2018/08/15 - 2018/08/16
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jokaさん
人一倍人混み嫌いのわたし。どこもかしこもギューギューのイメージがあるお盆休みは、これまで特に旅行や山行の予定を立てることなく過ごしてきました。そもそもお盆とはいえ、仕事柄(二)連休が一回あるだけだし。
しかし、今年の並びだと二日有給を取れば五連休になること、いくらこの時期でも北アルプスに比べれば多少はマシだろうことから、昨年来ずっと温めてきた南アルプス南部縦走を決行することにしました。
往復の毎日アルペン号の予約を入れ、パッキンを済ませて意気揚々と出発の日を待ちますが、どうも天気がはっきりしない。
前日まで粘って泣く泣くキャンセル。
有給も取り消していつもの連休が残りました。
そんな時に見かけたのが甲武信小屋のホームページにあった近年お盆休みは空いているとの記述。半信半疑で電話してみると「今のところ空いていますよ」と。
ずっと気になりながら、日帰り&公共交通機関利用だと正味の活動時間が6時間程度と慌ただしくなりそうで敬遠していた甲武信岳。これはいい機会だと思い小屋泊の予約を入れました。天気がイマイチっぽいのと、この時点では天気が回復次第翌週にでも南アルプスに出かけるつもりなのでテント泊用のパッキンを崩したくなかったためです。
これまでテント泊予定を強風や大雨で小屋泊に切り替えたことは数回ありますが、最初から小屋泊を計画するのは初の試み。
結果ぎゅうぎゅう詰めで小屋泊アレルギーにならなければいいのですが……
- 同行者
- 一人旅
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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電車を乗り継いで8時過ぎに塩山駅到着。
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30分待って乗車。
発車時刻には30人ほどの列ができていました。
通常の週末でもこれ以上になることも珍しくないので、お盆ということを考えればやはり空いていると言えるのでしょうが、ちょっぴり山小屋の混雑具合が気になります。 -
約1時間バスに乗り、終点西沢渓谷すぐ手前の道の駅みとみで降車しました。
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大きなクワガタを売っていました。
子どもの頃大好きだったコオロギやカミキリムシは、最近ではゴ〇ブリとの違いがよくわからない気がして気軽に触れなくなってしまいましたが、クワガタやカブトムシならまだ大丈夫。 -
食堂が開いていればトンカツかうどんでも食べようかと思っていましたが、残念ながらまだでした。
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仕方がないのでフランクフルトで妥協。
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勢いでおやつまで…
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9時53分、道の駅すぐ目の前の入口から出発です。
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お盆ど真ん中にしては釣り堀の賑わいも今一つのような。
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私有地を通り抜けさせていただいているようです。
ふだんも気づいていないだけで、こういったケースが多々あるのでしょう。
ありがとうございます。 -
歩き始めから5分ほどで雁坂峠登山口。
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甲武信岳まで最短ルートをとるならバスで終点の西沢渓谷まで行き、徳ちゃん新道か近丸新道を使えばコースタイムで5時間ほどですが、せっかく泊りで来ているので雁坂峠を経由するコースタイム9時間ほどのルートを歩く予定にしています。
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緑濃い爽やかなスタートです。
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が、すぐに舗装路に。
最初の30分はひたすらこんな道。 -
雁坂トンネルが見えます。
雁坂トンネルは全長6625m。一般国道の山岳トンネルとしては日本最長です。
構想から50年近くの年月を経て開通しました。
このトンネルができるまでは雁坂峠を通る登山道が国道と指定されており、山小屋(雁坂小屋)のトイレ内を登山道が通っているため、そのトイレが『便所国道』と呼ばれていたのは山好きには有名な話。
つい20年ほど前の話です。 -
登山口から30分ちょい歩いたここから本格的な登山道が始まります。
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いかにも秩父、奥多摩らしい雰囲気です。
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この雁坂峠経由ルートの特徴として渡渉(沢の横断)が多いことが挙げられます。
特に写メのような斜面上での渡渉は珍しく、本日ぐらいの流れなら問題ありませんが、大雨直後などで水量が増しているときにはそれなりの注意が必要です。 -
ここは普通の渡渉。
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が、曇り時々雨の予報にもかかわらず、なぜか防水性能のないローカットのトレランシューズを履いてきてしまったため、けっこう気を遣いながら渡ることになりました……
わたしはトレランはやりませんが、軽くて楽なので、テント泊あるいはアイゼンを付ける可能性があるとき以外はほぼトレランシューズを使用しています。 -
こんなところを何か所か渡ると、いくら気を付けてもなんだかんだで靴の中は濡れてきます。
