はじめてのギリシャ旅行は　雪も嵐も乗り越えて･･･？　その4

2018/12/29 - 2019/01/07

真冬とはいえ行先はエーゲ海、きっと暖かいだろう～青空だろう～との希望的観測が甘かった、いや甘すぎた考えだったのを、この時点では予想できる筈もなく･･･。

12/29（土）　伊丹空港発→羽田・CDG経由アテネ深夜着
12/30（日）　アテネ博物館観光
12/31（月）　デルフォイ観光
01/01（火）　ロードス島にフライト移動、ロドス泊
01/02（水）　午前ロドス旧市街観光、午後アテネ帰着
01/03（木）　片道5時間の鉄道往復でメテオラ観光
01/04（金）　アテネ遺跡観光
01/05（土）　パリ移動、パリ泊
01/06（日）　夜便CDG発フライト
01/07（月）　午後　伊丹空港着

荒ぶるオリンポスの神々 vs ヘタレな大阪おばさんの　涙無しでは語れない旅行記です。

エリア メテオラ周辺(ギリシャ)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 4.0
• 交通: 3.5

• 同行者: 一人旅
• 旅行の手配内容: 個別手配

01月03日（木曜日）　6日目

今日はこの旅行中でも一番ハードな日、ギリシャ国鉄に乗り片道５時間・往復１０時間を掛けて　メテオラに日帰り遠足をするのです。
往復１０時間なら１泊すればいいやんか？と言われそうだし　私もそう思うのではありますが・・・。

メテオラへのアクセスは非常に悪くて　直通列車は１日１往復だけ、１泊するとメテオラに丸２日かかってしまい、アテネ観光の時間が足りなくなってしまうのです。

それならば、と、知人から　列車の発着に合わせてメテオラ観光を組んだ半日ツアーを教えてもらい、ツアー会社のＨＰから予約を入れました。

ギリシャ国鉄の切符も　前もってＨＰから購入、１ヶ月ほど前に購入すると　早期割引で少し安くなるようです。

列車№884　　アテネ・ラリッサ駅08：20発→カランバカ駅13：18着
列車№885　　カランバカ駅17：32発→アテネ・ラリッサ駅22：12着

鉄道利用はカランバカ駅まで、このカランバカがメテオラ観光の拠点になる麓の町です。

１等座席を取る予定だったけど、１等車両の座席は殆ど埋まっていて　３列座席の真ん中の席がちらほら残るのみ。それなら・・・と、２等先頭車両の窓際座席をGETしておいたのです。

朝７時４０分過ぎにアパートを出て、地下鉄で４駅目のアテネ中央駅＝ラリッサ駅には１０分弱で到着。
うーん、これが首都の中央駅？と思うほどの　田舎っぽい佇まい(^_^;)

駅員さんに出発ホームを聞いて移動すると、そこはスキー板を持ってスキーウェアで着ぶくれした中高生の群れで溢れていました。

この子達も同じ列車なの？と思いつつ、取り敢えず列車に乗車。
ギリシャ国鉄の座席はこんな感じ、３列向かい合わせで６人用コンパートメント式になっています。

前日　マフィンとジュースを購入しておいたので、この日のランチは車中食です。

アテネから２時間近く移動した頃、窓の外は横殴りの雪が舞う雪景色！？
え～南国ギリシャで？　陽光煌めくエーゲ海に捧ぐ（古っ）ギリシャで、雪！？
あーそれでさっきの中高生が　キャピキャピ（古古っ）とスキー板を持ってたんだわ～と、その時点では能天気だったのですが。

時間が経つにつれ　窓の外の雪は徐々に本格的に降り始め、列車は何回かしばらく停車するようになりました。
目的地のカランバカに着いたのは予定時刻よりも３０分遅い１３時４８分。

そしてそこは、雪国でした。

おいおいー、これってどうなるのよー！？

気を取り直して、駅前でツアー客をピックアップするメテオラ・ツアーの小型バスに乗車、欧米系・アジア系混合の合計１０名弱の半日ツアーです。

https://www.visitmeteora.travel/package/meteora-train-to-train-tour/#tourgallery

Meteora train2train tour、このツアーは
「修道院２箇所に入場、全ての修道院をナイスビューポイントから眺めます。但し修道院の入場料金（各３ユーロ）は各自負担」との内容で、ツアー料金は１人@３５ユーロです。

ちなみにメテオラには６つの修道院が在りますが、各修道院は曜日別に見学不可日を設定していて、見学する修道院の選定はツアー会社にお任せです。

全員をピックアップ後　途中カフェでのトイレ休憩を取り、カランバカからメテオラに向けてバスを山道に走らせるに従い、雪はどんどん深くなり視界も悪くなっていきます。

あ～もしかしてこれは少しまずいかも・・・の予想は当たり、１箇所めの修道院の手前でバスを停めた場所は、１０～２０cmほど一面に雪が積もる登り坂の階段でした。

ツアーガイドのおじさんは「ではここで１時間フリータイム、修道院はこの階段を登った先にある。皆さん気をつけて！」と　ツアー客をリリース。
１つめの修道院は　聖ニコラオス・アナパヴサ修道院です。
あのう、一応スニーカーを履いてきたけど、この雪が積もって所々アイスバーンやじゅくじゅくになってるこの階段を、本当の本当に崖のてっぺんまで登るんですかぁ！？((((@_@;)

