2018/12/30 - 2019/01/03
98位(同エリア348件中)
バルティーゴさん
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中国南部、主に福建省に点在する「土楼」は、戦乱で北から逃れてきた漢民族が、山賊・野獣そして地元の民族からの襲撃を防ぐために山の中に建設した、要塞住宅です。2008年に世界遺産に登録されています。
この世界最大最古と言える古民家にぜひとも宿泊したくて、年末年始の5日間で個人旅行をしてきました。
表紙の写真は、宿泊した築700年、現存最古の土楼「裕昌楼」です。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 4.0
- ショッピング
- 3.0
- 交通
- 3.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス 観光バス タクシー 徒歩 バイク
- 航空会社
- 中国国際航空 吉祥航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
2日目、12月31日、朝6:40。
アモイの成功大酒店より徒歩5分、枋湖バスセンターから出発です。
いよいよ世界遺産「福建土楼」へ向かいます。 -
枋湖バスセンターの時刻表は、事前に調べても分かりませんでした。
そのため今回の旅行は出たとこ勝負。
事前に、
Aプラン:アクセスの良い「1.洪坑土楼群」にバスで直接入り、ここを拠点に「2.高北土楼群」と「3.田螺坑土楼群」を巡り、最後に「龍岩」に抜けるプラン
Bプラン:「南靖」経由で、アクセスの悪い「3.田螺坑土楼群」に行き、さらに北上し「2.高北土楼群」「1.洪坑土楼群」の順に回り、同じく最後に「龍岩」に抜けるプラン
の2つのプランを考えていました。
ちなみに地球の歩き方では「洪坑土楼群」と書いてありますが現地では「永定土楼」と言うのが一般的。バスの行き先も「永定土楼」行き。
同様に地球の歩き方には「高北土楼群」と書いてありますが、現地バス停の名前は「高頭土楼」。
この記載の違いも、日本人がバスを使って個人で土楼を巡る際の混乱の一因となっています。 -
窓口でバスの乗車券を買います。
窓口のお姉さんに「永定土楼」行きバスの時間は?と尋ねると、1時間50分後の8:30とのこと(Aプラン)。
「南靖」行きのバスの時間は?と尋ねると、50分後の7:30とのこと(Bプラン)。
ホテルの朝食も食べず朝早くバスセンターに来たのに、1時間50分も待っていられないので、バスの早く出るBプランに決定。 -
でも、このBプラン選択が正解でした。「1.洪坑土楼群」と「3.田螺坑土楼群」の間のアクセスの悪さから、後から思うと、もしAプランを選んでいたら日程的に最古の土楼「裕昌楼」に宿泊することは叶わなかったでしょう。
南靖バスセンターまで約100km,36元(約580円)。
ちなみにチケットに記載された座席番号は「座号4」。窓側でなかったため別の席に座りましたが、何のお咎めもありませんでした。 -
バスの出発までまだ50分あり、バスセンター内で朝マックします。
-
朝マックセット、23元(約370円)。
「猪柳」は豚肉ハンバーグ、「炒双蛋」はスクランブルエッグを指すのだと思います。
スクランブルエッグの入った日本には無いセットを頼んでみました。
でも、お味は日本のマクドナルドとほぼ同じ。 -
中国のバスセンターはセキュリティが厳重。荷物のX線検査、改札口でのきっぷチェックの後、ようやくバスに乗車です。
二階建てやハイデッカーのバスが並ぶ中、バスセンターの一番端っこに停まっていた南靖行きの高速バスは・・・、え?これ!?
