませんでした。どうも、事前にチケットを買っておかないと中に売り場はないようです。高いところからは眺めがよく、なるべく必ず上るのですが、残念でした。

中の教会をいくつも見た後で、入場したのとは反対側から外に出ると、有名な赤の広場です。モスクワのシンボルであるあのユニークな形の教会が見えます。聖ワシリイ大聖堂です。ロシア正教の教会です。普通のキリスト教の教会とはずいぶん形が違います。建立は1560年です。1990年に世界遺産登録したようです。

午後1時頃、地下鉄の駅にある食堂で軽くロシア餃子とスープを食べました。なかなかロシア料理は美味しく満足です。モスクワの地下鉄は55ルーブル(110円)です。サンクトペテルブルグはもっと安く45ルーブル(90円)でした。余裕をもって2時前にはホテルへ戻りました。3時にAlinaが迎えにやって来ることになっています。

Alina Araslanovaが約束通り午後3時頃ホテルへやって来ました。これは、チェコの女の子から聞いていたく感心したのですが、ロシア人などの苗字に多い語尾のovaは女性だけで、例えば彼女のお父さんの苗字はAraslanov(英語表記でAraslanoff)です。テニスの女王、チェコスロヴァキアのマルチナ・ナブラチロワ(Martina Navr&aacute;tilov&aacute;やロシアのマリア・シャラポワ(Maria Sharapova)なども確かに語尾がオヴァ(日本語発音はオワ)です。しかも医者の私にはすぐにピンときましたが、ovaは英語のovaryまたはラテン語のovarium(卵巣)からきているのです。国によって名前はいろいろ特徴があり面白いですね。

イタリア語でも、女性の名前の語尾は「ア」で男性は「オ」です。ロベルタ、ロベルト、マリア、マリオ、フランチェスカ、フランチェスコなど。

地下鉄に一緒に乗りましたが、アリーナがTroyka Card(トロイカカード)なるプリペイドカードを教えてくれたので、安いうえに非常に便利です。たったの55ルーブルでも安いのに、このカードを使うと38ルーブルになるそうです。駅名もチェックしませんでしたが、地下鉄駅を降り子供博物館の屋上へ連れて行ってくれました。ここは彼女に言わせると、隠れ名所で屋上ですから無料ですし、街の眺めを楽しめます。しかも、ちょうど探していた赤ちゃん用の服も見つけ買いました。三男の嫁が8月に出産予定だからです。898ルーブルでしたが、残念ながらお土産らしくモスクワ、ロシアなどのロゴが付いたのを期待しましたがありません。どうもフランス製らしいです。

アルバート通りを歩きました(この時は名前は意識していませんでした)が、歩行者天国でストリートパフォーマンスもあり、楽しみながらのんびり歩けます。いつの間にか、赤の広場へやって来ます。実は午前中に来たばかりですが構いません。グム百貨店の一階はアーケード街みたいになっています。両端にアイスクリーム屋さんがあって、立ち食いしながら通るのが流行りらしいです。ただ、食べ物はかなり気に入った私ですが、アイスクリームはイタリアのジェラートほどは美味しくないと感じました。

すぐ近くのモスクワ川にザリャージェ公園があり、そこから川に向かってflying bridgeともfloating bridgeとも呼ばれる橋があります。橋と言っても、2ヶ所を渡すわけではなく、V字型の突出のみで支柱もなく川の上に飛び出しています。おかげで、近くの赤の広場のワシリー寺院やクレムリンの出口にあるベクレミシェフスカヤ塔などがきれいに見えます。

それから、モスクワ川沿いのクレムリン川岸通りをひたすら歩きました。午前中にも見えていた教会、ずっと気になっていた教会に向かいます。やはり有名な教会のようで、救世主キリスト聖堂という名前のようです。

旧ソ連らしいエピソードがあるようです。1883年に完成した大聖堂ですが、革命後は宗教弾圧の対象となり、1931年に何とスターリンが爆破したそうです。フルシチョフの時代には屋外温水プールとして生まれ変わったそうです。ソ連崩壊により新生ロシアの象徴として再建が決まり、2000年8月に完成したそうです。

