2019/04/08 - 2019/04/08
9位(同エリア145件中)
かっちんさん
岡山県北部に位置する真庭市の久世(くせ)は、出雲往来と大山道の追分け宿として久世宿があったところで、旭川の舟運によっても発展してきた町です。
また牛馬市の立つ博労宿としても賑わい、今でも商家だった町並みの面影がいくつか残されています。
「旧遷喬(せんきょう)尋常小学校」は明治40年に建築され、平成2年までの100年以上もの間、現役で使用されていた木造ルネッサンス風の校舎です。
設計は県の江川三郎八工手が手がけ、校舎が完全なシンメトリー(左右対称)のデザイン、二階中央の講堂が二重折り上げの洋風格(ごう)天井など、校舎全体が国の重要文化財の指定を受けています。
校名は中国の古典、詩経の一節「幽谷より出でて、喬木(きょうぼく)に遷る(のぼる)」から「遷喬」と名付けました。
これはウグイスが深山の暗い谷間から飛び立ち、高い木に移ることに例えて、学問に励み立身出世するという意味です。
なお、旅行記は下記資料を参考にしました。
・トシの旅「出雲街道はどの道? 真庭市久世町」
・Tamegaiさん「晴れの国 岡山へ⑤-勝山と久世の古き街並みを歩く」、4トラベル旅行記
・一路一会、古い町並みと集落・山陽「久世」
・近代建築Watch「姫新線久世駅」
・真庭エスパス文化振興財団「旧遷喬尋常小学校」
・真庭市教育委員会「旧遷喬尋常小学校」
・内田洋行教育総合研究所「学びの場.com、意外と知らない”学校建築。学校家具のトレンド変遷”(vol.2)」
・真庭市「真庭市キャラクター「まにぞう」です」
・小原賢一+深川礼子/ofa「木テラス-真庭市久世駅CLTモデル建築物」
・岡山県「CLTの普及を促進しています!」
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- JRローカル 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
まもなく姫新線久世駅(きしんせん くせえき)
駅の隣は中国林業(株)の木材工場です。 -
久世駅で列車を降ります
ここは岡山県真庭市久世。 -
列車のお見送り(久世駅)
キハ120とお別れ。 -
駅舎(久世駅)
久世駅は大正13年に開業。
当時の木造モルタル造の駅舎が今も使われています。 -
旧遷喬尋常小学校の案内ポスター(久世駅)
明治40年に建築された「旧遷喬(せんきょう)尋常小学校」は平成2年まで現役で使用されていた木造ルネッサンス風の校舎です。
紹介しているのは真庭に住む杜(もり)の妖精「まにぞう」、真庭市のキャラクターです。 -
久世駅周辺の案内図(久世駅前)
旧遷喬尋常小学校は久世駅から東へ800mのところにあります。
その途中には古い町並みが残されています。
では、駅前から旧遷喬尋常小学校まで歩いていきます。 -
CLTモデル建築物「木テラス」(久世駅前)
駅前にある公衆トイレ・休憩施設・サイクリングステーションです。
新しい木の素材CLT(直交集成板:Cross Laminated Timber)の特性を活かした魅力的な木の空間を作り出しています。
3枚の大きな壁で支える3枚の屋根、大きなはね出しの庇、壁の穴が特徴です。 -
木の家具のような雰囲気(木テラス)
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久世の町並み
駅前から東の方向に歩き始め、鍵形になった道の脇に古い町家が現れます。
1階に格子窓、2階に虫籠窓、なまこ壁、袖壁等があり、かつて商家だった面影があります。 -
白漆喰に美しいデザインのなまこ壁(町並み)
板壁と、漆喰壁に水切り瓦やなまこ壁のついた切妻です。 -
屋根下の壁飾り(町並み)
別の町家です。
屋号は「やま高」でしょうか。 -
吉祥寺の山門
真言宗の寺院です。 -
壁飾りの屋号(吉祥寺)
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見事な生け花(吉祥寺)
山門前を飾る生け花です。 -
イチオシ
煙出しのある大きな屋敷(町並み)
この屋敷は村澤邸です。 -
屋敷の正面(村澤邸)
南北に横切る旧街道と思える道沿いに佇んでいます。
主屋の横には蔵も並んでいます。 -
古い町家(村澤邸)
大きな板戸に、虫籠窓、なまこ壁など。 -
美しい格子の町家(村澤邸)
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「村澤家の戸がガタゴトあいて霙降る」~正道句~
村澤邸の前にある石碑。
朝方に暗い屋敷から戸を開けてみると、みぞれが降って真っ白な世界に驚いた と言うことでしょうか・・・ -
土蔵(村澤邸)
主屋と続いている蔵のようです。 -
村澤邸向かいの町家(町並み)
村澤邸と道路を挟んだ向かいです。
おそらく旧街道の両側には商家が並び、栄えていたと考えられます。 -
なまこ壁の切妻(町並み)
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なまこ壁と板張りの塀(町並み)
