2019/07/08 - 2019/07/10
231位(同エリア622件中)
骨ヅルさん
かねてより行きたかった、アマルフィ海岸の村、チェターラに行くことができました。
この小さな漁村は、世界にいくつかある魚醤の産地うちのひとつです。しかし、イタリア人の料理人に聞いても、知っている人は極僅か。
でも、近年のグルメ・ブームで、その人気、知名度は確実に向上していて、日本からの訪問客も多いとか。
ここには20年程前に2度行ったことがあって、また行きたいと思っていたものの、交通の便が良くなく、それだけのために行くのは勿体ないと二の足を踏んでおりましたが、家族も行きたいとしたので、車を借りて周辺へも足を延ばすつもりで実行に移しました。
毎度拙い中身ですが、その様子をどうぞご覧ください。
表紙は、チェターラの村をパノラマ・モードで撮ったものです。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 3.5
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 4.5
- ショッピング
- 4.0
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 家族旅行
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
- 交通手段
- レンタカー 徒歩
- 航空会社
- ルフトハンザドイツ航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
最寄りの空港、ナポリに向かった飛行機が、オーストリアを越えてイタリアに入り、ベネチアの上空に差し掛かりました。
あいにく、それまでなかった雲が海上で出ていました。記念硬貨の意匠にも by 骨ヅルさんサン マルコ広場 広場・公園
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参考に雲がないとどう見えるか、グーグルマップで同じような絵を作ってみました。
右端はベネチアの空港です。 -
ナポリに着いて、レンタカー屋に。
予約していたのと全然違う車を提示してきて、あーだこーだ時間が掛かります。
さすがイタリア! -
車を出せたのが午後1時。腹ごしらえにナポリ市内のピッツェリアに行ったのですが、そこまでの運転でドッと疲れ、着いた店の前には長蛇の列。
諦めて、パスタの村、グラニャーノへ向け再出発。
アウトストラーダ(高速道路)を下りた、途中のポンペイのスーパーで、水と食べ物を確保。
遺跡? スーパーの向かいの柵越しに見えたところだけ。30数年前に2度行っているので、けっこうです。
写真の「パスタ・オムレツ(Frittata di Pasta)」を初めて見たので、さっそく試しました。EUR1,29/kg。旨い!(ショーケースの中の暖める光のため赤みが増しています。) -
グラニャーノに到着するも、もうレストランはぜーんぶ閉まってました。予想はしていたけど。
でも、1軒だけ「パスタ」と「開店中」の文字。しかし、パスタ工場の販売所でした。
せっかくだからいくつか買いました。ご主人曰く、ここのパスタはここでしか売っていないとのこと。
写真のものは「Fusillo」、EUR3,50。 -
再び車を走らせ、ソレントへ。
断崖絶壁の上にある街が見えてきました。 -
ソレントの中心部に駐車場の料金所と思しき建物です(実際には自動精算機で)。
ヘチマみたいなものが、たくさんぶら下がっていました。 -
これは城壁の一部でしょうか? それとも回廊ですかね。
Porta meridionaleかなぁ?? -
目抜き通りのコルソ・イタリア。
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同じ位置から、反対側です。
教会様の建物は、カテドラル。 -
1本北(海岸寄り)に並行する小路。土産物屋がいっぱい!
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海辺に出てみました。
絶壁の下にある海岸には、猫の額ほどの砂浜があり、桟橋様の囲いと共に海水浴場が作られています。
左上には薄っすらとベスビオ火山が、矢印の延長上はグラニャーノから降りてきた道(6コマ上)です。 -
上の撮影位置の向かいにある公園、ヴィットリア広場。
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その海辺への小路に、スナックバーがありました。そのメニュー(下)には、見たこともない「Panuozzo」の文字。
この日は、昼食を喰いっ逸れていて、かといって夕食を摂るレストランは決めていましたので、ちょっとした間食として試してみることに。小腹が空いたときに by 骨ヅルさんア マレンナ パン屋
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メニュー上の説明には、
「カンパーナ伝統の典型的なピザパン。
大きなサンドイッチの形をしているが、ピザのように軽くて美味い。」
実際に4番(上の写真の右)と9番(同左)を試しましたが、具を挟んで食べるとパンの味の、チャバーッタや(本来のイタリア語から離れた欧州各国の)パニーニとの違いが分かりませんでした(いうか、美味かったので気にせず食べちゃった)。 -
店の入り口です。
-
【写真は借用】
元々ソレントのあとは、チェターラに向かう途中のポジターノやアマルフィでちょいと見物しようと思っていましたが、行程が押してしまって、翌日以降にし、素通りしただけでした。
その「翌日以降」も時間がなく、しかも同乗者がクネクネ道で車酔いして、結局行かず仕舞い。「まぁ、車窓から綺麗な景色が見られたから良いやー!」と皆納得してます。
アマルフィには20年前に行ってるし....
