2019/05/03 - 2019/05/03
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ペコちゃんさん
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桜が終わり、牡丹・藤・ツツジなどが見頃を迎えるゴールデンウィーク。
好天に恵まれた5月3日に、東松山 ⇒ 本庄 ⇒ 越生と埼玉の花の名所を巡りました。
埼玉県のほぼ中央にある東松山市は、1974年に市制20周年を記念して市の花を「ぼたん」と制定した「ぼたん」の街・・・「東松山ぼたん園」と「箭弓(やきゅう)稲荷神社・ぼたん園」を訪れ、牡丹などの花を見て回りました。
次に、東松山から関越を走って、約30分で本庄の長泉寺へ・・・樹齢650年の「骨波田の藤」は満開の手前でしたが、境内に広がる美しい藤の花が楽しめました。
最後は、越生町にある「五大尊つつじ公園」へ・・・色とりどりのツツジが見頃を迎えていました。
写真は、「東松山ぼたん園」に咲き乱れる華麗な牡丹の花々。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 自家用車
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東松山市の郊外にある「東松山ぼたん園」。
4月20日~5月6日は「ぼたんまつり」を開催中。 -
駐車場(無料)に車を停めて、入り口に向かいます。
牡丹の開花期だけ徴収する入園料は、大人:500円。 -
東松山と牡丹のつながりは、大正12年、東武東上線の坂戸~東松山の開通記念に、東武鉄道初代社長・根津嘉一郎が箭弓稲荷神社に牡丹や藤、松を奉納したことに始まります。
その後、市の花「ぼたん」の普及活動の一環で、箭弓稲荷神社から一部の牡丹を現在地に移植して、1990年に「野田ぼたん園」として開園しました。 -
1998年に大幅拡張し、名称も「東松山ぼたん園」へ。
さらに、2016年からの改修工事で、花の展望台や芝生広場の大型複合遊具などが整備されました。
敷地面積は約3万平方mで、350種の品種と6500株の株数は日本最大級の牡丹園。 -
見頃を迎え、咲き誇る牡丹の数々。
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「立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は百合の花」という美女の形容として使われる牡丹は花の女王・・・別名も「富貴草」「富貴花」「百花王」「花王」「花神」「花中の王」「百花の王」など多数あります。
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華やかな赤、可愛いピンク、清楚な白、ちょっと珍しい黄色・・・どれもいいですね。
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眩しい黄色は「黄冠」。
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これほどの種類があったのかと感心させられるほどの多彩な種類があります。
左上:「白神」 右上:「紫雲殿」
左下:「白玉獅子」 右下:「新国色」 -
左上:「越後獅子」 右上:「関西明石潟」
左下:「村松の雪」 右下:「錦の艶」 -
芍薬も植えられています。
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園内中央にある展望台に登ってみます。
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展望台から見渡した園内の様子。
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斜面も牡丹の海。
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下の広場には大型の遊具もあり、家族連れにも好評。
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入り口の前の広場には多くの露店があり、牡丹の苗も売られていました。
で、東松山といえば「やきとり」・・・でも鶏肉ではなくて、豚のカシラ肉・・・これをピリ辛の味噌ダレで食べるのが東松山流。 -
次に、東松山市内にある箭弓稲荷神社へ。
ここでも「ぼたん祭」を開催中。 -