このように、ヨーロッパの若者と市内観光するとひたすらお金を掛けずに歩きます。私の街歩きと同じスタイルで私には違和感なく楽しめます。もちろん、途中では色々な話をします。フェイスブックで繋がっていたのですが、私の記憶違いでMIRAIプログラムで大学生として東京に来ていたメンバーだと思っていたのですが、知り合ったのは同じAFSのプログラムでも3年前のヴェニスでのVSS(主に欧州AFSの会合で若い人が多い)だったようです。ですから、3月に会ったヴェニス在住のイタリア人ミケーラや今回は会えなかったラテンのように明るいロシア人エカテリナなどが共通の友人です。

AFSらしく彼女もリターニー(高校留学経験者)で、タイに1年間行ったそうです。行先が希望ではなく、タイに決まった時には興味もないし、何も知らなかったそうです。回りにもそんな国はやめておけと言われたそうですが、好奇心で行くことを決めたようです。実際に行ってみると、よくある話で最初はともかく、徐々にタイ料理も大好きになり、素晴らしい経験をしたようです。ですから、ボランティアとしてAFSの世話をしているわけです。後日会うななえちゃん(福岡からのAFSロシア高校留学経験者)も世話をした一人だったようです。

そのまま夕方は高級レストランで一緒に食事です。もちろん私がおごるのでシャレたレストランに案内してくれと前もって頼んでいました。スターリン様式ビルの一つ、外務省ビルの近くのデパートの14階で、少し入り口が入り組んでいました。もちろん、眺めも良く、二人で2万円ほど(10,616ルーブル)の食事を楽しみました。

一部意味が不明ですが、英語メニューだとSalad with tongue (1,200R), jellied king crab(1,530R), rhubarb shchi(soup) (820R), boar(イノシシ肉)cutlets x2 (1,960R), scallops (2,496R)などです。サンクトペテルブルグよりは早く夜が更けるので、午後9時頃には高層階の窓から夕陽で向かいの外務省ビルが赤く染まる眺めなどを楽しめました。

夜もだいぶ遅くなったのですが、少し遠回りしてくれて一緒に地下鉄で私の駅まで送ってくれました。地下鉄は25時までに乗れば大丈夫らしく、意外と治安もいいのでしょう。若い女性が歩いて帰れるのですから。


【6月24日(月)】
今日は一人で市内見物です。ゆっくり10時過ぎに出発しました。昨日アリーナが教えてくれたVernissageへ行ってみました。でも、お土産屋だけでレストランも、特に聞いていたイスラエル料理店も見つかりません。観光客向けに山のようにマトリョーシカ、帽子などはあるのですが、赤ちゃん用の服は売っていません。

最寄りの地下鉄駅まで戻り、近くのホテルのレストランIl Cantoと言うイタリア料理店のような名前のレストランへ入りました。でも、注文したのはオリヴィエのサラダとスープとロシア料理でした。このサラダは今福岡へ留学しているロシア人お勧めでした。ただ、美味しいけど珍しくはないサラダでした。

地球の歩き方で見て眺めが良さそうなので「雀が丘」へ行きましたが大変でした。地図で見て少し歩くのは覚悟していったのですが、ヴァラビヨーヴィ・ゴールィ駅で降りるとまだかなり距離があります。スマホのナビのおかげで方向は確認できますが、かなりの崖を上らないといけません。そうしないと上にある道路には行けないからです。やっとの思いで崖を上りました。それからもかなりの距離歩きました。やっとそれらしき場所へ着いたのですが、ケーブルが動いていません。建物がほとんど閉鎖しています。しばらく、探索したけど無駄でした。

ひょっとしてと思い、もう少し奥まで歩いて行くと、何もないけれどもやっと眺めのいい場所に出ました。でも、サッカーワールドカップ決勝戦で使ったスタジアムなどが見えましたが、それほど絶景でもないです。また、あの崖を今度は下って地下鉄駅まで戻るのも大変です。ふと反対側を見ると、スターリン7姉妹の中でも一番大きそうな立派なモスクワ大学のビルが見えます。きっと立派なキャンパスに違いありません。スマホのナビで見ても、とんでもなく広大な敷地で地下鉄の駅も相当遠いです。でも、先ほどの崖に戻るくらいなら有名に決まっているモスクワ大学の広大なキャンパスを見物しようと歩きだしました。目の前に見えるけど、軽く1kmはあります。

