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2月1日、2日に台北で行われたミスチルコンサート「重力と呼吸」に関する旅行記です。<br /><br />日本でのチケットは抽選で外れてしまったので、台湾公演ならどうだろう?と思い、台北の友人、ボアに相談しました。<br /><br />「台湾なら絶対とれるよ」という言葉を信じていましたが、発売と同時に「2分で完売!!マジ恐ろしい」との連絡がきてしまい、落胆していました。<br /><br />僕がっかりしていることを知ったボアは、<br /><br />「そんなにほしいの?それなら転売サイトで探してみるよ」と言って、なんとか1日目のチケットを手に入れてくれました。<br /><br />ありがとよ!!ボア!!また世話になってしまったな!!

ミスチルコンサート旅@台北・1日目

21いいね!

2019/01/31 - 2019/02/04

13084位(同エリア30740件中)

kokotoriri

kokotoririさん

2月1日、2日に台北で行われたミスチルコンサート「重力と呼吸」に関する旅行記です。

日本でのチケットは抽選で外れてしまったので、台湾公演ならどうだろう?と思い、台北の友人、ボアに相談しました。

「台湾なら絶対とれるよ」という言葉を信じていましたが、発売と同時に「2分で完売!!マジ恐ろしい」との連絡がきてしまい、落胆していました。

僕がっかりしていることを知ったボアは、

「そんなにほしいの?それなら転売サイトで探してみるよ」と言って、なんとか1日目のチケットを手に入れてくれました。

ありがとよ!!ボア!!また世話になってしまったな!!

  • まずは陸路のご説明を。<br /><br />今年度3度目の仙台空港へ。<br /><br />山形市内から高速を「関山~笹谷」だけ使い、2時間弱。<br /><br />笹谷~空港の下道は、2往復して慣れてくると、単純でわかりやすい道だと感じる。

    まずは陸路のご説明を。

    今年度3度目の仙台空港へ。

    山形市内から高速を「関山~笹谷」だけ使い、2時間弱。

    笹谷~空港の下道は、2往復して慣れてくると、単純でわかりやすい道だと感じる。

  • おなじみの駐車場。<br /><br />看板には、10分って書いてあるけど、仙台空港までは歩いて5分くらいかな。<br /><br />空港そばの駐車場の半額。

    おなじみの駐車場。

    看板には、10分って書いてあるけど、仙台空港までは歩いて5分くらいかな。

    空港そばの駐車場の半額。

  • 仙台空港からは、北京(上海or大連経由)、ソウル、台北便がある。<br /><br />我らがLCCはまだピーチだけ。<br /><br />東北の民はまだそれほど、LCCの恩恵にあずかっていない。<br /><br />それでもピーチの航路は、大阪、台北、札幌と順調に増えている。<br /><br />ぜひ、もっと増やしてくれ!!<br /><br /><br />東北の民にとって海外は遠すぎる。<br /><br />まずは東京国にでなくてはならない。<br /><br />旅行会社がいくら価格を競って安い航空券を出してくれても、東北の民は、東京との出入国の移動費に一人2万円はかかる。<br /><br />ただでさえ、平均所得が低いのに。<br /><br /><br />やっぱそれじゃ「パスポートあて必要ないべー」という人ばかりになるべさ。<br /><br />11月には、バンコク便が復活するきざし。<br /><br />300人乗りが週3便の可能性があるという。<br /><br />これも、来日客を見込んでのことだろう。<br /><br /><br />普通のより、庶民の味方LCCがもっと増えてほしいなぁ。<br /><br />ソウル、上海、沖縄あたり、できればいいなぁ。

    仙台空港からは、北京(上海or大連経由)、ソウル、台北便がある。

    我らがLCCはまだピーチだけ。

    東北の民はまだそれほど、LCCの恩恵にあずかっていない。

    それでもピーチの航路は、大阪、台北、札幌と順調に増えている。

    ぜひ、もっと増やしてくれ!!


