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 重慶が未来都市を彷彿とさせるのは、山の上に高層ビルがにょきにょき生えている風景によるところもある。TikTokは中国で開発されたアプリだが、中国ではインスタ映えならぬTikTok映えと言うそうだ。重慶はまさにTikTok映えする都市だと、中国のネット民から注目を集めている。<br /> SF映画の様相を呈している上半城に対して、下半城はアジアのカオスそのものだ。一歩陋巷(ろうこう)に迷い込むと、そこには無秩序な退廃ムードが漂っている。霧雨に包まれた夜に、掃きだめのような貧民屈からアッパーシティのネオンサインを見上げると、それはどこかで見た風景だ。突然、路地裏からブレードランナーに追い詰められたレプリカントが飛び出してきても、全く違和感はない。そういえば、1982年公開の映画「ブレードランナー」の時代設定は2019年だった。ちょうど今年である。映画の舞台は、高層ビルに「強力わかもと」のネオンサインが怪しい人口過密都市で、主人公のデッカードは酸性雨降りしきる下町の屋台でうどんを食べていた。その過去と未来の入り混じったアンバランスなヴィジュアルこそ、まさに今の重慶ではないだろうか。<br />夜中に重慶小面を外のテーブルですすっている男たちを見ながら、そんなことを思っていた。<br />

重慶浪漫 (前篇)

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2019/06/17 - 2019/06/20

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SamShinobu

SamShinobuさん

 重慶が未来都市を彷彿とさせるのは、山の上に高層ビルがにょきにょき生えている風景によるところもある。TikTokは中国で開発されたアプリだが、中国ではインスタ映えならぬTikTok映えと言うそうだ。重慶はまさにTikTok映えする都市だと、中国のネット民から注目を集めている。
 SF映画の様相を呈している上半城に対して、下半城はアジアのカオスそのものだ。一歩陋巷(ろうこう)に迷い込むと、そこには無秩序な退廃ムードが漂っている。霧雨に包まれた夜に、掃きだめのような貧民屈からアッパーシティのネオンサインを見上げると、それはどこかで見た風景だ。突然、路地裏からブレードランナーに追い詰められたレプリカントが飛び出してきても、全く違和感はない。そういえば、1982年公開の映画「ブレードランナー」の時代設定は2019年だった。ちょうど今年である。映画の舞台は、高層ビルに「強力わかもと」のネオンサインが怪しい人口過密都市で、主人公のデッカードは酸性雨降りしきる下町の屋台でうどんを食べていた。その過去と未来の入り混じったアンバランスなヴィジュアルこそ、まさに今の重慶ではないだろうか。
夜中に重慶小面を外のテーブルですすっている男たちを見ながら、そんなことを思っていた。

旅行の満足度
4.0
観光
3.5
ホテル
5.0
グルメ
3.5
ショッピング
3.0
交通
4.0
同行者
一人旅
交通手段
鉄道 徒歩
航空会社
スプリングジャパン
旅行の手配内容
個別手配

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  •  重慶と聞くと、何を連想するだろうか。香港の重慶マンション、横浜中華街の重慶飯店、はたまた役者の藤岡重慶?重慶の街並みや、長江と嘉陵江の二大河川が合流する雄大な風景が、ぱっと目に浮かぶ日本人はそういないと思う。<br /> お隣りの都市、成都にはパンダがいたり、中国4大料理のひとつといわれる四川料理があるが、重慶には見どころやお薦めがあまりない。観光も成都に来たついでに、ちょっと立ち寄る人はいても、重慶メインの日本人旅行者はほぼいないんじゃないかな。<br /> 重慶名物を訊ねると、重慶は中国3大火釜と呼ばれており、南京、武漢と並んで夏の暑さが尋常じゃないらしい。夏は最高気温が40℃を超える日も珍しくないが、日本一暑い街、埼玉県熊谷市同様、そんなもん売りにならない。<br />また火鍋の発祥が重慶らしいが、火鍋を食べるためだけにわざわざ日本から行く人も少ないでしょう。<br /> では歴史の舞台として見た時はどうだろう。日中戦争当時、重慶は蒋介石率いる国民党政権の臨時首都であった。日本軍は、ここに市民を巻き込んだ無差別爆撃を仕掛け、ひたすら爆弾を投下し続けた。1万人以上を殺戮したと言われている重慶爆撃である。南京大虐殺のような中国側の捏造ではなく、実際に空爆したという日本軍の記録も残っている。その為、現在でも市民の反日感情は他の都市に比べて強いらしい。東京を大空襲で火の海にされ、広島、長崎に原爆を落とされても、戦後教育と洗脳によってアメリカを憎むどころか、まんまと大好きになった日本人と違い、空爆で家族を失い、その後も反日教育をきっちり受けてきた重慶人にとって、未だに日本人に対する複雑な思いは拭い去ることは出来ないのだろう。<br /> 何だかここまで書いてきて、観光するのに良いことがひとつもない事に気付いた。では何故、重慶だったのだろう?中国は色々な所を訪ねたが、内陸部は未経験だったこともある。上海や北京のような日本でガイドブックが手に入るような観光地には飽きていた。そう、きっと何もないのがいいのかもしれない。日本人がほとんどいない街に行って、何が起こるか分からない緊張感の中で地元の人とふれあうのが、自分流の旅の醍醐味なのだ。<br /> と、それらしいことを言ってはみたが、実のところ重慶を選んだ最大の理由は、航空券の安さだった。以前は日本からの直行便はなく、高い航空運賃を払って飛行機を乗り継がないと、重慶には行けなかった。それが春秋航空日本というLCCが2016年に成田からの直行便を就航し、格安で重慶に行けると知って俄然興味が湧いてきたのだ。この旅では成田~重慶往復チケットが、なんと27,239円だった。この激安価格を見た瞬間、心の中の旅の虫が疼き始めたのは言うまでもない。<br /> 何もない街と言ったが、重慶には長江が流れている。中国大陸を横断する長江は全長6,300㎞あり、世界で3番目に長い川だ。重慶から河口付近の上海まででも2,300㎞ある。以前上海に行った際に長江を高速船で渡ったが、海より広くて驚いた。上海から遥か遡った重慶で、滔々と流れる大河を眺めつつ昼からビールを飲む。それが僕にとって、旅情をかきたてる最高の重慶浪漫かもしれない。<br /><br />

     重慶と聞くと、何を連想するだろうか。香港の重慶マンション、横浜中華街の重慶飯店、はたまた役者の藤岡重慶?重慶の街並みや、長江と嘉陵江の二大河川が合流する雄大な風景が、ぱっと目に浮かぶ日本人はそういないと思う。
     お隣りの都市、成都にはパンダがいたり、中国4大料理のひとつといわれる四川料理があるが、重慶には見どころやお薦めがあまりない。観光も成都に来たついでに、ちょっと立ち寄る人はいても、重慶メインの日本人旅行者はほぼいないんじゃないかな。
     重慶名物を訊ねると、重慶は中国3大火釜と呼ばれており、南京、武漢と並んで夏の暑さが尋常じゃないらしい。夏は最高気温が40℃を超える日も珍しくないが、日本一暑い街、埼玉県熊谷市同様、そんなもん売りにならない。
    また火鍋の発祥が重慶らしいが、火鍋を食べるためだけにわざわざ日本から行く人も少ないでしょう。
     では歴史の舞台として見た時はどうだろう。日中戦争当時、重慶は蒋介石率いる国民党政権の臨時首都であった。日本軍は、ここに市民を巻き込んだ無差別爆撃を仕掛け、ひたすら爆弾を投下し続けた。1万人以上を殺戮したと言われている重慶爆撃である。南京大虐殺のような中国側の捏造ではなく、実際に空爆したという日本軍の記録も残っている。その為、現在でも市民の反日感情は他の都市に比べて強いらしい。東京を大空襲で火の海にされ、広島、長崎に原爆を落とされても、戦後教育と洗脳によってアメリカを憎むどころか、まんまと大好きになった日本人と違い、空爆で家族を失い、その後も反日教育をきっちり受けてきた重慶人にとって、未だに日本人に対する複雑な思いは拭い去ることは出来ないのだろう。
     何だかここまで書いてきて、観光するのに良いことがひとつもない事に気付いた。では何故、重慶だったのだろう?中国は色々な所を訪ねたが、内陸部は未経験だったこともある。上海や北京のような日本でガイドブックが手に入るような観光地には飽きていた。そう、きっと何もないのがいいのかもしれない。日本人がほとんどいない街に行って、何が起こるか分からない緊張感の中で地元の人とふれあうのが、自分流の旅の醍醐味なのだ。
     と、それらしいことを言ってはみたが、実のところ重慶を選んだ最大の理由は、航空券の安さだった。以前は日本からの直行便はなく、高い航空運賃を払って飛行機を乗り継がないと、重慶には行けなかった。それが春秋航空日本というLCCが2016年に成田からの直行便を就航し、格安で重慶に行けると知って俄然興味が湧いてきたのだ。この旅では成田~重慶往復チケットが、なんと27,239円だった。この激安価格を見た瞬間、心の中の旅の虫が疼き始めたのは言うまでもない。
     何もない街と言ったが、重慶には長江が流れている。中国大陸を横断する長江は全長6,300㎞あり、世界で3番目に長い川だ。重慶から河口付近の上海まででも2,300㎞ある。以前上海に行った際に長江を高速船で渡ったが、海より広くて驚いた。上海から遥か遡った重慶で、滔々と流れる大河を眺めつつ昼からビールを飲む。それが僕にとって、旅情をかきたてる最高の重慶浪漫かもしれない。

  • 6月17日(月)<br /> 2015年にオープンしたばかりの成田空港第3ターミナルは、通称LCCターミナルと言って、ジェットスター、バニラエア、チェジュ航空、そして春秋航空日本の4社が共用している。それ以外のLCCは従来通り第1や第2ターミナルを使っているので、LCCがすべて第3という訳ではない。<br /> 第2ターミナルのある空港第2ビル駅で降りた場合、第3ターミナルまでは約15分と空港案内に書かれていた。しかし床に引かれている陸上競技のトラックのような導線のおかげでアスリート気分になり、プレハブ体育館のようなターミナルビルまで10分もかからなかった。シャトルバスもあるが、大きな荷物がなければ歩いた方が早い。安普請なこの建物、国際空港が醸し出す旅の情緒は露ほども感じられない。<br /> 春秋航空日本のチェックインカウンターは個人用、団体用が各2つずつしかないので、時間がかかる。8時05分に並んだが、チェックインが済んだのは、8時40分だった。春秋航空日本の国際線は機内持込制限が5kgまでで、荷物を預けると別料金が発生する。そのため荷物はバックパック一つにして、必要最低限の衣服と必需品だけ詰めた。5kg以内に抑えることはさほど大変ではなかった。ちなみに5kgの計り方だが、荷造りしたバックパックを背負って体重計に乗り、それから荷物無しで再度計る。その差を見れば一目瞭然で、バックパックとショルダーバック、合計4.7kgだった。<br /> ところが、空港での計量では、4.3kgだった。財布やスマホ、コンパクトカメラをズボンのポケットに入れていたからだろうが、あくまで荷物の重量でいいらしい。それでも「乗機まで重さが超えないようにお願いします」と言われた。とは言っても、搭乗時に再度計量がある訳ではない。<br />