ちょうど卒業生らしき人影があり、どうも中国人のようです。左折して右折してキャンパスの横側から入れるかなと期待したら、厳重に鍵がかけてあり、途中にある検問所では厳しいチェックがありそうです。残念ながら、中には入れないようです。平地とは言え、ひたすら歩いてようやくウニヴェルシチェート駅(Universitet)、つまり(モスクワ)大学駅に着きました。おかげで、キャンパスの広さがよ~く分かりました。

デッキー・ミールという児童向け販売店が市内にいくつかありそうで、地下鉄ルビャンカ駅近くの店を見つけ、ようやく赤ちゃん用の売り場を見つけ、もう2枚生後1ヶ月と3ヶ月用のベビー服を買いました。これもフランス製らしくモスクワなどのロゴはありませんが、1枚はテニスラケットのロゴがあり、私と同じくテニスをやる3男夫婦にはいいお土産になります。2枚で8千円以上ですから、まぁ上等です。

いつの間にか、また赤の広場へ来ていました。見落としていたレーニン廟がありましたが、中には入れませんでした。午後1時までしか開いていないようです。近くを通過していたのに、カザンの聖母聖堂を見つけるのに結構苦労しました。ちょうどミサの最中で、牧師さんの説教がちょうど仏教のお経のような抑揚で妙に懐かしく聞こえました。また、3人の女性によるお経に合わせたような歌が絶妙で、しばらく聞き惚れていました。残念ながら、撮影禁止でした。ロシアはイタリアなどと違い、内部は撮影禁止が多いような印象です。地球の歩き方にはカザンの聖母のイコンがサンクトペテルブルグのカザン大聖堂に移されたと書いています。サンクトペテルブルグのホテルの近くで、毎日のように見ていた大通りに面した横長の建物でしたが、いつも目的地に行くのに忙しくて中は見ませんでした。しかも、その写真を見て、自分のお土産に買った女性の像が「カザンの聖母」だと気が付きました。

何回か通ったニコリスカヤ通りで高級喫茶店に入り、珍しくケーキとコーヒーセットで約1,800円(コーヒー250ルーブル、ケーキ650ルーブル)を注文しました。こんなに高いのは我ながら初めてです。ベリー好きな私ですが、英語でisberryと書いてあるのが気になりました。後で辞書で調べてもないので、読み間違いかもしれません。ブルーベリーのような色でした。味も、とにかくベリー類の味でした。

地下鉄でスモレンスカヤ駅へ移動しぶらぶらしたら、これが有名なアルバート通りかと気付き、しかも昨日アリーナと歩いた通りだと気づきました。やはり、自分で地図を読みながら確認して歩くのと、人任せで歩くのでは記憶に残るのが違います。

まだ明るいですが午後7時頃になり、時々見かけるロシア以外の旧ソ連国の料理、アルメニア・ジョージア料理店に入りました。ジョージアの国名はグルジアと以前は日本語で呼ばれていました。英語ではアメリカのジョージア州と同じ綴り(Georgia)なのにと不思議でしたが、数年前にジョージア政府が日本政府に「ロシア語読み」のグルジアでなく、英語読みのジョージアに変更要請があったようです。旧ソ連邦から独立しただけあって、反ロシアのようです。

昨年ノルウェーに行って知ったのですが、ノルウェーでもロシアは嫌われています、と言うか恐れられています。ちょうど多くのアジアの国々が中国を怖がっているように。覇権主義だからです。しかも、ビックリしたのは何とノルウェーがロシアと国境を接しているのです。普通の地図では見落としそうな北極圏で繋がっているのです。

そういう政治的な意味とは別に、国民はそんなに悪い人たちではないというのが今回の印象で、しかも全般的に食事も期待よりはるかに美味しい。やはり、実際に体験してみないと一国の評価はできません。幸い、私はもう75ヶ国くらい経験しました。幸せな人間です。

肝心のアルメニア・ジョージア料理ですが、ビーフスープはここでも最高でした。今のところ、どこもスープは抜群に美味しいです。仔牛料理はイマイチでした。野菜も少し油っぽく、くどい感じでした。全部で2,140ルーブルだから結構いい値段です。