    東北の民にとって海外は遠すぎる。

    まずは東京国にでなくてはならない。

    旅行会社がいくら価格を競って安い航空券を出してくれても、東北の民は、東京との出入国の移動費に一人2万円はかかる。

    ただでさえ、平均所得が低いのに。


    やっぱそれじゃ「パスポートあて必要ないべー」という人ばかりになるべさ。

    11月には、バンコク便が復活するきざし。

    300人乗りが週3便の可能性があるという。

    これも、来日客を見込んでのことだろう。


    普通のより、庶民の味方LCCがもっと増えてほしいなぁ。

    ソウル、上海、沖縄あたり、できればいいなぁ。

  • ピーチのカウンター前は、きょうも台湾人だらけ。<br /><br />仙台~台湾便は、台湾人観光客が支えている。<br /><br /><br />というのも、東北の民のパスポート所有率は12.2%。<br /><br />全国の23.5%のほぼ半分(河北新報による)。<br /><br />民営化した仙台空港の関係者が「日本人旅行客の需要を増やすためにも、パスポート所得のための行政補助があってもいいのだけど…」と話すのもうなずける。<br /><br />東北の民よ、インバウンドもいいが、もっと外国に行ってみないか!?<br /><br />データ出典<br />https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201803/20180318_73033.html

    ピーチのカウンター前は、きょうも台湾人だらけ。

    仙台~台湾便は、台湾人観光客が支えている。


    というのも、東北の民のパスポート所有率は12.2%。

    全国の23.5%のほぼ半分(河北新報による)。

    民営化した仙台空港の関係者が「日本人旅行客の需要を増やすためにも、パスポート所得のための行政補助があってもいいのだけど…」と話すのもうなずける。

    東北の民よ、インバウンドもいいが、もっと外国に行ってみないか!?

    データ出典
    https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201803/20180318_73033.html

  • おなじみピーチ

    おなじみピーチ

  • 今回の相棒は「流」。<br /><br />台湾を舞台にした小説。直木賞作品らしい。<br /><br />この作者の作品を手に取るのは、初。<br /><br />台湾で台湾に関する小説を読む。<br /><br />むふふ。贅沢。

    今回の相棒は「流」。

    台湾を舞台にした小説。直木賞作品らしい。

    この作者の作品を手に取るのは、初。

    台湾で台湾に関する小説を読む。

    むふふ。贅沢。

  • お隣さんはやっぱり台湾人でした。<br /><br />親戚一同11人で来ているとのこと。<br /><br />青森の奥入瀬の温泉や秋田の温泉に行ってきたとか。<br /><br />全部で10泊くらいしたらしい。<br /><br />「とても良いところだったわ」<br /><br />僕自身はどこも行ったことのない場所だった。<br /><br />「あなたの家はどちらなの?」と聞かれ<br /><br />「山形です」と答えると<br /><br />「あら!!山形にも行ってきたわ!!」と目を輝かせる。<br /><br />へえ。<br /><br />台湾人が山形旅行するとなると…<br /><br />「蔵王ですか?」<br /><br />「そうそう!!ロープウェイでお地蔵様がいるところまで登ったわ!!」<br /><br />「そりゃ良かったですねぇ。吹雪がすごくなかったですか?」と聞くと<br /><br />「そりゃもう!!目を開けていられなくてすぐに建物の中に逃げ込んだわ!!」ととても嬉しそうに話す。<br /><br />そうなのです。<br /><br />南国の方々は、吹雪がうれしいのです。<br /><br />「それと、山寺も行ってきたわ!!」<br /><br />「きれいなところだってでしょ?」<br /><br />「ええ、とっても」とにっこり。<br /><br />「雪が積もった石段、降りるの大変でなかったですか?」<br /><br />「ええ、とっても」とにっこり。<br /><br />前職の時、1人カメラを担いで降りる時、カメラを壊しそうになってしゃますしたことを思い出した。<br /><br />そのことを話しても、彼女は反応しなかった。<br /><br />「日本は何回目ですか?」と聞くと<br /><br />しばらく考えた後<br /><br />「わかんない」と答えた。<br /><br />文字通り、「数え切れないほど」ということらしかった。<br /><br />実際、東北まで来る外国人旅行客は、京都も大阪も富士山も東京もすっかり回りきってしまったという人がほとんど。<br /><br />前職のとき、「なぜ台湾人は山形くんだりまで旅行に来るのか」をテーマに取材したことがある。<br /><br />ある人は「行ったことがないところに行きたいから」といい<br /><br />ある人は「都会で疲れると、こういう田舎に来たくなるのさ」と答えた。<br /><br />彼らはたいてい、収入が高いアッパークラスの人たちだった。<br /><br /><br /><br />僕の隣の台湾人女性も、おそらくその類の方なのだろう。<br /><br />「次の日本旅行は?」と試しに聞いてみると<br /><br />「夏に大阪に行くわ」と答えた。<br /><br />このご一家は、台南にお住まいという事で、桃園空港からは車で帰るのだ、といった。<br /><br />「大阪なら、高雄から直行便でていますもんね」<br /><br />「そうなのよ。便利だわ」<br /><br />「日本のLCCは大阪が一番多いんです」と説明すると<br /><br />「へ~そうなのね」と興味を示したが<br /><br />「大阪がうらやましいです」との発言には反応しなかった。<br /><br /><br />会社を辞めて3ヶ月。<br /><br />以前に増して、会話が下手になっている。<br /><br />会話の流れに乗っていない発言をしてしまう。<br /><br /><br />突然僕は、大学の少人数制の講義を思い出した。<br /><br />英会話コミュニケーション。<br /><br />その男性イギリス人教授は<br /><br />「コミュニケーションで大事なのは、質問だ」と繰り返した。<br /><br />「とにかく質問しまくれ」。<br /><br /><br />講義をさぼりがちだった僕は、<br />テストの日時が決定したと聞き、<br />久しぶりに出席した。<br /><br />講義後、教授に「テストを受けさせてください」とお願いした。<br /><br />すると彼は、顔をしかめたまま<br /><br />「Are you kidding(冗談だろう)?」<br /><br />彼はプロだった。<br /><br />できの悪い学生を責めるのでさえも、質問形式だった。<br /><br /><br />おっと。話がそれた。<br /><br />そうだ。初対面の人にこんな発言はいらない。<br /><br />僕はよく、会話の途中に余計なことを挟んで、流れを損なう。