箭弓稲荷神社の創建は、和銅5年(712)と伝えられ、武蔵国では最も古い神社です。
社記によると、平安時代の中頃、謀反を起こした下総の城主・平忠常を討伐するため、源頼信が当地・野久ヶ原に本陣を張り野久稲荷神社に戦勝祈願をしたところ、白羽の矢のような形をした雲が敵陣の方へ飛ぶのを見て、 ” これぞ神のご加護 ” と奮いたち、直ちに敵陣に攻め込みました。
頼信は勝利し、社殿の建て替えを寄進するとともに、野久稲荷を箭弓稲荷と改めて呼ぶようにと里人に命じたそうです。 -
東松山市内のメインストリート・県道41号線に面した大鳥居をくぐって、駐車場に向かいます。
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2015年に、屋根を当初と同じ柿葺きに葺き替えた手水舎。
天井には、花鳥図の板絵20枚が格天井で飾られており、とても鮮やか。 -
社殿前にある「三の鳥居」は、厳島神社と同じ両部鳥居。
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「箭弓稲荷社」と書かれた扁額には、彫刻が施された屋根・・・こんなに凝った扁額を見るのは初めて。
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天保6年(1835)に造営された現在の社殿は、豪壮な権現造りで、県の指定文化財になっています。
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ご祭神は、五穀を司る神様・食物の神様として知られる保食神(うけもちのかみ)・・・そのご利益は五穀豊穣、商売繁盛、家内安全など。
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向拝には、立体感のある見事な彫刻が施されています。
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軒下唐破風兎毛通しの「鳳凰」。
霊鳥の鳳凰は、雄が鳳、雌が凰で、全ての鳥を誕生させたと言う謂れから「百鳥の祖」とも言われます。 -
鳳凰の下にあるのは、琵琶板彫刻の「三条小鍛冶」、その下は水引虹梁上丸彫り彫刻の「目貫龍」。
両目がくり抜かれた目貫龍は「目抜き」に通じ、最も目に付く場所や中心という意味から、拝殿の最も目立つ位置に飾られています。 -
「三条小鍛冶」は「名刀小狐丸誕生伝承」を題材とした彫刻。
平安時代の代表的な刀工・三条小鍛冶は、一条天皇より作刀を命ぜられましたが、勅命の作刀に見合う相槌を振るうほどの高弟がいませんでした。
その時に稲荷明神が童子に化身して現れ、見事に相槌を振るい、一条天皇の宝刀「小狐丸」を鍛えたという話で、謡曲「小鍛冶」にも謡われています。 -
拝殿の内部。
左右には狛狐が鎮座しています。 -
拝殿の右側に飾られている大きな絵馬は、松山女子高の美術部が2002年から毎年奉納しているもの。
その前で、ボランティアガイドの方から神社の歴史などの説明を受けます。 -
左の建物が拝殿、右が本殿。
本殿は、龍・獅子・獏・ 鶴・鳳凰や中国故事「黄石公と張良」「項羽と劉邦」などを題材にした素晴らしい彫刻が随所にあしらわれ、その精緻さが際立ちます。 -
拝殿の右にある脇障子は、謡曲にもある「黄石公と張良」が題材。
漢の高祖(劉邦)に仕えた若き日の張良の話で、老翁・黄石公が川に落とした沓(くつ)を、張良が取って履かせ、人柄を認められて太公望の兵法の奥義を授かる、という故事の場面ですが、1枚の板に彫った彫刻が、表裏でこんなにも違うとは・・・凄い技ですね! -
本殿に飾られた縁の下の持ち送り彫刻の「獏」。
波のように見える全体が、人の悪夢を食らうといわれる獏。 -
花頭窓彫刻の「二龍」。
龍には人民救済・雨乞い・魔除け・鎮火などのご利益があり、二匹の龍が本殿の両脇2カ所にあって本殿を守護しています。 -
本殿土台にある地紋彫りの「入子菱文様」。
菱形の中に菱形が入る文様が「入子菱」、これが連なっているものが「菱繋」。 -
本殿の背面にある見事な大羽目彫刻は「仙人の烏鷺(うろ)」。
烏鷺とは、カラスとサギを黒い石と白い石に見立てた囲碁を指す言葉。
樵(きこり)が仙人の囲碁対局を見て楽しんでいる様子が題材で、いつの間にか右手に持つ斧の柄が腐るほど長い時間が経ったが、仙人は変わらず、樵だけが年を取っていたという話です。 -
本殿縁の下持ち送り彫刻の「龍」。
水に関わりを持つ龍などの霊獣は、火の災いを受けないよう、地面に近い場所に飾られ、本殿の四隅にあります。 -