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“紅葉よりも(新)緑派”のわたしとしてはこういう道は大歓迎です。
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看板にも年季が入ってます。
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また沢渡り。
危険はありませんが、これ以上靴の中を濡らしたくない… -
高度を上げるにつれてガスってきました。
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どんどん濃くなります。
このあたりから霧雨が降ったり止んだりの繰り返し。 -
12時17分、雁坂峠に着きました。
道の駅から2時間半ほどです。 -
雁坂峠(2082m)は、針ノ木峠(2541m)、三伏峠(2580m)と並ぶ日本三大峠の一つに数えられており、武田信玄により整備された軍事路“甲斐の9筋”としても有名です。
他の二つに比べてかなり標高が低いのにも関わらず三大峠と呼ばれるのは、それだけ昔から交通の要衝として栄えてきたからではないかと勝手に想像してみたり。
針ノ木峠(北アルプス)、三伏峠(南アルプス)とも、以前から狙っている縦走路上に位置しており、近いうちに歩ければいいなと思っています。 -
東に10分ほど下れば雁坂小屋。
笠取山方面に進めば、雲取山を経て20時間もかからずに奥多摩駅まで到着します。
瑞牆山から奥多摩駅まで至るこの縦走路はいつかつなげてみたいですね。
5分ほど休んで甲武信岳方面へ。 -
ガスガスの中登っていくと…
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徐々に荒れ気味の風景。
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右も左も倒木だらけ。先日の台風の影響でしょう。
登山道上は多少人の手が入っているようですが、それでもかなりの数の障害物が転がっています。 -
雁坂峠から30分ほどで雁坂嶺(2289m)。
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立ち止まることなく通過。
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景色はさらにワイルドに。
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登山道を塞ぐ倒木もどんどん増えていきます。
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ちょっぴり岩々しい場所もあったり。
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13時33分、東破風山(2260m)通過。
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東破風山山頂から少し進むと大きな岩が連なる場所に出て、急に視界が開けました。
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でも見渡す限り真っ白です…
このルートは4時間以上稜線上を進むため、晴れていれば左手にずっと富士山を眺めながら歩ける絶景コースのはずなのですが…… -
たまにこういう変化があると楽しい。
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13時54分、西破風山(2318m)。
先ほど通過した東破風山と同じ山で、標高の高いこちらに三角点があるため単に破風山と呼ばれることもあります。 -
ここから一気の下り。
標高差で言えば200mちょいのはずですが、ガスのせいもあってか数字以上に長く感じました。 -
14時20分、笹平避難小屋に到着。
そのまま通り過ぎるつもりが、急に雨脚が強まったためいったん小屋に逃げ込みました。 -
小屋内には先客一名。
話を聞くと昨日雁坂小屋でテント泊デビューを果たしたばかりで、今日は甲武信小屋まで行くつもりがスピードが上がらずここに泊まるか思案中とのこと。
雁坂小屋を何時に出たのかわかりませんが、この時間にこの場所というのはたしかにあまりにも遅すぎる。普通なら甲武信小屋まで2時間もかからない距離だけど、この方の場合だと本人が言うように到着が18時過ぎになる可能性が高い。
小屋は広くて清潔だし、水と食料は十分持っているとのことなので、15分ほどおしゃべりして雨が小止みになったのを見計らって出発しました。 -
笹平避難小屋から甲武信岳までは400m近くの登り返し。
ひたすら登る! -
晴天時ならさぞや絶景であろう開けてザレた岩場を通過。
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眺望が見込めないため巻道を選択。
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いつの間にか周りの景色も穏やかになっています。
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ここまで来ると倒木も影を潜め、「小屋近し」を実感。
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テント場が見えてきました。
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15時26分、甲武信小屋到着です。
ずっとガスっていたこともあり、稜線歩きがとにかく長く感じました。 -
まずは受付。
本日雁坂峠経由の泊り客はわたしだけのようで、登山道の様子などを聞かれました。笹平避難小屋の方のことを伝えると、「テント泊装備を持っているなら避難小屋泊りの方がいいでしょう」と。
布団の場所を聞くついでに宿泊者の人数を確認。
全部で10名弱のようです。
空いててよかった~♪ -
ワイルドな売店。