    お隣さんはやっぱり台湾人でした。

    親戚一同11人で来ているとのこと。

    青森の奥入瀬の温泉や秋田の温泉に行ってきたとか。

    全部で10泊くらいしたらしい。

    「とても良いところだったわ」

    僕自身はどこも行ったことのない場所だった。

    「あなたの家はどちらなの?」と聞かれ

    「山形です」と答えると

    「あら!!山形にも行ってきたわ!!」と目を輝かせる。

    へえ。

    台湾人が山形旅行するとなると…

    「蔵王ですか?」

    「そうそう!!ロープウェイでお地蔵様がいるところまで登ったわ!!」

    「そりゃ良かったですねぇ。吹雪がすごくなかったですか?」と聞くと

    「そりゃもう!!目を開けていられなくてすぐに建物の中に逃げ込んだわ!!」ととても嬉しそうに話す。

    そうなのです。

    南国の方々は、吹雪がうれしいのです。

    「それと、山寺も行ってきたわ!!」

    「きれいなところだってでしょ?」

    「ええ、とっても」とにっこり。

    「雪が積もった石段、降りるの大変でなかったですか?」

    「ええ、とっても」とにっこり。

    前職の時、1人カメラを担いで降りる時、カメラを壊しそうになってしゃますしたことを思い出した。

    そのことを話しても、彼女は反応しなかった。

    「日本は何回目ですか?」と聞くと

    しばらく考えた後

    「わかんない」と答えた。

    文字通り、「数え切れないほど」ということらしかった。

    実際、東北まで来る外国人旅行客は、京都も大阪も富士山も東京もすっかり回りきってしまったという人がほとんど。

    前職のとき、「なぜ台湾人は山形くんだりまで旅行に来るのか」をテーマに取材したことがある。

    ある人は「行ったことがないところに行きたいから」といい

    ある人は「都会で疲れると、こういう田舎に来たくなるのさ」と答えた。

    彼らはたいてい、収入が高いアッパークラスの人たちだった。



    僕の隣の台湾人女性も、おそらくその類の方なのだろう。

    「次の日本旅行は?」と試しに聞いてみると

    「夏に大阪に行くわ」と答えた。

    このご一家は、台南にお住まいという事で、桃園空港からは車で帰るのだ、といった。

    「大阪なら、高雄から直行便でていますもんね」

    「そうなのよ。便利だわ」

    「日本のLCCは大阪が一番多いんです」と説明すると

    「へ~そうなのね」と興味を示したが

    「大阪がうらやましいです」との発言には反応しなかった。


    会社を辞めて3ヶ月。

    以前に増して、会話が下手になっている。

    会話の流れに乗っていない発言をしてしまう。


    突然僕は、大学の少人数制の講義を思い出した。

    英会話コミュニケーション。

    その男性イギリス人教授は

    「コミュニケーションで大事なのは、質問だ」と繰り返した。

    「とにかく質問しまくれ」。


    講義をさぼりがちだった僕は、
    テストの日時が決定したと聞き、
    久しぶりに出席した。

    講義後、教授に「テストを受けさせてください」とお願いした。

    すると彼は、顔をしかめたまま

    「Are you kidding(冗談だろう)?」

    彼はプロだった。