写真は、それぞれの公式サイトから無断でお借りしました。 -
チェターラに到着。
2泊したホテル、「Cetara Albergo Diffuso」です。 -
割り当てられた部屋がある、斜向かいの別棟(ピンク色の建物)。
部屋は(日本式で)2階のバルコニーがあるところです。 -
部屋。
昔では考えられないほどの綺麗さです。
こんな田舎町のホテルならほとんど出なかったであろうお湯もちゃんと出ます。
冷房完備。Wi-Fiも電波がちゃんと来てました。 -
バルコニーとそこからの村。
左側の白い壁の建物が母屋。 -
時刻は午後9時半を回り、夕食へ。
行き先は「リストランテ・サン ピエトロ」です。魚醤を使った料理で有名な食堂 by 骨ヅルさんリストランテ サン ピエトロ イタリアン
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メニュー。席料はひとりEUR2,-です。
ひとりは車酔いが治らず、戦列離脱。
3人で、第一の皿3つ頼んで、第二の皿はふたつで勘弁してもらおうと頼んだら、合計5皿は多いから3皿にしろと。でも、食べたいものがあったので、2+2の4皿にしました。 -
この旅行の最大の目的は、コラトゥーラのスパゲッティを食すこと。
Spaghetti con colatura di alici 13,-
なお、料理長が来て食べ方を尋ねられ、というか、プリーミのスパゲッティふた皿をそれぞれ3人に分けて出そうかと提案してくれ、大賛成!
もちろん少量になっちゃいますが、それぞれ(コソコソ皿を廻すことなく)食べられて大満足でした。 -
そのほか、
Spaghetti alle vongole veraci 12,-(ボンゴレ)、
Zuppa di pesce misto di scoglio 25,-(断崖絶壁の魚介類スープ)、
Frittura mista del golfo 18,-(《たぶんここの》湾のフリットミスト)
を注文。
「スープ」は、平皿に盛られた立派なメイン(セコンド)です。3方に飛び出しているものは皮付きのパンを焼いたもの。
どれも、とても美味しゅうございました。
特にフリットミストは、素材はもちろん、揚げ方も素晴らしく、給仕が言ったように多くて全部食べ切れなかった残りをホテルで臥せっている同行者に持って帰りましたが、時間が経っているにも拘らず、油の臭みは出ず、カリカリ度もけっこう残っていました。 -
シェフと記念撮影。
同行者の目隠しに使った右側のシェフの写真は20年前のものです。
このシェフは、日本のテレビを含むいろいろな媒体に出ていますので、目隠ししません。
彼は、しょっつるを見に、男鹿まで行ったそうです(と理解した)。
上のフリットミストにもハタハタが入っていると言っていました。 -
ホテルの朝食です。
ちなみに宿銭は、4人部屋2泊で朝食込EUR290,-、それにひとり4EURの宿泊(観光?)税。駐車場料金は取られませんでした。 -
ホテルの前にある広場。
-
この旅の第二の目的は、コラトゥーラの製作現場を見ること。
現場と言ったって、貯蔵庫を見るだけですが。
見せて頂いたのは、三代続く老舗、Nettunoです。 -
店内です。
コラトゥーラは、例えば100mlの瓶入りがEUR7,-。 -
ところでその「魚醤」ですが、ここチェターラでの、カタクチイワシを原料としたものを一般的に「コラトゥーラ」と呼んでいます。
しかしcolaturaの原義は、濾過や滴り落ちることですから、本来は(上述レストランのスパゲッティの記述のごとく)「colatura di alici」としなければなりません。
なお、説明してくださったご主人は、NHKのイタリア語講座にも出演されたとのことで、あのB5版のテキストを見せてくれました。 -
貯蔵所にいくつもある、コラトゥーラの樽です。
樽の中にカタクチイワシを入れ、上から塩を振り、重しをして、ここでは3年置くそうです(何軒かの他の店のものは1~2年でした)。
機が熟したら、樽の底に穴を開け、魚の上に浮いた水分(醤)をもとの魚を通しながら受けます。
左上は、滴る樽の底です。 -
これは村の魚屋です。陶器タイルの絵(マヨリカ焼?)が素晴らしい!