    6月17日(月)
     2015年にオープンしたばかりの成田空港第3ターミナルは、通称LCCターミナルと言って、ジェットスター、バニラエア、チェジュ航空、そして春秋航空日本の4社が共用している。それ以外のLCCは従来通り第1や第2ターミナルを使っているので、LCCがすべて第3という訳ではない。
     第2ターミナルのある空港第2ビル駅で降りた場合、第3ターミナルまでは約15分と空港案内に書かれていた。しかし床に引かれている陸上競技のトラックのような導線のおかげでアスリート気分になり、プレハブ体育館のようなターミナルビルまで10分もかからなかった。シャトルバスもあるが、大きな荷物がなければ歩いた方が早い。安普請なこの建物、国際空港が醸し出す旅の情緒は露ほども感じられない。
     春秋航空日本のチェックインカウンターは個人用、団体用が各2つずつしかないので、時間がかかる。8時05分に並んだが、チェックインが済んだのは、8時40分だった。春秋航空日本の国際線は機内持込制限が5kgまでで、荷物を預けると別料金が発生する。そのため荷物はバックパック一つにして、必要最低限の衣服と必需品だけ詰めた。5kg以内に抑えることはさほど大変ではなかった。ちなみに5kgの計り方だが、荷造りしたバックパックを背負って体重計に乗り、それから荷物無しで再度計る。その差を見れば一目瞭然で、バックパックとショルダーバック、合計4.7kgだった。
     ところが、空港での計量では、4.3kgだった。財布やスマホ、コンパクトカメラをズボンのポケットに入れていたからだろうが、あくまで荷物の重量でいいらしい。それでも「乗機まで重さが超えないようにお願いします」と言われた。とは言っても、搭乗時に再度計量がある訳ではない。

  • 春秋航空日本IJ357<br /> 搭乗口の150番ゲートからはバスで沖止めしているボーイング737-800に向かう。青空に映える機体を間近で見上げた後、タラップを上がるのは気分が良い。そういう意味では沖止めも悪くない。IJ357に乗り込むと、明るいグリーンを基調とした制服のCAたちが笑顔で迎えてくれた。<br />

    春秋航空日本IJ357
     搭乗口の150番ゲートからはバスで沖止めしているボーイング737-800に向かう。青空に映える機体を間近で見上げた後、タラップを上がるのは気分が良い。そういう意味では沖止めも悪くない。IJ357に乗り込むと、明るいグリーンを基調とした制服のCAたちが笑顔で迎えてくれた。

  •  今まで日系のLCCさえ乗った事がないのに、LCC初体験がいきなり中国系とはハードルが高いのではないかと心配していた。ところが、よくよく調べてみると、今回乗った成田~重慶便は、春秋航空日本という日系の航空会社だった。この会社は筆頭株主こそ上海に本社を置く春秋航空だが、その他は日本国内の投資家が占める日本法人だ。当機の機長は日本人で、CAも5人中3人が日本人だった。<br /> CAは皆フレンドリーな対応で、中国人CAも片言の日本語を一生懸命話そうとしている。横柄で日本語どころか英語も通じない、中国系のフルサービスキャリア(中国国際航空や中国東方航空)なんかと比べたら数倍快適である。<br /> 189席ある客席はほぼ満席で、聞いたところ日本人乗客は10人ほどだそうだ。他は中国からのインバウンドの客が大多数を占めている。日本観光を終えた団体さんの中国語が機内を飛び交うし、後ろの席の子供はタブレットでアニメを見ており、イヤホンを着けていないので大層うるさいが、おかげで早々に中国スイッチが入った。<br />

     今まで日系のLCCさえ乗った事がないのに、LCC初体験がいきなり中国系とはハードルが高いのではないかと心配していた。ところが、よくよく調べてみると、今回乗った成田~重慶便は、春秋航空日本という日系の航空会社だった。この会社は筆頭株主こそ上海に本社を置く春秋航空だが、その他は日本国内の投資家が占める日本法人だ。当機の機長は日本人で、CAも5人中3人が日本人だった。
     CAは皆フレンドリーな対応で、中国人CAも片言の日本語を一生懸命話そうとしている。横柄で日本語どころか英語も通じない、中国系のフルサービスキャリア(中国国際航空や中国東方航空)なんかと比べたら数倍快適である。
     189席ある客席はほぼ満席で、聞いたところ日本人乗客は10人ほどだそうだ。他は中国からのインバウンドの客が大多数を占めている。日本観光を終えた団体さんの中国語が機内を飛び交うし、後ろの席の子供はタブレットでアニメを見ており、イヤホンを着けていないので大層うるさいが、おかげで早々に中国スイッチが入った。

  •  ネットで航空券を購入する際、片道1,200円のエクストラチャージを払って、足元がややゆったりとした「レッグシート」を予約した。フルサービスキャリアのエコノミークラスと比較しても、このレッグシートは広くて快適である。LCCのビジネスクラスと勝手に呼ばせて貰おう。それでも前述の通り、往復27,239円である。<br /> 出発予定時刻は10時00分だが、3分遅れて10時03分の出発。離陸したのは10時16分だった。ちなみに飛行時間(フライトタイム)というのは、飛行機の離陸から着陸までの時間を言う。車輪が地面を離れてから再び地上に着くまでの時間である。それに対して出発時刻と言うのは、飛行機が滑走路を走り出した瞬間のことで、到着時刻はゲートに入って車輪が停止する瞬間を言う。<br /> 離陸してしばらくすると、機内アナウンスが流れ、飛行機の左側に富士山が見えることを告げた。まだ雪の残る富士を上空から眺めるのは、確かに美しい。中国人乗客たちは一様に浮足立ち、慌ててカメラを取り出している。そのうち右側の人が左側に押し寄せ、僕の前に乗り出してもお構いなしに写真を撮り出す始末である。楽しいぞ!君たち!<br />

     ネットで航空券を購入する際、片道1,200円のエクストラチャージを払って、足元がややゆったりとした「レッグシート」を予約した。フルサービスキャリアのエコノミークラスと比較しても、このレッグシートは広くて快適である。LCCのビジネスクラスと勝手に呼ばせて貰おう。それでも前述の通り、往復27,239円である。
     出発予定時刻は10時00分だが、3分遅れて10時03分の出発。離陸したのは10時16分だった。ちなみに飛行時間(フライトタイム)というのは、飛行機の離陸から着陸までの時間を言う。車輪が地面を離れてから再び地上に着くまでの時間である。それに対して出発時刻と言うのは、飛行機が滑走路を走り出した瞬間のことで、到着時刻はゲートに入って車輪が停止する瞬間を言う。
     離陸してしばらくすると、機内アナウンスが流れ、飛行機の左側に富士山が見えることを告げた。まだ雪の残る富士を上空から眺めるのは、確かに美しい。中国人乗客たちは一様に浮足立ち、慌ててカメラを取り出している。そのうち右側の人が左側に押し寄せ、僕の前に乗り出してもお構いなしに写真を撮り出す始末である。楽しいぞ!君たち!

  •  10時45分に機内販売開始。機内食は800円払って、一種類しかない「すき焼き弁当」を頼んだ。ビールはアサヒスーパードライ350ml缶が500円。飲み物と一緒に頼むと50円引きのサービス有り。支払いはキャッシュオンで、円でも元でも構わない。メニュー表示は円である。持ち込みもアリなのでわざわざ不味い機内食を食べることもないのだが、せっかく初めてのLCCなので、機内食の実力を見てみよう。いつもは一斉に配膳される機内食も、春秋航空の場合いつでも欲しいタイミングで注文できる。これもLCCの強みか。とは言っても、12時40分にはすき焼き弁当完売のアナウンスが入ったので注意が必要だ。味はともかく量が少ないので、大人一人分としては心許ない。周りを見回すと、カップヌードルを食べている人が多かった。<br /> 魔法瓶やらプラスチックのボトルを持った乗客達が引っ切りなしにギャレーに行き、お湯を貰っている。中国人は習慣として、マイボトルでお茶や白湯を飲む。それだけでもかなりCAにとって負担だと思うが、CAの後藤さん曰く、「たくさんご用意していないとお湯が足りなくなっちゃうんです。文化ですね」<br />と笑顔で対応している。<br /> シートモニターはないので、5時間15分の往路はきついかと思ったが、CAの皆さんの接客も良く快適に過ごすことが出来た。<br />

     10時45分に機内販売開始。機内食は800円払って、一種類しかない「すき焼き弁当」を頼んだ。ビールはアサヒスーパードライ350ml缶が500円。飲み物と一緒に頼むと50円引きのサービス有り。支払いはキャッシュオンで、円でも元でも構わない。メニュー表示は円である。持ち込みもアリなのでわざわざ不味い機内食を食べることもないのだが、せっかく初めてのLCCなので、機内食の実力を見てみよう。いつもは一斉に配膳される機内食も、春秋航空の場合いつでも欲しいタイミングで注文できる。これもLCCの強みか。とは言っても、12時40分にはすき焼き弁当完売のアナウンスが入ったので注意が必要だ。味はともかく量が少ないので、大人一人分としては心許ない。周りを見回すと、カップヌードルを食べている人が多かった。
     魔法瓶やらプラスチックのボトルを持った乗客達が引っ切りなしにギャレーに行き、お湯を貰っている。中国人は習慣として、マイボトルでお茶や白湯を飲む。それだけでもかなりCAにとって負担だと思うが、CAの後藤さん曰く、「たくさんご用意していないとお湯が足りなくなっちゃうんです。文化ですね」
    と笑顔で対応している。
     シートモニターはないので、5時間15分の往路はきついかと思ったが、CAの皆さんの接客も良く快適に過ごすことが出来た。

  •  さて、LCCに多いと聞く遅延、欠航について春秋航空日本はどうなんだろう。週4便就航している重慶便の、過去2ヶ月における遅延状況(往路)を調べてみた。重慶到着予定時刻は14:15だが、この2ヶ月間で1時間以上遅れたのはたったの2回だった。だとしたら、かなり優秀な方なんじゃないかな?<br /> 機体は徐々に高度を下げ、14時07分着陸。予定時刻より1分遅れの14時16分に重慶江北国際空港に到着した。やっぱり優秀だった!<br />

     さて、LCCに多いと聞く遅延、欠航について春秋航空日本はどうなんだろう。週4便就航している重慶便の、過去2ヶ月における遅延状況(往路)を調べてみた。重慶到着予定時刻は14:15だが、この2ヶ月間で1時間以上遅れたのはたったの2回だった。だとしたら、かなり優秀な方なんじゃないかな?
     機体は徐々に高度を下げ、14時07分着陸。予定時刻より1分遅れの14時16分に重慶江北国際空港に到着した。やっぱり優秀だった!