    できの悪い学生を責めるのでさえも、質問形式だった。


    おっと。話がそれた。

    そうだ。初対面の人にこんな発言はいらない。

    僕はよく、会話の途中に余計なことを挟んで、流れを損なう。

  • 桃園空港着。<br /><br />仙台17時発。<br />桃園20時半着。<br /><br />機内では、多くの時間を『地球の歩き方』を読んで過ごした。<br /><br />宿とコンサートホールとの位置関係を大まかに把握し、行きたいところに目星をつけた。<br /><br />行きたい場所=すっぽん屋<br /><br />華西観光夜市、という場所に、すっぽん屋があるという。<br /><br />しかし、華西観光夜市は、<br />夜遅くは女性は出歩かないのが無難、とある。<br /><br />いいね。ここに行こう。<br /><br />仙台~台北4度目にして初めて、桃園空港からMRTに乗る。

    桃園空港着。

    仙台17時発。
    桃園20時半着。

    機内では、多くの時間を『地球の歩き方』を読んで過ごした。

    宿とコンサートホールとの位置関係を大まかに把握し、行きたいところに目星をつけた。

    行きたい場所=すっぽん屋

    華西観光夜市、という場所に、すっぽん屋があるという。

    しかし、華西観光夜市は、
    夜遅くは女性は出歩かないのが無難、とある。

    いいね。ここに行こう。

    仙台~台北4度目にして初めて、桃園空港からMRTに乗る。

  • 案内板を見ながらMRTの駅を探す。<br /><br />台湾中国語で「捷運(ジュンユン)」というらしい。<br /><br />大陸中国語では聞かない単語。<br /><br /><br />空港の案内板を見ながら進む。

    案内板を見ながらMRTの駅を探す。

    台湾中国語で「捷運(ジュンユン)」というらしい。

    大陸中国語では聞かない単語。


    空港の案内板を見ながら進む。

  • 台湾版スイカ<br /><br />前回の旅行で買っていた。<br /><br />セブン行ったら、こういうのしかなかった。

    台湾版スイカ

    前回の旅行で買っていた。

    セブン行ったら、こういうのしかなかった。

  • 無事乗れた。<br /><br />一瞬立ち止まったりすると、警備員とかが<br /><br />「こっちだよ」と合図してくれたりもした。<br /><br />台湾人、やっぱり親切~<br /><br />桃園空港~台北駅は150元≒600円 40分くらいだったかな。

    無事乗れた。

    一瞬立ち止まったりすると、警備員とかが

    「こっちだよ」と合図してくれたりもした。

    台湾人、やっぱり親切~

    桃園空港~台北駅は150元≒600円 40分くらいだったかな。

  • 宿に到着。<br /><br />新北市「府中駅」から歩いて数分の宿。<br /><br />翌日ボアからチケットを受け取るため、ボアの職場の近くにしたのだ。<br /><br />350元≒1400円。<br /><br />ビルの7階にあり、部屋に窓はない。<br /><br />与えられるのはベッドのみ。共同スペースにロッカーがあるが、鍵は自前。<br /><br />シャワー、トイレは共同。<br /><br />朝食としてセルフで焼くトーストが付く。<br /><br />台湾の安宿は、どんなに安くても、清潔さも秩序も保たれている。