高速バスとは思えない小さなバスでした。 -
座席は普通の観光バスと同じで快適でした。
枋湖バスセンターから高速バスで100km,2時間10分をかけて、「3.田螺坑土楼群」への中継地「南靖バスセンター」に向かいます。 -
外国でのバス移動は、間違ったバスに乗っていないか、本当に目的地に向かっているのか不安になります。
でもGoogleマップによく似た「百度地図」のアプリを入れておけば、現在地も分かり安心して移動できます。
便利な時代になりました。 -
9:40 南靖バスセンターに到着。
地球の歩き方には「土楼専線に乗り換え」と書いてありますが、バスセンターの係員には「云水謡」行きのバスに乗れと指示されます。
そしてその云水謡行きの列がこれ。しかも南靖バスセンター始発ではなく、バスに座れるかどうかという問題ではなく、乗れるかどうかが心配でした。 -
15分ほど待つとバスがやってきました。
何とかバスに乗り込み、運転席横の、座席は無いが座れるスペースを確保しひと安心。
バスの窓ガラスに映る「満座(満員)」の赤い札が見えるでしょうか。これ以上乗れないくらいぎゅうぎゅう詰めでした。 -
バスの車内。
私は座れたから良かったですが、南靖バスセンターから1時間以上立ちっぱなしの人も多くいました。 -
「土楼接待中心」バス停の1つ前「書洋」バスセンターでバスは5分ほど停車。
こんな小さなバスなんです。
ちなみにバスの終点「云水謡(雲水謡)」は古い町並みと自然が素敵な街で、映画の舞台となって有名になった観光地だそうです。 -
南靖バスセンターから1時間20分バスに揺られ、11:20 土楼接待中心バス停に到着です。
バス路線図が貼ってあります。南靖バスセンターにもこの路線図が貼ってあれば迷わずに済んだのに。 -
田螺坑土楼・裕昌楼・塔下村を含む、いわゆる「田螺坑土楼群」を観光するには、この「土楼接待中心」で入場券90元(約1,440円)とバスチケット15元(約240円)を支払い、専用の遊覧バスで回ることになります。
-
遊覧バスは、不定期に、ある程度人数が集まると出発します。
たぶん20~30分に1本くらい。
各観光地で下車し、後続バスに乗ることも可能です。 -
遊覧バスで20分ほど、見えてきました。
この旅で記念すべき最初の土楼は、高台からの眺めが美しい、世界遺産「田螺坑土楼」です。 -
円形・楕円形の「円楼」4つと四角形の「方楼」1つがきれいに並んだフォトジェニックな風景に、思わず自撮りで1枚。
-
高台から階段を下りていくと、実際にこの5つの土楼の中に入ることができます。
4つある円楼の1つ「瑞雲楼」の内部です。
2階3階には洗濯物が干してあり、生活感があふれる中、1階は立ち入り自由。お土産物や食べ物を売っています。 -
こちらは方楼の「歩雲楼」。
ともに数世帯が住む、小さな土楼です。 -
田螺坑土楼から遊覧バスでさらに10分。
現存最古の土楼と言われる「裕昌楼」に到着です。 -
裕昌楼のキャッチフレーズは「東に歪み西に斜めで700年」
西暦1308年の建造と言われています。1308年と言うと日本では鎌倉時代。
この最古の土楼に泊まってみたい!
今回の旅の目的の1つでした。 -
裕昌楼の入り口。
もともとは外敵から守る要塞マンションであり、裕昌楼の入り口はここ1つしかありません。 -
門をくぐると真ん中にお堂、その周りに炊事などをする広場があり、5階建ての円形マンションが広がります。
現在でも住居として健在、50人ほどが暮らしています。 -
「東歪西斜700年」の名の通り、柱が左右に傾いています。
「旅行人ガイドブック」によると「あちこちで柱に歪みが生じておりかなり危険な状態」と書いてありますが、住民に聞くと、少なくとも400年前には柱は傾いており、今さら倒れることは無い、大丈夫だそうです。
きっと、円形の建物なので、柱が左右に傾いても全体でバランスをとっているのでしょうね。 -
この土楼も1階は土産物売り場となっています。
中国語会話ブックを参考に、メモ帳に中国語で「私はこの土楼に宿泊したい、部屋はありますか?」と書いて、お土産を売っているおばあさんに見せたところ、
「私はやっていないが、あちらのおじさんが宿をやっているよ」と。