腹ごなしに通りに戻って歩くと、ストリート・パーフォーマーの女性シンガーの声が素晴らしく聞き惚れました。迷わず200ルーブルのチップを帽子に入れました。


【6月25日(火)】
今朝も豪華な朝食です。いつもの野菜サラダに始まり、珍しくパンケーキを食べました。いつものコーヒーでなく紅茶にしてみました。ロシア風紅茶はジャムを紅茶に溶かすのではなく、ジャムを舐めながら紅茶を飲むらしいと知ったので試してみました。正解です! 溶かすと甘さと紅茶の渋みが変に混ざる気がしますが、甘いジャムを舐めながら紅茶を飲むと甘さと紅茶が別々に楽しめました。午前11時に待ち合わせなので、部屋でのんびりしました。

ロビーで待っているとななえちゃんが来ました。彼女は私が支部長をしているAFS博多支部(福岡)出身で高校留学でまずロシアに1年間滞在し、気に入ったらしく現在はモスクワ大学の学生です。何と昨日見物した巨大なモスクワ大学です!日本で言えば東大です。

高校留学に出発する前は失礼ながら平凡な日本の高校生でした。ところが、彼女は1年間の高校留学を経てたくましく成長しました。積極的になり、ミスコンにまで出場しました。そして、難関のモスクワ大学に合格。日本では休学扱いになり1年遅れるので、大検で高卒資格を取り受験資格を得たようです。私は普段ボランティアをしているおかげで、優秀な日本人の若者と知りあえますし、一昨日のアリーナのように世界中の優秀な若者とも知りあえます。しかも多くはAFS高校留学経験者で国際的です。みんな英語はできます。実際に多くの人と外国で会っています。ただの観光旅行以上の楽しみがあります。

本当はななえちゃんにゆっくり市内案内をしてもらうつもりでしたが、ちょうど昨日の月曜日が試験らしくて、今日お昼だけを一緒にすることになりました。代わりに、アリーナが一昨日ゆっくり案内してくれました。地下鉄プローシャチ・レヴォリューツィ駅で降り、また赤の広場近くへ来ました。選んでくれたレストランは私がすでにウロチョロした所で、彼女によると観光地なのに意外と安くて美味しい郷土料理だそうです。

ちょうど12時ですが、ついつい欲張って注文し過ぎました。ロシアぎょーざ、魚のスープ、キエフ・カツ、サラダなど。彼女の説明があるので、何を食べているのかよくわかります。午後1時40分にはお別れです。

せっかく観光地のど真ん中にいるので、娘のお土産に少し奮発してイースターエッグの宝石(ピアスとネックレス)を買ってやることにしました。どうもWi-Fiの繋がりが悪く、休憩を兼ねて一度ホテルに戻りラインで写真を送り、好きな絵柄を選ばせました。

地下鉄ルビャンカ駅で降りてもまだ午後4時半頃で、時間がたっぷりあるので歩いてスターリン様式の一つ、文化人アパート・ビルの方へ歩いて行きました。途中で止めましたが、近くにTrinity ??? cathedralがありました。別に有名ではなさそうでしたが、見かけただけでそれなりに立派な教会でした。

ホテルのコンシェルジェに手配してもらったボリショイ劇場新館でのバレエは午後7時開演ですが、念のため早目に行きました。昨日、下見を兼ねていたのですが、私がボリショイ本劇場でなくボリショイ劇場新館と思っていたのは反対方向で、マールイ劇場という演劇専門劇場でした。入り口で間違いと分かりましたが、早目に行っているので慌てずにすみました。

流石に内装も立派な劇場です。でも、この新館はサイズは本館に比べると小さいそうです。私の見た演目はタイトルがなさそうでした。その代わり、プリマドンナの名前Carmina Buranaがチケットにも書いていて、内容的にも「白鳥の湖」のような純バレエではなく、オペラとの混合のようでした。おかげで衣装ももっと派手で、ストーリーも何となく分かり充分楽しめました。しかも、もちろん写真撮影はダメだと思っていましたが、最後のカーテンコールの時は何人も写真を撮っているのに気づき、もちろん自分でも撮りました。席も5列目の11番とかなりいい席で、幕間に覗くとオーケストラ演奏者が30人くらいいるのが確認できました。休憩をはさんで、午後7時から9時頃までありました。
 
