奇跡の離島「網地島」への旅②

2019/07/17 - 2019/07/18

幼い頃に何度か訪れたことのある宮城県石巻沖の離島「網地島」。
網地島は3.11の東日本大震災の震源地にとても近い島なので、もしかしたら島の景色は昔に見たものとは変わっているかもしれません。
網地島を訪れるのは30年ぶりくらい。
幼い頃に見た美しい白浜をもう一度見られるでしょうか。
網地島への旅、二日目です。

エリア 牡鹿半島(宮城)

おはようございます。
昨夜、濃霧の中必死の運転で辿り着いたホテルの窓からの眺めです。
う～ん、
ドン曇り！笑
雨は降っていないようなのでヨシとします。
朝食を済ませ、ホテルから車で10分の場所にある「門脇港」へ向かいます。

ホテルルートイン石巻中央 宿・ホテル

コチラ、網地島までのフェリーが出ている「門脇港」。
周囲が工事中の場所だらけで、少し道に迷いました。
既に磯の香がたちこめています。
往復チケットを購入し、フェリー乗船時間までしばし待つ。
ちなみにフェリーの往復料金は2600円くらい。
そしてチケットを購入しているのは大半が地元の人みたい。
(聞こえてくるのは東北弁ばかり）

網地島ライン 乗り物

発券所の建物横に子猫ちゃんがたくさんいました。

網地島ライン 乗り物

じゃれてる?
網地島の手前の田代島にはネコがたくさんいるということは知っていましたが、石巻もネコの街なのでしょうか。

網地島ライン 乗り物

ネコたちにちょっかいを出しつつ遊んでいたら、あっという間にフェリー出航の時間になりました。

網地島ライン 乗り物

コチラが網地島ラインのフェリーです。
思ったより大きい船だなぁ。

網地島ライン 乗り物

石巻からは田代島を経由して網地島へ渡ります。

網地島ライン 乗り物

船内はこんなかんじ。
わりかし乗客多いな。

網地島ライン 乗り物

フェリーが出航してから、階段を上ってデッキに出てみました。
デッキで優雅に海を眺めるぞ、と思ったのですが、思いがけない強風(潮風)と激しい揺れで一瞬にして髪も服もバッサバサに・・・。
そんなデッキのベンチには寝転んでいる作業着姿のお兄ちゃんたちが数名。
地元の方は慣れているのね・・・。

網地島ライン 乗り物

ノコノコとデッキに上がってきて、一瞬でバサバサになって揺れに足を取られつつヨロヨロと退散するヨソモノのワタシをチラリと横目で確認し、無言で見送るみなさん・・・。

デッキはね、想像以上に風と揺れが激しいから気を付けてくださいね。

網地島ライン 乗り物

そんなこんなで無事、網地島に到着。

網地島 自然・景勝地

さて、ここからどうしようかな？
島にはレンタカーもないし、バスも一日に数本。
どうやら島にはメインの道路と数本の山道しかないようなので、歩いて島巡りをしてみることにしました。