  • 重慶江北国際空港第3ターミナル<br /> 2017年8月に運用開始されたばかりの重慶江北国際空港第3ターミナルは、とても広くて立派な設備が整う綺麗な空港だ。成田第3ターミナルとは雲泥の差である。空港で人民元に両替。レートは1元=約18円だった。<br />

    重慶江北国際空港第3ターミナル
     2017年8月に運用開始されたばかりの重慶江北国際空港第3ターミナルは、とても広くて立派な設備が整う綺麗な空港だ。成田第3ターミナルとは雲泥の差である。空港で人民元に両替。レートは1元=約18円だった。

  • 地下鉄有人窓口<br /> 空港地下一階にある地下鉄の窓口で、重慶の交通カード「暢通カード」を25元(450円)で購入し、30元(540円)チャージしてもらった。空港第3ターミナルも新しければ、当然、乗り入れている地下鉄10号線の駅も出来たばかりである。ここ江北機場T3航駅から31分乗って、紅土地駅で地下鉄6号線に乗り換える。

    地下鉄有人窓口
     空港地下一階にある地下鉄の窓口で、重慶の交通カード「暢通カード」を25元(450円)で購入し、30元(540円)チャージしてもらった。空港第3ターミナルも新しければ、当然、乗り入れている地下鉄10号線の駅も出来たばかりである。ここ江北機場T3航駅から31分乗って、紅土地駅で地下鉄6号線に乗り換える。

  •  紅土地駅は中国で一番深い地下鉄の駅で、地下94mの所にあるそうだ。日本で最も深い地下鉄の駅は大江戸線六本木駅だが、それでも42.3mである。その倍以上の深さがあるのだから、下車してから地上に出るのも一苦労だろう。

     紅土地駅は中国で一番深い地下鉄の駅で、地下94mの所にあるそうだ。日本で最も深い地下鉄の駅は大江戸線六本木駅だが、それでも42.3mである。その倍以上の深さがあるのだから、下車してから地上に出るのも一苦労だろう。

  •  地下深く走っていたはずの電車は、紅土地駅を出ると間もなく地上に出る。すると今度は嘉陵江という大河に架かる鉄橋を渡り始めた。電車は橋を渡り切ったらまた地下に入り、この高低差に戸惑っている間もなく、目的地の小什字駅に着いた。紅土地駅からちょうど10分である。<br />

     地下深く走っていたはずの電車は、紅土地駅を出ると間もなく地上に出る。すると今度は嘉陵江という大河に架かる鉄橋を渡り始めた。電車は橋を渡り切ったらまた地下に入り、この高低差に戸惑っている間もなく、目的地の小什字駅に着いた。紅土地駅からちょうど10分である。

  • 小什字駅<br /> 6番出口から地上に出ると、出口の上に羅漢寺が見えてその三方をビルが囲んでいる不思議な光景が目に飛び込んで来る。<br /> そして街の喧騒と匂いに包まれて、中国好きの血が騒ぎ始めた。そこから民族路を5分も歩けばホテルだ。

    小什字駅
     6番出口から地上に出ると、出口の上に羅漢寺が見えてその三方をビルが囲んでいる不思議な光景が目に飛び込んで来る。
     そして街の喧騒と匂いに包まれて、中国好きの血が騒ぎ始めた。そこから民族路を5分も歩けばホテルだ。

  • サマセット ジィファンベイ 重慶 (重慶解放碑盛捷服務公寓)<br /> サマセットホテルは、シンガポールに本社を置くアスコット社のブランドの一つで、長期滞在者向けサービスアパートメントである。もちろん短期の宿泊でも構わないが、キッチンや洗濯機があるのが特徴だ。日本にも進出していて、銀座、赤坂にもある。<br /> 25階建て、157室を有するサマセット重慶は、民族路に面した合景大厦の9階にフロントがあり、客室は15階~25階。2009年にオープンしたので、比較的新しい。朝食付きで一泊約7,000円。ポイントが少しあったので、今回もエクスペディアで予約した。<br />

    サマセット ジィファンベイ 重慶 (重慶解放碑盛捷服務公寓)
     サマセットホテルは、シンガポールに本社を置くアスコット社のブランドの一つで、長期滞在者向けサービスアパートメントである。もちろん短期の宿泊でも構わないが、キッチンや洗濯機があるのが特徴だ。日本にも進出していて、銀座、赤坂にもある。
     25階建て、157室を有するサマセット重慶は、民族路に面した合景大厦の9階にフロントがあり、客室は15階~25階。2009年にオープンしたので、比較的新しい。朝食付きで一泊約7,000円。ポイントが少しあったので、今回もエクスペディアで予約した。

  •  チェックイン時にSales Executiveの王敏さんが挨拶に来られた。流暢な日本語を話す綺麗なお嬢さんである。一人旅だと話すと「何かお困りのことがあったらいつでも連絡してください」と言って、WeChatを交換してくれた。どんだけ親切なんだ。

     チェックイン時にSales Executiveの王敏さんが挨拶に来られた。流暢な日本語を話す綺麗なお嬢さんである。一人旅だと話すと「何かお困りのことがあったらいつでも連絡してください」と言って、WeChatを交換してくれた。どんだけ親切なんだ。

  •  フロントの正面奥にあるラウンジは、夜は「美華」というバーになるようなので行ってみよう。

     フロントの正面奥にあるラウンジは、夜は「美華」というバーになるようなので行ってみよう。

  •  そのラウンジにある螺旋階段を上がると朝食のブュッフェ会場だ。

     そのラウンジにある螺旋階段を上がると朝食のブュッフェ会場だ。

  •  ラウンジの手前には本棚が有り、本やDVDの貸出もしている。DVDの中には日本の映画も置いてあった。

     ラウンジの手前には本棚が有り、本やDVDの貸出もしている。DVDの中には日本の映画も置いてあった。

  •  部屋は19階で、窓からは商業の中心である解放碑が正面に見える。アメニティは一通り揃っており、バスローブがあったので助かった。電子レンジや、当然DVDプレイヤーも設置されている。

     部屋は19階で、窓からは商業の中心である解放碑が正面に見える。アメニティは一通り揃っており、バスローブがあったので助かった。電子レンジや、当然DVDプレイヤーも設置されている。

  • 重慶小面<br /> 小腹がすいたので、重慶名物のひとつである重慶小面を食べようと思い、ホテル前の民族路を解放碑に向かって歩く。最初の交差点の地下に「民族路158号美食庫」という食堂街があり、小吃屋が10店舗以上並んでいた。階段を降りた最初の店「花市豌雑面」に入店。

    重慶小面
     小腹がすいたので、重慶名物のひとつである重慶小面を食べようと思い、ホテル前の民族路を解放碑に向かって歩く。最初の交差点の地下に「民族路158号美食庫」という食堂街があり、小吃屋が10店舗以上並んでいた。階段を降りた最初の店「花市豌雑面」に入店。

  •  壁のメニューを見ながら、僕はあることを思い出していた。出発前に重慶旅行をした人のブログを読んでいたのだが、驚いたことに大半の旅行者がお腹を壊していたのだ。<br /> 重慶料理は激辛が基本だ。その辛さは殺人的と言っても決して過言ではなく、普通の日本人の胃腸では太刀打ちできる代物ではない。重慶小面も例外ではなく、何も言わなければ死ぬほど辛いものが出てくる。その為、「不要辣 B&#249;y&#224;ol&#224;」「不要辣椒B&#249;y&#224;ol&#224;ji&#257;o」と、その都度「辛いの要らない」と強調しないといけない。あるいは「清湯 Q&#299;ngt&#257;ng」と言って、「透明なスープで」と、お願いしよう。ちなみに少しだけ辛くして欲しいときは、「微辣w&#275;i l&#224;」。もっと微量な辛さでいいときは、「微微辣w&#275;iw&#275;i l&#224;」という。<br /> 

     壁のメニューを見ながら、僕はあることを思い出していた。出発前に重慶旅行をした人のブログを読んでいたのだが、驚いたことに大半の旅行者がお腹を壊していたのだ。
     重慶料理は激辛が基本だ。その辛さは殺人的と言っても決して過言ではなく、普通の日本人の胃腸では太刀打ちできる代物ではない。重慶小面も例外ではなく、何も言わなければ死ぬほど辛いものが出てくる。その為、「不要辣 Bùyàolà」「不要辣椒Bùyàolàjiāo」と、その都度「辛いの要らない」と強調しないといけない。あるいは「清湯 Qīngtāng」と言って、「透明なスープで」と、お願いしよう。ちなみに少しだけ辛くして欲しいときは、「微辣wēi là」。もっと微量な辛さでいいときは、「微微辣wēiwēi là」という。
     

  •  さて、元々お腹がやわな僕なので、オーソドックスな牛肉麺を「清湯」で注文。旅行中ずっとトイレを探したくなければ、君子危うきに近寄らずである。<br /> ところが、牛肉麺は清湯はないと言う。以前食べた蘭洲拉面店の牛肉麺は全然辛くなかったのに。さすが重慶の牛肉麺は辛いものが標準なのか。<br /> すると、おばさんが「豌雑面なら辛くないのも出来るよ」と言うので、それを二両お願いした。二両というのは「並」のことだ。「大盛」が欲しければ「三両」という。<br />

     さて、元々お腹がやわな僕なので、オーソドックスな牛肉麺を「清湯」で注文。旅行中ずっとトイレを探したくなければ、君子危うきに近寄らずである。
     ところが、牛肉麺は清湯はないと言う。以前食べた蘭洲拉面店の牛肉麺は全然辛くなかったのに。さすが重慶の牛肉麺は辛いものが標準なのか。
     すると、おばさんが「豌雑面なら辛くないのも出来るよ」と言うので、それを二両お願いした。二両というのは「並」のことだ。「大盛」が欲しければ「三両」という。

