2018/09/17 - 2018/09/24
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Weiwojingさん
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今年は生誕110年を迎えた画家田中一村(1908~1977)の展覧会の開催や本の発行が相次いだが、これまで彼の作品には強い関心を持ってたので、ぜひともこれらの2つの展覧会を訪れたいと思っていた。
「田中一村展」が開催されている佐川美術館へは京都へ行った帰りに寄ってみることにした。京都からJR琵琶湖線で30分ほどの守山駅で下車し、シャトルバスで美術館へ向かった。到着すると、かなりの賑わいで、こんなにも田中一村がもてはやされているのかと驚かされた。かなりの作品が展示されていて、彼の美術活動の全貌を辿ることが出来たと言ってもよいだろう。
岡田美術館へは1週間後に出かけた。「田中一村の絵画ー奄美を愛した孤高の画家ー」展である。箱根なのでいつでも行くことが出来ると思っていたら最終日しかもう行く時間がなくなり、慌てて出かけた次第である。
- 旅行の満足度
- 4.5
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先ずは滋賀県守山市の佐川美術館へ出かけた。ここで「田中一村展」が開催されていて、京都へ行った帰路何とか訪れることが出来た。
佐川美術館は大きな池が前面にあり、池をぐるっと巡るような感じで入口まで歩いて行く。なかなか素晴らしい演出効果を感じる。 -
展覧会のポスターは一村の「初夏の海に赤翡翠」(1962年頃、昭和37年頃)を利用したもので、これは今回の展覧会での大きな目玉になっている。
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展覧会の英語で書かれたチラシもあった。外国人の姿もちらほら見られた。
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今回の展覧会は一村の制作活動を追う形で、時代ごとに彼の画業が紹介されていた。
第一章 青少年時代、若き南画家
第二章 千葉時代、新しい画風の模索 -
第三章 一村誕生
第四章 奄美時代、旅立ちと新たなる始まり -
今回の展覧会で気に入った奄美大島で制作された彼の作品をいくつか紹介したい。
「エビと熱帯魚」は、画面を埋め尽くすようにぎっしり細部まで緻密に描きこまれている。 -
「忍冬(にんどう)に尾長」(部分)(1956年、昭和31)
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「不喰芋(くわずいも)と蘇鐵」
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「大赤啄木鳥と瑠璃懸巣」(部分)
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神奈川県箱根にある岡田美術館で開催された「田中一村絵画」展も見に出かけた。こちらでは彼の作品は佐川美術館展ほどたくさんは展示されていなかったので、少々興味が半減したが、それでも見たい作品が数点あったので、これで良しとしたい。
この展覧会では、美術館が収蔵する田中一村の作品5点を今回初公開された。それとともに、写生に基づき濃厚な花鳥画を描いたことで、時代を超えて彼と通じ合う伊藤若冲と東京美術学校の同級生であった東山魁夷の作品も併せて紹介されていた。 -
箱根登山鉄道で小湧谷駅に着き、バスで箱根美術館入口まで来た。この美術館は初めての見学であったが、入場料が2800円もするには驚いた。しかし、1週間前に出かけた佐川美術館のチケットの半券を提示すると、250円引きになった。
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「アダンの海辺」(1969年、昭和44)
今回の展覧会で最も興味を覚えた作品である。彼の最晩年の作品ともいえるもので、海辺に立つアダンの木とその実の力強さを感じた。 -
「熱帯魚3種」(1973年、昭和48)
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見学を終えて外に出た。この美術館はなかなかユニークで、温泉地らしく足湯の施設があったり、屋外レストランや広大な日本庭園もあったりして、半日くらい十分楽しむことが出来る。
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足湯をしながら、ガラス越しに日本画家福井江太郎による巨大壁画「風・刻(かぜ・とき)」を見ることが出来る。
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絵画展を鑑賞後に足湯カフェで足湯に浸かる人が多く、その美術館らしくない設備に小生も一時間ほどのんびりしたことは言うまでもない。コーヒ―などの飲み物を飲みながら足湯に浸かった。
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しばらく足湯に浸かった後、付属の日本庭園を散策した。園内には様々な植物が茂り、いくつかの秋の草花がすでに咲いていた。
この花は「ハギ(萩)」で、秋の風情を感じさせる花である。 -
「ツワブキ」をご存知ですか。漢字で書くと、「石蕗、艶蕗」と書くのだそうで、初めて知った。
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この公園はまるで深い原生林のようにあちこちで木々や草が生い茂り、昔の箱根を思わせるような姿をしている。
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「開化亭」という飲食設備もあり、休憩や食事をすることが出来る。
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苔むした石灯籠が置かれている。約15,000ヘクタールに及ぶ庭園には滝や池等もあり、水景と一体となった風景を楽しむことが出来た。
1時間程散策し、帰途についた。ちょうど美術館側にバス停があり、箱根湯本駅へ行くバスが通っている。これに乗って宮ノ下前まで出た。 -
宮ノ下富士屋ホテル前でバスを降り、このホテルで食事をしたい思っていたが、あいにく大掛かりな工事中で中に入ることが出来なかった。やもう得ず近くで食事をし、宮ノ下駅に出た。
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少し待っていると、箱根湯本駅行の電車が来た。これに乗り、さらに小田原駅まで行き、最後に小田急線で帰宅した。
2つの田中一村展を見て、今さらながらに彼の素晴らしい作品の数々に感動した。小生には彼の晩年の奄美大島時代に描かれた作品が好きである。1977年(昭和52)に亡くなった後、彼はあまり知られることがなかったが、1984年(昭和59)NHK教育テレビ「日曜美術館」で紹介されたのをきっかけに人気と評価が高まった。
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