本殿縁の下持ち送り彫刻の「水犀(みずさい)」。
水犀は日本の霊獣で、体形は鹿、背中には亀の甲羅、頭に一角を持ち、細い足には蹄をつけた火災除けの彫刻です。 -
本殿地紋彫りの「蜀江錦繋文様」は、本殿の装飾を華やかに見せるために、頭貫に施されています。
蜀江錦は、古代中国の蜀で作られた錦織物で、その文様は京都西陣織などでも見られます。
本殿蟇股彫刻の「王子喬と唐子」は、中国・周代の仙人・王子喬が鶴に乗り、唐子らに教えを説いている様子を彫ったものです。 -
本殿の真裏に建つ「元宮社」。
江戸中期の享保年間(1716~1735)以前に造られたと推定され、箭弓稲荷神社に現在ある建物の中では最古だそうです。 -
元宮社の前に鎮座する「狛きつね」・・・右側は鍵をくわえ、左側は玉を抱えています。
火事が多かった江戸時代、稲荷神社は商売繁盛のご利益だけでなく、鍛冶職人や染め物業者など火に関わる職業の人たちから、防火・防災の神として崇められてきました。(玉鍵信仰)
打ち上げ花火のかけ声「たまや~」「かぎや~」は、江戸の花火屋の屋号(玉屋と鍵屋)からきたものです。 -
本殿の西側にある「むすび石」。
良縁拝受、子孫繁栄に御利益があり、「お食い初め」の「歯固めの石」に使用することができるそうです。 -
箭弓(野球)稲荷神社ということで、絵馬もホームベース型やバット型のユニークなもの。
埼玉西武ライオンズの選手や高校球児など、野球関係者が多く参拝に訪れる神社としても知られています。 -
拝殿の右側にある参集殿に展示されている「巨大御朱印スタンプ」。
御鎮座1300年記念に製作された高さ1.42m、印面の縦横が1.3mの御朱印は、2016年に “ 最も大きな木製スタンプ ” として、ギネス世界記録に認定されました。 -
赤い鳥居の先にあるのは「宇迦之魂社」(穴宮稲荷)。
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箭弓稲荷神社を崇敬していた七代目・市川団十郎(1791~1859)が、歌舞伎興業の盛況御礼に、文政4年(1821)に奉納した祠です。
芸道技術の向上を願う人からの信仰も厚く、5月・10月には団十郎稲荷祭が行われます。 -
拝殿の西側、「ぼたん園」の入口近くにある「縁結びの木」。
松と栴檀(せんだん)の木が寄り添うように生えており、縁結びや人間関係の好転の御利益があるとされています。
「やっくん・きゅうちゃん」の可愛い狐像も、木の前にあります。 -
ぼたん園の入口。
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ぼたん園には、約1,300株の牡丹のほか、藤やツツジも植えられています。
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牡丹はピークを過ぎていましたが、藤の花が見ごろを迎えています。
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この藤は、大正12年に東武鉄道・初代社長の根津嘉一郎が牡丹と共に寄贈したもの。
高さ約13m、幅18mのフジ棚に垂れ下がる大木は推定250年以上といわれ、「延命(ながらへ)のフジ」と呼ばれています。 -
藤棚の周りは、ツツジ・牡丹・菖蒲など花盛り。
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これまで何回か箭弓稲荷神社の前を車で通ったことがありましたが、実際に訪れてみると、素晴らしい彫刻の社殿やぼたん園など、見どころいっぱいの神社でした。
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東松山を後にして、本庄市児玉町にある長泉寺へ。
境内には推定樹齢650年の「骨波田の藤」があり、東国花の寺・百ケ寺にも選ばれております。 -
大用山長泉寺は、上州平井城主・上杉顕定が文明三年(1471)に開基した曹洞宗のお寺。
総門の前には六地蔵尊が祀られ、ツツジの花が満開です。 -
寺名よりも「骨波田の藤」の名で知られている長泉寺。
桓武天皇の時代(781~806)に、蝦夷地平定のために東北へ赴く途中、この地を通りかかった坂上田村麻呂が、沼に住む大蛇を退治して人々の苦難を救い、その大蛇の骨を埋めた地を「骨波田」と称したと言われます。 -
骨波田の藤の見頃は4月下旬~5月上旬で、藤の時期は入園料が300~600円・・・咲き具合によって値段が変わります!