  •  豌雑面はこの店の推し麺のようで、挽き肉と乾燥させた赤えんどう豆を煮込んだものがのった汁無し麺だ。赤えんどう豆と言っても何故か黄色い。普通はこれに激辛の辣椒がたっぷりと入っているのだろう。<br /> 先ほどのおばさんがジェスチャーでよく混ぜろと教えてくれるが、麺が絡まって上手く混ぜられない。適当に混ぜて食べようとしたら、もっとちゃんと混ぜなきゃダメだとおばさんに大声で叱られる。いや、おばさんは優しく教えてくれているのだ。決して怒って怒鳴りつけている訳ではない。これに慣れるには何年かかるだろうかと思いながら、混ぜ混ぜし続けた。

     豌雑面はこの店の推し麺のようで、挽き肉と乾燥させた赤えんどう豆を煮込んだものがのった汁無し麺だ。赤えんどう豆と言っても何故か黄色い。普通はこれに激辛の辣椒がたっぷりと入っているのだろう。
     先ほどのおばさんがジェスチャーでよく混ぜろと教えてくれるが、麺が絡まって上手く混ぜられない。適当に混ぜて食べようとしたら、もっとちゃんと混ぜなきゃダメだとおばさんに大声で叱られる。いや、おばさんは優しく教えてくれているのだ。決して怒って怒鳴りつけている訳ではない。これに慣れるには何年かかるだろうかと思いながら、混ぜ混ぜし続けた。

  •  混ぜながら店内を見ていたら、「重慶小面10強」と書かれたプレートが壁に掛かっている。この店、重慶小面ベスト10に選ばれた店らしい。へえー。<br /> では、実食。挽き肉と赤えんどう豆は美味しいが、麺は柔らか過ぎで、二両でもかなり量が多い。途中で飽きるし、それに油で胃がもたれた。<br /> 豌雑面は二両で14元(250円)、それとミネラルウォーターが2元(36円)だった。今日の夕飯おしまい。

     混ぜながら店内を見ていたら、「重慶小面10強」と書かれたプレートが壁に掛かっている。この店、重慶小面ベスト10に選ばれた店らしい。へえー。
     では、実食。挽き肉と赤えんどう豆は美味しいが、麺は柔らか過ぎで、二両でもかなり量が多い。途中で飽きるし、それに油で胃がもたれた。
     豌雑面は二両で14元(250円)、それとミネラルウォーターが2元(36円)だった。今日の夕飯おしまい。

  • 雲竹里足浴養生館<br /> 解放碑の目の前にある大都会広場という高級デパートに入っているマッサージ店。ここで飛行機の疲れを癒そう。全身マッサージを1時間お願いする。136元(2,450円)だ。豪華な店構えだけあって結構いい値段だ。プチ贅沢だが、僕にとってマッサージは中国旅行の楽しみのひとつなので外せない。<br /> しかし、痛いだけで最悪のマッサージ師だった。太めのおばさんが来たときに嫌な予感がしたが、指も太くてツボに入らない。ただ力任せに押されて案の定、翌日揉み返しが酷かった。勿論マッサージ師に依るところが大きいが、中国のマッサージの質は値段と比例しない所が難しい。<br />

    雲竹里足浴養生館
     解放碑の目の前にある大都会広場という高級デパートに入っているマッサージ店。ここで飛行機の疲れを癒そう。全身マッサージを1時間お願いする。136元(2,450円)だ。豪華な店構えだけあって結構いい値段だ。プチ贅沢だが、僕にとってマッサージは中国旅行の楽しみのひとつなので外せない。
     しかし、痛いだけで最悪のマッサージ師だった。太めのおばさんが来たときに嫌な予感がしたが、指も太くてツボに入らない。ただ力任せに押されて案の定、翌日揉み返しが酷かった。勿論マッサージ師に依るところが大きいが、中国のマッサージの質は値段と比例しない所が難しい。

  • 解放碑 <br /> 人民解放記念碑は、重慶を代表する商業の中心でありランドマークだろう。さしずめ銀座4丁目交差点、和光の時計台といったところか。重慶で最も賑わいのある繁華街の待ち合わせ場所としても最適だ。観光客が多く、大勢が解放碑をバックに写真を撮っている。<br />

    解放碑 
     人民解放記念碑は、重慶を代表する商業の中心でありランドマークだろう。さしずめ銀座4丁目交差点、和光の時計台といったところか。重慶で最も賑わいのある繁華街の待ち合わせ場所としても最適だ。観光客が多く、大勢が解放碑をバックに写真を撮っている。

  •  当初、抗日戦争勝利を記念して建てられ、後に人民解放軍によって重慶が国民党から解放されたのを記念して、解放碑と名付けられた。 <br /> 日本国総領事館のウェブサイトによると、碑の下には撃墜された旧日本軍機の残骸が埋められているらしい。観光に浮かれていないで、日本人として神聖な場所に合掌せねばならない。

     当初、抗日戦争勝利を記念して建てられ、後に人民解放軍によって重慶が国民党から解放されたのを記念して、解放碑と名付けられた。 
     日本国総領事館のウェブサイトによると、碑の下には撃墜された旧日本軍機の残骸が埋められているらしい。観光に浮かれていないで、日本人として神聖な場所に合掌せねばならない。

  • 打望<br /> 中国で美人が多い街ランキングというのがあって、嘘か誠か、重慶が一番らしい。特に解放碑付近において、重慶美人の出没率が高いそうで、その辺りで街行く美人を眺めることを、重慶語で「打望(d&#462;w&#224;ng)」と言うそうだ。わざわざそんな言葉があるくらいだから、もしや本当に重慶は美人が多いのかもしれないと、僕も「打望」を決め込むことにした。とりあえず解放碑の下で、ぼーっと街行く女性を眺めて美人を探す。って、ここは神聖な場所じゃなかったんかい!<br />

    打望
     中国で美人が多い街ランキングというのがあって、嘘か誠か、重慶が一番らしい。特に解放碑付近において、重慶美人の出没率が高いそうで、その辺りで街行く美人を眺めることを、重慶語で「打望(dǎwàng)」と言うそうだ。わざわざそんな言葉があるくらいだから、もしや本当に重慶は美人が多いのかもしれないと、僕も「打望」を決め込むことにした。とりあえず解放碑の下で、ぼーっと街行く女性を眺めて美人を探す。って、ここは神聖な場所じゃなかったんかい!

  •  しかし、大連や杭州、ハルピンも美人が多いと聞いていたが、そのいずれも期待外れだったことを思い出す。確かに時たまスタイルのいい女性が通るが、美人が多いと言うより派手で目立つ女性が多い気がする。中国女性の服装は大胆なのだ。 <br /> うーん、やはり残念ながら、六本木や青山の方がはるかに美人は多いという結論に達したので、そろそろホテルに戻ってバーで飲むことにしよう。

     しかし、大連や杭州、ハルピンも美人が多いと聞いていたが、そのいずれも期待外れだったことを思い出す。確かに時たまスタイルのいい女性が通るが、美人が多いと言うより派手で目立つ女性が多い気がする。中国女性の服装は大胆なのだ。 
     うーん、やはり残念ながら、六本木や青山の方がはるかに美人は多いという結論に達したので、そろそろホテルに戻ってバーで飲むことにしよう。

  • ホテルのBAR<br /> ホテルのフロント正面にある「BAR美華」に入る。カウンターの向こうに3人の女性がおり、客は3人の中国人がテーブル席で飲んでいるだけだ。 カウンターに座ると、「いらっしゃいませ」と日本語で迎えられる。日本人だということがバレバレじゃないか。ていうか、日本語なんだ。このホテルは日本人宿泊客が多いからか、BARといっても日式スナックの様相を呈している。<br /> ビールを注文し、メニューを見ると、ほっけ焼き、冷奴、蕎麦、親子丼、お好み焼き等並んでいて、思わず「居酒屋かっ」とツッコんでしまった。聞くと、女性の一人が以前重慶の日本料理店で働いていた事があって、その時学んだそうだ。小腹がすいていたので、怖いもの見たさでお好み焼きを注文してみた。<br /> さて、重慶総領事館が発表した重慶市在留邦人数は361人(2018年)。重慶市の人口は3000万人以上だが、その中で361人の日本人が肩を寄せ合って生きているかと思うと、こんな飲み屋は貴重なのかも知れない。駐在の方がいたら話を聞いてみたいと思っていたが、残念なから僕以外の客は最後までテーブルの中国人しかいなかった。<br /> かなり待たされたが、お好み焼きが出て来た。見た目は一般的なお好み焼きと変わらない。一口食べて驚いた。普通に美味しいのだ。それを言うと、作ってくれた女性はどや顔で、「食事をしに来る日本人も多いんです」と。<br /> 「さっき解放碑で打望したけど、重慶美人はいなかったよ」と話すと、「解放碑は観光客はかりで、重慶人はあまりいません。打望するなら観音橋です」とのこと。なるほどね。<br />

    ホテルのBAR
     ホテルのフロント正面にある「BAR美華」に入る。カウンターの向こうに3人の女性がおり、客は3人の中国人がテーブル席で飲んでいるだけだ。 カウンターに座ると、「いらっしゃいませ」と日本語で迎えられる。日本人だということがバレバレじゃないか。ていうか、日本語なんだ。このホテルは日本人宿泊客が多いからか、BARといっても日式スナックの様相を呈している。
     ビールを注文し、メニューを見ると、ほっけ焼き、冷奴、蕎麦、親子丼、お好み焼き等並んでいて、思わず「居酒屋かっ」とツッコんでしまった。聞くと、女性の一人が以前重慶の日本料理店で働いていた事があって、その時学んだそうだ。小腹がすいていたので、怖いもの見たさでお好み焼きを注文してみた。
     さて、重慶総領事館が発表した重慶市在留邦人数は361人(2018年)。重慶市の人口は3000万人以上だが、その中で361人の日本人が肩を寄せ合って生きているかと思うと、こんな飲み屋は貴重なのかも知れない。駐在の方がいたら話を聞いてみたいと思っていたが、残念なから僕以外の客は最後までテーブルの中国人しかいなかった。
     かなり待たされたが、お好み焼きが出て来た。見た目は一般的なお好み焼きと変わらない。一口食べて驚いた。普通に美味しいのだ。それを言うと、作ってくれた女性はどや顔で、「食事をしに来る日本人も多いんです」と。
     「さっき解放碑で打望したけど、重慶美人はいなかったよ」と話すと、「解放碑は観光客はかりで、重慶人はあまりいません。打望するなら観音橋です」とのこと。なるほどね。