-
どこかの建物の壁にあった、タイルに描かれた村の絵。
-
これはお土産に買った小皿です。直径7~8cm。
-
村には海岸に沿う他町村を結ぶ国道を除くと、主要道路は谷を走り海に至る1本があるのみ。
これがそのガルバルディ通りです。 -
その通りに、揚げ物屋がありました。路面(のみ)には片手くらいのテーブルを出し、レストランとしても営業しています。
ここにもパスタの揚げ物があったので、試してみました。美味!
L'Oasi del Gusto
crocche' 1,-
frittatina 2,-
イタリアには両手両足を超える回数来ていますが、シチリアを除く南イタリアにはじっくり滞在しておらず、知らなかった食べ物に遭遇し、驚きとともに感動(大袈裟?)しました。
先のPanuozzoは、ここにもありました。 -
この日の昼食は、アクアパッツァというレストランです。
ここは、コラトゥーラを自前で作っていて、調理に使っているとのことで選びました。
席料はひとりEUR3,- -
左上のお通し代わりのパン横の大きな瓶がオリーヴオイル、手前の小さな瓶がコラトゥーラです。
前菜は、その右隣から時計回りに、
Tataki di tonno 11,-(鮪のたたき)
Alici Salate maturate in botti per 12 mesi 6,-(樽で12ヶ月塩漬けにしたカタクチイワシ)
Carpaccio di polpo in emulsione di olio e Limone con frutta fresca 11,-(レモンとオイルに浸かった蛸のカルパッチョ+新鮮な果物添え)
「emulsione」のこの場合の意味が分からないのですが、実際浸ってました。
右下のアンチョビ、要はコラトゥーラを作った後の発生品ですね。
味はどれもまぁまぁ。趣味の問題もあるでしょうが。
たたきは、素材でなく「たたき」方として絶対日本の方が旨いです。 -
上半分の第一の皿は、
Spaghetti con colatura di alici 14,-、
Zito spezzato con genovese di tonno 17,-(鮪のジェノヴァ風ジート)
このジーティも初めて(細かくいえば上のパスタ販売店で)。「spezzato」もジートの説明なのか、それをさらに砕いた意味なのか分かりません。
左下の第二の皿は、
Frittura mista 21,-
で、一人前を皆で分けました。
どれも美味しゅうございましたが、同じものをサン ピエトロで食べたふた品は、あちらが上です。
なお、ここは英語が普通に通じます。 -
村の海岸です。
砂浜というよりは、細かい石浜という感じで、足がズボズボ沈み込みます。
右角の写真は約20年前のもので、人も疎らです。9月初めでしたが、季節の差以上の人の少なさです。
有料のパラソル、ベッドなどは無く、逆にこの地方特有の色をした小船がたくさんありました。
観光地化著しいですね。 -
沖から見た村です。
-
この日の夜のレストランは決めておらず、良さそうに見えた、da Spadoneという店に入りました(左から2軒目)。
20年前はまともなレストラン(Ristorante)が、サン ピエトロとたった1軒のホテルの中以外無いと村人に聞きました(観光案内所も無かった)が、今はいくつもあり、そのほとんどがコラトゥーラを扱ったものを出しています。 -
ここでも変わらず、コラトゥーラのスパゲッティ(10,-)とヴォンゴレ(12,-)、それにピッツァ・マルゲリータ(5,-)を。
ヴォンゴレはそれなりに旨かったですが、コラトゥーラはそれ自体が超ー塩っぱく、このためへの再訪はないでしょう。ピザはこの値段にしてはかなり良いです。
右下は、サービスで出してくれた食後酒、リモンチェッロ(Limoncello)とメロンチェッロ(Meloncello)です。 -
この村は、毎年6月29日に祭りがあり、そのときの電飾が未だ残っていました。
-
翌日は途中何があるか分からないので、早々に出発し、極めて順調に行けたので、ナポリに11時半には着いちゃいました。
未だ空腹には程遠い感じでしたが、ナポリ到着後直ぐに食べられなかった超ー混みのピザ屋も比較的空いているだろうと踏んで再トライ。
元々車を止める場所もないし、止めると盗難の危険性も高いので、持ち帰りにして車内で皆で分けてと思って行って大正解。既にできていた行列は入店待ちで、僅か数分で買えました。