    宿に到着。

    新北市「府中駅」から歩いて数分の宿。

    翌日ボアからチケットを受け取るため、ボアの職場の近くにしたのだ。

    350元≒1400円。

    ビルの7階にあり、部屋に窓はない。

    与えられるのはベッドのみ。共同スペースにロッカーがあるが、鍵は自前。

    シャワー、トイレは共同。

    朝食としてセルフで焼くトーストが付く。

    台湾の安宿は、どんなに安くても、清潔さも秩序も保たれている。

  • 部屋に入ると、すでに20代半ばと思しき客が入っていた。<br /><br />「にーはお」と挨拶すると<br /><br />彼も<br />「にーはお」と答えた。<br /><br />一瞬変な空気になった気がしたので<br />「日本人ですか?」と聞くと<br /><br />「そうです」と社会人的な笑顔で返事が返ってきた。<br /><br />どこか「そんなことすぐわかるだろ。何がにーはおだよ」という、心を閉ざしてしまったニュアンスを感じなくもなかった。<br /><br />旅慣れた感じの人だった。<br /><br />どんな旅をしてるのか聞きたい気持ちもあったが、彼はすでに話したいという意思はない気がした。<br /><br />僕も、この〝失態〟を挽回する方法を知らなかった。<br /><br />日本人は気難しい。<br /><br />そしてそれは、自分を写す鏡でもあった。<br /><br />僕は気を取り直して、遅い夕飯を食べに行くことにした。<br /><br /><br />宿のカウンターのにいちゃんに<br /><br />「近くにおすすめの店ある?」と聞くと<br /><br />「斜め向かいに麺線の店がある」とだけ答えた。<br /><br />ゆるぎのない、自信のある答えだった。<br /><br />この兄ちゃんは、厳しい表情で笑顔を見せない人だったが、<br />決して感じが悪いとか、態度が悪いとかを感じさせることがなかった。<br /><br />誠実さと不器用さとがにじみ出ているような人だった。<br /><br />ただ、笑顔が少ない人は生きていて苦労する。<br /><br />人と人とを結ぶ潤滑油が足りなくなり、摩擦は自分を少しずつ削り取る。<br /><br />もしかしたら、彼もそうなるのかも知れない。<br /><br />20代の自分を思い出した。<br /><br />僕は心の中で<br />「ボーイズビーアンビシャス!!」とエールを送った。<br /><br /><br />外に出た。<br /><br />僕は左右を見回す。<br /><br />笑顔のない彼は「斜め向かいの麺線の店」とだけ教えてくれた。<br /><br />右なのか、左なのか。<br /><br />台湾で道を尋ねると(おそらく外国で尋ねると、ということだが)こういう大雑把な答えしか返ってこない。<br /><br />僕も大雑把な答えなのに、それ以上尋ねることなく納得してしまう。<br /><br />取材不足。<br /><br />前職の時、いつもこれで困った。<br /><br />おっと、また話がそれた。<br /><br /><br />左に見当をつけて歩いて行くと…