午後10時まで開いていると確認していた先ほどのお土産屋で娘の選んだピアスとネックレスを買えました。


【6月26日(水)】
今日は帰国の日ですが、夕方の便なのでもう少しだけ観光できます。しかも慌てず午前10時過ぎにホテルを出ました。ななえちゃんに勧められたトレチャコフ美術館へ行くことにしました。超有名なサンクトペテルブルグのエルミタージュ美術館ですが、イタリアなどの外国人の作品がメインです。でも、ここモスクワのトレチャコフ美術館はロシア人の作家の作品が中心らしいです。

イコン画家出身のウラジミール・ボロヴィコフスキーの「ロプヒナの肖像」、トロピーニンの「刺繍をする人」、ヴェレシチャーギンの「戦争の結末」、アイヴァゾフスキーの「黒海」、「虹」、セローフの「桃を持った少女」、クインジの「白樺の木立」、スリコフの「モロゾワ侯爵夫人」などを楽しみました。ただ、見終わった後に外に出ようとすると出口を見つけるのが結構大変でした。

それでも何とか予定通り午後1時半頃には、チェックアウト後荷物を預けたホテルへ戻りました。地下鉄で鉄道駅に乗り継ぎ、アエロエキスプレスで45分ほどでドモジェドヴォ空港へ着きました。15時頃には到着し、出発までたっぷり時間があります。JALのラウンジ(ここではAirport Business Lounge)が使えるのを期待して、ここで昼食替わりの食事をとりました。ボルシチがあり、味見にパムキン・スープも試しましたが、こちらも美味しく満足です。

ただ、今回は現金で7千ルーブル(約1.4万円)も余ったので両替しようとしたら、出国手続き後の空港内には両替所がないようです。

JAL Global Club会員に格上げされてからは快適で、自分がビジネスクラスでなくてもラウンジが使えます。しかも、今まであまり気にしなかったのですが、搭乗も優先搭乗できます。今回は珍しく早々と乗り込むと、いつも有難うございますとCAが挨拶に来ます。

いつものように窓際の席の私ですが乗り降りしやすいように後方で2席しかない(通常は3席)所を取っています。隣には、やたら細い若い女性が乗ってきました。顔だけでは日本人とは限らないので声を掛けると、サンクトペテルブルグのアカデミーにバレエ留学中の女性でした。昨夜のボリショイ劇場のチケットを見せましたが、やはりタイトルは書いていないと言います。横で見ていると体が異常に柔らかく、凄い格好で寝ていました。


【6月27日(木)】
日付が変わって、翌朝8時には成田空港に到着しました。以前のように、夕方のJAL便まで待たされるよりはましですが、LCCのジェットスターで福岡まで乗り継ぎです。少しレートは悪いかなと思いましたが、成田空港の両替所でルーブルを日本円に両替しようとしました。銀行員も呆れるくらいのとんでもないレートで、10%から20%どころか100%、つまり1ルーブルが2円程度のはずが、半分の1円です。7千ルーブルが1.4万円から7千円に暴落です。止めました。後日、夏休みに日本に帰ってくるななえちゃんに間を取って、1.05万円で両替してもらいました。お互いに得するからです。

10時50分まで時間があるのに、狭い第3ターミナルへ移動です。もちろんラウンジもありません。結構疲れて、福岡空港まで到着しました。それでも、夕方まで待って福岡に帰るよりは楽です。


私の最初の著書「「機内にお医者さんはいませんか?」―空飛ぶドクターの海外旅行と健康管理」には若い頃の私のヤンチャな旅行記がたくさんあります。面白いエピソードも多く、関西で有名なMBSラジオの「ありがとう浜村淳です」に月曜日から金曜日まで5つのエピソードが取り上げられ、ラジオドラマ化されました。たった5万円ですが、著作権料ももらいました。

残念ながら出版社が倒産したので絶版になりましたが、ネット書籍として「空飛ぶドクター・坂本泰樹の「医者いらず」の海外旅行体験記Kindle版」で読めます。


空飛ぶドクター(登録商標)
坂本泰樹

旅行の満足度
4.5
観光
4.0
ホテル
4.0
グルメ
4.5
交通
4.0
同行者
一人旅
一人あたり費用
25万円 - 30万円
交通手段
鉄道 徒歩
航空会社
JAL
  • JALエコノミークラス食事<br />結構オシャレ

    JALエコノミークラス食事
    結構オシャレ

  • S7航空<br />(シベリア航空)

    S7航空
    (シベリア航空)

  • 長くて速いサンクトペテルブルグの<br />地下鉄エスカレーター

    長くて速いサンクトペテルブルグの
    地下鉄エスカレーター

  • ネフスキー大通りにある<br />地球儀の乗ったビル

    ネフスキー大通りにある
    地球儀の乗ったビル

  • 血の上の救世主教会

    血の上の救世主教会

  • 左側の濃い茶色のドアがホテルの入り口!