写真では良く分かりませんが、A4の長辺よりは確実に長い箱に収まりきらないくらいの、もはや円ではなくどちらかというと四角で、箱の白い底が見えない大きさのPizza Margheritta doppioがEUR5,-です。ここでの「ドッピオ」(二重)は、チーズの量が倍とのこと。
味は、一般的に申し分ない旨さでしたが、量の多いチーズがところにより重なっているのか、完全に溶けておらず、食感が悪いところがありました。
が、この味、この値段なら、文句は絶ーー対に言えません(でも次回は普通のにしようっと)。逆にここで食べたら、東京にある支店で税別2000円も出して食べるのは、はっきり言って大ばかやろーだと思っちゃいます(敢えて批判を恐れず)。充分に良いと思う by 骨ヅルさんアンティーカ ピッツェリア ダ ミケーレ 地元の料理
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帰りの飛行機は夕刻発なので、かなり時間が余っちゃいました。
ナポリ市内を車で走るのは、超ーストレスなので、というか、運転者の私は大変ながらも構わないのですが、同乗者が乗っているだけで疲労困憊だと。
だから、車での最後に眺めの良いところに行きました。
三十余年前にナポリ観光を手配したときに「ナポリは危ないから丘の上でのみバス降車」と言われて行ったところが分からず、お城の袂へ行きました。
丁度そこにはArx Caféなる軽食屋があり、時間潰しとトイレ利用に最適でした(飲み物は高かったけど)。 -
そこからの眺望です。
手前に市街地。右に(木が邪魔で見にくいですが)海、その向こうにベスビオ火山が見えます。ナポリの街が見渡せる丘 by 骨ヅルさんヴォメロの丘 散歩・街歩き
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上の約60度左側。
いくつかの遺跡様のものが見えます。
帰ってから調べたら、ここは昔行ったところとは違いました。でも、経験がないところの方がベターです。 -
【写真は借用】
このあとは直接空港に向かい、車を真っさらな状態で返せました。ちなみに借りたのは、独オーペルのSUV(ディーゼル)です。
愚かなことに、車の写真を撮り忘れてしまって、このコマはオーペルの公式サイトから(無断)借用しています。
今までイタリアでは片手くらいの運転経験がありますが、最南端はローマ。今回初めて南イタリアで運転しましたが、ローマに増してキツかったです。
特にナポリの街中では、ただでさえ道が良く分からず、現地人からすればノタノタ走っている我が車を、隙さえあらば追い抜こうとする車に加えて、たくさんのハエのような二輪車が右から左から僅かな隙間からすり抜けながら追い越していきます。歩行者も信号が何だろうが平気で直前を横切ります。
正に有視界飛行の世界です。
北イタリア・トリノ出身のイタリア人にこの話をしたら、第一声が「インポッシービレ(impossibile)!」。ナポリで運転するなんて気違いだと言っていました。
でも、ナポリの空港からバス・列車を乗り継いだら、ひとり片道最低EUR20,-で都合EUR160,-。レンタカー代は全部をカバーする保険を掛けて3日間でEUR139,39。給油はたった1回のEUR20,-(13L)、それに高速(有料)道路料金がEUR6,20で、合計はほぼ同額。行動の自由を考えれば決して悪くないです。 -
ナポリの空港です。
前回とは、見違えるほど綺麗でモダンになりました。ローカル空港 by 骨ヅルさんナポリ カポディチーノ国際空港 (NAP) 空港
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出発ホールです。
-
機は折り返しの到着便が着陸する頃に突如襲った夕立でかなり遅れましたが、無事に出発。予想通り、離陸後左に旋回し、左舷にはナポリの街が見えました(○印)。矢印のところが先の城がある丘。
さらに、左手の海上にはカプリ島が見えました。 -
途中、往路では霞んで見えなかった(3月に行った)サン・マリノが見えました。
このあとは、代わり映えしないフライト。これでお仕舞にします。サンマリノ歴史地区とティターノ山 史跡・遺跡
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