基本すべて常温ですが、アルコール・ジュース類の一部は水を張ったごみ用の大きなポリバケツに入れてあり、かすかに冷やされている状態でした。
購入・支払いは完全セルフ。
潔しっ!! -
手ぬぐいも男らしい。
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水場の支払いもセルフ。お釣りがある場合も自分で料金箱から取り出します。
“山に悪人無し”のスタイルが貫かれているのか、ただ単にコスパの問題なのか… -
雨は強くなったり弱くなったりで、常に霧雨は降っている状態ですが、明日好転するか不明なため、雨脚が弱まったタイミングで山頂に行くことにしました。
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10分ほどで甲武信岳山頂(2475m)到着。
もちろん展望は無し… -
天気がよければ埼玉県最高峰の三宝山まで足を延ばすつもりでしたが…
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そそくさと下りてきました。
テント場もガラガラです。 -
ふだん小屋泊まりする機会があまりないので、小屋内を見学してみることに。
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まずは玄関入って右奥にある乾燥室兼談話スペース。
ちなみに玄関入ってすぐ右側には先ほどの受付兼談話スペースが、左側にはセルフ売店スペースがあります。 -
玄関入って右に折れると厨房です。
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厨房の先には食堂。宿泊客の数によってテーブル数を変えているのだと思われます。
今日はゆったり配置。 -
食堂の先にはテント場と兼用のトイレ。
とてもきれいです。
小屋のほかのスペースが比較的年季が入っているのに対してここだけ段違いに新しい。最近改築したのかもしれません。 -
宿泊スペースは2階。
手前がわたしの寝場所。けっきょくこちらの列は奥のソロの男性と二人だけでの使用でした。
これだけ広々なら小屋泊もありですね。 -
奥にも同じくらいの広さの寝室がありましたが、今日は閉鎖中。
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なんか干されていました。
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少し早いですが、16時半に夕食の準備開始。
どうやら今日自炊するのは私一人のようです。
この自炊場兼靴置き場は玄関入って左奥、乾燥室兼談話スペースの隣にあります。 -
自炊と言っても出前一丁(燻製ウズラの玉子、乾燥野菜入り)と焼鳥の缶詰ですが…
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長期の縦走に備えて、乾燥野菜の試験運用中。
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セルフ売店でビールを購入。
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ちょうど持ち合わせがあればいいのですが、お釣りが必要な場合ちょっぴり緊張します。
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焼鳥をつまんでいる間に主食完成。
乾燥野菜とウズラを投入するだけで贅沢気分♪
我ながら安上がりな性格です。 -
食後は食堂へ移動。
BS『にっぽん百名山』の甲武信岳特集やオリジナルビデオを観ながら晩酌です。 -
小屋番さん曰く「明日の朝はご来光が見られそうです」と。
天気運はあまりいい方ではないので、期待半分で聞いておきます。 -
途中でブレーカーが落ちてしまいましが、しばらく待つと復旧しました。
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18時20分過ぎに寝室へ。
向かい側の列は四人パーティー。それでも広々。 -
こちらはソロ二人なので超広々。
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枕も使い放題。
しばらく横になって本を読んでいましたが、窓に向かって床が微妙に傾斜しているため落ち着かず。 -
枕の向きを変えたら解決しました。
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外の屋根付きテラスではまだ酒盛りの真っ最中のようですが、19時前には就寝。
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翌朝は4時前に起床。
わたし以外の宿泊客はまだ夢の中。
窓の外をのぞくも見えるのはテラスで出発準備をする登山者1名のみ。星はどこにも見えません。
う~ん、日の出は無理かな。 -
洗面所でコンタクトを装着。
不器用で鏡が無いと着けられないので、テント泊の時にはいつもそれが悩みの種。
わたしにとって小屋泊最大の利点かも。 -
パンとココアで簡単に朝食を済ませます。
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二階に戻るとまだみんなおやすみ中。
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お世話になりました。
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4時55分、ほぼ日の出時刻ですが空はどんより曇り空。
またの機会に期待しましょう。 -
テラスでは4時過ぎに二階の窓から見かけた登山者が食事中。
話しかけてみると、テント泊で早朝出発の準備をしていたわけではなく、4時前に着いた直後だったとのこと。
昨夕瑞牆山荘を出発。雨の中大弛峠方面から夜通し歩いてきて、このままほぼ不眠不休で奥多摩駅を目指すのだとか。
天気が良くないのでどこかで下りちゃうかもしれませんとは言っていましたが、それにしても十分すごい!
