雨に鎮まる倉敷 美観地区散策

2018/09/08 - 2018/09/09

本来の目的は、ポルノグラフィティの20周年キックオフライブ「しまなみロマンスポルノ」。
その前泊で訪れた、倉敷美観地区がとても美しかったんです。
「ポルノで遠征なら」と音楽好きな相方さんにもついてきてもらって、久しぶりの二人旅。
奇しくも、前の週に訪れた台風で家や精神にダメージを食らった後の旅行。
雨に濡れて寒かったけれど、ゆっくり流れる景色と美味しい食べ物に、荒れた心を鎮められました。
この後、雨にはもう一回泣かされましたけどね。

エリア 倉敷(岡山)

• 同行者: カップル・夫婦
• 交通手段: 新幹線
• 旅行の手配内容: 個別手配

新大阪駅から西への新幹線に乗るのは初めて。
兵庫から西の本州には、記憶にある限り行ったことないんですよ。
ワクワクして待ってたら、隣のホームにハローキティ新幹線がきた！
ラッピングがかわいい！

1時間もかからずに「晴れの国」岡山到着。
残念ながら、この二日間はお天気には恵まれませんでした。
雨だからこその静かな空気を味わえてよかった！…と、思うことにしましょう。

岡山から倉敷へは20分ほど。
レトロを感じる面構えの電車に乗ります。

一度は来てみたかった倉敷に、ようやく来れました。
倉敷も豪雨被災からの復興に尽力している最中。
曇天に躍る「がんばろう」の文字が、萎れた心に檄をくれます。
ただ、9月にしてはびっくりするほど寒かった！
30度越えの灼熱地から20度前後の雨の下へ。
服装選択を完全に間違え、案の定風邪ひきました。

震えながらホテルへ一直線。
駅から徒歩10分ほど、美観地区に隣接している「倉敷国際ホテル」です。
美術館に隣接していることもあり、館内もいたるところに美術品が展示された、綺麗なホテルです。

ロビーには立派な木版画が展示されていました。
シックで美しい館内の造りもあって、ホテルというより現代建築の美術館のよう。
同じライブに行くらしいポルノファンもちらほらと見かけます。
ひっそり「がんばろうな」と念をおくりつつ、私達は荷物だけ預けて外へ。

早速お隣の美観地区へ。
エリアに足を踏み入れた途端、風情ある街並みに変わります。
この均一に揃った瓦！格子窓！なまこ壁！
すごいすごい！見るの憧れてたんだー！

柳が枝垂れる水路沿いに、昔ながらの家づくり。
自分かタイムスリップしたかのようで、「うわー！うわー！」と感激して写真撮ってました。

『るろうに剣心』のロケ地として有名な場所だけど、私が憧れるきっかけは、Nintendo64のゲームソフト『がんばれゴエモン～ネオ桃山幕府のおどり～』。
子供の頃に遊び倒したゲームで、このエリアが再現されていたんですよ。

こういう立派な蔵に、アイテムが入っていてね！
最初は通り過ぎるだけだけど、後から壊すことができてね…思い出話が止まりません。
任天堂をまったく通ってこなかった相方さんも、これには苦笑い。
わからないのに、話を聞いてくれてありがとう。

岡山といえばデニムが有名だと、相方さん行きつけのジーンズショップの店員さんに聞いたことがあります。
美観地区エリア内にも、デニムストリートなるショップを発見。
端切れを使ったバックやグッズ、独自の色合いのジーンズがたくさんあって、相方さん大興奮。
明日はライブだからと泣く泣くジーンズを諦め、デニムで作られたキャップを購入。
ここで見かけたえんじ色のジーンズは、今でも忘れられないそうです。

デニムストリート名物、真っ青なデニムソフト。
これめっっっちゃおいしかった！！！
ただのラムネ味のソフトクリームではなく、隠し味のブルーベリーにより爽やかな甘みがプラスされてるんですよ！
色もキレイで味もウマイ！ここでしか食べられないのがもったいないよ！

ソフトクリームを食べていたら、足元から視線を感じて。
このカエルはなんでしょう？シーサー的なものかな？
「ソフトクリーム、うまいケロ？」

雨のおかげか、人数がまばらなのがありがたかったです。
グッズのパーカーを着ていたおかげで、人力車のお兄さんから「ポルノグラフィティ？」と呼びかけられるのも、遠征のお楽しみ。

観光地といえば食べ歩き。
めちゃくちゃいいニオイがした『金賞コロッケ』にて、コロッケを２つテイクアウト。
芋の甘さと肉のジューシーさを感じるクリーミーなコロッケがうまい！
冷えた体にこの温もりはたまりませんわ！

もう一つは牡蠣コロッケ。
牡蠣に目がない私達、メニュー見た瞬間に「これください！」とご指名です。
ゴロッゴロ入った牡蠣のエキスが、口の中にじゅわーと染み渡り、こちらも大満足のお味！

またもおいしい香りにつられて『ゆらの助だんご 多賀屋』でテイクアウト。
香ばし醤油のたれがたまらない小ぶりのお団子。
パクパクとリズミカルに食べ進み、あっという間になくなりました。
これは二、三本買っておくべきだった…！

