2019/04/21 - 2019/05/08
29位(同エリア73件中)
ヤマネコさん
高さ32m幅38mのアブシンベル大神殿、正面には高さ20mのラムセス2世像が4体ある。分かりやすく書けば10階建て100世帯マンション、かなあ。だけど今じゃ上から
「我が名はオジマンディアース!」とか叫ばれても○o。.
ーTime is god.
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- 観光バス 船 飛行機
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1ヶ所開いた扉から、どういう建築水準で語っても巨大な吹き抜けホールへ。いっぱいいーっぱいの神々レリーフと次々に矢を射るラムセス2世。
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いきなりだが、計算されたホテルラウンジなのに座るソファーがないというか豪華で立派でも一品物じゃないというか、とにかく現地で解説本はみつけたし早々に外へ。ラムセスに倣って太陽神ラーでも讃よう。
静か。アスワン-アブシベル道の自由通行で観光時間がばらけたらしい。 -
で、これは陽避けの図。
後ろにみえるナセル湖はアスワンハイダムによる人造湖。古代はこの下にナイルの水による峡谷がうねうねと、続いてたんだろうなあ。このヌビアとよばれる地に少なくも5000年ほど前には豊富な金属資源を生かした、エジプト王国と並ぶ文化圏があった。アブシンベル神殿の巨大さは彼等からのエジプト侵攻を防ぎたいという祈りの大きさだけでなく、威嚇による脅しという対応策でもあった。エジプトの地はラムセス治世から500年ほど後、現実にヌビア王朝の支配を受けることになる。そこからエジプトを救ったというかまた別の地域からやってきて支配したのがアレクサンダー大王なのだが、それはまた別の機会に。 -
エジプト各地で遺跡の修復が続く今。私にとってのアブシンベル神殿は再建のパイオニア、だったモニュメントかなあ。
アスワンからの280㎞は快適ドライブ。現代砂漠の旅は夢うつつU○o。.
https://youtu.be/EiNbZBbPB10 -
セティ1世葬祭殿の外庭:セティ1世葬祭殿はアビドスにある。アビドスはオシリス神の首が祀られた古代エジプト神話の中心地。アブシンベル神殿を建設する20年ほど前、ラムセス2世は父セティ1世の事業を受け継いでこの神殿を完成させた。往時は写真にみえるイスラム尖塔の右横までナイルの入江港が引かれ、その奥にはラムセス2世自身が建設を始めた神殿も造られた。
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セティ1世葬祭殿の外庭:寺院後方の河岸段丘から西(画面右)に向かう涸れ谷があり、先ほど書いた入江港に続く低地になっている。
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第一中庭に残る井戸跡:参拝前の手水鉢感覚でしょうか。屋舎の柱跡は釣瓶、かなあ。涸れ谷からの水脈は今も生きてるハズ。
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第二中庭から神殿の第一多柱室を望む:中枢はセティ1世時代にあらかた造られ、ラムセス2世が基礎から建造したのは玄関にあたる第一多柱室と庭。
当時の国民は外庭までしか入れず、年2回の祭りの日だけこの第二中庭まで入場を許された。ふだん第一多柱室の外側には幕が張られ外壁のレリーフは遠望すらできなかった。待ちに待ったお祭り日だけ拝めた絵をみてみよう。 -
第一多柱室外側のレリーフ:ラムセス2世①が捕虜②をこん棒で打ち据え、香炉を持ったアメン・ラー神③が王に勝利の短剣を差し出している。
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第一多柱室外側のレリーフ:オシリス神①とウアス杖にアンクを持ったラー・ホルアクティ②とにワイン壺を捧げるラムセス2世③。アンクを持ったクヌム神(上エジプト神)⑥と手を繋いだラムセス2世⑤が、ホルス神(下エジプト神)④とも手をつないでアンクをもらうところ。
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神殿の第一多柱室前から第二中庭を望む:第一多柱室外側のレリーフは「ラムセス2世⑤が上下エジプトを統合したのは神の御意思」だと啓蒙する図、みたい。当時は王と案内役の高位神官以外、王の付き人さえも神殿の中に入ることを許されなかった。
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ということで、ここはもう王しか入れなかった第一多柱室の中。
初めに手品的な観光ネタを紹介しておく。 -
「Oh!神の光が指す先にみえるのは、ヘリコプターに戦車と飛行船!!」
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*一時期は宇宙人作で盛り上がった。掘り間違えやカルトゥーシュの重なりらしい。観光客が見やすくするためか天窓を開けて明かりを入れている。
神殿の中には壁面はおろか柱や天井にまで隙間なく神と王の姿がレリーフされている。神殿の外側に描かれたレリーフが国民向けの啓蒙なら、王以外に誰も入れない神殿内側へのレリーフとはどういう目的で描かれたのだろう。 -
第一多柱室(柱12本が2列)と同じ幅で続く同一建物感覚の第二多柱室(柱12本が3列)。ここから紹介する神殿パーツはセティ1世が手掛けたもの。
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第二多柱室をさらに奥(西側)へと進むと礼拝堂が横に七つ並んでいる。左から2つめのプタハ神礼拝堂(次図①と②の間)。奥のドアは石造の偽扉。