    左側の濃い茶色のドアがホテルの入り口!

  • 旧海軍省尖塔

    旧海軍省尖塔

  • 元老院広場<br />青銅の騎士像

    元老院広場
    青銅の騎士像

  • 民族ショーのパンフレット

    民族ショーのパンフレット

  • イサク聖堂

    イサク聖堂

  • カザン大聖堂

    カザン大聖堂

  • レストラン<br />「マーシャと熊さん」

    レストラン
    「マーシャと熊さん」

  • まっ赤なビーツがたっぷり!<br />ボルシチ

    まっ赤なビーツがたっぷり!
    ボルシチ

  • ビーフ・ストロガノフ

    ビーフ・ストロガノフ

  • のんびり運河クルーズ

    のんびり運河クルーズ

  • 血の上の救世主教会<br />内装

    血の上の救世主教会
    内装

  • ドーム部のフレスコ画

    ドーム部のフレスコ画

  • ニコラエフスキー宮殿<br />民族ショー

    ニコラエフスキー宮殿
    民族ショー

  • ニコラエフスキー宮殿<br />民族ショー

    ニコラエフスキー宮殿
    民族ショー

  • Izmailovsky<br />イサク聖堂回廊からの眺め

    Izmailovsky
    イサク聖堂回廊からの眺め

  • イサク聖堂回廊からの<br />夕焼け(午後9時過ぎ)

    イサク聖堂回廊からの
    夕焼け(午後9時過ぎ)

  • 夕焼けのイサク聖堂

    夕焼けのイサク聖堂

  • イサク聖堂内部

    イサク聖堂内部

  • イサク聖堂<br />中央真上の丸屋根部分の「聖母マリアの栄誉」

    イサク聖堂
    中央真上の丸屋根部分の「聖母マリアの栄誉」

  • めちゃくちゃ美味しかった<br />ロシア風キャベツスープ

    めちゃくちゃ美味しかった
    ロシア風キャベツスープ

  • 真ん中からせり上がる<br />跳ね橋

    真ん中からせり上がる
    跳ね橋

  • サンクトペテルブルグ<br />エルミタージュ美術館新館<br />ルノワール<br />「ジャンヌ・サマリーの肖像」

    サンクトペテルブルグ
    エルミタージュ美術館新館
    ルノワール
    「ジャンヌ・サマリーの肖像」

  • サンクトペテルブルグ<br />エルミタージュ美術館新館<br />ゴーギャン<br />「果実を持つ女」

    サンクトペテルブルグ
    エルミタージュ美術館新館
    ゴーギャン
    「果実を持つ女」

  • エルミタージュ美術館<br />入り口の「大使の階段」

    エルミタージュ美術館
    入り口の「大使の階段」

  • エルミタージュ美術館<br />カラヴァッジョ<br />「リュートを弾く若者」

    エルミタージュ美術館
    カラヴァッジョ
    「リュートを弾く若者」

  • サンクトペテルブルグ<br />高級レストラン(ストロガノフ家)<br />ステーキに近い<br />ビーフ・ストロガノフ

    サンクトペテルブルグ
    高級レストラン(ストロガノフ家)
    ステーキに近い
    ビーフ・ストロガノフ

  • 朝食<br />これで約300円!<br />冷たいボルシチも

    朝食
    これで約300円!
    冷たいボルシチも

  • サンクトペテルブルグ<br />トロイツキー大聖堂

    サンクトペテルブルグ
    トロイツキー大聖堂

  • サンクトペテルブルグ<br />トロイツキー大聖堂<br />内部

    サンクトペテルブルグ
    トロイツキー大聖堂
    内部

  • サンクトペテルブルグ<br />ロシア美術館<br />クストーディエフ<br />「お茶を飲む商人婦人」

    サンクトペテルブルグ
    ロシア美術館
    クストーディエフ
    「お茶を飲む商人婦人」

  • サンクトペテルブルグ<br />ロシア美術館<br />バクスト<br />「夕食」

    サンクトペテルブルグ
    ロシア美術館
    バクスト
    「夕食」

  • 高速鉄道「サプサン」<br />サンクトペテルブルグ~モスクワ

    高速鉄道「サプサン」
    サンクトペテルブルグ~モスクワ

  • モスクワのレストラン<br />

    モスクワのレストラン

  • モスクワのレストラン<br />魚料理(ニシンの蒸し焼き)