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土壁と板張りの壁(町並み)
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イチオシ
春の旧遷喬尋常小学校
古い街並みから国道181号線に出て、三坂川を渡りしばらく進むと旧遷喬尋常小学校が現れます。 -
左右対称(シンメトリー)のデザインの校舎
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中央の玄関
中央玄関部に厚みをもたせ、左右を少し張り出して破風で飾り、壁面には飾り窓、その上に大きなマンサード屋根(二重勾配)がのっています。
外壁は下見板張りを基本とし、筋交いをアクセントで入れています。
正面の屋根窓に描かれている校章は、校舎を設計した江川三郎八氏が高瀬舟をデザイン化したもので、「久世」の文字が織り込まれています。 -
基礎と土台
校舎の建築前、周囲は一面に広がる水田でした。
約2mを土石で埋め立て、特に校舎の地下は大量の石と赤土で固め、花崗岩の土台、七段の赤レンガを積み上げています。 -
建物の構造の説明
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1階の廊下
廊下には幅広く分厚いマツ材を使用しています。
では、校舎の中の教室と学校で使われていた備品等を見学します。 -
給食のミルクポット
かっちんの小学校の頃、給食当番になると大きなポットに入っているミルクを一人づつのカップに配りました。 -
大正時代のオルガン
音楽室に置かれていたヤマハのオルガンです。 -
1階の教室
教壇が一段高くなっています。 -
校舎西側の「らせん階段」
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イチオシ
2階の廊下と階段の親柱
階段を上がったところの左右に、明治期の洋館を思わせる太い親柱があります。 -
奥村学級の教室
昭和37年(1962)頃から急速に普及したスチール製の机と椅子が並んでいます。 -
整然と並ぶランドセル(奥村学級)
教室の後ろにランドセル置き場があります。 -
映画「ALWAYS」の撮影シーンに使われた教室(隣の中嶋学級)
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2人用の長机と椅子の教室(中嶋学級)
ここは明治期~戦前に使われていた2人用の長机と椅子が並んでいます。
黒板には、今日の献立「クジラの竜田揚げ、コッペパン・・・」。
ふんふん、かっちんの小学校の給食メニューと同じです(昭和30年代)。 -
後ろの掲示板(中嶋学級)
満開の桜の花には、生徒一人ひとりの目標が書かれています。
みんな、思い通りになったかな?? -
授業の時間割(中嶋学級)
そうそう、かっちんは自分用の時間割表を作り、ランドセルに翌日の教科書を入れて準備していました。
あの頃は几帳面、今はこんな規則正しい生活は・・・ -
イチオシ
大きな三角定規と分度器(中嶋学級)
算数の授業で使いましたね。 -
廊下が見える教室の窓(中嶋学級)
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二階中央にある広い講堂
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木枠ガラス窓から校庭の眺め(講堂)
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イチオシ
格天井が素晴らしい(講堂)
二重折り上げの洋風の格天井(ごうてんじょう)です。
鏡板に檜柾目板が使われています。 -
校舎東側の「らせん階段」
1階に下ります。 -
職員室の風景
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岡山県ではCLTの普及を促進
ひき板を繊維方向が直交するように積層接着した重厚な木製パネルが、新しい建材「CLT(直交集成板)」です。
厚みや幅があるため、高い断熱性や耐火性、強度が期待できます。 -
CLTチョコレート
交差し重なる4つの「おいしさ」をイメージしたチョコレート。
珍しいのでお土産に買いました。 -
なつかしの学校給食ポスター
定期的に開催しているとのこと。 -
食器(なつかしの学校給食)
そうそう、アルマイトの食器に、先割れスプーンなど。
懐かしいです。 -
スケスケの跨線橋(久世駅)
久世駅に戻ってきました。
跨線橋の片側はスケスケですが、風を逃がす対策かな。 -
津山行きの列車(久世駅)
では、津山の宿へ帰ります。 -
イチオシ
夕暮れの津山駅構内
津山駅に到着したのは17:00頃。
桜と列車たちは、夕陽を浴び輝いていました。 -
長い間、お世話になったホテルα-1津山
今回の旅行は津山に6日間滞在し市内と周辺をまわる旅になりました。
明日、自宅に帰る予定です。
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