  • 山城ビールと重慶ビール<br /> 部屋に戻って、コンビニで買ったビールを飲む。どちらも同じメーカーのビールで、アルコール度数が低いので飲みやすい。<br /> テレビで中国の番組を見ながらグダグダと飲んでいたら、いつの間にか寝落ちしていた。<br />

    山城ビールと重慶ビール
     部屋に戻って、コンビニで買ったビールを飲む。どちらも同じメーカーのビールで、アルコール度数が低いので飲みやすい。
     テレビで中国の番組を見ながらグダグダと飲んでいたら、いつの間にか寝落ちしていた。

  • 6月18日(火)<br />朝食ブュッフェ<br /> ホテルの朝食は、フロント前の螺旋階段を上がったフロアでブュッフェだ。ちなみに今回は朝食付きプランしかなかったのだが、もし別にこのブュッフェで朝食をとると、一食50元(900円)である。<br /><br />

    6月18日(火)
    朝食ブュッフェ
     ホテルの朝食は、フロント前の螺旋階段を上がったフロアでブュッフェだ。ちなみに今回は朝食付きプランしかなかったのだが、もし別にこのブュッフェで朝食をとると、一食50元(900円)である。

  •  重慶小面を不要辣で作って貰い、焼きそば、炒飯を皿に取る。

     重慶小面を不要辣で作って貰い、焼きそば、炒飯を皿に取る。

  •     炭水化物ばかりだと思ったが、この後死ぬほど歩いたので結果オーライだ。他にトマトの卵炒めやサラダ等色々食べたが悪くなかった。

    炭水化物ばかりだと思ったが、この後死ぬほど歩いたので結果オーライだ。他にトマトの卵炒めやサラダ等色々食べたが悪くなかった。

  •  特に重慶小面はとても美味しくて、重慶人から「辛くないのは邪道だ」と言われそうだが、僕は清湯で大満足。

     特に重慶小面はとても美味しくて、重慶人から「辛くないのは邪道だ」と言われそうだが、僕は清湯で大満足。

  •  ホテルの部屋から解放碑を望む。

     ホテルの部屋から解放碑を望む。

  •  ホテル周辺。

     ホテル周辺。

  • 羅漢寺<br /> 小什字駅の6番出口の裏に建つ羅漢寺で拝観料10元(180円)を払うと、お線香をくれる。約1000年前に創建された仏教寺院は、日本軍による空爆や文化大革命でも破壊されたが、修復を繰り返しどっこい生きてる古刹だ。現在も大規模な修繕を行っている。

    羅漢寺
     小什字駅の6番出口の裏に建つ羅漢寺で拝観料10元(180円)を払うと、お線香をくれる。約1000年前に創建された仏教寺院は、日本軍による空爆や文化大革命でも破壊されたが、修復を繰り返しどっこい生きてる古刹だ。現在も大規模な修繕を行っている。

  •  周りは高層建築が建ち並び、ビルの谷間に完全に埋没している様はどこか哀愁を帯びてさえいる。<br />

     周りは高層建築が建ち並び、ビルの谷間に完全に埋没している様はどこか哀愁を帯びてさえいる。

  •  羅漢とは正式には阿羅漢と言う。アラカンと聞くと、とうとうアラ還になった自分のことを言われている気になるが、こちらは僕より少々偉い。なにしろ仏法を守護する聖人のことだ。

     羅漢とは正式には阿羅漢と言う。アラカンと聞くと、とうとうアラ還になった自分のことを言われている気になるが、こちらは僕より少々偉い。なにしろ仏法を守護する聖人のことだ。

  •  貰った線香に火をつけてお参りすると、ゆったりとした時間の流れに心が落ち着いて心地よかった。

     貰った線香に火をつけてお参りすると、ゆったりとした時間の流れに心が落ち着いて心地よかった。

  • 長江ロープウェイ(長江索道)<br /> ニューヨークには、マンハッタンとルーズベルト島を結んでイーストリバーを渡るケーブルカーがある。映画でもよく登場し、確か「レオン」のラストシーンでも出てきた。<br /> そして重慶にも長江を渡るロープウェイがあり、ニューヨークのケーブルカーによく似ている。なるほど、これも重慶が中国のマン ハッタンと呼ばれる理由の一つかも知れない。<br />

    長江ロープウェイ(長江索道)
     ニューヨークには、マンハッタンとルーズベルト島を結んでイーストリバーを渡るケーブルカーがある。映画でもよく登場し、確か「レオン」のラストシーンでも出てきた。
     そして重慶にも長江を渡るロープウェイがあり、ニューヨークのケーブルカーによく似ている。なるほど、これも重慶が中国のマン ハッタンと呼ばれる理由の一つかも知れない。

  •  まだ重慶に橋が1本しかなかった1980年代後半、長江ロープウェイの運営が始まった。当時は市民の足として重要な交通機関だったが、その後幾つかの橋が架けられ、また地下鉄やモノレールも走るようになって、長江ロープウェイはその役割を終えつつある。<br /> しかし現在は観光資源として観光客に人気があり、そうなるとチケット代もうなぎ登りで、片道がなんと20元(360円)もする。地下鉄ならば、ほぼ同じ区間(小什字~上新街)がたったの2元だ。ましてロープウェイは観光客でごった返していて、場合によっては1時間も並ぶので、もう市民が利用することはないだろう。

     まだ重慶に橋が1本しかなかった1980年代後半、長江ロープウェイの運営が始まった。当時は市民の足として重要な交通機関だったが、その後幾つかの橋が架けられ、また地下鉄やモノレールも走るようになって、長江ロープウェイはその役割を終えつつある。
     しかし現在は観光資源として観光客に人気があり、そうなるとチケット代もうなぎ登りで、片道がなんと20元(360円)もする。地下鉄ならば、ほぼ同じ区間(小什字~上新街)がたったの2元だ。ましてロープウェイは観光客でごった返していて、場合によっては1時間も並ぶので、もう市民が利用することはないだろう。

  •  9時過ぎに新華路沿いにあるロープウェイ乗り場に着くと、既にかなりの行列が出来ている。チケット売り場でどのくらい待つか尋ねると、20分とのこと。片道切符を購入すると、チケットにも進入時間9:23と書いてある。意外と早いなとほっとしたのも束の間。少ししたら列が全く進まなくなり、結局乗れたのは10:20だった。Punctualな日本人としては少々イラッとするが、これくらいのことは鷹揚でないと中国ではやってられない。

     9時過ぎに新華路沿いにあるロープウェイ乗り場に着くと、既にかなりの行列が出来ている。チケット売り場でどのくらい待つか尋ねると、20分とのこと。片道切符を購入すると、チケットにも進入時間9:23と書いてある。意外と早いなとほっとしたのも束の間。少ししたら列が全く進まなくなり、結局乗れたのは10:20だった。Punctualな日本人としては少々イラッとするが、これくらいのことは鷹揚でないと中国ではやってられない。

  •  待っている間、重慶ロープウェイで撮影された映画の展示があり、先日EXILEのAKIRAと結婚したリン・チーリン主演の「北京紐約(Beijin&amp;NewYork)」という映画が紹介されていた。2015年の作品らしいが、クリストファー・ドイルが撮影なので見てみたい。

     待っている間、重慶ロープウェイで撮影された映画の展示があり、先日EXILEのAKIRAと結婚したリン・チーリン主演の「北京紐約(Beijin&NewYork)」という映画が紹介されていた。2015年の作品らしいが、クリストファー・ドイルが撮影なので見てみたい。

  •  エレベーターで2階に上がると乗り場のゲートが2つあり、人が並んでいない方に並べば一台見送ることになるが1番先に乗れる。何しろぎゅうぎゅう詰めに乗せるので、窓際のポジションを取らないとせっかくの景色も見られない。また左右の扉のところの窓はガラスがないので、写真を撮る人はここがベスポジだ。当然僕はそこを確保して、長江を上空から撮りまくった。

     エレベーターで2階に上がると乗り場のゲートが2つあり、人が並んでいない方に並べば一台見送ることになるが1番先に乗れる。何しろぎゅうぎゅう詰めに乗せるので、窓際のポジションを取らないとせっかくの景色も見られない。また左右の扉のところの窓はガラスがないので、写真を撮る人はここがベスポジだ。当然僕はそこを確保して、長江を上空から撮りまくった。

  •  「山城」とも呼ばれている重慶は、起伏に富んだ地形を上手く利用してビルが建てられており、そんな不思議な街の造形を、ロープウェイから俯瞰するのも面白い。

     「山城」とも呼ばれている重慶は、起伏に富んだ地形を上手く利用してビルが建てられており、そんな不思議な街の造形を、ロープウェイから俯瞰するのも面白い。

  • 龍門浩老街<br /> ロープウェイ乗り場と東水門大橋に挟まれるようにして、お洒落な街が広がっている。重慶が開港した100年以上前、この辺りはイギリス、アメリカ、フランスの大使館や商社が建ち並んでいた。近年は老朽化して取り壊された建物も多かったが、残った洋館をリノベーションして、昨年9月、レストランやバー、茶館、ショップ等の商業施設がオープンした。ただし傾斜に建っているため、移動の階段がきつい。<br />

    龍門浩老街
     ロープウェイ乗り場と東水門大橋に挟まれるようにして、お洒落な街が広がっている。重慶が開港した100年以上前、この辺りはイギリス、アメリカ、フランスの大使館や商社が建ち並んでいた。近年は老朽化して取り壊された建物も多かったが、残った洋館をリノベーションして、昨年9月、レストランやバー、茶館、ショップ等の商業施設がオープンした。ただし傾斜に建っているため、移動の階段がきつい。

  • 市外see wide <br /> アメリカ大使館の施設のひとつだった建物をリノベーションしたレストラン。ここのテラス席なら、念願の長江を眺めながらビールが飲めると思い、「飲み物だけでも構わないか」と確認し入店。11時前だったので客は一人もいなかった。できれば重慶のビールを飲みたかったが、見たこともない気取った感じのビールしか置いてなかったので、BUZZ BrewingのCherry beerを頼んだ。<br />

    市外see wide
     アメリカ大使館の施設のひとつだった建物をリノベーションしたレストラン。ここのテラス席なら、念願の長江を眺めながらビールが飲めると思い、「飲み物だけでも構わないか」と確認し入店。11時前だったので客は一人もいなかった。できれば重慶のビールを飲みたかったが、見たこともない気取った感じのビールしか置いてなかったので、BUZZ BrewingのCherry beerを頼んだ。