この日は400円で、満開まであと少しという感じでした。 -
総門をくぐると、参道の両側には藤やツツジが美しく咲いています。
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ツツジに囲まれた道元禅師像、その奥は鐘楼。
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骨波田の藤は本堂の前にありますが、手前の参道に咲く藤も見事なものです。
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花の周りは、藤の甘い香りが漂っています。
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藤の花に包まれた境内。
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長泉寺は、室町時代には多くの建物を有する広大な寺院だったのですが、江戸時代の大火でそのほとんどが焼失してしまいました。
その中で、この「山門」は焼失を免れ、現在に至っています。 -
山門の左側に祀られた水子地蔵尊。
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山門に上って藤の花を望む皆さん。
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山門の一階にある仁王像。
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二階には延命地蔵菩薩・聖観世音菩薩・文殊菩薩・持国天・広目天等が安置されています。
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山門から入口の総門を望む境内の風景。
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反対側を見ると、本堂の左右に広がる樹齢650年の骨波田の藤・・・山門から見下ろすと、その大きさを改めて感じます。
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本堂前の両側に大きく広がる一対の棚が骨波田の藤です。
手前(左側)は、樹齢270年の白藤。 -
藤棚の前の池には、弁天様とカエルの像が。
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本堂の内部。
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右側。
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左側。
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本堂前の不老観音。
「この観音様は この世の厄難を救い 災難を除け、特にボケを封じ 延命長寿の功徳あり」・・・よ~く拝んで!! -
これは右側の藤棚。
骨波田の藤(ムラサキナガフジ)は、幹が7本に分かれて広がり、主幹の太さは3.6m。 -
左側の藤棚。
満開時には、花の房は1~1.5mにもなりますが、この広く張り出した枝が1本の木から出ているとは・・・驚きです。 -
白藤は、紫の藤とは、また違った清楚な美しさ。
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花めぐりの最後は、越生(おごせ)町にある「五大尊つつじ公園」へ。
越生梅林で有名な越生町ですが、この時期は「つつじ祭り」が開催されています。 -
園内は12種類・約10,000株のツツジが咲き誇る、関東屈指のツツジの名所・・・享保年間(1716~36)に寺僧が植えたのが始まりと伝えられ、樹齢300年以上の古木も沢山あります。
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園内に入った途端、咲き競うツツジに目を奪われます。
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ツツジに囲まれた階段を登り、五大尊堂へ向かいます。
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階段の途中には、イナフクミ(稲含)様と呼ばれる社があります。
ここに祀られている荼枳尼天(だきにてん)は、悪魔が仏道に帰依して改心したとされる古代インド伝来の女神。
社の中には昭和2年に奉納された繭の額があり、イナフクミ様は越生周辺で盛んだった養蚕農家の厚い信仰を集めていたようです。 -
さらに階段を上がって行くと東屋があり、ツツジと越生の街並みを一望することができます。
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階段を登り切った所にある「五大尊堂」。
かつては長徳寺という寺の境内にある堂の一つでしたが、明治時代初期に長徳寺が廃寺になった後は、地域の人々によって大切に守られてきました。 -
堂内には平安時代末期に作られた五大尊が安置され、中央に不動明王、東西南北に降三世・大威徳・軍荼利・金剛夜叉の五大明王像が祀られています。
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今日(5月3日)は、禊をした男の子が五大尊の石段を一気に駆け上って、本尊が納められている厨子の扉を開ける「御戸扉」という伝統的な儀式の日。
選ばれた小学生は水をかけられ、寒そう・・・ -
五大尊堂から遊歩道を歩いてつつじ園へ。
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ツツジの先には、大きなモミジの木が。
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遊歩道は山の斜面をぐるりと巡るようになっていて、いろいろな色のツツジを見上げたり見下ろしたりして楽しめます。
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公園内には、越生出身の江戸時代の俳人である古帳庵(鈴木金兵衛)が発願した四国八十八カ所と西国・板東・秩父百観音札所の写し霊場が整備されています。
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今が盛りと咲き誇るツツジの花々・・・山全体が花の色と木々の緑で、素晴らしいコントラストです。
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五大尊つつじ公園に植えられているツツジは、「大むらさき」 や 「りゅうきゅう」など、色や形も様々。
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全山、ツツジ、つつじ、躑躅・・・
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牡丹・藤・ツツジを楽しんだ一日でした。
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