しかしまぁ、崖っぷちの修道院を見るために往復１０時間掛けて来たんだから、ここを登らないと仕方ない。
覚悟を決めて、雪が積もって冷え冷えの手すりを掴みながら　へっぴり腰で階段を登ります。

・・・・・登れども登れども、終点が見えない。その間も何回か（何十回か）足を取られそうになり、そのたびに「ひゃっ！」「ぎぇぇ！」と独り言を言いつつ足が止まり、結局　アップダウンの途中の坂道でツルリと滑って転けました。
あ～～やっちゃった～(。>д<)

幸いな事に　雪が積もった場所で転んだので打ち身も痛みもなかったけど、この先も登る＝帰りは下り坂と下り階段なのね･･･と　だんだん気持ちが折れてくるヘタレな大阪おばさん。
雪を踏み分けながら必死に階段を上って　イコンが飾られた洞窟までは行ったんですが、上に有るはずの修道院は横殴りの雪のせいで微かに存在が見えるのみ。
最後の階段を見て「こりゃアカンわ」と思い、上ってきた道を引き返しました。
だってさ　雪の階段や坂道は　登りよりも下りの方が転びやすいんだもん。
めっちゃ残念だけど、もう一度また転んで今度は大怪我するかも知れないですしーーー。
ううう、我ながら超！ヘタレですーーー(ToT)

よたよたと　へっぴり腰で何とかツアーバスに戻り、ガイド氏に頭と背中の雪を払ってもらい　暖かいバスの中で他のメンバーが戻ってくるのを待っている私。

　

　

　

集合時間よりかなり遅れて全員がバスに戻り、次の修道院に向かいます。

　

一番大きなメガロ・メテオロン修道院は木曜日はお休みで入場できず、次に向かったのは聖ステファノス修道院、ガイドのおじさん曰く
「次の修道院はバリアフリーだ、階段は無いぞ！」　
ツアーメンバー全員「ひゃっほー！」　

・・・・しかし、大雪のせいで　本当ならOPENしている筈の修道院の門には「本日はお休み」と書かれていたのでありました。

全員、無言。

修道院に入れないのなら、と　バスはメテオラの絶景が見られるポイントに向かいますが、現在の視界は前方５m。
木々の先の崖の上に浮かんでいる筈の修道院は、雪に霞んで何がなにやら。
切り立った巖の上に建てられたギリシャ正教会の　エキゾチックな絶景を見にきた筈が、そこはまるで白と黒の水墨画の世界。

　

降りしきる雪に霞む木々の佇まいは、長谷川等伯の名作「松林図屏風」を思い起こさせます。

　

降りしきる雪に霞む木々の佇まいは、長谷川等伯の名作「松林図屏風」を思い起こさせます。

ガイドのおじさんは　どんより暗いバスの車内で自分のスマホに撮り溜めたメテオラの四季の絶景画像を見せて　何とか盛り上げようとするものの、どんなに美しいメテオラの朝日や夕焼け画像を見ても　往路５時間半・復路も（多分）5時間半の移動に疲れ果てたツアーメンバーの心をハッピーにすることは到底不可能でした。

「この雪なら仕方ないよなぁ、俺は真夏のオーストラリアから来たんだよ」とか、「まさか雪とはねぇ---」と苦笑いのカリフォルニア在住カップルとか、僕はカナダから来たんだ、等々　ツアー客の間で世間話も始まりました。
後日わかった事ですが、バルカン半島を襲った50年ぶりだか100年ぶりだかの大寒波の余波がギリシャ北部にも影響し、ギリシャ人もびっくりの大雪にちょうど遭遇したようです。

それじゃあ少し早めだけど、山を降りて解散場所のカランバカ駅に向けて走るツアーバスは何故か速度を徐々に減速し、ついには何もない道の真ん中で停車です。

何なに何？と思っていたら、タイヤがパンクしかのか　それとも雪でタイヤが動かなくなったのか、運転手さんとガイドさんは慌ててバスの車両点検。

そうこうする間にも列車の出発時間まで余裕が無くなってきて、ツアー客の脳裏には

「おいおい待てよ、列車に間に合わないと俺ら　カランバカで１泊になるのかよ！？」
「１泊するにしても、ホテルに空き部屋あるの？　宿泊料金は誰が負担するんだー」
「そりゃ当然、ツアー会社の手配・負担でしょー、アタシはびた一文払わないわよっ」等の　どす黒い（笑）思考が漂い始め・・・。

しかしそれはツアー開催側の２人も同じだったらしく、おっちゃんガイドとお爺ちゃん運転手のコンビは必死にミニバスのタイヤ交換を仕上げ、その後は猛スピードで駅に向かったのであります。

ツアーバスは　溶けかけた雪でぐちゃぐちゃのカランバカ駅前に到着、ここでツアーは解散です。
解散前にガイド氏は駅近カフェテリアの場所を教えてくれたけど、このぐちゃぐちゃな道を歩いてカフェ迄行く意欲も無く。

朝に乗った列車は　アテネに向けて折り返して出発、食堂車でサンドイッチとコーヒーを買って　それが今夜の夕食になります。

復路も約３０分遅れとなり、アテネ到着時刻は２２時５０分。
疲れた心身に鞭打って地下鉄でアパートに戻り、この日の就寝は深夜１時前となりました。