  •  長江を一望出来るテラス席を独り占めし、午前中からビールを飲んでまったりする。嗚呼、極楽極楽。

     長江を一望出来るテラス席を独り占めし、午前中からビールを飲んでまったりする。嗚呼、極楽極楽。

  •  せっかくなので長江をバックに写真を撮って貰おうと思い、若いウェイトレスにお願いした。すると、よそ見している僕を撮り、「この方がいいでしょ?」と、画面をこちらに見せる。確かに自然な写真で、よく撮れている。中国でも今時の子は映える写真の撮りかたを知っていると感心した。そして何を思ったのか、自分のスマホを出して「撮ってもいいですか」と聞いてきた。そんなに日本人が珍しいのか?勿論オッケーし、それならばと撮影大会になって僕のカメラでも自撮りツーショットを撮った。

     せっかくなので長江をバックに写真を撮って貰おうと思い、若いウェイトレスにお願いした。すると、よそ見している僕を撮り、「この方がいいでしょ?」と、画面をこちらに見せる。確かに自然な写真で、よく撮れている。中国でも今時の子は映える写真の撮りかたを知っていると感心した。そして何を思ったのか、自分のスマホを出して「撮ってもいいですか」と聞いてきた。そんなに日本人が珍しいのか?勿論オッケーし、それならばと撮影大会になって僕のカメラでも自撮りツーショットを撮った。

  •  現金が使えない?!<br /> さてそろそろ次の目的地に移動しようと会計をお願いしたら、なんとこの店、現金が使えないとのこと。いつの間にか中国はモバイル決済が主流になり、もはや彼らは現金を持ち歩かなくなった。スマホがあればなんでも出来る。ウイチャットペイかアリペイで、小汚い屋台でさえ支払う事が出来るのだ。そのため街のカフェでも現金を取り扱わない店が増えてきている。中国政府は現金の受け取りを拒否しないように指導しているが、全く徹底されていないようだ。急激な発展はいいが、中国の場合細かいところまで検証せずにサービスを導入するので、一部に切り捨てられる人が出る。<br /> 中国は外国人旅行者にとって実に不便な国になってしまった。店を利用する前に現金でも構わないかと、いちいち聞かないといけなくなった。知ってはいたが、早くビールが飲みたくて、うっかりしていた。<br /> 件の彼女がウイチャットで払えないのかと聞いてくる。ウイチャットは使っているが、中国の銀行に口座がないので、ウイチャットペイは使えないと説明する。クレジットカードも使えないし、彼女に関してはvisaやmaster cardなど見たこともないそうだ。<br /> そうだ、僕が彼女に現金を渡して、彼女がウイチャットで払ってくれればいいんじゃないかと言うと、それなら出来るとのこと。そこで100元札を渡すと、今度はお釣りがないという。僕も無かったので、釣銭はチップで君にあげると言うと、ウイチャットの連絡先を交換して下さいと言ってきた。おいおい、このタイミングでナンパですか?と、快く交換して店を出た。<br /> するとしばらくして、彼女からウイチャットにメールが届き、「有難うございました。でもチップを貰う理由がないので受け取れません」と英語で書かれている。そして「微信紅包」というウイチャットでお金のやり取りが出来るシステムで、釣銭を返金してきた。真面目か。でも、ウイチャットで支払う事が出来ないという事は、貰うことも出来ないと気付いて欲しかった。まあ、面白い経験をさせてもらったので、良しとしよう。願わくは、あのチップが彼女に戻ればいいが。<br /><br />

     現金が使えない?!
     さてそろそろ次の目的地に移動しようと会計をお願いしたら、なんとこの店、現金が使えないとのこと。いつの間にか中国はモバイル決済が主流になり、もはや彼らは現金を持ち歩かなくなった。スマホがあればなんでも出来る。ウイチャットペイかアリペイで、小汚い屋台でさえ支払う事が出来るのだ。そのため街のカフェでも現金を取り扱わない店が増えてきている。中国政府は現金の受け取りを拒否しないように指導しているが、全く徹底されていないようだ。急激な発展はいいが、中国の場合細かいところまで検証せずにサービスを導入するので、一部に切り捨てられる人が出る。
     中国は外国人旅行者にとって実に不便な国になってしまった。店を利用する前に現金でも構わないかと、いちいち聞かないといけなくなった。知ってはいたが、早くビールが飲みたくて、うっかりしていた。
     件の彼女がウイチャットで払えないのかと聞いてくる。ウイチャットは使っているが、中国の銀行に口座がないので、ウイチャットペイは使えないと説明する。クレジットカードも使えないし、彼女に関してはvisaやmaster cardなど見たこともないそうだ。
     そうだ、僕が彼女に現金を渡して、彼女がウイチャットで払ってくれればいいんじゃないかと言うと、それなら出来るとのこと。そこで100元札を渡すと、今度はお釣りがないという。僕も無かったので、釣銭はチップで君にあげると言うと、ウイチャットの連絡先を交換して下さいと言ってきた。おいおい、このタイミングでナンパですか?と、快く交換して店を出た。
     するとしばらくして、彼女からウイチャットにメールが届き、「有難うございました。でもチップを貰う理由がないので受け取れません」と英語で書かれている。そして「微信紅包」というウイチャットでお金のやり取りが出来るシステムで、釣銭を返金してきた。真面目か。でも、ウイチャットで支払う事が出来ないという事は、貰うことも出来ないと気付いて欲しかった。まあ、面白い経験をさせてもらったので、良しとしよう。願わくは、あのチップが彼女に戻ればいいが。

  • 東水門大橋<br /> 先ほどロープウェイで渡った長江を、今度は歩いて渡ろう。東水門大橋のたもとに、橋と長江を見渡せる展望所があり、床が強化ガラスになっている。知らずにそのまま入ろうとしたら、備付けのビニール袋を靴に被せろと係のお兄ちゃんに注意された。<br />

    東水門大橋
     先ほどロープウェイで渡った長江を、今度は歩いて渡ろう。東水門大橋のたもとに、橋と長江を見渡せる展望所があり、床が強化ガラスになっている。知らずにそのまま入ろうとしたら、備付けのビニール袋を靴に被せろと係のお兄ちゃんに注意された。

  •  

     

  •  全長962mと表示されている橋を渡り始めて、左側に目をやると先程乗ったロープウェイが長江の上を行き来しており、その先にビールを飲んだ「市外seewide」も見える。

     全長962mと表示されている橋を渡り始めて、左側に目をやると先程乗ったロープウェイが長江の上を行き来しており、その先にビールを飲んだ「市外seewide」も見える。

  •  橋の半ばを過ぎると今度は右側に、現在朝天門に建設中のラッフルズシティがかなりの迫力で迫って来る。

     橋の半ばを過ぎると今度は右側に、現在朝天門に建設中のラッフルズシティがかなりの迫力で迫って来る。

  •  長江上空を吹き渡る風が気持ち良かった。

     長江上空を吹き渡る風が気持ち良かった。

  •  階段がきつい。

     階段がきつい。

  • 東水門旧城壁<br /> 370年代、重慶城の周囲8.8kmに10mの高さの石積城壁が造られた。重慶は2つの大河が交わる半島のような形をしているので、川沿いにぐるっと城壁を巡らせると、陸続きの所の壁はほんの一部に過ぎなかった。こうして城郭都市は完成し、重慶城に入城するには17の城門のいずれかを通らなければならなかった。<br />

    東水門旧城壁
     370年代、重慶城の周囲8.8kmに10mの高さの石積城壁が造られた。重慶は2つの大河が交わる半島のような形をしているので、川沿いにぐるっと城壁を巡らせると、陸続きの所の壁はほんの一部に過ぎなかった。こうして城郭都市は完成し、重慶城に入城するには17の城門のいずれかを通らなければならなかった。

  • 東水門老街<br /> ここは現存する城壁の一部と城門である。そんな歴史的遺構を保存しつつ、リノベーションして有効活用しようと、「東水門老街」という新しい施設を作っている。レストラン、ホテル、ショップなどあるようだ。先程の龍門浩老街といい、似たような観光地が続々と作られている。

    東水門老街
     ここは現存する城壁の一部と城門である。そんな歴史的遺構を保存しつつ、リノベーションして有効活用しようと、「東水門老街」という新しい施設を作っている。レストラン、ホテル、ショップなどあるようだ。先程の龍門浩老街といい、似たような観光地が続々と作られている。

  • 湖広会館 <br /> 湖広とは湖南省、湖北省を含んだエリアの昔の地名である。ここは湖広から移民として移り住んだ豪商たちが、サロンとして使っていた会館(同郷会館)で、300年ほど前に建てられた。その後何度か修復を重ね、2005年から一般開放されている。入場料30元(540円)。当時は各省の会館が8箇所あったが、現存するのは湖広会館のみである。<br />

    湖広会館 
     湖広とは湖南省、湖北省を含んだエリアの昔の地名である。ここは湖広から移民として移り住んだ豪商たちが、サロンとして使っていた会館(同郷会館)で、300年ほど前に建てられた。その後何度か修復を重ね、2005年から一般開放されている。入場料30元(540円)。当時は各省の会館が8箇所あったが、現存するのは湖広会館のみである。

  •  湖広会館は、禹王宮、広東公所、斉安公所等からなり、まずは中国最初の王朝「夏」(紀元前2000年頃)の創立者、禹王を祀っている禹王宮に入ってみる。それにしても紀元前2000年って!なるほど中国4000年の歴史って、この夏王朝から始まっているのか。

     湖広会館は、禹王宮、広東公所、斉安公所等からなり、まずは中国最初の王朝「夏」(紀元前2000年頃)の創立者、禹王を祀っている禹王宮に入ってみる。それにしても紀元前2000年って!なるほど中国4000年の歴史って、この夏王朝から始まっているのか。

  •  禹王は治水神として、江戸時代までは日本でも有名な信仰神だった。湖広の故郷の神様であると同時に、三方を水に囲まれた重慶において、治水の神は何よりも大切だったんじゃないかと思う。

     禹王は治水神として、江戸時代までは日本でも有名な信仰神だった。湖広の故郷の神様であると同時に、三方を水に囲まれた重慶において、治水の神は何よりも大切だったんじゃないかと思う。

  •  2015年には、中国に国事訪問したフランスのオランド大統領がここに立ち寄っており、川劇の変面を鑑賞したそうだ。しかし他に行く所はなかったのだろうか。確かに伝統的で立派な建物ではあるが、大統領をお連れするには少々地味では・・・。中国文化に触れる観光名所が他になかったのかと思うと、思わず重慶がんばれ!と心の中でつぶやいた。

     2015年には、中国に国事訪問したフランスのオランド大統領がここに立ち寄っており、川劇の変面を鑑賞したそうだ。しかし他に行く所はなかったのだろうか。確かに伝統的で立派な建物ではあるが、大統領をお連れするには少々地味では・・・。中国文化に触れる観光名所が他になかったのかと思うと、思わず重慶がんばれ!と心の中でつぶやいた。