網地島 自然・景勝地

島のフェリー発着所正面の崖に巨大なアートがありました。
まだ製作途中な様子。

網地島 自然・景勝地

しばらく進んでみます。

網地島 自然・景勝地

道のすぐ脇はジャングルのような大自然。
そして同じフェリーに乗ってきた人々は一体どこに行ってしまったのかと思うほど、人の気配がなくひっそりとしています。

網地島 自然・景勝地

あ、ネコだ。

網地島 自然・景勝地

このネコちゃん、人懐こくてしばらく一緒に歩いてくれました。
かわいいヤツめ。

網地島 自然・景勝地

あちこちにネコがいます。

網地島 自然・景勝地

網地島もネコの島なのか・・・？

網地島 自然・景勝地

工事中の漁港に出ました。

網地島 自然・景勝地

まだ復旧中なんだね。

網地島 自然・景勝地

津波の時、この小さな島にどれだけの被害が出たのでしょうか。
多い時には3300人ほどいた島民は、今では300人ほどしか残っていないそうです。

網地島 自然・景勝地

漁港をあとにし、山の方へ向かってみます。

網地島 自然・景勝地

おや？
またネコがいるぞ。
もはや人よりネコの方が多いのでは？

網地島 自然・景勝地

このコ美人だな～！
しかもしっかりカメラ目線。
網地島のネコたちは美人が多いようです。

網地島 自然・景勝地

コチラは泊まってみたかった「潮見荘」さん。
宿泊客用のコテージは手作りなんだそうです。

網地島 自然・景勝地

またもやネコ発見 笑

網地島 自然・景勝地

それにしても本当に人の気配がありません。
フェリーを降りてから出会った人は島のおばぁちゃん一人。

網地島 自然・景勝地

コンビニはもちろんのこと、小売店的なものも見当たりません。

網地島 自然・景勝地

とりあえずどの道に進んでもメインの道路に行き当たるはずなので、ひたすら進みます。

網地島 自然・景勝地

あ、
あの二車線の道がメイン通りなはず！

網地島 自然・景勝地

道路脇にでっかいカラスの羽発見！

網地島 自然・景勝地

ココに来ても誰ともすれ違わず、少々不安になってきたところで何かの建物が見えてきました。

網地島 自然・景勝地

島の中学校のようです。

網地島 自然・景勝地

現在は廃校となっている中学校。

網地島 自然・景勝地

校庭にはバーベキューができる設備があり、教室は宿泊できるようにリノベーションされているそうです。

網地島 自然・景勝地

中学校の敷地内をウロウロしていたところ、校門から一台の軽自動車が入ってきました。
乗っているのは赤いジャージを着たおじさま。
フラリと降りてきたので、少しばかり島のことを聞いてみようと話しかけてみました。
おじさまは13年ほど前に関東から網地島へ移住してきのだそうです。
3.11のことや津波の話を伺ったところ、なんとこの島では地震や津波による死者は一人も出なかったとのこと。
震源地の金華山沖に近い網地島ですが、島の標高が少し高いためか、津波が島の手前で二つに割れて島を避けていったそうです。
人口が減っているのは過疎化の影響で、3.11のせいではないとのこと。
そして漁港の復旧作業は、地震の影響で1ｍほど下がってしまった土地を元の位置まで戻す工事なんだそうです。
お話を伺わなければ間違ったことを書いてしまうところでした。
地震直後には海水が地底の溝に全て流れ込んで、島の周りの海の水は一旦なくなり、海底が丸見えになったそうです。
そんな光景、想像するのが難しいですよね。
震源の至近距離にありながらも被害者の出なかった網地島は、島の人々の間では「奇跡の島」と言われているそうです。
これは、宮城県に住んでいるワタシの親戚や知人も知らなかった事実。
思いがけずとても貴重なお話を聞けたことに感謝。

ちなみに網地島では、月に12～13万円ほどあれば夫婦二人でヨユーで暮らせるらしいです。
やはり離島、いいな。

気が付けば小一時間ほど立ち話をしていました。
そしてお話が終わると車に乗り込んで去って行くおじさま。
そもそも中学校には何をしに来たのだろうか？笑
まぁいいか。

網地島 自然・景勝地

中学校のすぐ近くには、これまた廃校になった小学校をリノベーションして造られた島の病院がありました。

網地島 自然・景勝地

廃校を病院にした建物があることは知っていましたが、想像より立派な病院で驚きました。
(想像ではDr.コトーの診療所のようなイメージだったので)

網地島 自然・景勝地

校舎はそのまま病室として使われているようです。

網地島 自然・景勝地

ドクターヘリのヘリポートもありました。

網地島 自然・景勝地

中学校や病院のある場所は島のちょうど中間地点です。
本当は島の反対側にある灯台にも行きたかったのですが、フェリーの時間が近付いてきたので港に戻ります。

網地島 自然・景勝地

ここで、どっちの道に進むかしばし考える。
向かって右側の道はもと来た道。
左側は未知の世界。
どうせだったら違う道を歩いてみよう！ということで、左側の道から港へ向かうことに決定。

網地島 自然・景勝地

左側の道は最初に歩いた道より少しディープめな山道で、歩き始めた途端、ヘビに遭遇！
道の端っこまで寄って遠巻きに通り過ぎる。
・・・セーフ！

網地島 自然・景勝地

どんどんディープになっていく道に再び不安になってきた頃、

網地島 自然・景勝地

建物が見え始めました。

網地島 自然・景勝地

渋いバス停。

網地島 自然・景勝地

民家の先には海が見えます。

網地島 自然・景勝地

絶景だ～！
青空だったならどんだけの絶景なのでしょうか。
晴天のときにもう一度来たいな。

網地島 自然・景勝地

眼下にフェリー乗り場が見えてきました。

網地島 自然・景勝地

手作りっぽいツリーハウスを通り過ぎ、

網地島 自然・景勝地

白浜に到着。
けっこー歩いたなぁ。

網地島 自然・景勝地

網地港横のコチラが幼い頃に遊んだ白浜海岸。

網地島 自然・景勝地

記憶の中ではもっと広い浜だったので、懐かしい～！というかんじにはならず。
浜の景観は昔とはだいぶ違うようです。
防波ブロックも昔はなかったと思う。

網地島 自然・景勝地

さて、フェリーの時間になりました。

網地島ライン 乗り物

再びフェリーに乗り、その後仙台でレンタカーを返しつつ今宵の宿へ。
昼間は霧が出てなくて運転が楽だなぁ。

網地島ライン 乗り物

夜には宮城名物のホヤを食べてみました。
う～ん、磯の香り～！
次回網地島に行く時は絶対にウニを食べるぞ！
と心に誓う。

漁亭浜や エスパル店 グルメ・レストラン