    部屋に入ると、すでに20代半ばと思しき客が入っていた。

    「にーはお」と挨拶すると

    彼も
    「にーはお」と答えた。

    一瞬変な空気になった気がしたので
    「日本人ですか?」と聞くと

    「そうです」と社会人的な笑顔で返事が返ってきた。

    どこか「そんなことすぐわかるだろ。何がにーはおだよ」という、心を閉ざしてしまったニュアンスを感じなくもなかった。

    旅慣れた感じの人だった。

    どんな旅をしてるのか聞きたい気持ちもあったが、彼はすでに話したいという意思はない気がした。

    僕も、この〝失態〟を挽回する方法を知らなかった。

    日本人は気難しい。

    そしてそれは、自分を写す鏡でもあった。

    僕は気を取り直して、遅い夕飯を食べに行くことにした。


    宿のカウンターのにいちゃんに

    「近くにおすすめの店ある?」と聞くと

    「斜め向かいに麺線の店がある」とだけ答えた。

    ゆるぎのない、自信のある答えだった。

    この兄ちゃんは、厳しい表情で笑顔を見せない人だったが、
    決して感じが悪いとか、態度が悪いとかを感じさせることがなかった。

    誠実さと不器用さとがにじみ出ているような人だった。

    ただ、笑顔が少ない人は生きていて苦労する。

    人と人とを結ぶ潤滑油が足りなくなり、摩擦は自分を少しずつ削り取る。

    もしかしたら、彼もそうなるのかも知れない。

    20代の自分を思い出した。

    僕は心の中で
    「ボーイズビーアンビシャス!!」とエールを送った。


    外に出た。

    僕は左右を見回す。

    笑顔のない彼は「斜め向かいの麺線の店」とだけ教えてくれた。

    右なのか、左なのか。

    台湾で道を尋ねると(おそらく外国で尋ねると、ということだが)こういう大雑把な答えしか返ってこない。

    僕も大雑把な答えなのに、それ以上尋ねることなく納得してしまう。

    取材不足。

    前職の時、いつもこれで困った。

    おっと、また話がそれた。


    左に見当をつけて歩いて行くと…

  • おお!!並んでる!!<br /><br />看板に「麺線」の文字が見える。<br /><br />ここに間違いないぞ。<br /><br />夜10時半なのに、すごい行列。<br /><br />地元の人が並ぶ店にはずれなし!!<br /><br />いいぞいいぞ!!<br /><br />しかも客層が老若男女。幅広い。<br /><br />こりゃ期待できそうだ。

    おお!!並んでる!!

    看板に「麺線」の文字が見える。

    ここに間違いないぞ。

    夜10時半なのに、すごい行列。

    地元の人が並ぶ店にはずれなし!!

    いいぞいいぞ!!

    しかも客層が老若男女。幅広い。

    こりゃ期待できそうだ。

  • 列が思ったより進まないので、隣のセブンで台湾ビールを買う。<br /><br />500mlにするかと思ったが<br />「痔なんだからあんまり酒飲むな」と医者に言われているので、小さい方にした。<br /><br />たしか、120円くらい。<br /><br /><br />列に戻ると、さらに3人増えていた。<br /><br /><br />並んでいる間、みなが何を食べているのか観察する。

    列が思ったより進まないので、隣のセブンで台湾ビールを買う。

    500mlにするかと思ったが
    「痔なんだからあんまり酒飲むな」と医者に言われているので、小さい方にした。

    たしか、120円くらい。


    列に戻ると、さらに3人増えていた。


    並んでいる間、みなが何を食べているのか観察する。

  • メニューは多くないようだ。屋台の看板のメニューが全て。<br /><br />看板には<br /><br />「大腸麺線・甜不辣」<br />「麻辣大腸麺」一律50元<br /><br />とある。<br /><br />「甜不辣」。<br /><br />直訳では「甘くて辛くない」という意味になる。<br /><br />となると、<br />「大腸麺線・甜不辣」=「甘くて辛くないモツ煮込み麺」。<br /><br />甘いモツ…<br /><br />ウエッってなるわ…<br /><br />台湾人は甘いモツに並ぶのか?<br /><br />甘いモツは、実は激ウマなのか?<br /><br />ムムム…

    メニューは多くないようだ。屋台の看板のメニューが全て。

    看板には

    「大腸麺線・甜不辣」
    「麻辣大腸麺」一律50元

    とある。

    「甜不辣」。

    直訳では「甘くて辛くない」という意味になる。

    となると、
    「大腸麺線・甜不辣」=「甘くて辛くないモツ煮込み麺」。

    甘いモツ…

    ウエッってなるわ…

    台湾人は甘いモツに並ぶのか?

    甘いモツは、実は激ウマなのか?