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第二列柱室奥にある各礼拝堂(()内)横の壁:順に(神格化セティ1世)-①-(プタハ)-②-(ラーホールアクティ-)-③-(アメンラー)-④-(オシリス)-⑤-(イシス)-⑥-(ホールス)
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ラーホールアクティとアメンラー礼拝堂の間にある③図の一部UP:子供(幼いセティ1世)に女神(主神ラーの妻ムト)が乳を与えている微笑ましい図柄。ただし女神は統一エジプトの二重冠(プスケント)、お子さんは戦闘用の青冠(ケペレシュ)を冠っている。
私が想ったのは「王さまは守られてるよー」図かナ。昔あったよね、火曜サスペンス劇場だっけ岩崎宏美さんが歌ってた「聖母たちのララバイ」。 -
前の③と④間にあるアメンラー礼拝堂のレリーフ:上に置かれているのはオペト祭りでカルナック神殿からルクソール神殿に御神体を運ぶ船。2枚羽冠のアメンラーは豊穣のミン神と合体した姿でセティ1世からアイラインを描かれたり聖水を注がれたりしている。下図は上図と対面レリーフにある、オーガンジー生地っぽい衣の拡大。
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前の④と⑤図の間にあるオシリス礼拝堂だけは本物ドアから裏のオシリスホールに抜けられる。そこにあるオシリスにビールを注ぎ香を燻らし等のレリーフ。
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オシリス礼拝堂奥の壁:多くの解説書で下段左のセティ一世がイシス女神の助けを借リて安定のジェド柱を立てる図か、その横にある立てたジェド柱に王がミイラ作りの布を捧げる図を掲出し、いま記したことを解説にしている。私なりの読み解きをとも思ったが、代わりに前後レリーフをも並べて提供したい。
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上はオシリス礼拝堂の開口部からオシリスホール方向を、下は最奥部の4本柱の小ホールからオシリスホールを経てオシリスの小部屋を望む。
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オシリスホールのレリーフ:出版物はもちろんネットでもあまり見かけないレリーフだよね。
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オシリスホールに隣接する小部屋。上からホルス、オシリス、イシスと王が描かれている。ここの図も解説付きでみたことはない、ドゾ。
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上中図はオシリスホールの奥にある4本柱の小ホール。下図は王しか入れなかった秘密神殿の最も奥にある小部屋。ちなみに、隠し金庫なし。
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七つの礼拝堂の横にある第二多柱室に繋がるネフェルタムとプタハソカルの間とその奥(西側)に造られた小部屋。神話の挿絵がある。
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王名標の廊下と牛追いの廊下レリーフ:ここを通ってセティ1世葬祭殿の後ろ(西側)にあるオシレイオンというオシリス神を祭った地下神殿の跡に出られる。
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砂の下から掘り出されたオシレイオン:ここには6000年前に描かれたといわれる同じ大きさの円を重ねたデザイン図形がある。
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生命の花(Flower of Life )と呼ばれるこの図形は、彫り物でなく焼き付けか溶液で描かれているそうだ。
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砂の下にあったオシレイオンへは、往時は画面左にみえる観光用階段(閉鎖中)ではなく、画面右(北側)にある門へと続く地下通路(画面では正面の土管みたいな所)から入ったそうだ(それしかないというのも何だか?)。
西側(画面奥)2kmほど先にある丘の麓には初期王朝時代(5000年以上前)からの王墓ウンム・エル・カアブ(Umm el-Qa'ab)が広がる、ここアビドスの地は紛れもない聖地だ。生命の花が6000年前に描かれたのなら、キャンバスにあたるオシレイオン遺跡はその前に建てられたことになる。それは1万年以上前だと主張する人がいる。もちろん通説は3300年前にセティ1世が建築したというもの。礼拝堂、遥拝所はもちろん墓所もご神体より前に造られることはない。年代よりもここがどういう祭祀の場所だったのかが先のようにも感じる。出入の場所はヒントにならないのかなあ。 -
建築がボケる話に戻せば、文明の中心であればあるほど何度も同じ場所に建物は建て替えられている。入手困難な石材などはそのたび転用され、土台はそのたび掘られ過去の痕跡が消される。観光再建流行りの昨今。実用以外の観光再建では何時を想定すべきか、がまずある。それは何を将来に伝えたいのか、の今の価値観を問われることになる。逸れた(笑。
この遺跡の建築年代にさほどの興味はない。が、ギザでみた建築(素材じゃない)と同年代というのはいただけない。この感覚でピラミッドは創れない。 -
ここの砂漠が赤いのは多くの人の血を吸ったから、と伝えるエジプト神話を読んだ。そこに具体的な事実があるのか象徴した物語か単なる戯言なのか、観光客には分からない。分からないがそこが懐かしければ私の旅はそれでいいし、それがいい。
聖地アビドスかあ、今度はセト系終焉の王墓や船墓を観てみたいなあ○o。.
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