    モスクワのレストラン
    魚料理(ニシンの蒸し焼き)

  • 夜10時には暗くなるモスクワ

    夜10時には暗くなるモスクワ

  • モスクワ<br />クレムリン<br />広場と塔

    モスクワ
    クレムリン
    広場と塔

  • クレムリン<br />聖堂広場

    クレムリン
    聖堂広場

  • 子供博物館の屋上から<br />スターリン様式ビルの一つが

    子供博物館の屋上から
    スターリン様式ビルの一つが

  • モスクワ<br />赤の広場近く

    モスクワ
    赤の広場近く

  • モスクワ<br />グム百貨店

    モスクワ
    グム百貨店

  • 赤の広場<br />ワシリー寺院<br />アリーナと

    赤の広場
    ワシリー寺院
    アリーナと

  • モスクワ<br />flying bridge

    モスクワ
    flying bridge

  • モスクワ<br />救世主キリスト聖堂

    モスクワ
    救世主キリスト聖堂

  • モスクワ<br />高級レストランからの眺め<br />

    モスクワ
    高級レストランからの眺め

  • ジェリー状のカニ料理

    ジェリー状のカニ料理

  • 高級レストランからの夜景

    高級レストランからの夜景

  • 請求書はこのマトリョーシカの中に

    請求書はこのマトリョーシカの中に

  • モスクワ<br />豪華な地下鉄駅

    モスクワ
    豪華な地下鉄駅

  • モスクワ<br />Vernissage<br />お土産屋だけ?

    モスクワ
    Vernissage
    お土産屋だけ?

  • モスクワ<br />「雀が丘」からの街並み<br />大きなサッカー球場<br />ワールドカップ決勝会場

    モスクワ
    「雀が丘」からの街並み
    大きなサッカー球場
    ワールドカップ決勝会場

  • モスクワ大学建物<br />最大のスターリン様式

    モスクワ大学建物
    最大のスターリン様式

  • モスクワ<br />高級喫茶店<br />1,800円のケーキセット

    モスクワ
    高級喫茶店
    1,800円のケーキセット

  • クレムリン<br />カザンの聖母聖堂

    クレムリン
    カザンの聖母聖堂

  • モスクワ<br />赤の広場近くのレストラン<br />ななえちゃんと

    モスクワ
    赤の広場近くのレストラン
    ななえちゃんと

  • 赤の広場近く<br />ななえちゃんと

    赤の広場近く
    ななえちゃんと

  • モスクワ<br />ボリショイ劇場新館<br />演目のポスター

    モスクワ
    ボリショイ劇場新館
    演目のポスター

  • モスクワ<br />ボリショイ劇場新館<br />内部

    モスクワ
    ボリショイ劇場新館
    内部

  • ボリショイ劇場新館<br />カーテンコール

    ボリショイ劇場新館
    カーテンコール

  • モスクワ<br />トレチャコフ美術館

    モスクワ
    トレチャコフ美術館

  • モスクワ<br />トレチャコフ美術館<br />ウラジミール・ボロヴィコフスキー<br />「ロプヒナの肖像」

    モスクワ
    トレチャコフ美術館
    ウラジミール・ボロヴィコフスキー
    「ロプヒナの肖像」

  • モスクワ<br />トレチャコフ美術館<br />ヴェレシチャーギン<br />「戦争の結末」

    モスクワ
    トレチャコフ美術館
    ヴェレシチャーギン
    「戦争の結末」

  • モスクワ<br />ドモジェドヴォ空港<br />ラウンジの食事(ボルシチも)

    モスクワ
    ドモジェドヴォ空港
    ラウンジの食事(ボルシチも)

  • モスクワからのJAL便<br />エコノミークラスの食事

    モスクワからのJAL便
    エコノミークラスの食事

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