  • 都市観光バス<br /> それにしても坂や階段をどれ程歩いただろうか。すでにへとへとだったので、タクシーで次の目的地である洪崖洞に行こうと思い、広い道で待つことにした。しかしいくら待っても空車は来ず、やはり重慶もタクシーの配車アプリがないとダメなのかとへこんでいたら、バス停が目に入った。よく見ると都市観光バスと書かれており4路線全て洪崖洞に行くではないか。

    都市観光バス
     それにしても坂や階段をどれ程歩いただろうか。すでにへとへとだったので、タクシーで次の目的地である洪崖洞に行こうと思い、広い道で待つことにした。しかしいくら待っても空車は来ず、やはり重慶もタクシーの配車アプリがないとダメなのかとへこんでいたら、バス停が目に入った。よく見ると都市観光バスと書かれており4路線全て洪崖洞に行くではないか。

  •  待つ間もなくT002番の豪華なバスが止まったので、運転手に「洪崖洞」と言うと「10元(180円)だけどいいのか」と念を押される。なるほど、北京で乗ったやつだ。多分、市バスは1元か、せいぜい2元だろうから、間違えて観光バスに乗ってしまって「高い!」と怒る客もいるのだろう。僕にとっては、地獄に仏のバスなので、大喜びで乗車した。

     待つ間もなくT002番の豪華なバスが止まったので、運転手に「洪崖洞」と言うと「10元(180円)だけどいいのか」と念を押される。なるほど、北京で乗ったやつだ。多分、市バスは1元か、せいぜい2元だろうから、間違えて観光バスに乗ってしまって「高い!」と怒る客もいるのだろう。僕にとっては、地獄に仏のバスなので、大喜びで乗車した。

  •      観光バスは嘉浜路に面した洪崖洞の1階に着いた。

    観光バスは嘉浜路に面した洪崖洞の1階に着いた。

  • 洪崖洞<br /> 洪崖洞をググると、「千と千尋の神隠し」とうるさい程に出てくる。これは台湾の九份同様、宮崎駿に乗っかって売ろうという思惑と、見る側の浅薄な知識と想像力の欠如から、こういう事になるのだろう。<br /> 洪崖洞は2006年に建てられており、ということは2001年公開の「千と千尋」のモデルになりようがない。いや、逆に洪崖洞が「千と千尋」の湯屋をパクったんだろうとツッコミたくなる。<br /> しかし、実は僕が最初に重慶に興味を持ったのは、何を隠そう、この洪崖洞の写真を見たことがきっかけだった。そこには「千と千尋の神隠し」の世界観が広がっていて、思わず目を見張った。と、何故かこうなる。<br /> いずれにせよ、洪崖洞に心惹かれたのは間違いなく、ホテルからも徒歩5分程度なので、この宮崎ワールドを心置きなく満喫しようと思う。<br />

    洪崖洞
     洪崖洞をググると、「千と千尋の神隠し」とうるさい程に出てくる。これは台湾の九份同様、宮崎駿に乗っかって売ろうという思惑と、見る側の浅薄な知識と想像力の欠如から、こういう事になるのだろう。
     洪崖洞は2006年に建てられており、ということは2001年公開の「千と千尋」のモデルになりようがない。いや、逆に洪崖洞が「千と千尋」の湯屋をパクったんだろうとツッコミたくなる。
     しかし、実は僕が最初に重慶に興味を持ったのは、何を隠そう、この洪崖洞の写真を見たことがきっかけだった。そこには「千と千尋の神隠し」の世界観が広がっていて、思わず目を見張った。と、何故かこうなる。
     いずれにせよ、洪崖洞に心惹かれたのは間違いなく、ホテルからも徒歩5分程度なので、この宮崎ワールドを心置きなく満喫しようと思う。

  •  洪崖洞は「吊脚楼」をヒントにして建設された商業施設だ。吊脚楼とは西南地方の少数民族の伝統的な建物で、山の斜面や川辺に柱を無数に立てて住居を無理くり作る建築様式だ。<br /> 山城と呼ばれるほど斜面が多い重慶では、この吊脚楼がよく見られたそうだが、現在は開発によって失くなりつつある。

     洪崖洞は「吊脚楼」をヒントにして建設された商業施設だ。吊脚楼とは西南地方の少数民族の伝統的な建物で、山の斜面や川辺に柱を無数に立てて住居を無理くり作る建築様式だ。
     山城と呼ばれるほど斜面が多い重慶では、この吊脚楼がよく見られたそうだが、現在は開発によって失くなりつつある。

  •  この吊脚楼をモチーフにテーマパーク化したのが、洪崖洞である。重慶火鍋の超有名店「小天鵝」チェーンの何永智という女社長が、その財力に物を言わせて建造した。 <br /> 4~8階はホテルで、何社長はそのホテルのオーナーでもある。9階には「小天鵝火鍋旗艦店」が入っており、11階建ての建物にはレストラン、バー、カフェや雑貨、土産のショップも無数にある。<br /> 洪崖洞は夜景が美しいので、夜になったら再訪することにして、ひとまずここで昼食を取ろう。

     この吊脚楼をモチーフにテーマパーク化したのが、洪崖洞である。重慶火鍋の超有名店「小天鵝」チェーンの何永智という女社長が、その財力に物を言わせて建造した。 
     4~8階はホテルで、何社長はそのホテルのオーナーでもある。9階には「小天鵝火鍋旗艦店」が入っており、11階建ての建物にはレストラン、バー、カフェや雑貨、土産のショップも無数にある。
     洪崖洞は夜景が美しいので、夜になったら再訪することにして、ひとまずここで昼食を取ろう。

  •  エレベーターで4階に上がり、小吃街を進むとその店は見えてきた。重慶を代表する、いや中国を代表する火鍋チェーン「小天鵝」の本店だ。ちなみに、斜め前にも小天鵝があるが、やはりここまで来たからには本店に入ろう。

     エレベーターで4階に上がり、小吃街を進むとその店は見えてきた。重慶を代表する、いや中国を代表する火鍋チェーン「小天鵝」の本店だ。ちなみに、斜め前にも小天鵝があるが、やはりここまで来たからには本店に入ろう。

  • 重慶小天鵝洪鼎火鍋旗艦店<br />「到重慶不吃火鍋,等于没到重慶」(重慶に来て火鍋を食べなければ、重慶に来たことにはならない)と言うらしいが、重慶どんだけ火鍋押しなんだろう。でもそこまで言うなら、重慶を代表する火鍋屋で食べてみようじゃないかと、この店を選んだ。値段が高いのは承知の上だ。<br />

    重慶小天鵝洪鼎火鍋旗艦店
    「到重慶不吃火鍋,等于没到重慶」(重慶に来て火鍋を食べなければ、重慶に来たことにはならない)と言うらしいが、重慶どんだけ火鍋押しなんだろう。でもそこまで言うなら、重慶を代表する火鍋屋で食べてみようじゃないかと、この店を選んだ。値段が高いのは承知の上だ。

  •  陰陽対極図のように中央をS字で仕切った鴛鴦火鍋は、中国のみならずアジア各国や日本でも見られる火鍋の定番スタイルだ。半分は激辛スープ、もう半分は辛くないスープというやつである。<br /> 実はそれを発明したのが、この店の女社長で、店内にはド派手な彼女の写真パネルがあり目立っている。<br /> 彼女についての紹介文には、洪崖洞景区創始人、重慶市火鍋協会会長、中国改革開放40年十大功勲人物とあり、最後に中国的火鍋皇后と書かれていた。火鍋皇后って・・・。

     陰陽対極図のように中央をS字で仕切った鴛鴦火鍋は、中国のみならずアジア各国や日本でも見られる火鍋の定番スタイルだ。半分は激辛スープ、もう半分は辛くないスープというやつである。
     実はそれを発明したのが、この店の女社長で、店内にはド派手な彼女の写真パネルがあり目立っている。
     彼女についての紹介文には、洪崖洞景区創始人、重慶市火鍋協会会長、中国改革開放40年十大功勲人物とあり、最後に中国的火鍋皇后と書かれていた。火鍋皇后って・・・。

  •  その昔彼女がまだ若い頃、普通の火鍋屋を始めたが、時たま全然食べていない客がいた。大量に残す客に聞いてみたら、辛過ぎて食べられないと言う。どうも他の土地から来た人には重慶火鍋は辛過ぎるらしい。しかしマイルドにすると今度は重慶人に人気がなくなる。そこで考えたのが、鴛鴦火鍋という訳。<br /> このアイデアは一躍人気になり、この店今では260店舗を超えた。そしてさすが中国。鴛鴦火鍋のデザイン特許は一応とったものの、爆発的にパクられまくっている。でも女社長は気にしてないそうだ。一人用火鍋や回転火鍋も彼女のアイデアらしいが、回転火鍋ってのはちょっと逆パクリじゃない?

     その昔彼女がまだ若い頃、普通の火鍋屋を始めたが、時たま全然食べていない客がいた。大量に残す客に聞いてみたら、辛過ぎて食べられないと言う。どうも他の土地から来た人には重慶火鍋は辛過ぎるらしい。しかしマイルドにすると今度は重慶人に人気がなくなる。そこで考えたのが、鴛鴦火鍋という訳。
     このアイデアは一躍人気になり、この店今では260店舗を超えた。そしてさすが中国。鴛鴦火鍋のデザイン特許は一応とったものの、爆発的にパクられまくっている。でも女社長は気にしてないそうだ。一人用火鍋や回転火鍋も彼女のアイデアらしいが、回転火鍋ってのはちょっと逆パクリじゃない?

  •  では、さっそく鴛鴦火鍋を注文してみよう。もちろん定番の羊肉をメインに牛肉や各種野菜も頼む。地獄を思わせる真っ赤な麻辣スープで煮た羊肉を口にすると、その常軌を逸した辛さに口の中が痛くなってきた。その辛さに怒りすら覚え、何の関係もない店員を殴りたい衝動にかられる。これはもはや食べ物ではない。慌ててビールを流し込んだが、痺れる舌は味覚を失ったままだ。赤い方の鍋は最初の一口でギブアップしたので封印し、後はずっと清湯スープでいくことにした。回りのテーブルでは、全紅と言って激辛スープだけの鍋で食べている人が多かった。恐るべし重慶人!