    ムムム…

  • 数少ないテーブルで食べている人の料理を眺めていると<br /><br />「おでん&amp;麺」の組み合わせばかりだ。<br /><br />「甘いモツ」はどれだ??<br /><br /><br />結局よくわからないので、前に並んでいる人に聞いてみる。<br /><br />夫婦とおばあさんの3人組。夫婦の年は僕と同じくらい。<br /><br /><br />台湾の人はみんな親切なので、質問することにためらうこともない。<br /><br />「すみません。ここではどんな風に頼むんですか?」<br /><br />すると、3人とも、好意的な表情で僕を迎えてくれる。<br /><br />旦那の方が<br />「麺と天ぷらをセットで頼むのがいいよ」という。<br /><br />妻の方も<br />「そう。見てごらんないよ。みんな、麺と天ぷらを頼んでるわ」<br /><br />天ぷら??<br /><br />どーゆーこっちゃ??<br /><br />誰も天ぷらなんて食べてないよ??<br /><br /><br />一度頭にクエスチョンが浮かんでしまうと、<br />今の僕のレベルでは<br />早口でまくしたてるネイティヴ中国についていくのは不可能だ。<br /><br />話し終わったところで改めて聞いてみる。<br /><br />「というと、ここのメニューは何々あるんですか?」<br /><br />一通り説明した後に、スタートに戻る質問をされても、<br />彼らは嫌な顔一つしない。<br /><br />「いやだから、『大腸麺線』と『天ぷら』だよ」<br /><br />「天ぷら??」<br /><br />「あなた日本人なのに、天ぷら知らないの?」<br /><br />???<br /><br />天ぷら??<br /><br />どこにも書いてないじゃん…<br /><br />つーか、誰も食べてなくね??<br /><br />…<br /><br />…<br /><br />あっ!!<br /><br />わかった!!<br /><br />甜不辣!!<br /><br />甜不辣(ティエンブーラー)<br /><br />甜(てん)不(ぷ)辣(ら)!!<br /><br />わかった。<br /><br />やっとわかったよ!!<br /><br />当て字なんだね!!<br /><br />あのおでんと思ってたの、天ぷらか!!<br /><br />僕は<br />「明白了(わかったよ)!!」を繰り返す。<br /><br />辛抱強く説明してくれた夫婦は、「ようやくわかってくれたか??」と明るい表情になる。<br /><br />そして彼らは、恐らく2回目となる説明を繰り返してくれた。<br /><br />要はメニューは<br />「大腸麺線」と「甜不辣(天ぷら)」の2種類ということらしい。<br /><br />で、どちらも50元≒200円。<br /><br />「大腸麺線」の辛さはお好み。<br /><br /><br />「それでお腹いっぱいなる?」と聞くと<br /><br />「バッチリだ」という。<br /><br />そこに奥さんが<br />「ここの唐辛子はものすごく辛いから、私は〝微辛〟にしているわ」と、<br />これまた常連らしいアドバイスをくれる。<br /><br />〝微辛〟<br /><br />初めて聞く表現だ。<br /><br />台湾中国語らしい、優しい響きだ。<br /><br />この短時間で、新単語2つも習得した。<br /><br />僕も<br />「辛いのは苦手なので、〝微辛〟のにしよう」とさっそく新単語を使ってみる。<br /><br />痔持ちなので、辛いのは避けたい。<br /><br />僕の番になって<br />旦那さんが「彼の分も頼んであげなよ」というと<br /><br />店の主人の近くにいた奥さんが<br />「彼も天ぷらと大腸麺線を微辛で一つずつ」と頼んでくれた。<br /><br />ありがとう。どうもご親切に。

    数少ないテーブルで食べている人の料理を眺めていると

    「おでん&麺」の組み合わせばかりだ。

    「甘いモツ」はどれだ??


    結局よくわからないので、前に並んでいる人に聞いてみる。

    夫婦とおばあさんの3人組。夫婦の年は僕と同じくらい。


    台湾の人はみんな親切なので、質問することにためらうこともない。

    「すみません。ここではどんな風に頼むんですか?」

    すると、3人とも、好意的な表情で僕を迎えてくれる。

    旦那の方が
    「麺と天ぷらをセットで頼むのがいいよ」という。

    妻の方も
    「そう。見てごらんないよ。みんな、麺と天ぷらを頼んでるわ」

    天ぷら??

    どーゆーこっちゃ??

    誰も天ぷらなんて食べてないよ??


    一度頭にクエスチョンが浮かんでしまうと、
    今の僕のレベルでは
    早口でまくしたてるネイティヴ中国についていくのは不可能だ。

    話し終わったところで改めて聞いてみる。

    「というと、ここのメニューは何々あるんですか?」

    一通り説明した後に、スタートに戻る質問をされても、
    彼らは嫌な顔一つしない。

    「いやだから、『大腸麺線』と『天ぷら』だよ」

    「天ぷら??」

    「あなた日本人なのに、天ぷら知らないの?」

    ???

    天ぷら??

    どこにも書いてないじゃん…

    つーか、誰も食べてなくね??

    …

    …

    あっ!!

    わかった!!

    甜不辣!!