赤煉瓦に絡まる蔦が美しい『倉敷アイビースクエア』にも立ち寄りました。
晴れた日にはビアガーデンになるそうですが、本日はあいにくのお天気のため、全て撤去されていました。
鯉が優雅に泳ぐ姿も見ていて心が安らぎます。

ふと通り過ぎる路地も、趣があって素敵！
気が立つことばかりでいたけれど、静かな倉敷の街並みを歩くうちに、随分と解れました。
荒れてる時にこそ、静かな時間が必要ですね。

訪れた時期に、ちょうどパフェ祭なる企画がやっていたのですが…寒すぎて食べきる自信がなく。
そろそろ休憩したいという相方さんが気にしていた、『エル・グレコ』でコーヒーブレイク。
大原美術館に隣接されたこちらは、50年以上の歴史あるお店だそうです。

お腹は満たされていたので、コーヒーと紅茶で一息。
上げ下げ窓や高い天井、漆黒の柱が、昔ながらの食堂を思い出しますね。
大正ロマン溢れるお店でくつろいでいると、まるで自分も文化人になったかのようで、自然と胸も張ってしまったり…二人揃って空気に飲まれるタイプです。

すっかり歩き疲れていましたが、せっかくだからと大原美術館にも立ち寄りました。
印象派の絵が好きな私は、モネやルノワールが見れて大興奮。
西洋美術だけでなく、日本美術や近代美術など幅広く展示されていて、駆け足で見るにはもったいない場所でした。
これは元気な時にリベンジしたい…！

相方さんが「最後にひとつだけ！」とソフトクリームおかわり。
『果物小町のソフトクリームパーラー』に清水白桃ソフトをテイクアウト。
桃を飲んでるかと思うほどみずみずしいアイスでおいしい！
ソフトクリーム大好きな相方さん、ぺろりとたべきりました。

ようやくホテルへチェックイン。
ツインのお部屋もシックにまとめられていて、広々快適に過ごせました。

美術館隣接ホテルならでは。
お部屋に図録がありました。
本物に触れた後に、お部屋でゆっくり余韻に浸る。
そんな時間の過ごし方も素敵だな。

グラフィティ！？と思わず手にとってしまった。
こちらも部屋内に置かれた書籍。
旅行ガイドのようです。

晩御飯は暖かいもの！とリクエストしました。
美観地区ほど近くにある『倉敷ラーメン 升家』。
寒い日にはやっぱラーメン！

倉敷煮干しラーメンをチョイス。
スープを飲むと、濃厚な煮干しの出汁がぶわっと広がります。
なにこれ！？めっちゃおいしい！
こだわりのネギやメンマ、ほろりとほどけるチャーシューもうまい！
かための極細麺も私の好みで、最後までおいしくいただけました。

翌日。楽しみにしていたしまなみライブ当日…なんですが。
緊張と寒さでまったく寝れず、風邪悪化。
おまけに一層ひどくなった雨で、会場周辺に警報まで発令され…昼前にはライブ自体の中止が決定。
グッズだけでも買いに行きたかったけれど、「その体調で雨ざらしの下に立たせるわけにはいかない」と相方さんにも説得され、泣く泣く引き返すことにしました。
初めてのライブ中止。仕方ないけれど、悔しくてショックで、3日ほど放心状態になりました…。

悲しいけれど、思い出とお土産は持って帰る！
美観地区のお土産屋さんで、生もみじときびだんごを買いました。
生もみじ大好きなんですよ。ねっとり感が好き。
きびだんごはパッケージの可愛さに惹かれました。
お店の方が「よく来てくれたね！」「大阪も大変なのに」「また来てね！」とおまけ団子をたくさん持たせてくれました。
倉敷の人は、とってもあたたかくて優しかった！

こちらは会場まで行った友達が買ってきてくれた、ポルノグラフィティコラボグッズのはっさくゼリー。
味のあるはっさくのイラストがトレードマーク。
酸味があるゼリーは、凍らせて食べるのがお気に入り。

ライブが中止になった3日後。
悔しさに泣いたポルノお二人から「もう一回しまなみライブやるよ！」の嬉しいお知らせが！
全国の映画館で、開催できた初日の映像＋生中継によるライブビューイングを行うと宣言。
一ヶ月後、大阪の映画館で相方さんと一緒に、無事しまなみライブに参戦することができました。
あの日聴けたはずの音楽や演出、あの日できなかったからこそ見れた美しい因島の風景や、地元の高校生の方とのコラボレーション。お二人の力強い言葉…そして最後は劇場総立ちでタオル回し！
ポルノグラフィティに関わる全ての方からの粋なプレゼントに、人目もはばからずわんわん泣きました。

買えなかったグッズも劇場で買えて、銀テープもプレゼントされて。
置き去りにした悔いが、無事に成仏できました。
またライブに行きたくなったのはもちろんのこと、今回訪れた倉敷の空気にも、ささくれた心を癒されました。
今度は晴れた岡山に行ってみたい。また訪れたいなと、すっかりお気に入りの地になった倉敷の旅でした。