写真の奥に映っているおじさんを紹介してくれました。 -
おじさんは「3階がいい?4階がいい?」と聞いてきたので、迷わず「4階!」と答えました。
裕昌楼は5階建てですが、5階は物置となっており、人が泊まれる部屋は4階が最上階です。
宿泊者の特権、住民が生活しているため普通は立ち入れない、土楼の上層階に足を踏み入れます。 -
私の泊まった4階のお部屋。
素泊まりで1泊100元(約1,600円)です。布団は自分で敷く方式ですが、ちゃんと洗濯されたシーツ付でした。 -
ベッド側からお部屋の入り口を見るとこんな感じ。
天井や部屋の壁はリノベーションされていますが、扉や入り口方向の壁は古いまま。
トイレは「小」は扉横に写っているバケツにしても良いとのことでした。
「大」は土楼の横の観光トイレ(水洗で比較的きれい)まで行く必要があります。 -
窓の外に見えるのは、四川省の山里の牧歌的な風景。
宿泊したのが冬でしたので、虫はいっさい見かけませんでしたが、ガラス窓や網戸は無いため、夏は蚊や虫で大変かもしれません。
暖房はありませんでしたが、四川省は冬でも比較的暖かく、夜も布団を被れば寒くはありませんでした。 -
4階の階段の踊り場。
高菜が干してあります。生活感満載です。 -
本日の宿が確保できたところで、観光を再開。
荷物を部屋に置いて、裕昌楼から再び遊覧バスに乗り、塔下村に行きます。
塔下村は川に沿った街並みと、いくつかの小さな土楼がある街ですが、先に訪れた田螺坑土楼や裕昌楼に比べると、見どころは少ないです。 -
15:00 塔下村のレストランで遅めの昼食。
-
観光客も少なく静かな中国の田舎町で、のどかな風景を眺めながらの食事も悪くありません。
-
海苔のスープ、炒飯、地元料理である鶏の燻製。
この後、別の場所で食べた夕食が絶品だったためインパクトは劣りますが、普通においしかったです。 -
塔下村のフォトジェニックスポット、張氏家廟。
まるで剣が刺さったような石柱は「石旗杆」と言い、古いものから新しいものまで十数本。
この村から科挙に合格した者が出るたびに、記念に建てられるのだそうです。 -
塔下村を一通りまわり、いくつかの土楼を見学したら、時刻は18:30。
裕昌楼まで戻る遊覧バスは終わってしまいました。
塔下村から、宿である裕昌楼まで、3.6km。
田舎道を徒歩で帰ります。 -
すっかり日が暮れてしまいました。
40分歩いて、19:10。ようやく裕昌楼が見えてきました。
夜には観光客はいないはずなのに、何故かライトアップされています。 -
ライトアップされた裕昌楼の前で、自撮り。
-
夕食は裕昌楼から徒歩1分の食堂でいただきました。
メニューは無く、冷蔵庫に連れていかれ「どれが食べたい?」と聞かれ、タケノコをゆび指したところ、作ってくれたのがこの料理。
値段ははっきり覚えてはいませんが、白飯付きで日本円で500円程度だったと思います。
豚肉とタケノコと高菜がベストマッチングした、この旅で一番おいしい料理でした。 -
土楼の私の部屋にはお風呂もシャワーも、水道すら無いので、土楼の外に住む宿の御主人の家でシャワーを貸していただきます。
シャワー後、御主人・奥様と主に筆談で雑談。
「柚子」という柑橘をごちそうになりました。直径20cmほどあり、日本のいわゆるユズとはだいぶ異なります。 -
少しみずみずしさに欠けますが、酸っぱくない夏みかん、といった味です。甘くて、おいしくいただきました。
このあたりの名産品で、道端で普通に8元(約124円)くらいで売っています。 -
夕食・シャワー・柚子をごちそうになった後、本日の宿、裕昌楼に戻ってきました。
私の部屋の持ち主は裕昌楼の向かいの新しい建物で生活をされていますが、今も築700年の土楼内で数十人が寝泊まりをしています。 -
私の部屋の前から撮影した夜の裕昌楼の内部。
トイレもなく決して快適な宿ではありませんでしたが、この築700年の、おそらく世界最古の古民家に泊まれたことは、良い思い出になりました。
次の旅行記は、土楼宿泊2泊目。福建省最大の土楼「承啓楼」に宿泊します。
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