お疲れのところ申し訳ないと思いつつもう少しだけ話を伺うと、今年のトランスジャパンアルプスレース(北・中央・南アルプスのすべてを通り、富山県の海岸から静岡県の海岸までを制限時間八日間で縦断する日本の山岳レースのある意味最高峰)参加選手と組んでアドベンチャーレースに出場している方でした。
そういえば今まさにトランスジャパンの開催期間中。応援の意味もあるのかな。
見た目はおとなしくどこにでもいそうな好青年。
いや~、世の中にはとんでもない人がごろごろしているものですね。 -
天気が回復していれば瑞牆山荘へ抜けるのもありかなと思っていたのですが、さすがにこの天候で長時間歩くのは気が進まない。
バスの時間を考えると出発には早すぎるけれど、天気が崩れる前に降りたいので5時25分下山開始。
待ち時間が有り余るのも退屈なので気持ちゆっくりめに。 -
せっかくなので木賊山経由で。
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昨晩の天気予報は大外れ。今日もガスガスです。
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木賊山山頂(2469m)を華麗にスルー♪
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天気は良くないとはいえ、この森深い雰囲気にはけっこうマッチしているんじゃないかと思います。
屋久島の白谷雲水峡が、晴天時より霧雨に煙っている時の方がしっくりくるのと同じように。 -
西沢渓谷入口方面へ。
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開けた場所に出るとやはり太陽が恋しくなる。
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昨日の雁坂峠からの稜線に比べればかわいいもんですが、こちらの道もそれなりに荒れています。
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道が雨で削られてえぐれてる。
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小屋泊予約の電話を受けてくれたのが小屋主の“徳ちゃん”だったのですが、その際、「西沢渓谷側から登るのなら『徳ちゃん新道』がおすすめです」とのアドバイスをいただきました。
自ら開拓した登山道への愛着込みなのかもしれませんが、実際その他の情報源から調べてみても、近丸新道の方が若干荒れているようなのでおとなしくアドバイスに従うことにします。 -
蜘蛛の巣銀座。
獲物が特別に多い場所なんでしょうか。
写メではわからないけど、糸が雨露をちりばめてとてもきれいでした。 -
道中一番てこずった激下り。
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見上げるとこんな感じ。
登りで使うのもしんどそうだな。 -
7時49分、徳ちゃん新道入口。
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西沢渓谷を訪れるのも五年ぶり。
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雨も強くなってきたし、このまま進んでも1時間以上バス待ちになりそうなので、往路と復路の合流点前の東屋で一休み。
レインウェアを着て出発する家族連れを見送ります。 -
霧雨が多かったとはいえ、かなりの時間雨に降られ続けたこの二日間。
けっきょく一度もレインウェアを着用せず。靴もかなりの濡れ具合。
だって面倒なんだもの…… -
大事なのは気合です。
20分ほど雨宿りしてから東屋をあとにしました。 -
あれだけ時間調整をしながら歩いたにもかかわらず、8時20分過ぎには西沢渓谷入口のバス停に着いてしまいました。
と、ここで衝撃の事実が発覚。
乗車予定の塩山駅行9時35分発のバスが昨日までで終わってる…
次のバスは山梨市駅行10時12分。プラス40分か…… -
とりあえず徒歩数分の道の駅みとみに移動してから考えよう。
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道の駅に着くもまだ早すぎて観光案内所も食堂も開いていない。
じっとしていると半袖Tシャツとハーフパンツで全身濡れた状態ではなかなかの寒さでさすがにこのままでは風邪をひきそう。
仕方ないので多少の出費は覚悟でタクシー呼ぼうとするけど、こんな時に限ってスマホ(電波?)の調子が悪くてネット接続できず。
そんなこんなのうちに観光案内所が開き、食堂ももうすぐ(9時半)開店ですよと。
時刻はすでに9時15分。
食事してたら10時12分発のバスでドンピシャだよな…… -
開店と同時に食堂に入りました。
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肉うどんと鳥もつ煮。
体が冷え切っていたため、さすがのわたしもビールは頼みませんでした。 -
食堂入口スペースで山梨市出身の冒険家、風間深志さんにまつわる展示を行っていました。
10代の頃、パリダカ参戦やオートバイによる北極点、南極点到達のニュースを聞いていた記憶があります。
冒険家っていう肩書を最近聞かなくなったような気がして、いろいろな意味で世界が狭く、息苦しくなってることと関係があるのかな、なんてことをふと考えてしまいました。 -
10時前に西沢渓谷入口のバス停まで戻って無事乗車。
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バスに揺られること約1時間で山梨市駅。
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電車を乗り継いで地元の駅へ。
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美味しいお蕎麦で締めくくりました。
テント泊からの緊急避難ではなく、端から予約しての小屋泊は初めてでしたが、空いていたこともあって大変快適に過ごせました。それもあってか悪天候の中でも楽しく歩けたことも収穫です。
時期と場所によっては、もっと柔軟に(テント泊縦走中でも)小屋利用を考えるのもありなのかなと思います。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
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