    甜不辣(ティエンブーラー)

    甜(てん)不(ぷ)辣(ら)!!

    わかった。

    やっとわかったよ!!

    当て字なんだね!!

    あのおでんと思ってたの、天ぷらか!!

    僕は
    「明白了(わかったよ)!!」を繰り返す。

    辛抱強く説明してくれた夫婦は、「ようやくわかってくれたか??」と明るい表情になる。

    そして彼らは、恐らく2回目となる説明を繰り返してくれた。

    要はメニューは
    「大腸麺線」と「甜不辣(天ぷら)」の2種類ということらしい。

    で、どちらも50元≒200円。

    「大腸麺線」の辛さはお好み。


    「それでお腹いっぱいなる?」と聞くと

    「バッチリだ」という。

    そこに奥さんが
    「ここの唐辛子はものすごく辛いから、私は〝微辛〟にしているわ」と、
    これまた常連らしいアドバイスをくれる。

    〝微辛〟

    初めて聞く表現だ。

    台湾中国語らしい、優しい響きだ。

    この短時間で、新単語2つも習得した。

    僕も
    「辛いのは苦手なので、〝微辛〟のにしよう」とさっそく新単語を使ってみる。

    痔持ちなので、辛いのは避けたい。

    僕の番になって
    旦那さんが「彼の分も頼んであげなよ」というと

    店の主人の近くにいた奥さんが
    「彼も天ぷらと大腸麺線を微辛で一つずつ」と頼んでくれた。

    ありがとう。どうもご親切に。

  • 並んでいる間にビールを飲み干してしまい、<br />結局もう1本ビールを買い足して、宿に戻った。<br /><br />買う瞬間、僕の肛門がにらんでいる気がした。<br /><br /><br />誰もいないラウンジで食べる。<br /><br />右が「大腸麺線」。中に豚のモツも入っている。<br /><br />〝微辛〟で、唐辛子はほとんど入っていないはずなのに、激辛だった。<br /><br />僕はビールをごくごく飲んで辛さを洗い流した。<br /><br />難しい問題を胃に丸投げしたような気がした。<br /><br />そして胃はこの難問を肛門へと丸投げすることになるだろう。<br /><br />肛門がおののいている気がした。<br /><br /><br />左の「天ぷら」は、揚げ物に台湾風のソースがかかっていた。<br /><br />肝心の中身は忘れてしまった。<br /><br />イカの揚げ物とか揚げ豆腐とかだった気がする。<br /><br /><br />ただ、「甜不辣」は、日本料理で言うところの「天ぷら」ではなかった。<br /><br />「甜不辣」は「甜不辣」だった。<br /><br />どちらも「ザ・台湾庶民の味」という感がした。<br /><br />それでもとにかく、とてもうまかった。<br /><br />部屋に戻ると、相部屋の男性はすでにカーテンを閉めていた。<br /><br />僕もおとなしく眠ることにした。<br /><br />あしたはコンサートだし、寝るとするか。<br /><br />痔の薬のことはすっかり忘れたまま。

    並んでいる間にビールを飲み干してしまい、
    結局もう1本ビールを買い足して、宿に戻った。

    買う瞬間、僕の肛門がにらんでいる気がした。


    誰もいないラウンジで食べる。

    右が「大腸麺線」。中に豚のモツも入っている。

    〝微辛〟で、唐辛子はほとんど入っていないはずなのに、激辛だった。

    僕はビールをごくごく飲んで辛さを洗い流した。

    難しい問題を胃に丸投げしたような気がした。

    そして胃はこの難問を肛門へと丸投げすることになるだろう。

    肛門がおののいている気がした。


    左の「天ぷら」は、揚げ物に台湾風のソースがかかっていた。

    肝心の中身は忘れてしまった。

    イカの揚げ物とか揚げ豆腐とかだった気がする。


    ただ、「甜不辣」は、日本料理で言うところの「天ぷら」ではなかった。

    「甜不辣」は「甜不辣」だった。

    どちらも「ザ・台湾庶民の味」という感がした。

    それでもとにかく、とてもうまかった。

    部屋に戻ると、相部屋の男性はすでにカーテンを閉めていた。

    僕もおとなしく眠ることにした。

    あしたはコンサートだし、寝るとするか。

    痔の薬のことはすっかり忘れたまま。

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