     では、さっそく鴛鴦火鍋を注文してみよう。もちろん定番の羊肉をメインに牛肉や各種野菜も頼む。地獄を思わせる真っ赤な麻辣スープで煮た羊肉を口にすると、その常軌を逸した辛さに口の中が痛くなってきた。その辛さに怒りすら覚え、何の関係もない店員を殴りたい衝動にかられる。これはもはや食べ物ではない。慌ててビールを流し込んだが、痺れる舌は味覚を失ったままだ。赤い方の鍋は最初の一口でギブアップしたので封印し、後はずっと清湯スープでいくことにした。回りのテーブルでは、全紅と言って激辛スープだけの鍋で食べている人が多かった。恐るべし重慶人!

  •  さて火鍋のお味だが、清湯でしゃぶしゃぶした羊肉は安定の美味しさだ。羊の甘みが口の中に広がり、まさに至福の瞬間が訪れる。ここで麻辣スープに入れようものなら、せっかくの羊肉の旨みが分からなくなってしまうのではないかと思っていたら、どうも重慶火鍋のデフォは羊肉ではないらしい。メインは牛のセンマイ、アヒルの腸、豚の脳みそ、豚の血を固めたもの等ゲテモノ内臓系のオンパレードで、肉体労働者が肉の捨てる部位を鍋に放り込んで食べていたのが始まりとのことだ。そりゃ激辛にしなきゃ食えんわーと思ってしまったのは僕だけだろうか。

     さて火鍋のお味だが、清湯でしゃぶしゃぶした羊肉は安定の美味しさだ。羊の甘みが口の中に広がり、まさに至福の瞬間が訪れる。ここで麻辣スープに入れようものなら、せっかくの羊肉の旨みが分からなくなってしまうのではないかと思っていたら、どうも重慶火鍋のデフォは羊肉ではないらしい。メインは牛のセンマイ、アヒルの腸、豚の脳みそ、豚の血を固めたもの等ゲテモノ内臓系のオンパレードで、肉体労働者が肉の捨てる部位を鍋に放り込んで食べていたのが始まりとのことだ。そりゃ激辛にしなきゃ食えんわーと思ってしまったのは僕だけだろうか。

  •  また、つけだれも変わっていて、ごま油が主役だ。缶ジュースならぬ缶ごま油をもらい、これにニンニク、パクチー、葱を加えて食すらしいが、僕は醤油ベースとごまだれベースのいつものたれを作った。<br /> 死ぬほど食べて、合計232元(約4,200円)。今回の旅で1番贅沢な食事だった。後から一人用火鍋もあることに気がついたが、それならそうと注文した際に言って欲しかったなあ。デカい鴛鴦火鍋はスープ代が68元だが、一人用は28元で済んだのに。

     また、つけだれも変わっていて、ごま油が主役だ。缶ジュースならぬ缶ごま油をもらい、これにニンニク、パクチー、葱を加えて食すらしいが、僕は醤油ベースとごまだれベースのいつものたれを作った。
     死ぬほど食べて、合計232元(約4,200円)。今回の旅で1番贅沢な食事だった。後から一人用火鍋もあることに気がついたが、それならそうと注文した際に言って欲しかったなあ。デカい鴛鴦火鍋はスープ代が68元だが、一人用は28元で済んだのに。

  • 洪崖洞

    洪崖洞

  • 洪崖洞

    洪崖洞

  • 洪崖洞

    洪崖洞

  • 洪崖洞

    洪崖洞

  • 洪崖洞

    洪崖洞

  • 足楽道(解放碑八一路商業大廈3階)<br /> 昨日のマッサージは酷かったので、google mapでマッサージ店を探してみる。解放碑の近くに幾つか候補が見つかったので、行ってみよう。<br /> 足楽道というその店は、昨日の店と変わらず内装が立派で、値段を聞いたら1時間158元(2,800円)とのこと。昨日より高いじゃないか!でも予想外の階段の多さに疲れ果てていたので、他を探し回る気力は残っていなかった。<br /> 綺麗な個室に通されて着替えて横になっていたら、すぐに睡魔が襲ってきた。いつもは中国語の勉強と思って、マッサージ師と会話することが多いが、今日はうつらうつらしながら身を任せた。一言も話をしなかったが、結局ここにして大正解だった。このマッサージ師は程よい力加減で実に心地好く、終わってみたら驚くほど全身が軽くなっていたのだ。<br /> なんと158元に食事も含まれており、何か食べますかと聞かれたが、お腹が全然すいていなかったのでお茶だけ貰った。<br />

    足楽道(解放碑八一路商業大廈3階)
     昨日のマッサージは酷かったので、google mapでマッサージ店を探してみる。解放碑の近くに幾つか候補が見つかったので、行ってみよう。
     足楽道というその店は、昨日の店と変わらず内装が立派で、値段を聞いたら1時間158元(2,800円)とのこと。昨日より高いじゃないか!でも予想外の階段の多さに疲れ果てていたので、他を探し回る気力は残っていなかった。
     綺麗な個室に通されて着替えて横になっていたら、すぐに睡魔が襲ってきた。いつもは中国語の勉強と思って、マッサージ師と会話することが多いが、今日はうつらうつらしながら身を任せた。一言も話をしなかったが、結局ここにして大正解だった。このマッサージ師は程よい力加減で実に心地好く、終わってみたら驚くほど全身が軽くなっていたのだ。
     なんと158元に食事も含まれており、何か食べますかと聞かれたが、お腹が全然すいていなかったのでお茶だけ貰った。

  • 再び洪崖洞<br /> 洪崖洞の夜景を見るためにやって来た。やはりここは賑わいをみせる夜が面白い。その分人出も凄いので覚悟が必要だ。まだ6時なので明るい為、中を散策してみる。

    再び洪崖洞
     洪崖洞の夜景を見るためにやって来た。やはりここは賑わいをみせる夜が面白い。その分人出も凄いので覚悟が必要だ。まだ6時なので明るい為、中を散策してみる。

  •  今度は滄白路に面している11階の入り口から入り、エレベーターで1階へ。出店を見て回ると、いろいろ面白いものが。

     今度は滄白路に面している11階の入り口から入り、エレベーターで1階へ。出店を見て回ると、いろいろ面白いものが。

  •  うさぎの頭を焼いたものがずらっと並べてあり、お兄ちゃんが美味しいよーと客引きしていたが、うさぎの頭って!

     うさぎの頭を焼いたものがずらっと並べてあり、お兄ちゃんが美味しいよーと客引きしていたが、うさぎの頭って!

  • 拾光匯 Best May<br /> なかなか日が落ちないので本日の日没時間を調べてみると、なんと19時55分だそうだ。東京より約1時間も遅い。まだ18時30分なので、Barで飲みながら暗くなるのを待つことにした。<br /> 適当に見つけた店で、現金が使えるかどうか確認すると大丈夫とのこと。さすがに洪崖洞は外国人旅行者が多いので、現金払いの客も多いのだろう。<br />

    拾光匯 Best May
     なかなか日が落ちないので本日の日没時間を調べてみると、なんと19時55分だそうだ。東京より約1時間も遅い。まだ18時30分なので、Barで飲みながら暗くなるのを待つことにした。
     適当に見つけた店で、現金が使えるかどうか確認すると大丈夫とのこと。さすがに洪崖洞は外国人旅行者が多いので、現金払いの客も多いのだろう。

  •  窓辺の席に座り、今度は嘉陵江を眺めながら、Corona Beerで喉を潤す。嘉陵江に架かる千廝門大橋を一望すると、東水門大橋と同じ道路と鉄道の二重構造になっており、線路は下層を走っている。今日は一日中ビールを飲んでいたなあと、最高の心持ちになってのんびり過ごした。

     窓辺の席に座り、今度は嘉陵江を眺めながら、Corona Beerで喉を潤す。嘉陵江に架かる千廝門大橋を一望すると、東水門大橋と同じ道路と鉄道の二重構造になっており、線路は下層を走っている。今日は一日中ビールを飲んでいたなあと、最高の心持ちになってのんびり過ごした。

  • 洪崖洞の夜景<br /> 洪崖洞は崖の斜面に張り付くように建っており、その崖の上に更にひとつの街が形成されている。洪崖洞の上に超高層ビルが林立している光景は異様だが、まさにそれが重慶の街の特殊性であり、近年インスタ界隈の人に重慶が人気な所以でもある。<br />

    洪崖洞の夜景
     洪崖洞は崖の斜面に張り付くように建っており、その崖の上に更にひとつの街が形成されている。洪崖洞の上に超高層ビルが林立している光景は異様だが、まさにそれが重慶の街の特殊性であり、近年インスタ界隈の人に重慶が人気な所以でもある。

  •  特に夜ともなると幻想的な明かりに包まれて、一層エキゾチックな雰囲気になる。まずは下からカメラに収め、再びエレベーターで11階に上がり、千廝門大橋の上から洪崖洞全体を狙おう。

     特に夜ともなると幻想的な明かりに包まれて、一層エキゾチックな雰囲気になる。まずは下からカメラに収め、再びエレベーターで11階に上がり、千廝門大橋の上から洪崖洞全体を狙おう。

  •  皆考えることは同じで、橋の上は大勢の人だかりが出来ている。欄干にもたれてその時を待ったが、8時を過ぎても暗くならず、いい加減飽きたので適当な暗さで手を打ってシャッターを切った。

     皆考えることは同じで、橋の上は大勢の人だかりが出来ている。欄干にもたれてその時を待ったが、8時を過ぎても暗くならず、いい加減飽きたので適当な暗さで手を打ってシャッターを切った。

  • 千廝門大橋にて。

    千廝門大橋にて。

  • 千廝門大橋にて。

    千廝門大橋にて。

  • BAR美華<br /> 夜の街を少し散策したが、疲れていたのでホテルに戻る。昨夜のbarで蕎麦でも食べようと思い、またカウンターに座った。今日は店の子は二人しかいない。聞いてみると、昨日お好み焼きを作ってくれた人は休みのようだ。もしやと思ったが、やはりその人がいないと何も作れないとのこと。仕方なくピーナッツで一杯だけ飲んだが、もはや外に食べに行く元気も無かったので、昨日コンビニで買ったポテトチップスを部屋で食べて寝た。<br /><br />(後編に続く)<br />

    BAR美華
     夜の街を少し散策したが、疲れていたのでホテルに戻る。昨夜のbarで蕎麦でも食べようと思い、またカウンターに座った。今日は店の子は二人しかいない。聞いてみると、昨日お好み焼きを作ってくれた人は休みのようだ。もしやと思ったが、やはりその人がいないと何も作れないとのこと。仕方なくピーナッツで一杯だけ飲んだが、もはや外に食べに行く元気も無かったので、昨日コンビニで買ったポテトチップスを部屋で食べて寝た。

    (後編に続く)

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