2018/01/15 - 2018/01/20
618位(同エリア1043件中)
ちゃおさん
穏やかで平和で全く人の気配のない田園地帯を1時間ほど走り抜け、次の訪問先コッツウォルズのボートン・オン・ザ・ウオーターにやってきた。ここも午前中訪問したストラッドフォード・アポン・エイボン同様に長々しい名前だが、伝統を重んじる英国人に取ってみれば、長々しい名前こそ歴史と風格を保っていると思っているかも知れない。現代日本人はその逆で、長い名称は前後を縮めて短くする傾向があり、例えばスマホがスマートフォン、秋葉原など短くする必要もないと思うのだがアキバ、選挙管理委員会のような長ったらしい名称も選管で済む。日本語は便利なものだが、英語ではこうした表現は難しいかも知れない。USAとかJALのようなアブリビエイションであれば誰でも分かるが、SUAとかBOWと言われても多分英国本国でも通用しないだろう。
ツアーバスの中で長閑な田園を眺めながら、そんな益体もないことを思っていたが、そのBOW,おっと間違い、ボートンオンザウオーターにやってきた。小さな集落で、バスを駐車場に止めてから、ブリック、石レンガを積み重ねた狭い路地を歩いて集落の中心部に出て、その前を小さな小川が静かに流れている。地面から水面まで30-40cm程しかなく、勿論そこには洪水をせき止める盛り土とか堰堤はない。元々平地を流れている小川だから、洪水などは起きないのだろう。日本やアジアモンスーン地帯と違って、台風のような暴風雨も発生はしないんだろう。大体、地球の自転からして西側に海洋の広がる陸地には、暴風雨などは襲ってこないのだろう。太平洋がタイフーン、メキシコ湾がハリケーン、インド洋がサイクロンという強烈な暴風雨が発生するが、イギリス、フランス、ポルトガル近辺の大西洋上で発生する異常気象など聞いたことはない。
そうした温厚な気候条件に守られて、この地方は何百年、何千年に渡ってこうした穏やかな風土が守られて来たに違いない。腰をかがめて手を小川に入れる。冬なのに冷たくはない。長野の高原地帯を流れる小川と違って、雪解け水や氷混じりの流れとは違う。水温も又マイルドだ。餌を求めてか、カモメがやってくる。大きなカモメだ。身体は真っ白な羽毛に覆われ、見た目には平和のシンボルにも見えるが、目は獰猛だ。目付きにスキがない。村の人がパン屑を持ってきて放り投げると、何羽かがすかさず飛びつく。それを見て更に多くのカモメが集まってくる。毎日誰か彼かがこうしてパン屑を持ってやってくる筈で、それ程空腹とは思えないのだが、カモメの習性としては、過当競争、パン食い競争が習わしとなっているのだろう。皆がそうするように自分もこの小川をバックに1枚2枚写真を撮ってもらう。穏やかな景色を眺め、自分の心も多少は純なものになったかと期待して。
- 旅行の満足度
- 5.0
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